ロクでなし魔術講師ととある特殊部隊員   作:藤氏

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それでは、どうぞ。


170話

 

 

(すまない)

 

 闇の中を見据えて、アルベルトが静かに物思う。

 

 そんなアルベルトの姿は、いつも以上に、空虚で孤独だった。

 

(許せとは言わん。好きなように恨むがいい。だが、それでも俺は前へ進む)

 

 そして、冥福を祈るように、アルベルトが十字を切って黙とうを捧げた――

 

(お前の無念は、俺が地獄まで背負って行こう。せめて――……)

 

 ――その時であった。

 

 

 

 

「ったく、勝手に背負ってんじゃねえよ。冗談じゃねえよ、クソが」

 

 そんなぶっきら棒な言葉が、アルベルトを横から殴りつけるのであった。

 

「――ッ!?」

 

 アルベルトが身構え、声の方向を振り向く。

 

 反射的に左の指先を伸ばし、予唱呪文の【ライトニング・ピアス】を時間差起動する。

 

 が、不発。アルベルトの指先から、雷閃は発射されない。

 

「当たりか?当たりだろ?へっ、お前の思考はワンパターンだからなぁ?」

 

 そして、声の方向――アルベルトの指先が指し示す先。

 

 台形型の神殿屋上の端に、新たな人影が佇んでいた。

 

 その人影の正体は――先程、間違いなく仕留めたはずのグレンであった。

 

 グレンの全身はずぶ濡れ。得意げに掲げる左手には愚者のアルカナ。

 

 有効射程距離50メトラ圏内――【愚者の世界】の力、ついに顕現す。

 

「馬鹿な。……何故だ?」

 

 アルベルトが鋭く、そして静かに問いかける。

 

「あ?決まってんだろ?用水路中を、さらに東へ移動して、ノーマークの南東ルートを一気に駆け抜けて来たんだよ。お前ともあろうやつが隙だらけ――」

 

「違う。俺の狙撃は、確かにお前の心臓を射貫いた筈」

 

「ああ、それか……」

 

 すると、グレンが懐から何かを取り出す。

 

 それは、真っ二つに割れ砕けた魔晶石であった。

 

「これは、俺ができる防御魔術を、ありったけ限界集中させて込めた魔晶石だ。コイツを心臓を守るように胸ポケに仕込んでおいたってわけだ。ま、古典的な手だが……お前の狙撃の正確さが仇になったな?」

 

「……それこそ、馬鹿な」

 

 アルベルトが、淡々と問い返す。

 

「成る程、確かに防御魔術を極一点集中させれば、俺の狙撃を防ぐ事もできるだろう。一点集中させれば、な。……だが、その他ががら空きではないか」

 

「…………」

 

「俺のあの最後の一射には、触れただけでも只では済まない電流・電圧がかかっている。俺は別に頭部でも、足でも、腕でも良かったのだ。……なのに、何故だ?何故、お前は心臓だけ守ることを選択できた?それに賭けた?」

 

「そんなん決まってるだろ?……信じてたんだよ、お前の腕を」

 

 グレンが堂々とそう言い切った途端、アルベルトが微かに目を細める。

 

「お前が本気で狙撃する時は、必ず心臓を狙い、相手を即死させる……確実に仕留め、かつ、余計な苦痛を与えないためにな」

 

「…………」

 

「だから信じてたんだよ……お前が、俺の心臓を正確無比に狙ってくれることをな!」

 

 しばらくの間、アルベルトはそんなグレンを、静かに流し見ていた。

 

 ふと、ジョセフがあの特務分室三人組と対峙する前に言った言葉を思い出す。

 

 ――思えば、≪星≫さんって、確かに強いんですけど、同時にわかりやすいんですよね。

 

 ――なんか……上手く言えないんですけど、本気で狙撃する時は、ここを狙うだろうなとか。……まぁ、それでも避けることなんてできないんですけど。

 

 ――まぁ、そこを先生は上手く利用して、それこそ命張っても利用して来ると思います。

 

 ――だから、最後に聞きます。≪星≫さんは本当に、()()()()()()()()()()()()()()()()()?その一が、例えリィエルだったとしても、です。そこまでの覚悟は固めてるんですね?

 

 やがて……

 

「ふ、……ふふ……」

 

 アルベルトは肩を震わせ、含むように笑い始めた。

 

「……大した奴だ。だから、俺もお前と事を構えたく無かった」

 

「は!どの口が言う。俺もお前みたいな怪物の相手はもうゴメンだぜ。魔王や邪神の相手の方がよっぽど気楽だっつーの」

 

 しばし、互いに呆れたような笑みをぶつけ合って……

 

「さて、戦いはまだ終わってねえ……つか、これからが本番なんだが?」

 

 ……グレンは、拳闘の構えを取った。

 

「この一帯は、俺を中心に【愚者の世界】の支配下だ。つまり、俺達の勝負を決めるのはコイツだ」

 

 そう、互いの魔術は、すでに封殺されている。

 

 ならば、と――

 

「……成る程。理解が容易くて良い」

 

 アルベルトも何らかの拳法の構えを、悠然と取った。

 

 グレンのような、古式拳闘を主体とした帝国式格闘術とは大きく構えが異なる。

 

 やや半身の猫背で、左手の平を誘うように前を出す、その構え。

 

 遥か東方に伝わる神秘の武術――骨法だ。

 

「言っておくが――俺は近接格闘戦でも強いぞ?」

 

 らしくなく、どこか愉しむように挑発的な口調で、アルベルトがそう宣言する。

 

「へっ……だから、お前は嫌いなんだ」

 

 グレンも不敵で獰猛な笑みを浮かべ、じりじりと間合いを計る。

 

 一瞬の無風、数瞬の沈黙。

 

 そして――

 

「ぉおおおおおおおおおお――ッ!」

 

「――ふっ!」

 

 互いに、残存魔力を身体能力強化の術式に全開でつぎ込んで――

 

 突進から繰り出すグレンの右ストレートは、雷光。

 

 踏み込みから応じるアルベルトの左掌打は、烈風。

 

 ――暴嵐と化身した二人が、真正面から激突するのであった。

 

 

 

 

 

 

「まさか……信じられない」

 

 遠見の魔術で、グレンとアルベルトの様子を見てなお、ジョセフは信じられなかった。

 

 確かに、長くアルベルトと組んだグレンだからこそ、為せることではあった。

 

 だが、それでも、あれは賭けに近かった。万が一にも、頭とか他の部位に撃たれても不思議ではなかったのだ。

 

 なのに、それを迷わず心臓だけに防御魔術を集中させるグレンの勇気に、思わず舌を巻いた。

 

 と、そう思っているのも束の間、ジョセフは再びアルベルトとグレンの戦闘の様子を観察する。

 

 グレンとアルベルトが、夜の古都の空を舞台に、壮絶な激突を繰り返していた。

 

 二人とも朽ちかけた建造物を足場に跳び回り、駆け抜け――拳を、蹴りを、幾度となく応酬し合っている。

 

 少し距離を離れれば、グレンが拳銃を撃ち放ち、アルベルトがナイフを投げ放つ。

 

 銃弾とナイフが火花を上げて互いに激突し、弾かれ――

 

 ――されにその下で、グレンとアルベルトが再び激突する。

 

 アルベルトは、何とかして自分が有利になる魔術の間合い――【愚者の世界】の射程距離外、グレンからの50メトラの間合いを確保しようと立ち回る。

 

 だが、グレンは執念でアルベルトへ喰らい付き、決して間合いを開かせない。

 

 猛然と飛び込んできたグレンの拳がアルベルトの頬を殴りつけ、お返しとばかりにアルベルトの膝蹴りがグレンの腹に入る。

 

 何事かを吠え合いながら、グレンとアルベルトが、殴り合う、殴り合う、殴り合う。

 

 刻一刻と、ズタボロになっていく二人。互いに互いの手の内を知り尽くしたその格闘戦は、恐ろしく高度な泥試合という意味不明な展開の様相を示し始めつつあった。

 

「准将。≪星≫と≪愚者≫が交戦状態になりました。≪愚者≫が≪星≫を神殿から引き剥がしています」

 

「だとしたら……アリッサ。サイラス達は動き始めるはずだ。どうだ?」

 

「はい。サイラス達が動き始めました。闇に紛れて神殿に侵入するつもりです」

 

 状況が動いたことによって、イヴ達も動き始めているだろう。

 

 ならば、こちらも動く。

 

「に、しても……ありゃ、どっちが勝つか分からんな。ジョセフ、お前ならどっちが勝つと思う?」

 

 マクシミリアンも、アルベルトとグレンの格闘戦を見たのだろう。そうジョセフに聞いてくる。

 

「多分……≪愚者≫が勝ちますね」

 

「それはなぜ?」

 

 ≪星≫ではなく、≪愚者≫が勝つという意外な答えに、マクシミリアンは問う。

 

 ジョセフはあの質問をアルベルトに問い質した時、わかっていた。

 

 だからなのだろう。

 

「……≪星≫さんって、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。特に仲間の命がかかっている場合は……」

 

 遠見の魔術でアルベルトグレンの格闘戦を見て。

 

 ジョセフは目を細めてそう言うのであった。

 

 

 

 

 

 

「おらぁあああああああああ――ッ!」

 

 とある、ドーム状の建造物の上にて。

 

 グレンが、撃風を巻いてアルベルトへ突進。その踏み込みの物理量を余すことなく乗せて、左右拳打のラッシュ、続く裏回し蹴りを嵐のように繰り出す。

 

「くっ――」

 

 対するアルベルトは、両腕を無駄なく円に振るって、グレンのラッシュ攻撃を冷静に捌き落とし、身を屈めて続く蹴りをかわす。

 

 と、同時に、旋風のような下段足払いをグレンへと返し――

 

「甘ぇええええええええええ――ッ!」

 

 グレンは跳躍して足払いを外し、胴を回して浴びせ蹴りをアルベルトの頭部へ見舞う。

 

 だが、その刹那――

 

「――ふっ!」

 

 アルベルトの身体が、素早く横転する。

 

 空を切るグレンの浴びせ蹴り。

 

 そのまま、アルベルトはドーム状の屋根を転がり落ちていき――

 

 ――その壁面を蹴る。

 

 アルベルトの身体が跳び、夜の都市遺跡上空を舞う。

 

「逃がすかぁああああ――ッ!」

 

 グレンも鋭く助走を付け、アルベルトを追うように跳ぶ。

 

 アルベルトが、向かいの円柱状建造物の屋根に降り立つと同時に――

 

「だぁあああああああああ――ッ!」

 

 グレンが全身の発条を振り絞って――鋭い拳打をアルベルトへと撃ち放つ。

 

 だが、空気をブチ抜いて繰り出された、そのグレンの一撃は――

 

「甘いぞ」

 

 ふらりと、アルベルトが身体を傾けることで外され――同時に、アルベルトは振り抜かれたグレンの腕を搦め取り、右手でグレンの胸ぐらを掴み――駒のように回転。

 

「――ぅおわぁああああああああああああ――ッ!?」

 

 そのまま、アルベルトに投げ飛ばされたグレンが、眼下の大通りめがけて、もの凄い勢いで飛んでいく。

 

「――ちぃッ!?」

 

 グレンは空中で身を捻り――地面に激突する前に、辛うじて両手両足で着地。

 

 そのまま、即、地を蹴って消えるように跳び下がる。

 

 ――その刹那、投げ飛ばしたグレンを追って跳んできたアルベルトの貫手が、半瞬前グレンが居た場所に、投槍のごとく突き刺さった。

 

「グレン――ッ!」

 

 その土柱を左右に割って、アルベルトがグレンを追う――追いつく。

 

 繰り出す砲撃のような拳打――避けるグレン。

 

 振るわれる鞭のような裏回し蹴り――避けるグレン。

 

 流星群のように翻る手刀――グレンが拳で弾く、弾く、弾く――

 

 グレンは跳び下がりながら、アルベルトは詰め寄りながら。

 

 激流のように流れていく大通りの中を、激しいラッシュの応酬が展開される。

 

 目まぐるしく攻守が入れ替わる壮絶な格闘戦を繰り広げながら、アルベルトが叫んだ。

 

「聞け、グレンッ!お前の手管は見事だった!先の一戦は、あらゆる要素で俺に有利な戦場だった!だが、お前はそれを覆した!お前の完全勝利と言って良い!」

 

「おう、お褒めに預かり光栄だなッ!」

 

 尽き果てぬアルベルトの拳打を、グレンが眼前で交差させた腕で受け、跳び下がる。

 

「だが、退けッ!俺は、お前にかかずらっている暇は無いッ!」

 

「ほう!?そりゃどういう料簡で!?」

 

 アルベルトの苛烈なラッシュを、グレンはひたすら下がって捌きながら、問うが――

 

 ――当のアルベルトは、グレンの問いかけに何も答えない。

 

「へっ!だんまりか!?生憎、こっちだってリィエルの命、背負ってんだッ!理由もなく退けば問屋が卸さないぜ!?」

 

「それがこの帝国の未来のためだ、と言っておく!こうしている間にも――」

 

「ははっ!そりゃデカく出たな、おい!?女王陛下暗殺未遂の仲間殺し様よぉ!?」

 

「――ッ!」

 

 グレンを息吐く暇も無く攻め立てるアルベルトの表情が、鋭くなる。

 

 それを見た途端、グレンは我が意を得たりと口の端をつり上げた。

 

「へっ、てめぇはいつもそうだ!肝心なことを語りゃしねえ!最も重いもんを全部、てめぇ一人で黙って背負おうとしちまう!ンな所が気にくわねえっつてんだよッ!」

 

 不意に、グレンが跳び下がるのを止め――前に一歩、猛然と踏み込む。

 

 ゴッ!正面から迫り来るアルベルトの額へ、額で頭突きをかます。

 

 猛烈な衝撃が、両者の脳を揺らす。

 

 向き合う二人は、そのまま互いに両手を組み合い、押し合う力比べの形となった。

 

「てめぇが何をやりてえか、大体わかって来たぜッ!何を背負っているのかもな!だからこそ――許せねえッ!」

 

「何がだ?」

 

「リィエルを切ることを、あっさり決めたことがだッ!」

 

 グレンが至近距離のアルベルトを睨み付けながら吠える。

 

「ああ、いくら、てめぇとも、リィエルの命がてめぇの天秤に乗ることは予想外だったんだろう!?だが、てめぇは、てめぇの使命と信念を優先した!」

 

「それの何が悪い?」

 

「てめぇならもっと、他にやりようがあるだろうがッ!?俺なんかより、よっぽど強くて凄ぇ魔術師じゃねえか、てめえはッ!ましてや、ジョセフとか≪皇帝≫がいるなら、なおさらなぁ!?」

 

「――ッ!」

 

「使命のために、仲間の――リィエルの死まで背負う気か!?そりゃ重た過ぎるだろう!?てめぇはてめぇが思っているほど、冷血でもドライでもねえんだぞッ!?そこんところ、ジョセフにも言われてんじゃねえのか!?ああ!?」

 

「その方が、確実に九を救えるからだ。九を救うために一を切る。一を拾うために九を危険に晒す事は出来ない。それが俺だ」

 

 すると、アルベルトも至近距離のグレンを鋭く睨みながら、突然、吠えかかった。

 

「そもそも、何だ貴様は!?何が言いたい!?貴様はリィエルを救うために、此処に来たのだろう!?ならば、黙って俺を殺して救えばいい!文句は言わん!俺も貴様も譲れぬ物がある!退けぬ!だから戦う!ただそれだけだろう!?」

 

 珍しく、感情を荒げるアルベルト。

 

 こりゃ絶対に退かねえな、この頑固野郎――グレンはそう思った。

 

 せめて、今、グレンが何を狙っているのか――それを伝えれば、アルベルトも止まるかもしれない。戦いを止めて協力してくれるかもしれない。

 

(だが――言えねえ)

 

 そう、今はまだ言うことができない。アルベルトに伝えることができない。

 

 どこで、この戦いの様子や会話が、監視されているかわからない。

 

 いや、あの用心深いサイラスのことだ。グレンが裏切らないか、アルベルトと手を組んで反抗してこないか、間違いなく魔術で監視しているはずだろう。

 

 サイラスに、アルベルトと手を組んでサイラスに立ち向かう素振りを見せたら一巻の終わりだ。恐らく用心深いサイラスは、自分の命を最優先し、リィエルを掠っての撤退を選択するはずだ。それでは、リィエルを救えない。

 

 今のグレンが、サイラスの霊域図版を餌に踊る哀れな操り人形であること――それをサイラスに疑わせてはならない。

 

 グレンがサイラス側であること――そうアルベルトを欺しきらなければならない。

 

(つまりは、リィエルを救って、かつ、アルベルトも救済するには……だ)

 

 勝つしかないのだ、アルベルトに。

 

 グレンは勝つしかないのだ。

 

 負けて、今、アルベルトを神殿に向かわせたら――全てが終わる。

 

 今は、アルベルトにサイラスの妨害を終わらせてはならない。

 

 デルタなどの連邦軍は最早、敵ではないということは明らかだから、何も心配しなくていい。

 

 恐らく、事前に中央情報局とかと協力して、サイラスが霊域図版を持っていること――そして、それをどこに隠し持っているのかも、わかっているはずだ。

 

 デルタに至っては、リィエルは今後の共同作戦では重要な戦力であることを認識しているはず。ならば、できれば失いたくないはずだから、そこは考慮しながらサイラス達を妨害するだろう。

 

 なにはともあれ、今、グレンがすべきことはここでアルベルトに勝たなければならないのだ。

 

 だから――……

 

「おい、アルベルト!」

 

 グレンは不意を突いて、アルベルトの腹部に膝蹴りを入れる。

 

「ぐ――ッ!?」

 

 間髪を容れず、グレンは組み合っていた手を外し、くるりと背を向け――背中で猛烈な体当たりを仕掛ける。

 

「ぬぅ――ッ!?」

 

 アルベルトの体が、その体当たりの威力で一瞬浮き――グレンがさらに鋭く踏み込む。

 

 魔力全開、全霊の力を込めて、右拳を撃ち放つ。

 

 アルベルトは、眼前に交差させた両腕でそれをブロックする。

 

 だが、その威力は完全には殺しきれず、アルベルトの身体はそのまま水平に吹き飛ばされていって――近場の壁に、その背を叩き付けられた。

 

「……ちっ」

 

 だが、損傷軽微。アルベルトは未だ意気軒昂でグレンを鋭く睨み返し、身構える。

 

 そんなアルベルトへ、グレンは堂々と宣言した。

 

「俺は欲張りなんでな。お前に何と言われようが、十を救う。そん中には、当然、お前も入ってるぜ。そのために――今はお前をぶっ倒す。歯ぁ食いしばれや?」

 

「いいだろう……やってみろッ!」

 

 

 アルベルトが地を蹴って駆け、疾風のようにグレンへ突進する。

 

 グレンも地を蹴って踏み込み、烈風のようにアルベルトへ突進する。

 

 再度、激突する拳と拳。

 

 互いの信念と意地をかけた戦いは、終わらない――

 

 

 

 

 







今回は、コロラド州です。

人口545万人。州都はデンバー。主な都市にデンバー、コロラドスプリングス、プエブロ、フォートコリンズです。

愛称は百年祭の州。38番目に加入しました。

州の名前はスペイン人探検家が名付けたコロラド川に因み、「コロラド」という言葉は「赤みを帯びた」を意味するスペイン語で、コロラド川が山岳部から運ぶ赤い沈泥を表しています。

山岳地帯にある州で、山上の大都市デンバーは標高1600メートル(1マイル)の盆地上にあり、マイル・ハイ・シティーと言われています。

巨大ハブ空港でも有名で、空港の存在が都市を大きくした南西部交通の要衝です。

ユタと並び、全米におけるスキーの一大メッカであります。

一方で、州の東側は高地が続く二面性を持ちます。

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