はやてに始まり、なのはに終わる。という言葉もある通り、今回はなのはさんメインです。
お前の書くなのはさん全然恋愛に向いてねえじゃん!という方ご安心下さい。できる限り、我慢する所存。できる限り‥ここ重要
この作品は魔法少女がハゲハゲ言うだけのラブコメです。過度な期待はやめてください。
尚、ハゲというワードに嫌悪感を抱く方はブラバ推奨です。いやマジで。
それではまたよろしくお願いいたしますm(__)m
さてさて。今日もお仕事頑張りますか。
私は六課の自分の机に座ると、パソコンを起動させつつ、ひと息ついて、周りを見渡す。
正面右に座る男性を視界に入れると、口許が綻ぶのを感じる。
ネクタイはヨレていて、無精ひげが残る顎を擦りながら、欠伸を噛み殺している男性。
だらしない。だらしないのに、何故か不快感を感じさせない、それどころか清潔感と愛嬌を感じさせる中年のおじさん。
私はゆっくり彼に近付き、挨拶する。
「おはようございます♪アルファードさん‥」
「ん?高町か‥おはようさん‥あふぅ‥」
私を一瞥すると、尚も欠伸を噛み殺しながら、挨拶を返してくれる。
「今日も眠そうですね?寝癖で完全に髪の毛が寝ちゃってますよ?」
「ああ?髪の毛なんか‥元からねえだろうが!」
そう‥彼は‥
禿げていた。
「そっか♪寝癖で見えなくなってるのかと思って♪そういえば最初からハゲてましたもんね♪略して最ハゲですね♪」
「無邪気な笑顔してこの子ったら‥いや、そんな最果てみたいな略し方聞いた事ないからね?」
「でもどうしてそんなにいつも眠そうなんですか?ハゲなのに‥」
「あと、無精ひげ位剃りましょうよ♪禿げなんだから♪」
「やだ‥めっちゃ禿げ強調してくるやん‥しかも、二つともハゲ関係ないやん‥てか、ハゲって言いたいだけやん‥」
と、彼が少し拗ねた感じで視線を逸らした所で、私は伝家の宝刀を抜く。
「そうだっ♪またシュークリーム作ってきたんですよ♪食べます?」
彼は甘いモノに目がない。
中でも私のシュークリームは毎度ご好評をいただいている。
チラリとシュークリームを入れたハコを見せつつ上目遣いで尋ねる。
ウィンクも付けるサービスっぷりだ。
「‥あざとい‥やり直し。でもシュークリームは貰う」
「はいはい♪紅茶入れてきますね♪」
あざといと切り捨てつつ、若干顔を赤く染める彼をチラチラ見ながらやはり口元が綻ぶのを感じる。
彼とのやり取りが毎度楽しくて仕方がない。
緩む口元を見せない為に、名残惜しいが、
ロープブレイクを選択する。
これ以上鼓動を、高められたら、寿命が縮んでしまう。
紅茶を淹れる為に湯沸室に入る前に、チラリと彼を振り返れば、シュークリームの入ったハコを膝に置き、幸せそうな顔を浮かべていた。
その様子に小さく吹き出しながら、私はお湯を沸かす。
これは、私が初めて彼に出会った時の物語。
そして、今も続く、片想いの物語。
それでは、暫し、お付き合いくださいなの。
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彼と初めて出会ったのは私がまだ子供の頃。
管理局に入局して
初めて配属された部隊での隊長が彼だった。
第一印象は余り良くなかった気がする。
今と同じように、シャツの襟もシワシワで、ネクタイもいつも曲がっていて、無精髭もそのままに、ツルリと禿げ上がった中年のおじさん。
子供心に多少、恐怖も感じていた。
初めての環境下での上司と部下という、初めての関係性の人間に距離感を量りかねていたのは、まだ年端もいかなかった自分にとっては当然といえるだろう。
こわそうだなー。こわいなー。やだなー。等と怪談噺でも始めそうな感想を思いながら、何とか仕事をこなしていた。
だが、それでも何とか仲良くなろうと、子供ながらに決心した当時の自分には喝采を送りたい。
先ずは敵情偵察。
先入感を無くして、陰からひっそり観察してみれば、意外な事実も見つかるもので。
―彼の周りにはいつも人が集まっていた。
―彼の周りにはいつも笑顔が溢れていた。
―周りに集まる部下達の揶揄を笑って赦し、ツッコミを返す彼の眼差しはいつも優しかった。
怖い人では無いのかもしれない。
そう思ってからは、自分の行動は早かった。
あの輪に自分も加わりたい‥と思ったから。
苦手な書類仕事も頑張って終わらせ、
彼の元へと報告に行く。
その表情は若干誇らしげで、
褒めて褒めてとねだるペットのようだったと、
当時の周りの同僚にからかわれるのは少し恥ずかしい。
「どうした高町?もう終わらせたのか?」
「はい!」
近づく私に気付いた彼は、優しい声音で問い掛ける。
「いつも偉いな‥おい、お前ら、こんな美少女に働かせて、サボってんじゃねえよ」
いけない。彼に誉められると、ついドヤ顔になってしまう。‥美少女だって。
可愛いと、思ってもらえてるならうれしい。
と、周りに怒鳴るのではなくやれやれと、頭痛が痛い。といった風に仕事を促していた。
「ほら‥御褒美だ‥」
と、小声で彼はチョコレートを1つ握らせてくれる。
うれしい。彼は甘いモノが好きなようで、机には必ず、チョコが常備されている。
「あーっ?!隊長がまたなのはちゃんにお菓子あげてる!?」
「やっぱりロリじゃないか‥」
「‥通報しました」
チョコレートをもらったところを目ざとく見られてしまった女性局員に囃し立てられてしまう。
一声あがると連鎖するように、隊長を責める言葉があがり、笑顔が拡がっていく。
私も笑いながら、羞恥に顔が熱くなるのをかんじていた。
隊長はよく揶揄をされているけど、誰も本気で言っていないのがわかる。
だからこそ隊長も笑って許しているのだ。
そしてそんな隊長を中心にいつも笑顔が拡がっていく。とても優しい世界がそこにはあった。
========回想終了=========
私がハッとすると、既にお湯が沸いてることをケトルが一生懸命告げていた。
いけないいけない。慌てて、火を止め、カップにお湯を注いでいく。
「あちっ‥」
長く蒸気に晒された、取っ手はとても熱かった。
指をふーふーしながら、カップにティーバッグを浸ける。
さて、だいぶ待たせてしまったかもしれない。
私は気持ち急ぎながら、彼の机へと急ぐ。
席に戻ると、彼は私が給湯室に入る前に見た姿と
寸分違わぬ姿勢で座っていた。
私はそれがおかしくて、小さく噴き出してしまう。
だってお預けされてる大型犬みたいなんだもん。
私が吹き出した気配で彼が此方を振り向く。
「どうした?高町?」
子供の頃から変わらない彼の問いかけ。
この声を聞くと、私はふにゃっとなってしまう。
「いえ、お待たせしました‥」
と、私が彼の机に紅茶をソーサーごと置くと、
彼にいきなりガシッと、腕を掴まれた。
突然の接触に鼓動がはねあがり、顔が熱くなってしまう。
けど、別に嫌なわけじゃない。
なので、振り払う訳にもいかず、私がとまどっていると、
「何やってんだお前は‥火傷してんじゃねえか‥」
と、見れば、私の指が先程熱かった所がうっすら赤くなり水ぶくれになりかけていた。
「いえ‥これは‥」
これは、マイナス査定である。
紅茶一杯淹れるのに、火傷をするとかそんな家事オンチだと思われたくない。
いや、待てなのは。まだ慌てるような時間じゃない。クールにいこう。
たまたま。そうこれは、たまたまなのだ!
この程度でこれ迄積み上げてきたお菓子作り上手な家庭的魔法少女のイメージが崩れるわけが‥
ないのだから‥!
それでもやはり私はなんだか気恥ずかしくて、
手を引いて、後ろに隠してしまう。
「ったく‥ちゃんと後で医務官に診て貰えよ?」
「はーい‥それより早く食べてくださいよー♪」
「お、おう‥じゃあ、頂くわ‥」
「はーい。召し上がれ♪」
と、私は笑顔が溢れてしまう。
だって仕方ないよね?
召し上がれ、なんて、ちょっと奥様みたいなの♪
心の中で飛び跳ねて妄想しながら、私は彼がシュークリームを口に運ぶのを見つめる。
いつかその内、あーん。なんかもしてあげたいなあ‥
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でもなるべくなら優しく‥して(゜ロ゜;ハゲちゃうから!