ロクでなし魔術講師ととある特殊部隊員   作:藤氏

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それでは、どうぞ


144話

 そして、夜が明けて――銀竜祭、二日目が始まる。

 

 祭の最終日である三日目に行われる一大メインイベント、銀竜降臨演舞。それは一日目に開催セレモニーを行った中央広場の大舞台で行われる。

 

 今、その大舞台は、大きなテントにすっぽり隠され、外から中は見えなくなっていた。

 

 そして、マリーの代役を受けたセリカはグレン達を引き連れて、テントの中央の舞台上にて振り付けの練習をしていたのであった。

 

 一方、ジョン市長邸のジョセフにあてがわれた部屋では――

 

「……やっぱり、おかしい」

 

「ええ、普通こんなに活発化する?」

 

 部屋に設えてある品の良いテーブルを挟んで、ジョセフとアリッサは向かい合うようにソファに腰かけ、今までの≪銀竜教団≫の情報を整理していた。

 

「≪銀竜教団≫は、かつてはこのスノリア地方を牛耳っていた白銀竜を過度に崇める秘密結社だ。ここが観光業で栄えるまでは竜の押しを一方的に押し付け、お布施いう名の搾取をしていた」

 

「だけど、ジョン市長が就任して銀竜祭や帝都からの鉄道路線開通にともなう観光業の発達により、≪銀竜教団≫は衰退。今や幹部構成員はもちろん、全体的に見て、高齢化が著しい」

 

「若者も入らないっていうわけではないが、今までのような、忠誠心溢れる者ではなく、単なる火遊びに憧れた者がほとんど。統制が取れていない」

 

 ここまで衰退著しいと、活動も衰退していくのは自明の理であり、現にスノリアが観光名所になって以降、今までのような活動に落ち着いていた。

 

「深刻な人手不足、保有する魔術師の数の少なさ、秘密結社で言えば、区分は弱小結社。なのに、ここにきてホテルの占拠とプロダンサーの恫喝・買収……」

 

「ここに来ての急激な活発化、考えられるとしたら……誰かが彼らのバックアップについたということ」

 

「まぁ、それが有力やろ。急激に自力で台所事情が良くなったわけではないだろうし」

 

 だが、その場合だと。

 

「でも、それだったら、彼らのバックについた第三者の動機は?」

 

「わからん。仮についたとしても、何かメリットがあるはずや」

 

 衰退著しい≪銀竜教団≫と組むならば、それ相応のメリットが組んだ組織にはあるはずだ。

 

 だが、一体、≪銀竜教団≫と組んでなにかメリットがあるのかといえば、あまりない。

 

 むしろ、それならホワイトタウン市議会などと組んだ方が実は取れるかもしれない。

 

「一体、何があるんだ?」

 

 ジョセフはホテル占拠とダンサーの恫喝・買収という、あまりにも従来の行動から逸脱した≪銀竜教団≫に対し、首を傾げるしかなかった。

 

 

 

 

 

 一方、振り付けに悪戦苦闘していたグレンから、少し離れた場所にて。

 

「えーと……こんな感じかしら?……どうかな?」

 

 システィーナが、くるくると踊りの練習をしていた。

 

「あー、なかなかいいんじゃね?」

 

「じゃあ、そろそろわたくし達と合わせてみましょうか?」

 

 そんなシスティーナへ、コレットとフランシーヌがぱちぱちと手を叩いていた。

 

「そう?まぁ、私も大体覚えたかな……振り付け」

 

 すると、システィーナは溜息交じりにコレット達へ言った。

 

「それにしても、ごめんね、二人とも……せっかくの休暇旅行中に、こんなことに巻き込んじゃって……」

 

「抜けたスタッフたちの代わりに、わたくし達が補充要員として参加したことですの?」

 

「いいって、いいって、これも良い思い出だぜ」

 

 唐突に大半のスタッフが抜けてしまった奉納舞踊の人手不足は深刻だった。裏方はもちろん、バックダンサーなども不足しているような有様だったのだ。

 

 そこで、ジョン市長やハイネ座長に頼まれ、システィーナは聖リリィ魔術女学院組に声をかけたのである。

 

 その声に応じ、コレットやフランシーヌを中心に、スノリアに来ていた聖リリィ魔術女学院の多くの生徒達が、ボランティアで手助けしてくれることになったのだ。

 

「や」

 

 ひゅごぉ!

 

「うひゃあ!?リィエルさん、本気出さないで!?死んじゃう!?」

 

 向こうでは、魔王配下の兵士役をもらったリィエルとジニーや、一度見た動きは機械のように再現できるリィエルには、ぴったりの役だ。

 

 その他の生徒達も、残ったスタッフ達と協力して、舞台道具の準備や舞台運びの打ち合わせを行い、明日の奉納舞踊に向けて、皆で協力しながら突貫工事で準備を進めていた。

 

「でも、これはこれで面白そうだよな?惜しむらくは、アタシ、もっと良い役が欲しかったけどさ!」

 

「ええ、まったくですわ!わたくしにも、もっと相応しい役があるはずですの!」

 

 コレットとフランシーヌがうんうんと頷く。彼女達は外面はとても華やかなので、システィーナ同様、バックダンサーとして舞台へ上がることになったのだ。

 

「そうね、確かにこれはこれで、休暇中の良い思い出になりそうだわ」

 

「良い思い出にするためにも、やると決まったからには、全力を尽くしますの!」

 

「ああ、グレン先生がやる主役ってのも楽しみだしな!酷いことになりそうだけど!」

 

 三人は、くすくすと笑い合うのであった。

 

「ところで、ルミアのやつはどこ行ったんだ?」

 

「ええ、そうですわね。そろそろ皆で、動きの合わせをしたいですわ」

 

「そう言えば……そうね。私、ちょっと探してくるわ」

 

 そう言い残して。

 

 システィーナは、一旦、その場を離れていくのであった。

 

 

 

 

 

「さぁ、早く皆の所に戻らなきゃ」

 

 その頃、ルミアはハイネ座長に頼まれ、足りない小道具の買い出しに行っていた。

 

 今、用事を終え、彼女は中央舞台のテントを目指し、帰路についた。

 

 道中、歩きながら周囲を見渡せば、街は相変わらず祭りと観光客で賑わっている。

 

 ほんの一日前まで、自分達は祭りを楽しむ側のあの中に居たのだ。そんな自分達が祭りの裏方に回ったことが、なんだかちょっと信じられない。

 

「えーと、テントはあっちだね」

 

 さくさくと雪を踏みしめながら、ルミアが通りの角を曲がろうとする。

 

 と。

 

「やぁ、そこの可愛いお嬢さん。ちょっといいかな?」

 

 不意に、ルミアは横手から声をかけられて、ふと足を止めていた。

 

 傍らを見れば、街角に敷物を広げ、筐のような台と共に座る一人の少年がいた。

 

「僕の芸を見ていかないかい?……お暇があるならさ」

 

 歳の頃はルミアと同じか、やや歳上か……どこか民族的な紋様が刺繍されたローブを全身にゆったりと纏った、少年だ。

 

 目深に被ったフードと銀髪が、少年の顔を半分以上覆い隠しているため、その造作はよく窺えないが……なんとなく絶世の美少年であろうことが雰囲気でわかる。

 

 少年の隣にある筐のような台は、人形劇のセットだ。

 

 察するに、少年は人形劇の屋台芸を商っているようであった。

 

「え、ええと、あなたは……」

 

「僕の名は、フェロード。フェロード=べリフ。……しがない旅芸人だよ、ルミア」

 

 あれ?私、名乗りましたっけ?

 

 だが、どことなく不思議な雰囲気を纏う少年――フェロードを前に、なぜかルミアのその疑問は霧散していく。

 

「流石にこのご時世、こんな古臭い人形劇なんて時代遅れでね。だから、誰も見てくれなくて、ちょっとへこんでいたんだよ」

 

「あ、あの……?」

 

「だけど、せっかくこの日のために用意した芸、このまま誰の目にもとまらないなんて哀しいだろう?だから、君に見て欲しいんだ、ルミア」

 

 その少年はどこまでも穏やかで優しげで、つい飲まれてしまう。

 

 非常に断りづらい雰囲気だ。

 

「もちろん、お代はいらないよ。……どうか、僕の芸、見てやってくれないかな?」

 

「でも……その……私……」

 

「演目名は『白銀竜と魔法使い』」

 

「『白銀竜と魔法使い』?あれ?それって……?」

 

「そうだよ。明日、行われる奉納舞踊の演目と一緒なんだ。奉納舞踊は音楽と舞の振り付けで全てのストーリーを表現するんだけど、僕の人形劇は、もちろん僕の人形繰りと合わせて、ナレーションと台詞入りでストーリーを表現するよ。……それゆえに子供っぽいってことで、大人には受けないんだろうけどね」

 

 フェロードが屈託なく笑った。

 

 そんな無邪気で天真爛漫な少年の様子に、ルミアは思わず目を瞬かせる。

 

「どうだい?同じ伝承を違う表現方法で見る……なかなか面白いと思うんだけど?」

 

 すると。

 

「あっ……はい、わかりました……じゃあ、ちょっとだけ……」

 

 つい流されて。あるいはほんの少しだけ、少年の人形劇に興味を惹かれて。

 

 ルミアは曖昧な笑みを浮かべて、頷いてしまうのであった。

 

「ありがとう。じゃあ、さっそく始めるよ。改めて演目は、『白銀竜と魔法使い』……それでは始まり始まり……」

 

 そう告げて、フェロードと名乗る少年は吟遊詩人のように謳いあげながら、両手から垂らした操り人形の操作を始めるのであった。

 

 

 

 フェロードが吟詠しながら披露した人形劇は、特に上手くも下手でもなかった。

 

 その場ではそれなりに楽しめるが、明日になればきっと綺麗に忘れている……その程度の変哲も無い平凡な芸だった。

 

 興味深いのは『白銀竜と魔法使い』の内容そのものだ。それは、このスノリア地方の伝説であり、銀竜祭の奉納舞踊の演目ともなっている伝統芸能らしい。

 

「――昔、昔、ある所に、心優しい白銀竜様がいて、その地域一帯は白銀竜様によって守られていました。ですが、ある時、悪い魔王がやってきて、白銀竜様を倒し、その白銀竜様に『悪の鍵』を刺しました。それが全ての不幸の始まりだったのです――」

 

 心臓に刺された『悪の鍵』によって、白銀竜様は正しき心を忘れて、悪しき心に支配された。魔王に忠誠を尽くし、暴虐の限りを尽くして暴れ回るようになったという。

 

 それを鎮めるため、毎年何人もの年若い娘が、白銀竜の生け贄に捧げられ続けたらしい。

 

「――そんな時、悪しき白銀竜に虐げられる村に、一人の少年が現れます。全ての元凶たる魔王を退治するため、この乱れた世界を旅する魔法使いでした」

 

 そして、その魔法使いはその村で、とある娘と一目で恋に落ちる。

 

 だが、運命はかくも残酷か、その娘は白銀竜に捧げられる今年の生け贄役だったのだ。

 

「――魔法使いは、その娘を助けるため、そして村を助けるため、北の聖なる山を登って、白銀竜と戦うことを決意したのです」

 

 だが、白銀竜は強敵であった。魔法使いの魔法をもってしても白銀竜は倒せなかった。白銀竜を支配する魔王も現れ、その攻撃の前に魔法使いの命は最早、風前の灯火。

 

 そんな時、魔法使いの前に、生け贄の娘がやってきたのだ。

 

「娘は言いました。”魔法使い様。どうか、私と契約してください”」

 

 実は、その生け贄の娘は、白銀竜の『善き心』の化身だったのだ。

 

 愛する魔法使いを助けるため、数千年の時を経て得た強大な力を持つ自分の本体を捨てる覚悟をしたのです。

 

 白銀竜の『善き心』と契約した魔法使いは、竜の力を得て、見事、白銀竜を倒しました。

 

「白銀竜を倒し、魔王を退散させた魔法使いは、白銀竜の『善き心』の化身と共に、再び魔王を倒すための正義の戦いの旅を続けるのでした。そして、この地の人々は忘れないでしょう。人々を救ってくれた魔法使いの存在を。そして、その身を犠牲にして、人々を救ってくれた優しき竜の存在を。……めでたしめでたし」

 

 こんな締めくくりで。

 

 フェロードの人形劇は幕を引くのであった。

 

 

 

 

「どうだい?少しは退屈しのぎになったかい?」

 

 芸を終えたフェロードが、ルミアへにこやかに微笑みかける。

 

「ええ、とても興味深い話でした。素敵な時間をどうもありがとうございます」

 

 ルミアも穏やかな笑みをフェロードへと返す。

 

「こちらこそ。祭りの余興としては受けが悪かったけど、君が見てくれたんだ。せっかく練習した芸も、この日のために作った人形達も、これで浮かばれるよ。下手の横好きに付き合ってくれて、本当にどうもありがとう」

 

「いえいえ、そんなことありませんよ?なんだか凄く引き込まれましたし……それに、この『白銀竜と魔法使い』って、『メルガリウスの魔法使い』の一部なんですよね?」

 

「おや、詳しいんだね、ルミア」

 

 少年がにこやかに微笑んで、話し始めた。

 

「そうなんだ。『メルガリウスの魔法使い』の第七章は、このスノリア地方の民間伝承である『白銀竜と魔法使い』を取り入れた物だと言われているんだ。『白銀竜と魔法使い』で登場する。”魔法使い”を、『メルガリウスの魔法使い』の主人公である”正義の魔法使い”と同一視したんだと思う。この国には、”魔法使い”や”魔王”が登場する様々な伝承、逸話が各地にあって、一つの物語群を形成している。ロラン=エルトリアはそれらを個々に独立した伝承とは捉えず、共通する一人の”正義の魔法使い”を主人公とした物語として一本に筋道立てて編纂した……それが『メルガリウスの魔法使い』なんだ。そして、興味深いのが、ロラン=エルトリアが編纂した『メルガリウスの魔法使い』は、基本的にどの章もハッピーエンドということなんだ。この『白銀竜と魔法使い』はともかく、元になった原典では、わりと悲惨な結末の逸話も多い。なのになぜ、ロランは原典をねじ曲げてまで、あえてハッピーエンドにしたのか?そこにはロランの何らかの願いやメッセージが込められているのかもしれないわけで――」

 

 やけに饒舌に語るフェロードが語っていると。

 

 やがて、ルミアがくすくすと笑っていることに、フェロードは気付く。

 

「おっと、ごめんね。この手の話となるとつい夢中になってしまうのが、僕の昔からの悪いクセなんだ。……気分を悪くしたかな?」

 

「いえ、その……システィを連れてくれば良かったなって思いまして」

 

「システィ?」

 

「ええ、そういった話にとても詳しくて、大好きな子がいるんです。名前は、システィーナと言って……」

 

「システィーナ、か。……君のお友達かい?」

 

「はい。彼女は、私がお世話になっているフィーベル家の令嬢で……こういう昔の伝承や考古学が大好きで、きっと、フェロードさんと話が合ったと思います。システィならフェロードさんの人形劇もすっごく喜んだと思いますよ?」

 

「ははは、そうかな?ふふっ、そうだと嬉しいね」

 

 なんだかんだで打ち解けた二人が、穏やかな笑みをかわし合った……その時だ。

 

「ルミア~~っ!」

 

 遠くから、そのシスティーナの声が、ルミアの耳に飛び込んでくる。

 

「ちょっと、もう~っ!早く練習の続きしましょうよ~~っ!」

 

 システィーナがルミアの姿を見つけるなり、たたたっと駆け寄ってくる。

 

「あっ、ごめんなさい、フェロードさん。長居し過ぎちゃいました。私はもうこれで……」

 

 別れる前の最後の挨拶をしようと、ルミアがフェロードを振り返る。

 

「え?……フェロードさん?」

 

 だが、そこには……()()()()()()()

 

 ついほんの一瞬前まで、確かにあったはずの人形劇台も、何もかも。

 

 まるで本当に夢か幻であったかのように、綺麗さっぱり消えてしまっていたのだ。

 

「……え?ええっ?嘘……だって、さっきまで確かに……?」

 

 目を瞬かせて、呆然と立ち尽くすルミア。

 

 今、自分の目の前で起きたことが、信じられない。

 

 確かにこの目で見たはず、聞いたはずのフェロードの言葉、人形劇。

 

 あれは、現実だったのか。それとも白昼夢だったのか。

 

 たちまち、ルミアの現実があやふやになっていく――

 

「もう、どうしたのよ?角を見てぼんやりしちゃって!」

 

 そこに元気いっぱいのシスティーナが駆けつける。

 

 事情を知らない彼女は、ルミアの反応を待つまでもなく、その手を引いて駆け出す。

 

「ほら、行こう!せっかくなんだもの、成功させてやろうじゃない!」

 

「あ、うん……そうだね……」

 

 どこか夢現の気分で、ルミアはシスティーナに手を引かれるに任せるのであった。

 

 

 

 

 

 ――それを、誰にも気付かれずに見ていた男がいた。

 

 ベージュのトレンチコートの下には黒のスーツ、そして黒の中折れハットの、清潔感溢れる男性。

 

 その清潔感から、それなりの身分の高い男性であることが一目でわかる。

 

「あれが、エルミアナ王女か。一見すると普通の少女にしか見えないな。特に、異質な雰囲気を纏っているわけでもない。それに、ここからじゃ見えなかったが、フェロードという少年も大変興味がある。もう一人の少女が姿を現わしたら、さっさとトンズラしやがった」

 

 何やら、ぶつぶつと呟くと、男は中折れハットを深くかぶり直した。

 

「ま、何はともあれ、王女は明日の奉納舞踊に参加するらしい。なぜかは知らんが、そこで上手く接触できるといいんだが。まぁ、長官は可能ならば接触してもいいのお達しだからな。今は”見”だ」

 

 そうぼそぼそと独り言を呟いて、男は祭りで賑わっている街の中に溶け込んでいくのであった。

 

 

 

 

 

 






今回はアイダホ州です。

人口165万人。州都はボイシ。主な都市にボイシ、アイダホフォールズです。

愛称は宝石の州で、43番目に加入しました。

宝石の州という名の通り、ほとんどあらゆる種類の宝石が州内で見つかっています。

アイダホは悪戯の結果から名づけられた唯一の州であると言われています(正確な由来は神話の中に留まったままです)。1860年代初期、ロッキー山脈中の新しい準州の名称を決めようとしていた時に、奇抜なロビイスト、ジョージ=ウィリングが「アイダホ」をショショーニ・インディアンの言葉で「山から上る太陽」あるいは「山々の宝石」の意味であるとして提案しました。

しかし、これは後にウィリング自作の造語であることが明らかになります。連邦議会は1861年2月に一旦この地域の名前を「コロラド準州」とすることに決めました。

連邦議会がコロラド準州を創設した同じ年に、ワシントン準州東部にアイダホ郡ができます。これは1860年にコロンビア川で進水した蒸気船の名前から採ったものですが、この蒸気船がウィリングの創作が露見する前に名付けられたのか、あるいは後なのかは不明なままです。

それでもアイダホ郡を含むワシントン準州東部から1863年にアイダホ準州が創設されました。

名前の由来に関する証拠が無いままに、20世紀以降の多くの文献では、ウィリングがショショーニ語の”ee-da-how”から「アイダホ」を派生させたという証言を事実として記録しています(というよりも、面倒臭いからそういうことにしようぜという気がするのは私の気のせいでしょうか?)。

アイダホ産ポテトとして知られる、全米随一のポテト生産州です。

州の北部はロッキー山脈が連なっています。田舎州である一方で、ユタ州と並び治安が良い州としても知られており、マイクロンなどIT産業が花開いたボイシを中心に人口は増加しています。




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