仮面と海月と白鷺と   作:光の甘酒

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前回までのあらすじ

仮想空間への出入りを繰り返すも上手くいかず、医師の提言でひとまず終わり日を改めることになった二人。花音は翌日、羽沢珈琲店で美咲、紗夜、つぐみに相談をし、元気をもらったのであった。


第6話 白鷺の秘密

「さすがに眠いわね」

 

 

昨日はぶっ続けで仮想空間に行っていたせいで疲れている。昨日は帰ったあとシャワーも浴びずそのまま布団へ倒れこんでしまった。

しかも今日は朝から仕事だ。倒れこむ前にアラームだけはセットした昨晩の私を褒めてあげたい。

 

 

「千聖ちゃん、疲れてる?」

「そんなことは・・・いえ、そうね。少し疲れているわ」

 

 

レッスンの休憩中、日菜ちゃんが話しかけてくる。隠していたつもりだったけど日菜ちゃんには通じなかったようだ。

 

 

「あ、やっぱりッスか?ちょっと動きが鈍いな~って思ってたんですよ。演奏に支障がないレベルだったので言わなかったですが・・・」

「あ、実は私もちょっとヘンかな?って思ってたんだ」

「私もです!チサトさん、やっぱりお疲れなんですね!」

 

 

と思ったらパスパレのみんなにはバレていたようだ。私もまだまだね。

 

 

「そんなに他のお仕事忙しいの?」

 

 

彩ちゃんが心配そうな顔で聞いてくる。

 

 

「それもあるけど・・・うーん」

 

 

これはいってもいいことなのか?

そういう懸念が頭に浮かんだがこの子たちが言いふらしたり茶化したりすることはないっていうのもわかっている。

その安心感からか、はたまた誰かに聞いてほしいという潜在的な願望か・・・

無性に話したくなったのだ。

 

 

「ちょっと休憩の雑談程度に聞いてほしいのだけれど」

 

 

私は語り始める。友達が大変なこと、そして治療のこと、仮想空間のこと。

もちろんパスパレのみんなは芽音のことは知らないでのそのあたりはぼかした。

 

 

「「「「おお~・・・」」」」

 

 

話し終わったとき、みんなはそんな感じで感嘆の声を漏らした。

 

 

「千聖ちゃん・・・すごいことやってるんだね」

「さすがにこれにはジブンもびっくりっす」

「チサトさんはその方にとっての救世主なのですね!」

「ふーん。なんかおもしろそーだね!」

 

 

約1名不謹慎な感想を漏らすが、それに不快感が出ないのは日菜ちゃんだからだと思う。

 

 

「でもさ~千聖ちゃんどうしてそこまでするの?いくら友達でもふつーそこまで命かけないと思うんだけど」

 

 

日菜ちゃんは本当に分からないといった感じで聞いてくる。

 

 

「そうね・・・本当に大切な友達だから・・・かしら」

「そんなに?」

 

 

今度は彩ちゃんからの疑問だ。

 

 

「ええ。その人はね、飾らないこと、本音で向き合うこと、そして今の私が私であるべきであることを教えてくれた、存在を示してくれた大切な人。私に初めてできた・・・いや、ここまで言う必要はないわね」

 

 

男の子の親友、と言いかけたけどやめておいた。

 

 

 

「え~気になるな~」

「でも千聖ちゃんにそこまで大切って言ってもらえるなんてちょっとうらやましいな」

「あら?彩ちゃんだって、それにパスパレのみんなだって私にとっては大切なお友達よ?」

 

 

彩ちゃんの発言にフォローするのも忘れない。

まあ本当にそう思っているので嘘ではない。

 

 

「チサトさん!ハグしましょう!!」

「・・・は?」

 

 

自分で素っ頓狂な声が出てしまったと思う。

 

 

「イヴちゃん・・・?」

「ハグ、しましょう!!」

「い、イヴちゃん!?」

 

 

間髪入れず抱き着いてくるイヴちゃん。

力強く、そして安心感のあるハグ。イヴちゃんの得意技だ。

 

 

「チサトさん、頑張ってます!きっと報われます!その人も目を覚まします!私にはこんなことくらいしかできないけど・・・応援します!」

 

 

イヴちゃんは純粋無垢な目でハッキリという。

 

 

「あー!イヴちゃんずるい~!あたしもー!!」

「きゃっ・・・日菜ちゃん!?」

「ほら彩ちゃんと麻弥ちゃんも!」

「え!?私もいいの?」

「ジブンはちょっと恥ずかしいっす・・・」

「いいからいいから!ほらほら!」

 

 

日菜ちゃんに強引に引き寄せられる彩ちゃんと麻弥ちゃん。

そんなこんなでパスパレによる謎のハグ塊が出来上がってしまったのだ。

 

 

「でもね、千聖ちゃん。さっきイヴちゃんがいったこと、私も一緒の気持ちだよ。それに無理しないでね、頼ってね?だって私たちは・・・その・・・大切なお友達、仲間だかりゃ・・・あっ///」

「うーん、ここでとちるのが彩ちゃんだよね~」

「ひ、日菜ちゃーん!」

「さすがアヤさんです!」

「イヴちゃんまでぇ~」

「やっぱり彩さんはこうでなくてはダメっすね~」

「麻弥ちゃんも!?」

 

 

うん、いつものパスパレだ。話してよかったな、と素直にそう思った。

 

 

「みんな、ありがとう。なるべく迷惑をかけないようにするから」

 

 

 

さて、今日も仕事が終わったら病院だ。元気をもらったしこの後のレッスンも頑張れそうだ。

 

 

「あ~~~~~!!わかった!!!!!!」

 

 

・・・なんてことを考えていたら日菜ちゃんが大声を上げた。

 

 

「千聖ちゃんが助けたいってその友達!男の子でしょ!?」

「「「「え!?!?!?」」」」

 

 

日菜ちゃん以外のみんなとともに驚く私。私は図星を言い当てられ、他のみんなはまさかの発言にびっくりしている感じだ。

 

 

「ひ、日菜ちゃん・・・?何を言っているのかしら・・・?」

「あ、その顔やっぱり当たりなんだ」

「しまった・・・・」

 

 

時すでに遅し。バレてしまった。

 

 

 

「でも日菜ちゃん。助けたいのが男の子でも別にいいんじゃないかな?大切なお友達なんだし」

「そうですね!友情に性別は関係ありません!!」

「自分は異性のお友達がいないのでわかりませんが、確かにそうですね」

 

 

みんながフォローに回ってくれている。これなら大丈夫そうだ。

 

 

「えー?みんなそれ本気で言ってるー?」

 

 

日菜ちゃんの追撃。正直嫌な予感しかしなかった。

 

 

「いやー考えてたんだよねー。なんでそこまでやれるのかなーって。それで話を聞いて、男の子だったのは当たりでしょ?てことは答えは一つじゃんって思ったんだけど」

 

 

やめて!この天才やめて!これじゃ私にとっては天災だわ・・・・

 

 

「千聖ちゃん、その人のこと好きなんでしょ?それしかないじゃん」

 

 

落とされた爆弾。あ、ダメだ。今の私冷静さを失っているから演技でごまかし切れる自信ない。

 

 

「「「ええええええええええ!?」」」

「千聖ちゃん!それほんと!?アイドルに恋愛はNGだし・・・でも千聖ちゃんは応援したいし・・・うううううううう」

 

 

友情と業界ルールの狭間で彩ちゃんが呻る。

 

 

「チサトさん、ファイトです!」

 

 

とりあえず応援するイヴちゃん。

 

 

「いやー・・・なんというか・・・頑張ってください・・・?」

 

 

どう反応したいいかわからない麻弥ちゃん。

 

 

「うーん!これも当たりかな?るんっ♪ってした!」

 

 

そして満足そうな日菜ちゃん。

なんというか私のこれからは色々と大変そうだ。

なんだかんだでみんな冷静さを取り戻し、そのことも含め応援してくれると言ってくれた。これに元気を貰え、安心するのは私の居場所っていう自覚が出てきたからなのだろうか。

この一連の騒動を終えたあと、私はそのまま花音と合流し病院へ向かうのであった。




次回から多分進みます!!
いや~仲のいいパスパレは書いていて楽しいです!!
ちなみに鈍感な姉に対して敏感な妹という感じで書かせてもらいました!

あとたくさんのお気に入りと評価ありがとうございます!!死ぬほど嬉しいです!!
引き続きよろしくお願いいたします!!
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