ロクでなし魔術講師ととある特殊部隊員   作:藤氏

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9話

『ふん、雑魚が…』

 

 ジョセフは気絶したジンを蔑むような目で見下した。そして、システィーナの方を向く。システィーナは両手を縛られているせいで、立ち上がることができなかったが、こちらを警戒するように見つめている。

 

『危なかったな。あと少し遅れていたら、取り返しのつかないことになっていた』

 

「助けてくれたことは感謝しますが、貴方は何者ですか?ここは、部外者は入れませんよ?」

 

『俺か?俺はテロリストではない。つまり、敵ではない』

 

「…テロリストではないなら、帝国軍ですか?」

 

『連邦軍だ。大統領の命令でこいつらを追ってきた』

 

「連邦軍!?どうやってここに?」

 

『それはな…』

 

 どう言ったものか。と、考えていたその時、グレンが扉の前に立っていた。

 

「さっきの銃声はここか?おい、白猫ッ!大丈夫か?怪我は…ってお前はッ!?」

 

 システィーナのもとに駆けつけてきたグレンは、こちらを見るなり、目を大きく見開いていた。

 

「せ、先生……?」

 

「何で『黒い悪魔』がここにいる!?デルタが動いているなんて聞いてないぞ」

 

「『黒い悪魔』…?」

 

「去年起きたアメリカ連邦とレザリア王国との戦争で、明らかになっているだけでも三百人の敵を殺してきた奴だ…」

 

「……ッ!?」

 

 グレンが『黒い悪魔』のことを簡単に説明するとシスティーナは、殺した人数を聞き、青ざめた顔でこちらを見、グレンの後ろに隠れるように後ずさりする。

 

(まあ、そうなるよな…)

 

 ジョセフは、システィーナの反応を当然だと思った。戦争中とはいえ、三百人もの人間を殺してきた人を恐くないと思うのは、それと同じ数を殺してきた人間か、最初から狂っている人間ぐらいだ。

 

――黒い悪魔。

 

 去年に起きたアメリカ連邦とレザリア王国との戦争で、北部戦線に連邦軍から忽然と姿を現した怪物。

 

 その怪物を倒すために、レザリア王国を事実上支配する聖エリサレス教会教皇庁は多額の懸賞金を出し、全力で抹殺しようとした。

 

 しかし、結果は、その怪物がいた場所にはレザリア王国軍兵士の死体があるだけだった。ある部隊は、三十人ばかし討伐に向かわせたが、生き残って帰ってきたのは二人だけだった。そして生き残った兵士は地獄を見たかのような、青ざめた顔でその怪物のことを語った。

 

 全身黒ずくめで何かを呟いた後、当然周囲が光り、これで半数の兵士が消された。白兵戦でもまるで斧のような武器を振り回し、銃で的確に撃ってくる。何もできずに一人、また一人と血しぶきをあげながら倒れていく。

 

 その姿はまるで悪魔のようだった。この言葉が、最初はレザリア王国から、そして連邦、帝国に広まっていった。そして人々はこう呼んだ。

 

 『黒い悪魔』と。――

 

 

『「黒い悪魔」か…確かにそう呼ばれているな。敵ではないから安心しろ。俺はこのテロリストを追っていてこの学院に入った。』

 

「どうやって入ったのか知らんが、デルタが動いているということはこいつ等は…」

 

『おおかた、アンタの予想通りだ。それよりも「こいつ等」っと言ったな?他に遭遇した奴がいるのか?』

 

「ああ、俺が学院に行く途中、一人の外道魔術師が現れて足止めされてた。そいつは今路上でさらし者にされているがな。」

 

『そうか…』

 

「まあ、それそうと…とにかくだ。状況を教えろ、白猫。一体、何が起こったんだ?」

 

「あ……はい……」

 

 システィーナは一連の出来事を説明した。いきなりテロリストを名乗る二人の魔術師が教室にやって来たこと、教室の生徒達が拘束されて閉じ込められていること。グレンはまだ生徒達に犠牲者が出ていないことに、とりあえず安堵したようだ。しかし――

 

「ルミアが連れて行かれた?」

 

「……はい」

 

「なんでアイツが?」

 

「わかりません。それと……」

 

「何だ?他にも連れて行かれたヤツがいるのか?」

 

『連邦から来た男子留学生の行方が分からないそうだ』

 

「連邦からの…?って、まさかジョセフか?てか、何でお前が知っている?」

 

『彼女を救出する前に教室に向かって、そこで聞いた。因みに生徒達の拘束は解いてある…が、テロリストが何を仕掛けているのかわからない以上、教室にいるように言っている。』

 

「そうか……礼を言う。しかし、となるとやっぱ早まったか?」

 

「先生?」

 

「あー、いや、すまん。独り言だ。お前がこうして無事だったんだ。判断は正しかったとしよう。」

 

 と、その時だった。

 

 辺りに金属を打ち鳴らしたような甲高い共鳴音が響き渡る。

 

 何事かとシスティーナが身を固くしていると、眉間にしわを寄せたグレンがポケットから半割の宝石を取り出して耳に当てた。

 

「てめぇ、セリカ!?遅ぇぞ!一体、何やってたんだ、この馬鹿!」

 

『すまんな。ちょうど講演中だったんだ。着信は切ってたんだよ』

 

 宝石から、今はフェジテから遥か遠き帝都にいるはずのセリカの声が聞こえてくる。

 

「こっちはそれどころじゃねーぞ!?」

 

『……何かあったのか?』

 

 宝石から聞こえてくる声が硬くなった。

 

「ああ、実はな……」

 

 ……。

 

 …。

 

『それ、本当か?』

 

「冗談でこんなコト言うか。面白くねーぞ」

 

 グレンは頭をかきながら、まくし立てる。

 

「とにかく、下手人は天の智慧研究会だ。結界を掌握され、学院は完全に封鎖された。もう、入ることもできん。教室には五十人前後いるが、その内一人は消息不明、一人は保護、一人は黒幕の元に連れて行かれたらしい」

 

『天の智慧研究会か……あのロクでなしの人でなし共が出張ってくるとはな……』

 

「敵戦力は確認できたのが三人、まだ未確認なのが一人以上。確認できた敵の内、二人は無力化。だが、残りが多分、ヤバい。諸状況から察するに先の二人と比較して格下なんてことは恐らくありえない。」

 

『お前の固有魔術【愚者の世界】でもダメそうか?』

 

「俺の固有魔術は不意を討ってこそ、だ。流石に三度目をやすやすと許すほど、敵も馬鹿じゃないはずだ」

 

『そうだな』

 

「それと、セリカ……デルタも動いている」

 

『デルタ?連邦陸軍対テロ特殊部隊がか?』

 

「あぁ、今俺と一緒にいるが、送り込んできたのはあの『黒い悪魔』だ。連中曰く、天の智慧研究会を潰すために来たらしい」

 

『「黒い悪魔」か……連邦も本気で潰しに来たか』

 

「で、最後にこれが重要なんだが……俺もこの学院の魔導セキュリティのレベルの高さは知っている。だが、ここまで鮮やかにセキュリティを掌握されている所から察するに…いるぞ、学院内に裏切り者がな」

 

『あぁ、私もそれを考えていた』

 

「なぁ、セリカ。そっちにいるはずの教授や講師達の中で不自然に姿が見えない奴っているか?特に教授格かそれに準ずる能力を持つ講師だ」

 

『わからん。会場では団体行動じゃない。すぐに確認するのは不可能だ』

 

「ち……事情を説明してさっさと確認しろ!それから早く帝国宮廷魔導士団を回すように手配してくれ!」

 

『無理だ。お前も知っているとおり、魔術学院はとにかく各政府機関の面子や縄張り争いがうるさい魔窟なんだ。呼ぶとしても迅速に…というワケにはいかない』

 

「アホか、ふざけんな!?生徒達の命がかかってんだぞ!?お前の権限でなんとかしろよ!?」

 

『今の私は市井の一魔術師に過ぎないんだ。人が過去の役職の権限を振りかざしていいなら、国が滅茶苦茶になるぞ』

 

「じゃあ、お前が早く帰ってこい!学院内に転送法陣があるだろ!?」

 

『落ち着けよ。そこまで周到に結界を掌握した連中が学院内の転送法陣を有効にしたままにしておくか?私なら最初に壊すぞ?ま、試してはみるがね。期待はするな』

 

「く……」

 

 確かにそうだ。転送法陣は長距離転送魔術において入り口であり、出口でもある。帝都と学院を繋ぐ転送法陣が生きていたら、帝都から学院内に侵入される。先に拠点の転送法陣を破壊するのは立てこもりテロの定石だ。

 

 グレンはばつが悪そうに頭を押さえてため息をつく。

 

「悪い…冷静じゃなかった」

 

『人の本質はやっぱ変わらないな。お前はお前のままだよ。とにかく、こっちは対応を急ぐ、お前は無理をせず、保護した生徒と一緒にどこか安全な場所で隠れていろ。残りの敵はデルタに任せておけ』

 

「ああ、わかった」

 

『じゃあ、いったん切るぞ。……死ぬなよ?』

 

「……こんな所で死んでたまるか」

 

 通信魔術を解除し、グレンは宝石をポケットに押し込んだ。

 

「……ん?どうした?」

 

 視線に気づいてグレンはシスティーナに声をかける。

 

「いえ…その……意外で…」

 

「はぁ?」

 

「先生ってその…もっと冷めた人なんだって思ってたから……」

 

 どうでもいい、とばかりにグレンは目を背けた。

 

「あの…今の…相手はアルフォネア教授、ですよね?」

 

「ああ」

 

「助けは呼べそうなんですか?」

 

「呼べそうだ、と今の話聞いて思ったか?」

 

 それを聞いて、システィーナは消沈したように肩を落としてうつむいた。

 

 やがて、何かを決心したようかのように顔を上げ、部屋を出て行こうと踵を返した。(因みに解呪作業はジョセフがやっていた)

 

「どこへ行く気だ?白猫」

 

 グレンはとっさに腕をつかんで引き止める。

 

「ルミアを助けに行きます」

 

「よせ、無駄死にする気か?」

 

「だって、……だって、ルミアが…ルミアは私を庇って……」

 

「お前一人に何ができんだよ?お前自身分かってんだろ?大人しくしてろ」

 

「でも…でも……ッ!」

 

「大人しくしてろ」

 

 有無を言わさない、突き放すようなグレンの言葉。

 

 次第にシスティーナの肩が小刻みに震えていく。水滴が床を叩く音が小さく響いた。

 

「でも……私、悔しくて……だって……」

 

「お、おい…白猫…?」

 

「だって…うぅ…ひっく…うわぁあああん…」

 

 今まで色々こらえていた感情が、一時の安堵が引き金となって暴発したのだろう。言葉を失うグレンの前で、システィーナは目を腫らして子供のように泣きじゃくっていた。

 

「先生の言う通りだった!魔術なんて、ロクな物じゃなかった!こんな物が…こんな物があるからルミアが……ルミアが…ひっく…う、うぅ…」

 

「…泣くな、馬鹿」

 

 ぽん、と。グレンはシスティーナの頭に優しく手を乗せた。

 

「先生……?」

 

「魔術が現実に存在する以上、存在しないことを望むのは現実じゃない。大切なのはどうすればいいのか考えること……なのだそうだ。お前の親友の受け売りだけどな。やーれやれ、俺もずいぶんと長い間、思考停止していたらしい。ヤキが回ったかね?」

 

 そう語るグレンは、いつもの気だるげで皮肉げな顔からは想像つかないほど、穏やかな表情を浮かべていた。その意外過ぎる一面に、システィーナは戸惑うしかない。

 

(ほー、先生にもああいう表情があるんだな)

 

 ジョセフもさっきから黙っていたが、グレンが見せた表情に新し発見があったような感じで思っていた。

 

「ルミアの奴はこういう事件が起こらないように将来、魔術を導いていけるような立場になりたいらしい。アホだろ?でも立派だ」

 

「あの子が…そんなことを?」

 

「あぁ、死なせられないよな…死なせてたまるかよ」

 

『なら、そろそろ動かないとな。連中もそんなに悠長にしているような奴ではない』

 

「…あぁ、そうだな」

 

 グレンは決意を瞳に宿し、そして言った。

 

「俺とコイツが動く。敵の残りは二人だと決めつけて暗殺する。もう、それしかない。協力してもらうぞ、『黒い悪魔』」

 

『了解』

 

 暗殺。その時、システィーナはそんなことをあっさりと言ってのけたグレンに背筋が凍えるような恐怖を覚えた。だが、それ以上にやるせなさも感じた。グレンは人殺しを覚悟した冷徹な瞳をしていたが……どこかでとても辛そうだったからだ。

 

(この人も、人殺しをするのに辛いと思ったことはなかったのだろうかしら?)

 

 システィーナはそう思いながら『黒い悪魔』を見る。残念ながら帽子を目深に被っているせいか、そこまでは分からなかった。ただ、システィーナはこの人は根っからの悪魔ではないと感じていた。クラスの人達を助けているし、自分も助けてくれた。そして、ルミアを助けるために協力してくれる。

 

(『黒い悪魔』か…)

 

「くは、くはははは……」

 

 突然その場に乾いた笑い声が響き渡った。

 

「…暗殺、か。けっけっけ、まさかそんな言葉があっさりと出るとはな…なんだ、お前もその悪魔と同じコッチ側の人間かよ…クハハ…」

 

 見れば、転がされていたジンが意識を取り戻していた。ジョセフは舌打ちしながらジンの方を振り向く。グレンも流し見ている。

 

「否定はしねーよ。しょせんは俺も下種だ」

 

「ほう?じゃ、オレは殺さねーのか?それとも可愛い生徒の前じゃ殺せねーか?」

 

「先生と貴方達を一緒にしないで!」

 

 ジンの不愉快な言を聞いていられず、システィーナが肩を怒らせて叫んだ。

 

「先生は貴方とは違うわ!なんのためらいもなくゴミみたいに人を殺せる貴方達とは――」

 

「くはは、お前、そいつの何を知っているんだ?そいつは最近やって来たばかりの非常勤講師なんだろ?」

 

「そ、それは――」

 

 思わず言葉に詰まった。確かにシスティーナはこの約二十日間ばかりのグレンしか知らない。セリカが連れて来た謎の講師。グレンが過去に何をやっていたかなんて何一つ知らない。

 

「断言してやる。そいつは絶対、ロクな奴じゃねえ。もう何人も殺ってきた…オレらと…『違うな』…は?」

 

 ジンの言葉を遮るようにジョセフは言う。歩みながらジンの前に立つ。

 

『彼とお前らは全然違う。人を殺してきたのは事実だろう…だが』

 

 ジョセフはM1907をジンの頭に向けて構える。

 

『お前らは手当たり次第人を殺すサル以下の存在だ。だが、彼はお前らみたいな奴を殺すことはあれど、何の罪もない人は殺さない。根本的に違うんだよ。』

 

「テメェ、何言って――」

 

 ドスッ。

 

 ジンの言葉は続かなかった。眉間に銃剣が刺さっていたのだ。しばらくして引き抜くと、びくんとしたがそれ以降動くことはなかった。

 

『少しは、黙ることを知ろうか』

 

 と、その時。突然、場に魔力の共鳴音が響き渡ったかと思うと、グレン達を取り囲む空間が波紋のように揺らいだ。

 

「何――ッ!?」

 

 空間の揺らぎから何かが無数に出現する。

 

 それらは骸骨だ。二本の足で立ち、剣や盾などで武装している。その数、十数体。いや、今もなお、その数はどんどん増え続けている――

 

『親玉のお出ましか…』

 

 グレンとシスティーナとジョセフはあっと言う間に、大量の骸骨達に包囲されていた。

 

「せ、先生…これは――」

 

「くそ、ボーン・ゴーレムかよ!?しかも、こいつら、竜の牙を素材に錬金術で錬成された代物じゃねえか!?ずいぶんと大盤振る舞いだな、おい!?」

 

 召喚【コール・ファミリア】。本来は、小動物のようなちょっとした使い魔を呼んで使役する召喚魔術の基本術だが、この術者は自己作成したゴーレムを使い魔として、しかも遠隔連続召喚するなどという、恐ろしく高度なことをやっている。しかもグレン達の前にゴーレムは竜の牙製。それゆえに驚異的な膂力、運動能力、頑強さ、三属耐性を持っている。並みの戦士や魔術師では対処できない危険な相手だ。

 

「てか、なんだこのふざけた数の多重起動は!?人間業じゃねーぞ!?」

 

 術者の卓越した技量に驚愕する暇もない。

 

 ボーン・ゴーレムの一体が剣を振りかざして、システィーナに襲いかかった。

 

「きゃあ!?」

 

「下がってろ!」

 

 グレンが間に割って入る。左手の甲で振り下ろされた剣の腹を叩いて弾き、全身のバネと共に渾身の右ストレートをボーン・ゴーレムの頭部に叩き込む――が。

 

「ち、硬ぇ!?」

 

 多少、のけぞらせたが、それだけだ。ひびの一つも入っていない。

 

「こいつら牛乳飲み過ぎだろコンチクショウ!?炭酸水でも飲んどけ!」

 

 竜の牙製のゴーレムに物理的な干渉はほとんど損害にならない。拳打のような打撃攻撃はもちろん、攻性呪文の基本三属と呼ばれる、炎熱、冷気、電撃も通用しない。

 

 このゴーレムを打ち倒すならば、もっと直接的な魔力干渉をしなければならない。

 

(【ウェポン・チャント】だ!くそ、間に合うか!?)

 

 三節詠唱しかできないのは、こういう時ネックだ。とっさの対応が非常に困難である。

 

 二回ほど刃を受ける覚悟を固めて、グレンは呪文を唱えようとして。

 

「≪その剣に光在れ≫ッ!」

 

 システィーナが一節詠唱で唱えた、黒魔【ウェポン・エンチャント】が完成する。

 

 グレンの両拳が一瞬白く輝き、その拳に魔力が符呪された。

 

「先生!」

 

「すまん、助かった!」

 

 礼を言いながら、グレンは素早くステップを踏んた。

 

 兼三閃。正面と左右から襲いかかってきたゴーレムの頭蓋が今度こそ粉砕される。

 

「≪大いなる風よ≫!」

 

 続いてシスティーナが黒魔【ゲイル・ブロウ】の呪文を唱える。

 

 猛烈な突風が吹き荒れ、出入り口の扉を塞いでいたゴーレム達を扉ごと吹き飛ばした。

 

 ダメージは無いに等しいだろうが、これで外までの道が開けた。

 

「ナイスだ!走れ、白猫!」

 

「は、はい!」

 

『急げ!範囲攻撃をするぞ!』

 

 システィーナが実験室の外へ続く道を駆ける。

 

 すかさず、左右のボーン・ゴーレム達がシスティーナに襲いかかる。

 

「させるかよ!」

 

 システィーナの背後についていたグレンの拳と足が、それらをなぎ倒し、振り払う。

 

 かろうじて実験室の外への脱出に成功。

 

 そして、少し遅れながらもジョセフも脱出し。

 

『≪爆ぜよ≫』

 

 ドゴォオオオオ。

 

 一節詠唱した次の瞬間、ゴーレム達の目の前で突然光り出し、大きな爆発音を出した後にはそこにいたゴーレム達は跡形もなく消えていた。

 

「な、何!?今の!?」

 

「まさか、今のが【レクイエム】か?…いや、今は取り敢えず走れ!」

 

 休む暇もなく、三人は廊下を駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




C'mon baby America!

というワケで今回は、ニュージャージー州です。

人口900万人。州都はトレントン。主な都市にニューアーク、ジャージーシティ、トレントン、カムデン、アトランティックシティ。

愛称は庭園の州です。

独立13州の1つで、3番目に加入しました。

ニューヨークとペンシルバニアに挟まれた、日本で言うと川崎市みたいな州です。州民の平均所得が低く、治安はカムデン、ニューアーク、ジャージーシティが治安が悪いランキングで常連に入るほど頗る良くありませんでした。そのため、税収確保のため早いうちにカジノを合法化しており、ラスベガスに次ぐカジノシティとして作られたのがアトランティックシティでした。
これが今までのニュージャージー州の状況だったのですが、近年は事情が一変し、平均所得は3番目、高級住宅街も広がっているなどしており、治安の悪い下町州というイメージは払拭されてきています。

以上!!

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