仮面と海月と白鷺と   作:光の甘酒

38 / 47
打って変わってほのぼの回。
騒乱の学園祭編、エピローグなようなものです。
いつも誤字報告ありがとうございます。
また、お気に入り登録、感想、評価、本当に嬉しいです。
モチベが爆アガリするので今後もよろしくお願いします。





第13話 騒乱の学園祭Ⅴ

「待たせたな花音」

「ううん、お疲れ様芽音くん」

 

 

先ほどまでの騒動の後、俺は服を取り戻しくっ殺仮面を卒業した。

その後、彩さん、つぐみちゃん、リサさん、モカちゃん、花音によるスペシャルライブを観戦した俺はそれが終わった後に昼休みに突入したわけである。

 

 

「とりあえずなんか買いに行くか」

「あ、それなんだけど・・・」

「・・・?どうした花音?」

 

 

花音がなんとなくモジモジしている。

何かあっただろうか?

 

 

「お弁当、持ってきたんだ」

「おお」

 

 

そんな会話をしながら屋上にやってきた俺たち。

羽丘の屋上は本来入っていけないが、くっ殺仮面の罪滅ぼしか休憩のためなら入っていいよと日菜さんに許可をもらった次第である。

そして、そうやって出したのは弁当箱のつつみ。大きめの弁当箱に2人分入っているのだろうか。

 

 

「いいのか?」

「そのために持ってきたものだしね」

 

 

そういいながら弁当箱のふたをあけるとなるほど、美しい。

色のバランス、盛り付け、献立、どれをとってもいうことなしである。

 

 

「さっそく食べてもいいか?」

「うん、お口に合うと嬉しいな」

 

 

卵焼き、唐揚げといったスタンダードなおかずから少し手の込んだおかずまで様々ある。

俺はまず、弁当の代表格ともいえる卵焼きに手を伸ばした。

 

 

「・・・・ふむ」

「どうかな?」

「うまい。これはマヨネーズを少し入れてるね」

「うん、正解」

 

 

こういったところまでしっかりこだわっている。

なるほど、花音のお母さんは料理が上手いんだな。

 

 

「こっちの唐揚げは・・・衣に何か混ぜてる・・・これは・・・じゃがいも?」

「すごい!それはポテトチップスを砕いたやつが入ってるんだ」

「この香ばしさの正体はそれか」

 

 

実にアイディア満載なお弁当だ。

 

 

「いや~花音のお母さんは料理にこだわりを持ってるんだな」

「うん。お母さん、結婚する前は調理師やってたんだ」

 

 

なるほどそれでか。いやーこれを毎日食える花音がうらやましい。

 

 

「本当に美味い。毎日でも食べたいくらいだ」

「そ、そんなに?えへへ」

 

 

はて。花音が照れていらっしゃる。

母親が褒められたことがそんなに嬉しいのだろうか?

・・・いや待て。この雰囲気はまさか

 

 

「・・・実はこれ花音が作ったやつだったりする?」

「実はそうなんだあ」

 

 

どうやら俺の口に会ったことで安心したようだ。

緊張した雰囲気を崩し、少し顔を赤くしながらにへ~っと笑う花音。

うん、かわいい(確信)

いやそんなことは前からわかってたことであるけどこういう笑顔ってさあ、なんか違うじゃん?

 

 

「すごいな。俺も自分で弁当作ってたからわかるがここまでこだわって作るのはなかなかできることじゃない」

「そういえば芽音くんも自分で持ってきてるんだったね」

「前はな。退院してから日課で朝のトレーニングをしてるんだが、そのせいで作る時間がなくて今はほとんど購買かコンビニで買ったもので済ませている」

 

 

リハビリ施設で鍛えてもらって、力の維持及び向上にはトレーニングが必須である。

朝弁当を作るために設けていた時間をランニングや筋トレ、素振りに時間を費やしているため必然的にそうなってしまったのだ。もっと早く起きろよという話ではあるが、入院生活のせいでどうも朝に弱くなってしまったみたいで今の俺にはコレが限界であった。

 

 

「ね、芽音くん」

「どうした?」

「あの、その、芽音くんの分のお弁当も私が作って来ちゃ迷惑かな?」

「え?さすがにそれは迷惑じゃないか?」

「ううん、お弁当箱に詰める手間が少し増えるだけだし、コンビニや購買ばっかじゃ栄養が偏るし・・・どうかな?」

 

 

ふむ。魅力的な提案である。

花音の弁当は美味い。それは今食べたとおりである。

それが毎日昼に食えると来たら午前の授業は乗り切れるし昼もパワーが出る。

メリットしかない。

 

 

「ぜひお願いします」

「うん!じゃあ明日から作ってくるねっ。それとこれもついでなんだけど、学校も一緒に行かないかな?芽音くん家、私も通り道にできるし、お弁当も渡したいし・・・」

「確かに理にかなっているな。花音の負担にならないようであればいいぞ」

「うん!!」

 

 

何やら嬉しそうな花音を見ながら俺は少し、頭の片隅で考えていた。

”これってそういうことなのか?”と。

いや待て、花音とは付き合いが長いし親友の延長の可能性も十分にある。

にもかかわらず変に決めつけて動くのはよくない。勘違いってのが一番恥ずかしいパターンだ。

・・・うん、やっぱないな。そう考えることにしよう。

そんなこんなで俺たちの明日からが決まってのであった。

 

 

 

 

「ぜひお願いします」

「うん!じゃあ明日から作ってくるねっ。それとこれもついでなんだけど、学校も一緒に行かないかな?芽音くん家、私も通り道にできるし、お弁当も渡したいし・・・」

「確かに理にかなっているな。花音の負担にならないようであればいいぞ」

「うん!!」

 

 

はぁぁぁ~緊張した。

お弁当を作ることもそうだけど、一緒に行こうって提案はちょっと不自然じゃないかな?って思ったけど芽音くんは快諾してくれた。

もしかしたら私が芽音くんのことを想っているのがバレてしまったかもしれない、という懸念は拭えないけどひとまず一歩前進だよね。

明日からのお弁当のレパートリー、考えなくっちゃ。

それに朝一番で芽音くんの顔が見られるなんて嬉しすぎるよ。今までなんでしてこなかったんだろう?って思ったけどそんな勇気持ち合わせてなかったからだよね。

ハピネスっ!ハピーマジカルっ

勇気を出してよかった。これもハロハピに入ったおかげかも。

ここから少しずつ、少しずつ関係を変えていけばいいよねっ

 

 

 

 

「しかしポピパのみんなは残念だったな」

「うん・・・たえちゃん、凄く泣いてた」

 

 

実は花音たちのスペシャルバンドのあとはポピパ結成1周年記念でライブをやる予定だった。

しかし、ギターの花園たえさんが別のバンドのヘルプをしており、それがブッキングしてしまったのだ。

本来であれば間に合うはずだったのだが、ヘルプに入っているバンドのライブが想像以上に盛り上がってしまい、出発が遅れてしまったらしい。

その遅れを彩さんがMCでつないでくれたり、朝日さんという羽丘の子がアドリブでギターを披露したり、Roseliaの面々がサプライズでライブをしたりしてくれたのだが、結局間に合わなかった。

 

 

「これが尾を引いてポピパに何か起こらないといいけど・・・」

「こういうトラブルって堪えるもんな。とりあえず香澄さんと沙綾さん、有咲さんは同じクラスだしそれとなく注意してみておくか・・・」

 

 

そんなことを考える俺、

しかしその問題に直面するにはそう時間はかからなかった。

俺はこの日以降、意外に早く関わることになるのであった。

 

 

 

こうして色々な騒動が起きた花咲川・羽丘合同の文化祭は終わった。

楽しくなかったといえば嘘になる。

千聖と花音と初めて回った文化祭、風紀委員ないしくっ殺仮面としての活動(二度と御免だが)、そして花音との昼休みなど思い出がたくさんだ。

 

 

「芽音くん、おはよう」

「ああ、おはよう」

 

 

そして翌朝、宣言通り花音が家に迎えに来た。

弁当を受け取り、並んで登校し、平穏なひと時を過ごす。

今度こそ、この平和な日常を壊さないようにしなければならない。

俺はなんとなく、そう強く思ったのであった。

 

 




花音が一歩進みましたかね?

アニメ2期、3期の時系列に加えていろんな展開を考えていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。