忌み子の人狼   作:doesn't work

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お久しぶりです。久々の投稿でございます。
口調等おかしな所あればご指摘ください。


第14話

「ん?」

 

白夜が目を覚ますとそこはいつもと違うベッドの上でした。

 

「どこ?」

 

辺りを見渡してみますが全く見当もつきません。

 

「あら、目を覚ましたのね」

 

「誰?」

 

白夜が困惑しているその時、扉を開けて部屋の中に入ってきたのは戦闘中白夜を抱きかかえてきたレイヴェル・フェニックスでした。

 

「あら、私の名前をご存じなくて?」

 

「知らない」

 

白夜は検討もつかないのか首を横に振ります。

 

「ならあなたのその頭にしっかりと刻み込んでくださいまし。私の名前はレイヴェル・フェニックス」

 

「レイヴェル?」

 

「いきなり呼び捨てなのですね。まぁいいでしょう」

 

「姉さんはどこにいる?」

 

「姉さん?あぁ、アーシア・アルジェントですわね。今はここにいませんよ」

 

「なんで?」

 

「ここはあなた達が戦った場所にある医療室ですわ。あなたのケガの治療をするために態々ここに運んであげたんですのよ」

 

ちなみに、戦闘中、白夜をぬいぐるみのように終始抱きしめていたレイヴェルは戦闘終了後も離したくないという思いからそのままこの医務室に運んだというのが事の顛末でした。

 

「姉さんはどこにいるの?」

 

「あなた運んであげた私に対して何かお礼はないわけ?あなたのお姉さんなら治療に魔力を使いすぎて今気を失っているそうよ。場所は知らないわ」

 

「そう」

 

話を聞いた白夜はベッドから立ち上がると「ちょっと!」と非難の声を上げるレイヴェルを余所にその場を後にしてアーシアを探しに行きます。

 

「こっち…」

 

白夜は匂いを頼りにアーシアがいると思われる場所に急ぎます。

 

「白夜君?」

 

そんな白夜に子猫が声を掛けます。

 

「えっと」

 

「アーシアさんならこっちだよ」

 

戸惑っている白夜を余所に子猫は察してくれたのかアーシアの場所を案内してくれました。

 

「んぅ~白夜…」

 

部屋に入るとスヤスヤと眠るアーシアの姿がありました。

 

「良かった」

 

「私たちを治すために無理をしてくれたみたいでとても感謝しています」

 

「んっ、白夜?」

 

間もなくしてアーシアが目を覚ましました。

 

「大丈夫?」

 

白夜はアーシアが寝ているベッドに腰かけます。

 

「白夜!」

 

「わっ」

 

目が覚めてすぐにアーシアは顔を使づけていた白夜を両手でホールドし抱き寄せました。

 

「無事で良かった」

 

「心配した?」

 

「えぇ、本当に心配しました」

 

「ごめんなさい」

 

「気にしなくて大丈夫ですよ。無事ならそれで」

 

「あの、いいです?」

 

そんな2人だけの空間を気付いている所に子猫が声を掛けます。

 

「あ、えっとごめんなさい。子猫さんも色々とご迷惑をおかけしました」

 

「いえ、それから私たちはこれから部長の婚礼に参加しないといけなくて後のことをお任せしてもいいですか?」

 

「後の事?」

 

「はい」

 

首をかしげるアーシアと白夜に子猫は言伝を伝えます。

 

ーーー

 

「あれ、ここは、俺の家?」

 

意識を取り戻した一誠は自身の家のベッドで目を覚ましました。

 

「起きた?」

 

「うぉ、びっくりした!」

 

一誠が横を向くとそこには白夜の顔がありました。

 

「そうだ。俺はライザーに負けてそれで…」

 

一誠は気を失う前の記憶がよみがえってきたようです。

 

そんな一誠を無視して白夜は着替えを用意して目の前に差し出します。

 

「着替えて」

 

「あ、俺の制服。ありがとう」

 

一誠は白夜からもらった制服に着替えます。

 

「っ、部長は今どうしてるんだ!」

 

「今婚姻式?をやってる、らしい」

 

話を聞いた一誠の顔が一気に険しくなります。

 

「そうか、俺が弱いせいで」

 

「行くの?行かないの?」

 

「行くって…」

 

白夜が言いたいことを察したのか一誠の顔に一気に生気が戻ります。

 

「そうだよな。よし!俺は今から部長を取り戻しに行くぞ!」

 

「そう」

 

「それはそうと、婚姻式ってどこでやってるんだ。うぉっ」

 

一誠が隣を見るといつのまにか人の姿から狼の姿になっていた白夜の姿がありました。

 

「乗れってことか?」

 

一誠の問いに答えるように白夜は唸りました。

 

「そう来なくっちゃな。頼むぜ!」

 

一誠を乗せた白夜は颯爽と民家の中をかけていき、やがて一軒の家の前に留まりました。

 

「おい、なんで止まるんだよ。絶対ここで式はやってないだろ」

 

「あれ、白夜もう着いたんですね」

 

「アーシア?」

 

家の中から扉を開けてアーシアが何かの瓶を持って出てきました。

 

「一誠さん、これを、きゃっ」

 

「アーシア危ない!」

 

アーシアが少し慌てて白夜たちのもとに向かった時に足を躓き前のめりにこけそうになり、とっさに一誠が受け止めに行こうとします。

 

「ばう」

 

「いたっ」

 

そこに横から白夜が助けようとした一誠をどけてアーシアを受け止めます。

 

「ありがとう、白夜」

 

白夜に礼を言うとアーシアは改めて一誠に向き直ります。

 

「一誠さん、これを」

 

アーシアは手に持っていた瓶を手渡します。

 

「これは?」

 

「聖水です。これ一本しかありませんが」

 

「聖水?」

 

「はい。フェニックスに効果的に攻撃することが出来る、らしいです」

 

アーシアは少し自信なさげに答えます。

 

「疑うわけじゃないんだけ、本当に効くんだよな」

 

「私には何とも、子猫さんが仰っていたので」

 

「子猫ちゃんが?」

 

「はい」

 

「ばう!」

 

会話している二人を急かすように白夜が吠えます。

 

「そうですね。いそがないと」

 

「それで結局どうやって向かうんだ?」

 

「これを使って移動できるみたいです」

 

アーシアは魔法陣が書かれている紙を取り出しました。

 

「よし、部長を取り戻しにいくぞ!」

 

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