仮面と海月と白鷺と   作:光の甘酒

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変 態 仮 面

著作権の海に溺れる!溺れる!

※本家変態仮面とは一切関係ありません。




第12話 騒乱の学園祭Ⅳ

「痛い!やめて!!」

「普段偉そうにしてもやっぱ無力ね」

 

 

うーむ、よくないなコレは。

しかもあいつら完全に紗夜さんと日菜さんを間違えているし、このままでは勘違いで花咲川の生徒が羽丘の生徒会長に暴力を振るったことになってしまう。

・・・いくか。

 

 

「はいはいストップストップ」

「なによあんた・・・って変態!?」

「もうその反応飽きたわ」

「あれ・・・?芽音く・・・」

「おおっと。お初にお目にかかります、私はくっ殺仮面!風紀を守る者としてこの現場は見逃せませんね」

 

 

俺は日菜さんのセリフを遮り、自己紹介をする。

 

 

「くっ殺・・・?やっぱり芽音くんじゃ・・・」

「誰が何というとくっ殺仮面!!!」

「あ!てめえはあの時の変態ネコメイド!!!」

「おや、ナンパ野郎3人組じゃないですか。また会いましたね」

 

 

そこにいたのはひまりちゃんや沙綾さんに絡んでいたナンパ野郎3人であった。

なるほど、こいつらが呼び込んだのか。

 

 

「見たところ女同士の話し合いをしている様子。そんな中に不純物である男が手を出すなんて・・・無粋ではありませんか?」

「さっきは人がいっぱいいたから堪えたけどよ・・・ここなら大暴れしても問題ないよなあ!?・・・ってああああ?いでででででで!!!」

「なら最後まで堪えましょうよ。ふぅー・・・この口調も疲れてきた。いいか?お前らがやってることは話し合いでも何でもない、単なるリンチ。言いたいことがあるなら言葉で語れ、話し合え。女の戦いに男が手を出すな。暴力持ち込むってんなら・・・相手になるぞ」

 

 

俺は殴りかかってきた一人の腕をねじり上げながら淡々と話す。

 

 

「今すぐ消えていなくなるなら今日は見逃してやる。どうする?」

「答えは一つに決まってんだろ!お前らもかかれ!!」

「言っておくけど正当防衛だからな?風紀委員として暴力に対抗するためにやむを得なくやるだけだからな?」

 

 

勝負は一瞬。

まず腕をねじり上げていた奴のみぞおちに一撃。殴りかかってきた1人目に蹴りを一撃、最後に突っ込んできた奴はそのまま腕を掴んでぶん投げたやった。

うーん、受け身も取れないだろうし痛いだろうな~

なんてしみじみ思っているとちょっと困ったことが起きた。

 

 

「ぶっ殺す!!!!」

「うわっ、そういうのちょっと勘弁してもらえませんかね」

 

 

なーんでこういうチンピラ崩れってすぐに凶器だすかなー

俺はリーダー格の奴が手荷物折り畳み式ナイフが展開されたのをみてそう思ってしまう。

 

 

「さ、芽音くん・・・・!」

「ねえ、さすがにあれはヤバくない?」

「うちらそこまで頼んでない・・・・」

「ちょっと、やりすぎだって!」

 

 

女子生徒たちもこの光景を見て驚愕している。

ここまでやるとは思っていなかったのだろう。ちなみに残り二人の男もやべえよやべえよ・・・という顔をしている。

しかしその様子は興奮しているリーダー格の奴には全く聞こえていないようだ。

 

 

「あーもう。凶器出しちゃったら内々で処理できなくなちゃうじゃん・・・めんどくさいことしてくれたねキミ」

 

 

ふつーに警察沙汰だもんなーこれ・・・

警察なんて来ようものなら学園祭が中止になることは免れないだろう。

うーん、どうしようかなあ・・・

 

 

「余裕そうな顔しやがって!オラ!刃物だぞ!怖くないのか?」

「あいにくそんなオモチャを怖がるほどヤワじゃなくてね。最後の警告、今すぐナイフを捨ててこの場から消えるなら見逃してやる。どうする?」

 

 

よくみるとナイフを持つ手は震えている。

察するにカッコつけで護身用などといって携帯し、頭に血が上って出したがいいがその実、人に向けたことはないのだろう。

 

 

「お、おい!ここまでやったらやべーって!」

「そうだよ!俺捕まりたくねーよ!」

 

 

残りの二人の動揺はさらに大きくなる。

そうだそうだ、そのまま説得してくれ。正直この状況はあまりよくない。

そして女子生徒たちは完全に空気になっている。

 

 

「そんなにビビってんならお前らだけ先に帰れ!俺はこの変態をぶっ殺さねーと気が済まねえ!」

「カタカタ震えながらいわれてもなあ」

「う、うあああああああ死ねえええええ」

 

 

結局素人丸出し、隙だらけの状態で突っ込んでくる。

俺は優しく(意味深)腕を掴み上げ、そのまま再びみぞおちに割と本気の一撃をぶちかますことにした。

 

 

「殺す、なんて気軽にいうもんじゃない。人を殺めんとする者はその逆をされる覚悟を持たねばならん。お前にその覚悟はあるのか?ないのならばその刃は即座に捨てろ。似合わぬ」

「いや、それいつの時代の人?キャラ崩れてない?」

「日菜さん、結構いいこと言ったつもりなんだから茶化さないでもらえますかね?」

「あ!わかった!イヴちゃんの真似だ!!」

「・・・イヴちゃんには黙っててね?」

 

 

そんな説教を聞いていたかわからない、ぐたったりした相手を見ながら俺は呆れたように言う。

すみませんすみません、ちょっと時代劇が好きな仕事仲間兼学友に影響されて言いたくなって言いましたすみません。

いやー日菜さん、こんな状況下でもう余裕取り戻してるってやっぱり大物だわ。

 

 

「さてと。そこの男二人!」

「は、はい!?」

「なんでしょう!?」

 

 

あらら、完全に委縮しちゃってるよ。

まあそっち方が扱いやすいからいいか。

 

 

「そこに伸びてるの、連れてさっさと消えろ。別にケガをしたわけでもないから特別に見逃してやる」

「わ、わかりましたああああああ!」

 

 

見逃すチャンスを3回も上あげて、ダメなはずなのに結局内々で処理しちゃうなんて俺も甘々だなあ。

でもまあ大ごとになるよかいいか。

さて、残りはこの愚かな女子生徒たちであるが・・・・

 

 

「紗夜さん、もう出てきてもいいですよ」

「え?おねーちゃん?」

「ようやくですか」

 

 

すると隠れていた紗夜さんが姿を現した。

実は奴がナイフを出したあたりでいたのは気づいていたのだが、危険なので動くなとアイコンタクトを送っていたのだ。上手く伝わってよかった。

 

 

「え!?風紀委員長が二人!?」

「こちらは風紀委員長の双子の妹、羽丘生徒会長・氷川日菜さん」

「え・・・?えええええええ!?」

「すみませんでしたあああああああああああ」

「ごめんなさいいいいいいい」

 

 

 

3人は自分たちがしでかしたことの重大さにようやく気付いたようだ。

 

 

「日菜、ケガはないですか?」

「うん、芽音くんが助けてくれたし」

「くっ殺仮面」

「それで、その変態仮面はなんでそんな素っ頓狂な格好をしているのですか?」

「くっ殺仮面!そしてあなたの妹のせいだよ!?」

「・・・大体事情は察しました」

 

 

さすが紗夜さん、今のやり取りですべてを察したようだ。

当の本人はニコニコしてるけど。

 

 

「さて、あちらの3人の処分はいかがしましょうか?」

「ひっ・・・」

 

 

怯えながら委縮する3人。日菜さんを拉致ってきたときの勢いはもうどこにもない。

話を聞くに、この3人は普段からいわゆる不良的に分類されているようで(これは俺も知っている)紗夜さんから度々注意を受けているらしい。

そして学園祭中も注意され、虫の居所が悪かったと。

そんで羽丘に来た時に偶然(日菜さんだったけど)見つけたので招待していた彼氏たちを巻き込み今回に騒動に至った・・・ということらしい。

 

 

「そうだったのですか。しかしやったことが許されるわけではありません」

「おねーちゃん、許してあげない?確かにやりすぎだけど、結果的に何にもなかったわけだし、楽しみたかっただけだろうしさ」

「日菜・・・そんな甘いことを言っていては・・・」

 

 

俺は考える。確かにこいつらがやったことは許されないことだ。

しかし日菜さんが言うこともわかるのだ。こいつらは楽しみたかっただけ。

それにみんなが頑張って実現したこの合同イベントに水を差すのもどうかと思う。

 

 

「んじゃ、落としどころをみつけてはどうかな?」

「落としどころですか?」

「確かに彼女らがやったことは許されないことだけど、今ここでしょっ引いてもせっかくの学園祭に水を差してしまう。で、あればここは処分保留して終了後改めて考える」

「・・・なるほど」

「それにせっかくの合同イベントなんだ。みんなが楽しまなきゃ損でしょ」

 

 

紗夜さんは顎に手を当てて考える。そしてそのまま3人のところに顔を向け、語りだしたのだ。

 

 

「あの」

「は、はい!」

「私も少し言い過ぎたかもしれません」

「・・・え?」

「確かに楽しいイベント中に注意されたら思うところがあってもおかしくはないなと。私ももう少し言い方を考えるべきでした。今後も気をつけます。では、その案で行きましょう。」

「あれ・・・?風紀委員長って案外いい奴?」

「ってことだ。この件は俺と委員長さんが預かるから、お前らは終わったら後日出頭。まあなるべく軽い処分になるようにしてやるから今日は楽しんできなよ」

「お前、変態なのにいい奴だな!」

「変態だけどいい奴だね!」

「変態だけどいい奴!」

「変態だけどるんってする!」

「変態なのには余計だ!!!!!」

 

 

あと最後に混じった約1名、あんたらは元凶だろうて・・・・

そんな感じで3人を解放した俺たちであった。

 

 

 

 

 

「申し訳ありません、俗さん。ご迷惑をおかけしました」

「俺は仕事を全うしただけさ」

「もうくっ殺仮面はいいの?」

「君たち相手に今さらどーでもいいや」

 

 

飲み物を飲みながら公演の時間まで駄弁ることにした俺たちはそのまま座って休憩をしていた。

 

 

「でもさー芽音くんって話には聞いてたけどほんと強いんだねー」

「ええ。確かにあれは目を見張るものがありました」

「ん~まあそこらの素人よりは強い自信あるけど過剰な自信は破滅を招くって教えられたからあんま持ち上げないでもらえると助かる」

「そういうことであればあまり言いません。改めて、ありがとうございました」

「うんうん、最初の方けっこ―怖かったから感心感心。芽音くんに助けられるのは2回目だね!・・・あれはあまり思い出したくないけど」

「自分から話題に出していくのか・・・(困惑)」

 

 

俺はエレベーターに閉じ込められた出来事を思い出す。

後にも先にもあんなことは御免だ。それは多分日菜さんも同じことを思っているだろう。

 

 

「俺は日菜さんや白金会長、有咲さん、つぐみちゃん・・・・みんなが頑張って実現したこのイベントを守りたかっただけだからさ」

 

 

この想いは本当である。

俺に任せろ。学校を守りたい!などいって盗撮に使ったスマホを破壊するようなものとは意味が違う(元ネタはご自分で調べてね!)

 

 

「お~カッコイイね~これはちさ・・・女の子も惚れちゃうな~」

「だから持ち上げてもなんも出ないっての」

「・・・なるほど、これは少し厄介な」

「紗夜さん?」

 

 

今のやりとりで紗夜さんは何かに気が付いたようだ。

しかしそれを教えてくれそうな雰囲気はないので俺は追及することをしなかった。

 

 

 

「さて、そろそろ私は行きます。日菜、あなたも運営に戻った方がいいわ」

「おねーちゃんがそういうなら。んじゃ芽音くん!ライブ楽しんでね!!」

 

 

 

 

「日菜、さっき言いかけたことだけれど」

「あーおねーちゃん気づいちゃったか。うっかり口が滑るところだったよ」

「やはりそういうことなんですね」

「そ、千聖ちゃん」

「・・・これはあまり言うべきことではないと思うのだけれど」

「まさかおねーちゃんも芽音くんが好きとか!?」

「茶化さない」

「あはは、ごめんごめん」

「松原さんもよ」

「・・・・ありゃりゃ」

「日菜あなたはどちらを応援するの?」

「んー・・・千聖ちゃん!でもどっちかの味方になって動けっていわれたらあたしはどっちにもつかないよ。おねーちゃんもそうでしょ?」

「・・・さすがは姉妹ね。確かに先に知ってしまった松原さんを応援するつもりではいるけど、最終的にはどちらにもつかない」

「だって恋愛なんてさ。結局誰かと誰かが想いを通わせた結果に成就するものでしょ?流れに任せるしかないよ」

「リアリストね」

「それはお互い様だね!」

 

 

芽音と別れた二人の姉妹は並んで歩いてこんな会話をする。

それを知る者はこの姉妹以外になかったのである。

 

 

 

 

「俺の着替えどこ????」

 

 

次回、騒乱の学園祭編 最終回

 

 

 

 

 




次回はメインヒロイン回です。


引き続きよろしくお願いいたします!!
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