仮面と海月と白鷺と   作:光の甘酒

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変 態 ネ コ メ イ ド




第10話 騒乱の学園祭Ⅱ

「くっ殺くっ殺くっ殺くっ殺くっ殺くっ殺くっ殺くっ殺・・・・」

「芽音くんいつまで言ってんの?」

「そうよ!そんなに素敵な格好してるだからみんなを笑顔にしに行きましょ!」

 

 

俺は呪詛のようにくっ殺(くっころ)くっ殺を繰り返していた。

俺の現在の格好。漆黒のメイド服に猫耳カチューシャ。

以上。

そんな恰好のまま自由人二人に連れ出され、風紀委員として来ているはずなの俺はその存在がもはや風紀違反である。

 

 

「仕方ないなーそんなに恥ずかしいならこれあげるよ」

「あら?ミッシェルのお面じゃない!これをつければさらにハッピーね!」

 

 

そういって渡されたのはミッシェルのお面。

 

 

「あの、解放してくれるという選択肢はないんですかね・・・?」

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

「羽丘生徒会長、羽丘生徒会長、至急生徒会室へお越しください」

 

 

そう言いかけたところでアナウンスが鳴る。

この声はつぐみちゃんか?さっきまで花咲川いた気がするが生徒会の仕事があるから戻ってきたのかな?

 

 

「あれー?もうそんな時間?じゃああたしはいくね!」

「あらそうなの?あ、そうだわ!さっきもっと笑顔になれそうな催し物を見つけたの!私もいかなくちゃ!」

「え?!ちょっ!!!!!!!」

 

 

・・・・行ってしまった。

待って、俺の着替え、ない

見た目は変態ネコメイド、手にはミッシェル。

 

 

「えっ・・・なにこれは・・・(困惑)」

 

 

日菜さんはいない。お嬢もいない。黒服の人もいない。

くっ・・・いや、もしかしたらリサさんの店に置きっぱなしになっているだけかもしれない。

 

 

「よし戻る・・・・」

「やめてください・・・!」

 

 

ああもう、こういう時に限って仕事が!

 

 

「あ~もう(治安)めちゃくちゃだよ」

 

 

目線の先には他行の男子生徒、絡まれる羽丘の女の子。

見るだけで分かる、テンプレなナンパ風景だ。

 

 

「いいじゃんいんじゃん、君羽丘の生徒でしょ?案内してよ」

「退屈させないからさ」

「そうだよ」

 

 

3人の他校生はしつこく絡んでいる。

 

 

「友達と待ち合わせしてるんです!」

「じゃあその友達も一緒でいいからさ!」

 

 

いやよくねーよ。

どんな理屈だお前。仕方ない、いくか。

俺はミッシェルの仮面を装着しその場へ近づく。

え?なんでかって?んなもん黒歴史をバラまかないために決まってるでしょ。

 

 

「あーちょっとそこのあなた。風紀委員です。そのような行為はご遠慮いただきたい」

「あー?なんだてめ・・・うわっ変態!?」

「やかましいわ!」

 

 

いや俺が逆の立場でも同じ反応してただろうけどさ。

やはり面と向かって言われるとこう、刺さるものがある。

 

 

「そんな恰好の風紀委員がいてたまるか!」

「そうだ、存在自体が風紀違反じゃねーか!」

「そうだよ」

 

 

言われんでも自覚してるわ!いかん、ちょっとイライラしてきた。

 

 

「実際ここにいるんですから仕方ないでしょう」

「なんだと?誰だテメー?」

「私ですか?私はくっ殺仮面です。この羽丘の治安を守ります」

「ふざけやがって!」

「今なら見逃して差し上げますがいかがします?」

「んなもん知るか・・・え?」

 

 

俺は胸倉を掴もうと近づく手を瞬時に掴み、力を込める。

相手が抵抗し振りほどこうとしてくるのは伝わってくるがあいにく俺の掴む力の方が上で微動たにしない。

 

 

「せっかくの学園祭なんだから楽しみましょうよ?」

「・・・・くっ!」

 

 

手の力を緩めるとそいつは踵を返した。

 

 

「おい、いいのかよ?」

「そうだよ!」

 

 

そんなやり取りをしながら消えていったのであった。

 

 

「あの・・・ありがとうございました」

「いえ、私の仕事ですので」

 

 

あれ・・・?よく見たらこの子・・・

 

 

「どこかであったことありませんか?」

 

 

ひまりちゃんダァーーーーーーーーー!

知り合い!?ナンデ!?シリアイ、ナンデ!?

 

 

「いえ、初めてかと。こんなふざけた格好した知り合いなんてなかなかいないでしょう」

「うーん・・・あれ?さっき風紀委員って言ってたような・・・まさか・・・さきなり・・・モゴッ!?」

 

 

そこまでいいかけたところで俺はひまりちゃんの口に優しく手を当て言葉を遮った。

 

 

「勘弁してよ」

 

 

俺はミッシェルお面を少し上にあげ、ひまりちゃんに顔を見せる。

 

 

「日菜さんとこころお嬢。ここまで言えばわかるでしょ?」

「あー・・・・」

 

 

どうやら察してくれたようである。

 

 

「あの・・・芽音さん///」

「ん?どうしたの?」

「ち、近いです・・・・」

 

 

確かに。はたから見たら変態が女の子に言い寄っているようにしか見えない。

それを察した俺は瞬時に距離をとった。

 

 

「本当に申し訳ない」

「いえ、いいんです・・・別に嫌じゃないし・・・

「・・・?そういえば他のみんなは?」

「私だけ少しだけ別行動してたんです。これからまた合流しますよ!ライブもありますし!!」

 

 

ライブ。そういえば文化祭特設バンドとポピパのみんなが講堂でライブやるんだったな。しかし特設バンドの彩さん、花音、モカちゃん、リサさん、つぐみちゃん、ポピパのみんなと全員知り合いなのはなんというかすごいよな。

これも地道にコミュニケーションを築いてきた成果かもしれない。

 

 

「俺も観に行くつもりだよ。それまでに見回りを終わらせつもりさ」

「あ、そっか。まだ仕事残ってるんですね。じゃあまた後でですね!助けてもらって本当にありがとうございました!!」

「いえいえ。そういえば俺とひまりちゃんって連絡先知らなかったよね。何かあったときのために教えておくよ」

「え!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

 

 

 

私はその申し出があった瞬間、天にも昇る気分になった。

芽音さんとはつぐのお店の常連同士ってだけで今のところそれ以上の進展はなかった。当然連絡先を交換するタイミングなんてなく、お店で会うくらいしか接点がなかったんだ。

 

 

「どうしたの?」

「い、いえ!えっと、どうぞ!」

 

 

私はメッセージアプリの友達登録用のQRコードを表示すると芽音さんが読み込んでいく。

 

 

「うん、あった。じゃあ追加するね」

 

 

私の画面に映し出される芽音さんの名前。私は嬉しくてそのままその画面をしばらく凝視してしまった。

 

 

「・・・まりちゃん?ひまりちゃん」

「はっ!ごめんなさい!」

「いいよ。そっちの登録は終わったかな?」

「はい!」

 

 

手に入れた。芽音さんの連絡先、手に入れた・・・!

 

 

「よし。じゃあ俺は仕事に戻るよ」

「あ、はい!ありがとうございます!!」

「じゃあね」

 

 

芽音さんの背中を見送る。

そこから私の足取りは軽い。最高の気分のまま、Afterglowのみんなとの待ち合わせ場所に向かったのであった。

 

 

 

 

「大丈夫ですか?」

「きゃあ、変態!」

「見た目は変態ですけど風紀委員です、トラブルは大丈夫ですか?」

 

 

 

「校内で危険な行動はやめてくださいね」

「ぎゃあ変態!」

「見た目は変態だけど風紀委員・・・・」

 

 

 

 

「そっちは立ち入り禁止です」

「え、変態!?」

「見た目は・・・・」

 

 

 

 

つ、疲れた。

もう今日一日で何回変態呼ばわりされたかわからん・・・

いやまあ見た目変態なので仕方ないんだけどさ。

 

 

「やめてください!」

「私たちほんと急いでるんで・・・!」

 

 

まーたかよ!

っておいあいつらさっきのナンパ3人組じゃないか。

そして絡まれてるのは・・・

 

 

沙綾さんと有咲さんだ・・・・

(名前呼ぶことになった)

うう、また知り合いに黒歴史をさらけ出すのか・・・・

 

 

「でもいかないわけにはいかないか・・・」

 

 

意を決した俺は歩みを進める。

 

 

「まーた君達か」

「げっ!?さっきの変態!?」

「変態じゃない、くっ殺仮面だ」

 

 

というわけでまたしてもナンパの処理をする羽目になったわけだ。そしてこの話さ次回へ続くってことで。

 

 

 




騒乱の学園祭は後1回か2回続きます。
正直書いててめちゃくちゃ楽しいです。(自己満足)
引き続きよろしくお願いいたします。
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