SCPオンライン   作:ルルー

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思いついてしまった‥‥


サメ台風と三隻の船

 プレイヤーの皆様、どうも運営でございます。

 第一イベント終了から、また一週間経ちました。

 皆様、よいSCPライフを堪能されていることでしょうが、ここで一つお知らせがございます。

 

 そのお知らせというのは、――災害についてでございます。

 

 人間が恐怖するもので最も身近なものであり、地震、雷、火事、台風とここ日本ではよく発生する自然現象でありますが、実は、このゲームにも存在しています。

 

 ですが、現実世界で起こる災害とは()()違うものとなっております。

 なので、皆様SCPオンラインをプレイされている際には、放送される情報などにご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 とある住宅の一室。

 誰もいない部屋の中でひとりでにテレビが点灯した。

 伝えるべき存在がいない部屋で、テレビは情報を映し出す。 

 

《ええ、続きましてお天気情報となります。 近々、トーキョーエリア付近の海域に突然台風が発生する可能性があります。 付近の方々はくれぐれもご注意ください》

 

 そのニュースが終わるとともに、ブツっと音を立て、画面は真っ黒になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【雑談】SCPオンライン雑談スレ 3番目

 

 

 

  このスレッドは今年の八月に発売されたフルダイブ型オンラインゲーム、SCPオンラインの雑談スレです。

 

 

 

 荒らし、冷やかし、音楽の歌詞などはおやめください。

 

 

 150名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 なんか情報来たぞ~

 

 151名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 なんだなんだ?

 

 152名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 ゲームで災害……?

 

 153名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 SCPで災害といえば認識災害だが……

 

 154名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 どうやら違うみたいだぞ

 

 155名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 ああ、自然災害のほうか

 

 156トマト 20■■/8/10

 でもなんか不穏なこと書いてるぞ‥‥

 

 157名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 少し……?

 

 158名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 少し違うってなんだww

 

 159隊長 20■■/8/10

 意味は分からんが‥‥とてつもなく嫌な予感がするのは確かだ‥‥

 

 160隊員A 20■■/8/10 

 自分も隊長に同意です

 

 161名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 まあ、このゲームで少しなんて信用できないからなぁ‥‥

 

 162財団神拳伝承者 20■■/8/10

 ああ、SCPオンラインだからな……

 

 

 

 ~しばらく不安がるレスが続く~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 210名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 おい、なんかテレビで台風が来るなんて言ってるぞ

 

 211名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 台風?

 

 212名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 突然発生するってなんだww

 

 213名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 ほんとに台風なのか‥‥?

 

 214隊長 20■■/8/10

 今確認してきたがほんとに発生しているみたい‥‥なんだが‥‥

 

 215名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 ん?

 

 216名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 やっぱりただの台風じゃなかったか?

 

 217隊長 20■■/8/10

 ああ、やはり運営はどこかねじが外れているようだ‥‥

 

 218隊員A 20■■/8/10

 映画でも見たんですかね……

 

 219名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 いったい何があったんだ!? 早く教えてくれよ!

 

 220隊長 20■■/8/10

 ああ、すまない……サメだ

 

 221名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 サメ?

 

 222名前:名無しの財団職員 20■■/8/10

 サメ……まさか!?

 

 223名前:隊長 20■■/8/10

 ああ……シャークネードだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トーキョーエリアの端のほうに存在する海のエリア。

 普段は海を満喫しているNPC達やレジ袋、一部のプレイヤーたちの遊び場となっているエリアだが、現在は人気はない。

  

 宙に浮かぶレジ袋だけが、台風の影響か激しくなびいている。

 

「おお、マジか……」

 

 そこにあるプレイヤーたちが現れた。

 その人物たちは、掲示板にてトマト 隊長 隊員Aと呼ばれた人物たちだ。

 

「ほんとに泳いでますね……」

 

 隊員Aは台風の中を泳ぐサメ達に驚き、

 

「あれどうにかしないといけないのか……」

 

 赤いライターを持ったトマトは腕を組み、どうしたものかと思案顔で、

 

「ああ……わかった。 Bからの連絡だ、もうすぐ持ってこられるようだ」

 

 隊長は、隊員Bと連絡を取っていた。

 

「そうですか!」

「だけど、あの船でも倒しきれるか?」

「さあな、こればっかりは試してみんと分からん」

 

 ため息をつきながら両手を広げ、隊長は答えた。 

 そして隊長はトマトが持っている赤いライターに目をつけながら

「最悪、その赤色のライターの出番かもしれん」

 と言った。

 

「ええ……マジで使うのか……?」 

「しょうがないだろう、使いやすく、かつ強力なものは今はそれだけだ」

「うへぇ……」

 

 隊長の案に、トマトは不満なようだった。

 それはそうだろう、その案とは、トマトが持つライターで巨大なジョークトマトを出し、トマトを照準

にして射出しサメを殺そうというものだ。

 最初は好奇心でわざとくらったものの、普通の人間は何度もあれは食らいたくはないだろう。

 

 トマトがいやそうな声を上げていると、港のほうからS()P()C()と書かれた三隻の船がやってきた。

 三隻のうちの一隻に隊員Bが乗っている

 船に乗る隊員Bに隊長が手を振る。

 

「おーいこっちだーっておい! どこにいく!?」

 

 だが、三隻の船は手を振る隊長に目もくれず、サメが泳ぐ台風へと向かっていった。

 

「助けてえええええ」

 

 進む船からBの悲鳴が聞こえてきたが、隊長達にはどうすることもできなかった。

 三隻の船は、助けを求めるBの声など気にすることはなく、台風に突撃していく。

 台風に近づくに連れてスピードを上げていく三隻の船は、さながらジェットスキーのようだった。

 台風が眼前に迫ると、そのままスピードを落とすことなく、まるで滝を上る鯉のごとく台風を昇っていき、サメを船首で轢き殺していった。

 

 その光景を見た隊長たちは、後に虐殺のそれだったと掲示板に残している。

 

 そして虐殺始まる三十分ほどたっただろうか、台風を走っていた三隻の船は海に着水し、台風とサメは消滅した。

 ……船に乗っていた隊員Bと共に。

 

「隊員B……いい奴だったよ」

 

 トマトは赤いライターで出したトマトをかじりながらそうつぶやいた。




著作権者:SCP Foundation 

SCP-489-JP サメ殴り艇隊

執筆者 megabomb様

http://ja.scp-wiki.net/scp-489-jp


SCP-1735 突破不能の障壁

執筆者 faminepulse様

http://ja.scp-wiki.net/scp-1735

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