試合が終わってからの日向は今までに見たことがないほど覇気がなかった。何があってもやる気と希望に満ち溢れていた瞳の輝きはほとんど失われ、表情も恐ろしいほどに固かった。
すべてが終わった会場を後にして、夕陽が差し込む外に出る。日向は影山飛雄の名と異名に反応を示しはしたが、何も言葉を発しなかった。
そんな日向の様子を見てどうしようかと雪ヶ丘の選手たちが顔を見合わせていると、試合が終わり会場を出て行く北川第一の選手たちの姿を見つけた。
厳しく訓練された軍隊のように列を作って歩く彼らに感じるのは、やはり圧倒的な威圧感だった。勝ち残ったというのに特に喜んでいる様子はなく、むしろお腹が空いただとか、そういう試合とは関係のないところで盛り上がっている彼らを見ていると、無性にどうしようもない気持ちが迫り上がってくる。
「……しょうがないって。相手は全国候補だろ? 運が悪かったんだよ」
関向が日向を気遣って言う。慰める気持ちもありはしたが、それ以上に自分を納得させるためでもあった。
だって勝てるはずがなかった。試合が始まるまでは日向の言葉に浮かされて、まあ、何とかなると思っていた。しかしそんな甘い気持ちは開始数分で跡形もなく消え去った。言わずともみんなそうだろう。……日向を除いて。
日向はそれに関して何も言わない。少しの間を置いてから、風に乗せるように想いを口にした。
「───相手が強くても弱くても。結果は勝つか負けるかのどっちかで。負けたらもうコートには立てない」
「……えっ? ちょ、翔ちゃん!!」
日向は階段を一気に駆け下りて、列の最後尾を歩いていた影山の背中を視界に捉えた。泉の声を振り切ると、着地の勢いそのままに声を張り上げた。
「お前が!!」
その声に驚いた影山は振り返り、日向を視認すると静かに言葉を待った。そして影山より遅れてバスに向かう桃井もまた、はっとして日向の立つ階段の陰に身を寄せて様子を伺う。
日向は一度深く息を吸った。思いのままにならなかった悔しさ、向こう側が見えない苦しさ、何より初めて味わった敗北の辛さを、忘れやしないと誓うように。溢れてくる涙を拭い、胸元のシャツを握りしめ、声を絞り出す。それが己の魂の叫びだと言わんばかりに、その決意には並々ならぬ想いが込められていた。
「……お前が、コートに君臨する王様なら!! そいつを倒して、……ッおれが一番長く、コートに立ってやる……!!」
日向の宣言に桃井は心を打たれた。彼女は握った拳を胸元に当て、ぐっと唇を噛み締める。やはり、彼こそが。試合中に感じていた期待が確信に変わり、身体中に希望が満ちてくる。そっと階段の陰から影山の表情を見て、確信は間違いじゃないのだと悟った。
影山はポケットに突っ込んだ手を出すと日向に向き直った。夕陽に背を向け影が降りたその横顔は、試合中の姿とはまるで違う、真っ直ぐな少年の顔をしていた。
素人同然のくせにと馬鹿にせず、自分に勝つという宣言を真っ向から受け止めたのだ。
「……コートに残るのは勝った奴……強い奴だけだ。勝ち残りたかったら、強くなってみろよ」
試合をするには、勝つには、強さがいる。全国の壁を身をもって味わった影山はその事実をよく知っていた。
だから終わりのない強さを貪欲に求める姿勢がチームメイトとの軋轢を生んだ。
影山は揺らぐことのない意志を強さを瞳に宿らせたまま日向を射抜いて堂々と告げると、視界の端に桃色を発見し、唇を尖らせた。
「おい」
「あ、バレた。ごめん。盗み聞きするつもりはなかったんだけど」
「わっ!?」
ごめんねと申し訳なさそうに出てくる桃井に、もしかして泣いているところを見られてしまったかもしれないと、日向は夕陽のせいとは言い逃れできないレベルまで真っ赤になる。真剣な雰囲気はどこへやら、ワタワタする日向に苦笑した桃井は優しく声をかけた。
「えーと、目は後で冷やしてね。腫れると大変だから」
「あっ、うっ、えぇっと」
「……影山くん、先に行っててくれる?」
すぐ追いつくから。そう言い足すと桃井は日向の正面に立ち、改めて自己紹介させて欲しいと頭を下げる。数時間前と同じ行動だったが、今度は意味が違っていた。
「はじめまして、日向翔陽くん。私は桃井さつきっていいます。北川第一のマネージャーをやってるの」
そのまま桃井がニコッと慣れた様子で笑顔を浮かべると、日向の心臓が大きく跳ねた。試合前はそれどころじゃなかったが、今こうして彼女を正面から見ると、本当に可愛らしい顔立ちをしているなと思った。
「なんで、おれの名前……」
「対戦相手の名前くらい知ってて当然よ。それに、さっきの試合ですごくいいものを見せてもらったから、そのお礼が言いたくて」
「お礼??」
桃井は祈るように目蓋を閉じ、胸元に手を当てると一呼吸置いて、そっと目を開いた。口元が柔らかく綻び、桃色の瞳は蕩けるような慈しみを余すことなく伝えてくる。風がそよぐと彼女の長い髪がなびき、まろやかな夕陽の色彩が絵画のような美しさに拍車をかけた。
「日向くんのプレー、すごく良かった。特に最後のあのスパイク……結果は残念だったけど、君の類稀な可能性を感じられた」
日向はこぼれ落ちそうなほど目を大きく見開くと、え、と声を震わせた。そんな日向の様子に構わず桃井は二の句を滑らかに継ぐ。
「コートの端から端まで一瞬で移動し、あのトスを打ってみせた。その跳躍力と瞬発力、何より勝利にしがみつく執着心……試合に勝つ為に大事なものを既に持っている」
誰も……桃井でさえ予測できなかった。あの会場内において、日向だけが自分にできることを信じ、成して見せたのだ。桃井は最後の瞬間に放たれた圧倒的な存在感を思い出し、身震いする。誰が何と言おうとあの瞬間の主役は紛れもなく日向だった。
過去に似た感覚を体感したことはあるが、それは牛島や佐久早といった全国区に名を轟かせる選手たちが見せる存在感に圧倒された感覚と酷似していた。俺が決めてみせるとトスを全身全霊で呼ぶ、あの感覚。己のプライドを賭けて、桃井の予測を打ち破らんとする、あの迫力。
日向の技術は赤子同然、知識も浅い。褒められるのは運動能力と精神力だけ。経験は無に等しく、彼のバレーボーラーの道は始まったばかりだと言っても過言ではない。そんな彼が天才たちと同等のものを秘めている。気分が高揚しないはずがなかった。
どれほどの苦難に立たされようと決して折れない心の強さが眩しかった。木兎は見る人の心を奮わせるプレーをする選手だったが、同様に桃井は日向のプレーに勇気をもらった。試合前の不安や怒りは凪いで、今や明るい気持ちで満たされている。
これほどまでに胸が躍るのは久々だ。目を見張るところはあれど、どうしてここまで彼に魅入るのか、まだわからない。だが懐かしさを感じた。影山の才能の片鱗に気づいて、どこまで強くなれるのかを見たくなった、あの幼い頃の情熱を穏やかに感じていた。
「日向くんはこの先必ず強くなる。その原点に立ち会えて、本当に嬉しかったの。ありがとう」
影山と同じ強い意志で輝く瞳に映る日向は俯いている。肩を震わせ、嗚咽を堪えようとしてもなかなか上手くいかないようだった。桃井は鞄からハンカチを取り出して日向に渡す。
「これ使って」
「で、でも……」
「いいからいいから。……急に言われても困ったよね。ごめんなさい」
申し訳なさそうに目を伏せ、所在なさげにハンカチを持つ右手を空中に漂わせる。すると日向はものすごい勢いで頭を振って、そんなことない!! とハンカチを受け取った。結局女子の前で泣いてしまった事実が恥ずかしく、さっと涙を拭き取ると太陽のような笑顔を浮かべる。
「ッううん、すげぇ嬉しい!! ……っでも、おれ、」
「うん?」
「おれは、レシーブヘタクソで……スパイクも、全然決まらなくて、」
「うん。今はそうだね」
でも、これからもっと上手くなるんでしょ? と信じて疑わない声色でするりと言われて、日向はますますわからなくなる。
桃井に関して北川第一のマネージャーであること以外、日向は何も知らない。だが超強豪校のプレーをたくさん見てきたであろう彼女がどうして自分のプレーをそこまで言うのか、全く見当もつかないのだ。
それに日向の今の弱さを肯定し受け入れる意志が伝わってくるから、どういう反応をすればいいのかわからなかった。幸せそうに綻ぶ口元が、嬉しそうに細められた温かな眼差しが、最上級の好意を示していた。慈愛に満ちた微笑みを向けられて、その気持ちに嘘偽りはないのだとわかる。もちろん日向には疑う理由は一つもありはしないのだが、嬉しい気持ちとそれ以上の疑問に、日向が困惑するのも無理はない。
「だから、おれを信じてくれたの、なんでかなって……」
「そりゃあ、」
女の勘よ、と言いそうになって。しかしきちんと自分の言葉にしたいと思った桃井は、一度思考する時間を挟むようにゆっくりとまばたきをして、オレンジの瞳を見つめて告げた。
「君の……日向くんのプレー見てそう思ったの」
答えを聞いても日向にはわからなかった。ヘタクソな自分のプレーのどこに桃井が信じると決めた理由があるのか。んん? と首を傾げる様子に苦笑する。桃井にも全てを伝えられる自信と時間はなかったので簡潔に説明を加えることにした。
「岩泉先輩とか、木兎さんとか。どんな選手だって見れば楽しいし元気をくれる。けれど、そういうのとは別のエネルギーをくれる、特別な選手がいるの。あくまで個人的な感覚だけど……」
ちらりと脳裏を横切るのは、仏頂面の幼馴染や紫のユニフォームを纏った男。きっと他の人たちとは違う力を彼らからもらっている。しかしそれとは違って、日向からもらったものは温かく希望に満ちた優しいエネルギーだった。
日向は大きな瞳をぱちぱちさせて、自分の顔を指差す。
「それが、おれ?」
「そう。私にとって特別な選手」
「とっ、特別!!?」
「ファンってこと」
「ファン!!?」
特別はまだ早かったかもしれないと言い換えた言葉が、すんなり唇に乗った。ファン。なるほど、それが一番しっくり来るような気がする。こちらの方が日向も大事に受け取ることはないだろうと思ったが逆効果のようで、いや〜〜そんな……えへへ、と照れくさそうにしている。日向くんって扱いやすいなと桃井が認識していると、あっ!! という突然の大声に肩を揺らした。
「でもさ、それって桃井さんもだよね!」
「えっ?」
「エネルギーくれるってやつ。試合前の緊張とか、桃井さんが信じてくれたから乗り越えられた! バレーがしたくてウズウズしてる今のもそう!!」
桃井は日向のすべてを肯定した。今日初めて会ったのに、未来を信じて可能性があるとさえ言ってくれた。桃井からしたら日向があまりに特殊な素質を秘めていて、そんな選手と出会えたことが嬉しく、また日向の言動にエネルギーをもらい感謝したい一心だったので、それを伝えたに過ぎない。日向の可能性は見出せても過去のことはそこまで詳しく知らないからだ。
当然これが日向にとって初めての、バレーの未来を期待する言葉であることも知らなかった。ジャンプがすごいとか諦めが悪いとか、そういうことは何度か言われてきたけれど、プレーに着目してここがすごいと褒められたことは皆無だった。これまで試合もしたことがないから当たり前のことではあるのだが、その初戦が散々だったからこそ、彼女の真っ直ぐな言葉は日向の活力になった。
「だから、ありがとう!!!」
今日一番の笑顔を見せて礼を言う日向に心臓が高鳴った。でも、だいたい、他校のよく知りもしないマネージャーの発言をすんなり受け入れて、信じてくれる日向がすごいのだ、とドキドキしているのを誤魔化すように桃井は思う。
普通急にあんなことを言われて素直に受け止めるのか? いや、他の人ならドン引くに決まっている。何この人どこまで見てんの怖……ってなるに決まっている。だが、日向は信じた。それ以外の選択肢なんて知らないみたいに、一番難しい信じるという行為を選んだ。
裏のない言葉や表情が太陽みたい、なんて思ってはいたけど。
「直射日光っ……」
「え? なに??」
至近距離で太陽光を浴びた気分だ。桃井があまりの眩しさにぎゅっと目を瞑ると、日向が心底不思議そうな顔をする。ちょうどその時、桃井の背中に、早く来いと主将の声が投げかけられた。もう時間がない。すぐ行く! と返事をして、日向に向き直る。
「ううん、気にしないで! ね、日向くん。携帯持ってる? 連絡先交換しよ?」
近いうちにまた会えない? そう言いながら鞄からメモ帳とペンを取り出し、さらさらと番号を書き留める。えっ!? と驚きの声を上げた日向は涙で汚してしまったハンカチを見て、そのまま返すわけにはいかないからと、桃井の提案に頷いた。
「はいこれ、私の番号。あとで絶対にかけて」
「うん! ハンカチありがと。今度洗って返す!」
日向がメモを受け取るとあまりに自然な動きで桃井の白い指が手を覆った。突然手の甲に触れる柔らかい感触に日向は息を詰める。軽く力を入れられて、全然痛くないはずなのに、至近距離にある憂いを帯びた瞳のせいでその感覚が刻み込まれた。あんなに幸せな色を湛えていた瞳が揺らぎ、まるで助けを求めるように、戦慄いた唇がそっと動く。
「約束だよ」
手が離れ、温度が消えた。桃井はまたねと手を振ってダッシュでバレー部専用のバスに向かう。去り際に明るく整った笑顔を見せられて、さっきの悲しげな表情は見間違いだったのかと本気で疑いたくなる。
しかし日向は確かにこの目で見た。胸を引っ掻いたような奇妙な感覚と、ハンカチの柔らかい感触が、現実感を薄れさせるけれど。
「約束……」
小さく呟いてハンカチとメモに交互に視線を送っていると、背後から誰かが駆け下りてくる足音がした。
「おーい、日向! 美女と何話してたんだよ!」
「かなり親しくしてる様子だったけど?」
「うわぁ!!」
振り向くと、関向と泉がニヤニヤした顔をして日向を見下ろしていた。慌ててハンカチとメモを背後に隠し、二人を見上げて少し黙り込むので、何だ? と二人は日向を見つめる。
色んなことがありすぎてまだ落ち着かないけれど、今日ここに来れたのは間違いなく二人と一年生たちのおかげだった。日向の胸は感謝の念でいっぱいで、その気持ちを込めて勢いよく頭を下げた。
「今日はありがとう!!」
……おれに足りないものはたくさんある。すぐに補えるようなものじゃないけど、それでもやってやるんだ。
あの王様にリベンジするために。
そして、おれを信じてくれた桃井さんの期待に応えるために。
夕暮れで短距離とはいえ蒸し暑いところを走ったのだから、桃井が座席に座り込んだ頃には顔が火照り、額に少量の汗の粒が浮かんだ。ちょうど良かった。上手く誤魔化せる。
ここまで遅れたのは3年間で初めてのことで、どうしたと理由を問う周囲に軽く返事をし、なんでもない顔をする。しかしその内側では、罪悪感をはじめとするさまざまな感情を押し殺し、やり遂げた達成感を噛み締めていた。
これで。これで日向との繋がりができた。
桃井の頭の中でリプレイされる今日の記憶は、すべて日向と影山に関連する。日向に告げた言葉は嘘ではない。が、彼に期待したのは彼自身についてだけではなかった。桃井の思惑を知らない明るい太陽のような満面の笑みを思い返して胸が痛むけれど、目的の為に手段は選んでいられない。
お互い印象は最悪らしいが、それでも何かしら意識したに違いない。日向は影山の実力をその身で味わい、あの王様っぷりに真っ向から立ち向かった。チームメイトですら関わりたくないと反抗心を剥き出しにされない王様に、負けるものかと牙を剥いた。
影山だって彼を「3年間何もやってこなかった相手」だけと見ていないはずだ。言葉にしていないだけで、きっと現時点でさえ光る日向の素質には気づいているし、認めている。
「あとは、いつ会えるかどうか……」
桃井の呟きは車内の喧騒に消える。少なくとも今大会中は無理だ。となると東北大会前ならどうにか予定をねじ込める……? 影山は無理やりにでも連れて行くとして、日向の予定はわからないわけだし……とスケジュールをあれこれシミュレートするのが楽しい。
だって、ようやく見つけたのだ。
金田一や国見、桃井でさえ変化を与えられなかった影山が、僅かな兆しを見せた存在を。
日向なら、影山を変えられるかもしれない。そんな願いが試合途中から芽生えていた。選手としてのレベルは桁違いでも、バレーに傾ける情熱は同じに見えたから。
……そして日向の反応速度なら、影山の容赦ないトス回しに対応できるのではないか、と。そんな幻想を抱いていた。
影山は自分の望む最大限のトスを自在に打てるスパイカーを欲している。北川第一にそんな選手はいないし、全国を探しても見つかるかどうか。
だけど、日向なら、もしかしたら。
スマホがぶるりと震えて、すぐに確認する。パッと表示されたメッセージに思わず片眉を吊り上げて不満げな表情を浮かべるが、そのすぐ上、つまり最新のメッセージは日向から送られたもので、返事を打ち込みながら自然と顔が緩んだ。
この大会を乗り切って、影山と日向を会わせよう。間違いなく喧嘩するだろうし上手くいく保証なんてどこにもないけど、影山に変化を起こし、今のチームの空気を変えるには、もうこれしかない。
あとほんの数日できっとこのチームは変わる。だから、それまでを無事に過ごせばいいのだ。ようやく見出せた光明はあまりに小さく儚いが、最早それしかないと桃井は思っていた。
……ああ、でも。
せめて、最後に自分の手で彼を変えられることを願ってもいいだろうか。いや、桃井でなくともチームメイトの誰かが、最悪の現状を変えるよう動いて、それで良い方向になると最後まで信じたかった。
『俺らはアイツに何も言わねえし、何もしない。桃井が言ったってああなんだ。どうせ俺らが何したって変わらねえんだからよ』
苛立ちを孕んだ声色でみんながそう吐き捨てた。無関心を貫くことで自分の身を守ろうとしたのだ。本心では無関心でいられるほど大人じゃないのに、形ばかり取り繕って、現状維持の名の下にチームの空気は冷え上がっていた。
下手につついて決定的な亀裂となるのは避けたくて、あの時は何も言い返せなかった。でも日向に勇気をもらった今なら、彼らに言いたいことの一つでも言えそうな気がする。
窓際に座り頬杖をついて顔を外に向けている影山に視線を向ける。ああしてはいるが、外の景色なんかどうでもよくて、バレーのことしか考えていないのだろう。今は今日の試合の反省とか明日の試合の運びとか、この後みんなでミーティングするのに、先にあれこれと考える。それしかないからだ。
影山の態度がさらに酷くなった理由に心当たりはいくつもあった。その中でも直近の原因は間違いなくアレだと、バスに揺られながら記憶の蓋を開ける。
『エースに尽くせないセッターは白鳥沢には要らない』
それは白鳥沢学園の練習会に参加した時のことだった。
日向が登場人物たちに与えた影響って凄すぎますよね。桃井も例に漏れずそのうちの一人になることでしょう。
書きたい話はいっぱいあるんですけど執筆スピードが上がらなくて申し訳ないです。頑張ります。