仮面と海月と白鷺と   作:光の甘酒

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その2です!




-序章②-クラゲ大好き美少女と出会ったわけだが

「ふええ~ふえええ~・・・」

 

 

入学して数日後、俺は配布される教科書を設置場所まで取りに向かったわけだけど。

その途中、奇声が聞こえてきて窓からその方向を見下ろすと、教科書を山積みにしながら歩き、明らかに教室とは違う方向へ向かう何かが見えた。

 

 

「なにやってんのアイツ。あれじゃ前が見えんだろうに」

 

 

よくみると同じクラスのクラゲ大好きちゃんじゃないか。松原さんといったか?

 

 

「・・・・みてしまったものは仕方ないよなあ」

 

 

ということで俺は階段へ向かう。

 

 

「なーにしてんの~?」

「ふえ!?あのあのあの!?」

 

 

どうやら手にもつ積み上げられた教科書で前が見えていない様子。

それゆえ、俺の声は届いているが俺を視認していない、といった具合だ。

 

 

「そっち教室じゃないけど用事あるのかな?」

「え?え?え?」

「あ、ごめん!見えてないよね。同じクラスの俗、松原さんだよね?」

 

 

顔は見えないが困惑しているのがわかるなあ・・・・

自己紹介を見るにテンパりやすいようだしちょっと突然声をかけすぎたか?

・・・なんで俺はどうでもいい奴の心配をしてるんだ。

 

 

「少し持つからさ、まずは落ち着こうか?」

「あ、ありがとう・・・・」

 

 

そういってゆっくりと俺に向かって教科書を渡す松原さんであった。・・・しかしまあ、うん、これはお約束というものだ。

松原さんはバランスを崩し、そのまま転倒へとまっしぐらの体勢となってしまった。

 

「きゃっ!?」

「おっと!」

 

 

片手で持てるだけの教科書をキャッチ、そして片腕で松原さんをキャッチ。

ふむ、なんとか大惨事は避けられたようだ。

 

 

「危なかったね~大丈夫かな?」

「あ、はい。大丈夫です・・・ってふえええええ!?」

 

 

夢中になってて気づかなかったが、俺は今松原さんを抱きとめるような体勢になっている。

これくらいぶっちゃけどうでもいいんだけど、入学してまだ数日。悪い印象を持たれるのは好ましくないので、ここは悪いことをした・・・と演技くらいはしといたほうがいいか?

 

 

「ごごごごめん!転んだら大変って思って!でも気軽に触れるのはダメだよね!本当にごめん!!」

「と、とりあえず体勢を戻させてぇ~」

 

 

体勢を戻し、落ちた教科書を拾い上げて一息。

話を聞くことにしたが心なしか松原さんの顔はほんのり赤い。

 

 

「あの・・・改めまして松原花音です。助けてくれてありがとうございました」

「うん、俺は俗 芽音!同じクラスなのは知ってるかな?」

「ごめんなさい!まだクラスメイトのこと覚えて切れてなくて・・・特に男の子は・・・」

「いや、大丈夫だよ!慣れないだろうしまだ入学してそんなに経ってないからさ。ゆっくり馴染めばいいと思うよ。それで、なんでこんなところにいたの?」

 

 

かねてからの疑問。明らかに教室とは違う方向だし、あんな重たいものを持って移動するのだ。何か目的があるに違いない。

 

 

「えーっと・・・実は道に迷っちゃって」

「・・・・・え?」

「ごめんなさい!私昔から重度の方向音痴で!」

 

 

えぇ・・・マジか?

マジで迷っただけ?あんなもん来て戻るだけなのになんで全く違う方向へいけるんだ?え?マジ?

 

 

「まあ、徐々に覚えればいいさ。教室まで運ぶの手伝うから一緒に戻ろうか?」

「ふえ!?一緒に・・・ですか?」

 

 

ん?なんでこんなに驚いてるんだ。

そういえば。さっきからなんか距離を感じるんだよな。

実は俺って普段から人の雰囲気を敏感に感知し、それを読み取って関係の深さをコントロールしている。そのせいか”雰囲気や距離感”からその人の考えていることや感情を読み取ったり、感じるのが得意だったりする。

松原さんはさっきからなんというか「警戒」または「困惑」といった雰囲気を醸し出していた。

 

 

「もしかして・・・男が怖い?」

「あっ・・・怖いっていうより慣れてないていうか・・・・ずっと女子校だったから男の子と話すが家族以外はほぼ初めてで」

「なんと、箱入り娘さんだったか!」

「ふえっ!?そんな大したものじゃ・・・!」

「さっきから思ってたけどそのふえっていうの可愛いね。守ってあげたくなるよ」

「かわっ!?!??えっとそんな急に・・・・」

「ごめんごめん。ついからかいたくなっちゃって(笑)でもそうだね、怖いのに無理して一緒に動くことはないかな」

 

 

まあ俺もぶっちゃけ深くかかわるのはめんどくせえしな。

さっきの「からかい」といい、ちょっと距離感を間違えたかな?

 

 

「じゃあこうしよう、教科書だけ俺が先に持っていくから松原さんはゆっくり来る感じで。それなら大丈夫かな?」 

「あ、うん。それなら大丈夫そうです。ごめんね、なんか気を遣わせちゃって」

「大丈夫大丈夫♪じゃ、先に行ってるからね」

 

 

さてと離脱離脱。

さっさと運んで日常に戻るとしようか。

そう思った俺は教室につくなり松原さんの机に教科書を置き、今度は自分の教科書を取りに行くべく再び教室を出た。

 

 

「ふえええ~~~~~」

 

 

・・・・しかしその道中、さっきとはまた違うところでふえ~といいながらわちゃわちゃするクラゲ大好き美少女がいたのだった。

 

 

 

 

入学後数週間しての休日。

この日は「クラスの親睦をさらに深める」というたいっへん素晴らしいご提案があり、クラスの奴らが集まって遊ぶことになった。

ファミレスの一角を貸し切り、さながら合コンのようにやるらしい。

 

 

あ ほ く さ

 

 

行きたくない!行きたくない!

絶望的にやだ!死んでも行きたくない!

とにかく行きたくないあーもう行きたくない。

やだ!やだ!小生やだ!

・・・・ぶっちゃけ断ろうと思ったのだが俺以外の男子連中と、女子連中も白鷺さんとやらを除いては全員いくらしい。

せっかく”いいクラスメイト”を演じてるのに行かなきゃ意味をなさなくなってしまうじゃないか・・・・

ってことで本当に仕方なくいくことにした次第だ。

 

 

「しゃーねえ行くかー」

 

 

集合場所に向かおうとすると見覚えのあるサイドテールの美少女の後ろ姿が見えた。

 

 

「松原さん、お疲れ!」

「あ、俗くん」

「松原さんもいくの?」

「うん、みんな行くみたいだし・・・お母さんが最初は肝心だからいったほうがいいって。でも話せる人まだ全然いないし緊張するよ~~~~~」

「たしかに松原さんって、おしとやかであんま騒ぐってタイプじゃないもんね」

「ふえっ!?おしとやかなんて・・・・ただ単に暗いだけだよぅ・・・」

「うーん喋ってる感じそんな気はしないけどね。今もこうやって俺と喋れてるし」

「そうかな~・・・」

 

 

しばらく話しながら歩く。しかしなあ~やはりどこか壁を感じる。

まあ壁は俺も作ってるんだけどね。

 

 

「さすがに二人で歩いて向かうと変な誤解されるよね。松原さん先行きなよ。俺は少しあとに向かうからさ」

「あ、うん。そうだね。そうするね」

 

 

そうしていったん別れる俺と松原さん。

俺は順路通り右へそして松原さんは左へ・・・・ん??????左?????

 

 

「ちょまままちょままま!なんでそっち行くの!?全然違う方向だよそっち!?」

 

 

そうやら松原さんの方向音痴は俺の考えるよりはるかに重症であるようだった。

 




その3も早めに投稿します。
引き続きよろしくお願いいたします!
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