お蔭様でモチベが上がって、時間があったのでサクサク書いてしまいました(笑)チョロい作者(笑)
誕生日の翌日。
私は朝、出勤してから直ぐに、アルファードさんの姿を探す。
視界の端に肌色が目に入る。
こういう時、ハゲは探しやすくて良い。
ススス‥と彼の背後に立ち、ソッと初めてシニヨンで纏めてみた髪に手を当てる。
セット良し。戴いた眼鏡もピカピカにレンズ迄、磨いてきた。軽く深呼吸をひとつ。呼吸を整えて、そうして漸く、彼の背後から声を掛ける。
「お早うございます‥♪」
「ん?高町か‥え?誰‥?」
彼は振り返り、私を見た瞬間、動きを止める。
彼は目をパチクリさせながら、聞いてくる。
「いやいやいや‥名前呼んでるじゃないですか!」
「お?おう。高町か?お早うさん‥」
「んー?んんん?んんー?どうしたんですかー?うっすら頭が赤いですよー?LEDですかー?」
と、私は眼鏡をクイクイしながら、彼を更に近くから見つめる。
「やだ‥省エネ‥んっ!んんっ!その‥なんだ‥思った通り、眼鏡‥似合ってるぞ‥あと、その髪型も‥」
と、彼は一応のツッコミの体で反抗しつつ、咳払いをして誤魔化すようにそんな事を真赤な顔で言うものだから‥。
「あ、ありがとうございます‥」
と、私も恥ずかしくなってしまったが、なんとか返事を絞り出す。
というか顔が凄い熱い。
‥これ‥私も顔真赤なんだろうなー‥。
恥ずか‥死ぬ‥。
ダメだ。ロープブレイクだ!
そこで私はいつものように伝家の宝刀を抜く。
「それで‥お礼にシュークリーム作ってきました!」
「お、おお‥!そうか!ありがたくいただくよ‥」
と、嬉しそうに早速シュークリームをほおばる彼をこそばゆい想いで見つめていると。
そういえば、初めて彼にシュークリームを作った時も誕生日のお礼だったっけ‥。
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誕生日を祝って貰い、めでたく隊長の初めての女の地位を勝ち取った私は上機嫌でいた。
隊長からいただいた白色のリボンを早速付けて、朝、出勤してみれば‥
何故か職場にフェイトちゃんがいた。
私に会いに来たのかな?
挨拶しようかと、声を掛けようとした時点で、私は何やら嫌な予感がして、様子を伺う事にした。
するとフェイトちゃんはススス‥と、隊長に近付き、
隊長に小さな袋を渡していた。
あの袋には見覚えがある。
あれは‥まさか‥。
隊長は嬉しそうに袋からクッキーをつまむと、口に放り込んだ。
美味しそうに咀嚼したあと、フェイトちゃんの頭を撫でていた。
フェイトちゃんの顔は真赤だ。
そして、目を弓にして、とても幸せそうでもある。
やられたっ‥!
悔しさに唇を噛む私の耳にフェイトちゃんの声が聞こえた。
喧騒の中なのに、何故かハッキリと聞こえたのだ。
そう。それはまるで私に聞かせる為の言葉。
「アルファードさんは‥こんな風に、女の子からプレゼント‥よく貰うんですか?」
「ん?恥ずかしながら、ないな‥」
「じゃあ!私が初めてですね‥!」
その時、なのはに電流走る‥!
「じゃあ!私が初めてですね‥!」
フェイトのこの言葉が頭の中をこだまして回る‥。
ハッとフェイトを見れば、彼女もこちらを見ていて‥。
おや‥フェイトの様子が‥‥
ドヤアアア!
‥そこには満面のドヤ顔のフェイトがいて‥。
フェイトちゃんがフェイト‥ドヤロッサに進化したの!
私は思わず、その場でガクリと膝を付く。
そうだ‥私は何を浮かれていたのだ。
流石は私の最強のライバル‥。
振り返れば奴がいる。
猛省‥っ!
猛省だっ‥!
そして直ぐに、私は立ち上がる。
反省と後悔は一瞬で良い。
大事なのはこのあとだ‥!
その宣戦布告‥っ!確かに受け取ったよ!
フェイトちゃんっ!
でも、見てて!最後にドヤるのは私だから‥っ!
そして私はその場を後にした。
★★★★★★
仕事をかつてない速度で終らせた私は急いで自分の部屋に戻っていた。
やるべきことはシンプル。
順番に関しては、最早どうしようもない。
どうしようもないことは切り捨てる。
ならばどうする?順番以上のインパクト‥つまりクオリティで上回り、塗り替える!
フェイトちゃんのクッキーは確かに美味しかったけど!‥それを‥越える‥っ!
そう‥お母さん直伝の翠屋シュークリームならば‥勝つる‥っ!
私は翠屋をお手伝いしていた時の記憶とレシピを呼び覚ましながら、工程を進めていく。
記憶を辿りながらも、何とかタネは完成。
‥後は焼くだけ。
天板に綺麗に列べてオーブンに放り込んだ所でチャイムが鳴った。
どちら様?と、ドアを開けると、
ハゲがいた。
あまりの、衝撃に私が口をパクパクさせていると、
「ああ‥すまんな‥なんか急いで帰ったから‥具合でも悪いのかと思ってな‥」
「い、いえ‥すいません‥観たいテレビが有って‥」
等と焦った私は意味不明な言い訳を言ってしまう。
「そ、そうか‥ああ、勘違いなら良かった‥んじゃ、帰るわ‥邪魔したな」
と、彼は身を翻してしまう。
どうしよう‥?
今お部屋に誘って、シュークリームを食べていただこうか?
でも、いきなりお部屋に隊長を入れるのは、恥ずかしい‥おそうじはいつもちゃんとしてるけど‥
それでも、なんだか気恥ずかしいのだ。それにシュークリームもまだ味見してない‥。
多分大丈夫だとは思うが‥今回は失敗は許されないミッションである。
と、あれこれ私が逡巡しているうちに、隊長はドアから離れてしまう。
「ぁ‥」
つい、少し名残惜しげな声が出てしまう。
それに気付いてか、気付かずか‥
彼がこちらを振り返り、いつもの優しい眼差しで‥
「どうした?高町?」
と、いつものように彼は優しく声を掛けてくれて‥。それでも私はこたえられず‥。
尚も黙っている私に彼は更に声をかける。
「それとな‥そのリボン‥思った通り、似合ってるぜ‥じゃあな‥」
と、彼は手を振りながら行ってしまう。
私はまたもや、その場でペタンと、膝をついてしまう。
脳内で彼の言葉
を反芻する‥。(ぼふっ)
顔が沸騰するように熱い。鼓動が五月蠅い。
「不意打ちとか‥1番ずるいよね‥」
と、ポショリと呟いたそんな言葉は誰にも届かず、廊下へと溶けて消えた。
★★★★★★
翌日。
私はウキウキしながら隊長の席へと急ぐ。
手にはわざわざ工作して作った翠屋のデザインに似せた箱を持って。中身は勿論シュークリームだ。
昨日味見をした結果、やはりお母さんには及ばないが‥十分及第点と判断し、今に至る。
彼は喜んでくれるだろうか?
甘いモノが好きとは言え、
一概にシュークリームも好きとは言えない。
ドキドキしながら私は隊長の隣に立つ。
「隊長‥これ‥先日のお礼なの‥」
「ん?高町か。お早うさん‥なんだ?くれるのか?」
と、
彼は笑顔で私から箱を受け取って。
ソーッと中を開いて、中身を見て、目を見開いた。
「‥!シュークリームか!大好物だ!ありがとうな?」
やった!とりあえず彼の好みには合っていたようだ‥。
「じゃあ早速いただくな?」
と、彼は嬉しそうにひとつ手に取り、かぶりつく。
「こ、これは‥程好い甘さと口どけの良いクリームの食感!そして、皮のサクサク感!甘過ぎないのに、コクがある‥だと‥シナモンも良いアクセントだ‥!」
と、ひと息に感想を述べたあと、
キュッと目を瞑ると、やや、顔を上に上げ、彼は何かを考えるように黙りこんでしまう。
「‥これは‥高町が作ったのか?」
「はい‥」
いつになく真剣な雰囲気の彼に圧され、恐る恐る私は答える。
「そうか‥やはりな‥俺が今までに食べたどのシュークリームの味とも一致しないから、驚いたよ‥いや‥美味しかった‥ありがとう‥そうだな‥今迄で2番目に美味しかった‥」
やった‥!やった‥!やったー!
嬉しさあまって私は隊長の椅子の背もたれにしがみつく。
しかしそれでも、テンションは治まらない。
‥良いや。
もう‥押しちゃえ!
と、私は隊長を座らせたまま、椅子を押して、職場内を縦横無尽に駆けめぐった。
冷静になって後から考えると、凄く迷惑行為だ。
カッとなってやった。今は反省している。
ドヤ顔の美少女に押されながら笑顔で迫り来るハゲ‥。
人によっては、悪夢に見そうな、ユルハゲ大事件であった。‥と、当時の同僚に未だに冷やかされる。
でも隊長も戸惑いながらも楽しそうに笑ってくれていて、
しかも後で一緒にみんなに謝ってくれて。
作って良かったと思える‥とても楽しい1日でした。
因みに隊長が食べた1番美味しかったというシュークリームは翠屋のモノでした‥‥‥orz
やっぱり‥お母さんには勝てなかったよ‥。
でもいつかはお母さんを越える‥っ!
お読みいただきありがとうございますm(__)m
テンション上げて一気に書くとちかれるべー(´д`|||)まあ短めですけどね(。>д<)
今更ながら、stanのワンポイントメモ。
◆◆◆は視点変更。====は回想or時間経過。★★★は回想中の時間経過を表しております。
何の説明もなく使用していた(笑)ので今更ながら、の説明でした。詠みにくいから止めてというかたはご一報ください。考えます。(やめるとは言ってない)