仮面と海月と白鷺と   作:光の甘酒

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もうひとりのヒロイン、白鷺千聖の登場です。




-序章④-友達の友達に出会ったわけだが

入学式から3か月ほど経ったころ。

俺は相変わらず仮面を被り良いクラスメイトを演じていた。

だが今までのように毎日仮面を被り休日のみ疲れを癒す、というわけではない。

素を見せられる花音という存在が俺の中では大きく、精神的な負担はかなり減っていたのだ。

 

今まで仲よくしてきた奴は大勢いるがそいつらは何かしら腹黒かったり、利己的だったり、下心を持っているもの。

対して花音は純粋・無垢で暗い感情を持ち合わせていない、いつでも本音でぶつかってきてくれる。それを鑑みると、今まで生きてきてここまで心を許せる友達はいなかったかもしれない。

 

だが、その花音はここにいない。

まさか―

あんなことになるなんて・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぇぇぇぇぇ~まるで死んだみたいにいわないでよ~」

「すまんな」

まあ、風邪をひいて休んでいるだけなのだが。

どこからか花音の声が聞こえた気がするのでとりあえず謝っておく。多分気のせいだろうけどな。

 

 

しかし気になるのは花音から送られてきたこのメッセージ

 

 

『千聖ちゃんにノートを見せる約束してたんだけど・・・芽音くん、代わりに見せてあげられないかな?』

 

 

千聖ちゃん・・・というのは白鷺さんのことだろう。

そうそう、白鷺さんといえば登校した時はすごい騒ぎだった。

なんか有名人らしいのだが、今は見事にボッチ化。他のクラスメイトと当たり障りのない会話はあるが、どうも接しにくい様子。何かやっちまったのかな?

ぶっちゃけ興味がないし関わることもあまりないだろうと思っていたが、花音の友達となると関わらざるを得ない。

そして意を決した俺は、白鷺さんの座る机に向かったのだ。

 

 

「白鷺さん!」

「あなたは・・・俗君、だったかしら?」

「うんうん、俗芽音(ならわし さきなり)ね。改めてよろしく!」

「ええ。それで?何の用かしら?」

「うん、松原さんからね。代わりにノートを白鷺さんに見せてあげてほしいって言われたから」

「・・・・あなたが?確かに他の人にお願いしてあるって聞いてるけど・・・ええ、ありがとう。じゃあ遠慮なく借りるわね」

「今日はもう使わないし、終わったら机の中にでも入れておいてくれればいいからさ」

「ありがとう。借りるわね」

 

 

当たり障りのない会話。

話していて特に嫌な感じがしなかったし、ほんとクラスメイトはなんであんなによそよそしんだろうか?

まあいいや、花音の頼まれごとはこれで終わりだ。

うーん、花音に会いてーなー・・・・

アレ?これってもしかして依存?いかんいかん、依存はよくない。

あくまで仲のいい友達に会いたいアレだよ。

 

・・・・待てよ。会いたいなら会いに行けばいいじゃん。

別に西野カ●じゃないから、会いたく会いたくて震えているわけじゃないけどさ。

やっぱあいつと話さないと一日が締まらない気がする。

 

以前、家まで送ったのもあって家の場所はわかってる。っていうか俺の家からそんなに遠くない。

 

 

「見舞いに行くか」

 

 

そう思ったら退屈な残りの授業も早く感じた。

そして俺は早々に教室を出て、通りがかりのお菓子屋で手土産を買い花音の家に向かったのだ。

 

 

 

 

「あら?」

「あれ?」

 

 

花音の家の近くまで来ると、今日学校で見た顔があった。

 

 

「白鷺さん?」

「俗君。なんでこんなところに?」

「かの・・・・松原さんのお見舞いにね。白鷺さんも?」

「ええ。しかし意外ね。あなた、そんなに花音と仲よかったかしら?」

「そこそこね」

「もしかして付き合ってるのかしら?」

「それは誤解。俺と松原さんは友達だよ」

 

 

なんで仲がいい=付き合ってるに持っていきたがるかね。

人の性だろうか。

 

 

「とりあえずインターホンを押そうか」

 

 

ピンポーン!

 

 

『はい』

「私、花音さんと同じクラスの白鷺と申します。学校をお休みと聞いてお見舞いに参りました」

 

 

すると中から花音のお母さんと思しき人が出てきた。

 

 

「わざわざありがとね~あらま!男の子まで!?あの子も隅に置けないわね~!」

 

 

花音のお母さんは底抜けに明るい印象だ。

対して娘が静かなのは親父さんの遺伝か劣性遺伝子なのか。

まあどんなことはどうでもいいや。

 

 

「申し遅れました。俗と申します」

「あらあらご丁寧にど~も!でもごめんなさいね。花音、さっきまで起きてたんだけど、今は寝ちゃってるの」

 

 

 

え?マジ?花音に会えないのこれ?

しかしまあ寝ているなら仕方ない。治すのが先決だ。

 

 

「わかりました。ではこれ、よろしければ召し上がってください」

「あ、僕も」

 

 

俺と白鷺さんは持ってきた見舞いの品を花音のお母さんに渡す。

 

 

「あら、ありがとう~花音が起きたら食べさせるわね。ごめんなさいね~せっかく来てくれたのに」

「いえ、お大事になさってください」

「では、僕たちはこれで」

 

 

そうやって松原家を後にする俺と白鷺さん。

 

 

「じゃあ俺、帰るからさ」

 

 

そういって背を向けると、突然ガシッっと肩を掴まれた。

 

 

「え!?」

「俗くん、この後時間、あるかしら?」

「え・・・?もう帰「あるかしら?」

 

 

ゾクッ!!!

 

 

な、なんだこの感じ・・・・!?

普段の白鷺さんから一切雰囲気は伝わってこなかった。

しかし今になって突然、背筋が凍るような何かを感じた。これは拒否してはいけない。そんなことを俺の本能が言っている気がする。

 

 

「あ、あります」

「そう、よかった(ニコッ)せっかくクラスメイトなんだし、親睦もかねてお茶でもどうかしら?」

 

 

最高の作り笑顔でそう宣言する白鷺さん。

俺は拒否できるわけもなく、言われるがままについていったのであった。




筆が乗っているので次もそんな時間かからないと思います。
引き続きよろしくお願いいたします!
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