仮面と海月と白鷺と   作:光の甘酒

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夢に続くプロムナードを読んで書きたくなった次第です。

ゆっくりと書いていきますのでよかったら読んでいただけると嬉しいです。


-序章-
-序章①-出会いの章


-プロローグ①-

 

 

中学時代、俺はわりかし日の当たるところにいた部類だったと思う。

所謂リア充系のグループに属していてワイワイ楽しくやっていた。

・・・だがそれも卒業間近になって崩れた。

 

 

「もういっぺん言ってみろ!!!」

「ああ!何度でも言ってやる!!!」

 

 

グループのうちの二人が対立し、その影響はグループ全体にまで伝染してしまった。最後はグループ全員を巻き込んで殴り合いの大ゲンカにまで発展してしまい、俺を含むグループにいた奴らが全員、停学を食らうという形で幕を閉じた。

 

結局のところ俺はそれが原因で地元にいづらくなり、高校進学を機に知り合いのいないここに来たというわけだ。

花咲川女学園。新たな試みとして今年から共学化した学校で、俺はそこの男子第一号の一員として入学したというわけだ。

 

 

「えっと俗(ならわし)くんだっけ?はじめまして、仲よくしてくれよな」

「うん、よろしくね~」

 

 

1期生ということで男子の人数は少なく、入学式の前にとりあえず友達になっておこう、グループを作っておこうという奴らからたくさん声をかけられた。正直中学時代のことがトラウマでグループを作る気なんかになれないし、ボッチでいいのだが・・・・

とはいえ、共学1年目ということで男子はこのクラスにしかいないため、3年間こいつらと同じクラスになるのはほぼ確定だ。

円滑に生活をするために全くボッチというわけにもいかない。

そう考えた俺は深すぎず浅すぎずの距離感を作り出し、まさに「仮面を被っている」というにふさわしい、誰にも分け隔てなく接する、”理想のクラスメイトである俗 芽音(ならわし さきなり)”を作り上げたのだ。

 

 

「では皆さん、自己紹介をお願いします!」

 

 

そして入学式の後の自己紹介。当たり障りのないモノで終えた俺は他の奴らが自己紹介するのをダラダラと聞いていた。

別にクラスの奴らなんて興味ねーし。心底どうでもいい。だが最低限名前くらいは憶えておかないとな。

ぶっちゃけ高校なんて高校卒業の資格を得るために我慢して通うようなもんだ。はやく終わってくんねーかなあ・・・・・

 

 

「では次、白鷺さん・・・はお休みでしたね」

 

 

先生が名前を呼びつつそんなことをいう。入学式を休み?

これは高確率でボッチ化するアレじゃね?俺みたいに上手くやるならいいけど、休むのさすがにキツくね?

そう考える俺であったが、白鷺とやらの名前が出た途端何やらクラスがザワザワしている。

まあどうでもいいや。はよ終われはよ。

 

 

「あのあの、松原・・・花音です。その、好きなものはクラゲです!!!えっとその・・・・ふえええええ~・・・・」

 

 

自己紹介は順調に進んだところでコレ。

あららこのクラゲ大好きちゃん、ガチガチに緊張して可哀そうに。

まあ可愛い子だしこういうのに弱い野郎もいるからいいじゃね?とか思った。

実際下心丸出しの目で見てる奴らもいるし。

 

さて、自分語りが長くなってしまったが、こんな感じで俺の高校生活は始まった。別にワクワクもキラキラもドキドキもないけど、一応3年間通うところだ。

それなりに気合はいれていくかな。

 

 

このころの俺はまだ知らない。

どうでもいいと思っていた高校生活でかけがえのない友達ができて、そいつらのためならなんだってやれる。そう思うまでになるなんてね。

 




すぐに続きを投稿します。
引き続きよろしくお願いいたします!

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