構成を考え直している間、こちらを投稿したいと思います。
それでは、どうぞ。
追記:右手の人差し指が腱鞘炎になっていたため、かなり間を空けての投稿となってしまいました。すみません。
アルザーノ帝国魔術学院。
体育教練が終わった後の更衣室にて。
更衣室の中では授業でかいた汗をタオルで拭ったり臭いのケアをして、制服に着替えようとする下着姿の少女達が、きゃっきゃっうふふと騒いでいた。
そんな中――
「…………」
同じく制服に着替えようとしていたツインテールの少女が、下着姿のまま二人の少女のある部分を見て、脂汗を流しながら顔を引きつらせていた。
ツインテールのお嬢様――ウェンディが顔を引きつらせながら見ている二人の少女は――
「うーん……やはり、すこしキツくなってますね」
紫色の髪を腰辺りまで伸ばしている緩急メリハリの利いた女性らしい我が儘な肢体を持つ少女が、形良く豊満に育っている二つの丘陵を見下ろしてそう言い――
「あら、貴女も?私もなのよね……ちょっとキツくなっているというか……」
そのモデル体型の美少女の隣にいる緩いウェーブをかけた金髪の、グラマーな肢体を持つ少女が、同じく形良く豊満に育っている二つの丘陵を見下ろしてそう言う。
その二人の少女の名は――テレサ=レイディとアリッサ=レノ。
二人とも、ウェンディの親友であり……同時に、二人とも自分の幼馴染に想いを寄せている少女達だ。
ふと、二人から視線を逸らすウェンディ。
(お、おおおおおお、お、落ち着きなさい……わたくしは、誇り高きナーブレス家の跡継ぎ……こ、こここんなことに臆してしまってはナーブレス家の恥ですわ……ッ!)
と、心の中でのたまいながら、ウェンディは意を決してテレサとアリッサを見る。
そして……やはりというべきか、ウェンディの視線は二人のある部分に向けられるのであった。
そのある部分を見るたび、ウェンディの胸の中で焦燥感が湧き上がってくる。
そんなウェンディのことなど露知らず。
「そうなのですね。だったら、お休みの日に一緒に出掛けませんか?」
「いいわね。だったら、テレサ行きつけのお店に行きましょう?」
テレサとアリッサが、そんなことを言っていると。
そんな二人を見て、ウェンディはふっ、と。目を閉じて……そして――
(な ん な ん で す の、このお二方はッ!?)
涙目になって、心の中でそう叫び、二人のある部分を見るのであった。
ウェンディ自身もそうなのだが、二組の女子生徒達は発育は良い(白猫、破壊神を除く)。
しかし、その中でもテレサ、アリッサ、そしてもう一人ルミア……この三人は発育が良すぎる。胸部にそびえ立つ丘陵を、特に目の前にいるこの二人は惜しみなくむしろ誇らしげに晒している。確かにウェンディのも形良く程よく育っている丘陵を持っているが、それでもこの二人と比べると大きな差を否応なしに感じてしまう……
(うぐぐぐぐ……一体、なんなんですのよ……一体、何をどうしたらそんなご立派なものに育つんですの……ッ!?おかしいでしょ!?)
そんな涙目のウェンディを余所に。
「それにしても、貴女、何度見ても凄いわよね。流石、二組で一番の大きさを持っているだけのことはあるわね。どうしたら、そんなに育つの?」
「ちょ、ちょっと、もう……別に特別に何かをしているわけではないわ。普通よ、普通」
(嘘つきなさいッ!絶対に何かしてますわよッ!)
アリッサが不躾にテレサの豊満な胸をまじまじと見つめ、テレサは頬を赤らめながらそう言う中、何もしていないという言葉を信じないウェンディ。
「そ、そう言う貴女こそ、そこまで育っているんだから……何をしているのか知りたいわ」
「ん、私?そうね……だいたいジョセフが手料理を作ってくれているからそれで、かな……」
(ジョセフゥウウウウウウウウ――ッ!?)
リンとルミアの間ぐらいに育っている丘陵を持つアリッサがさらりとそう言うと、ウェンディは心の中でそう叫ぶ。
(ていうか、手料理!?手料理って、嘘でしょッ!?嘘ですわよねッ!?)
ていうか、ジョセフがアリッサに手料理を振る舞っているというのが、ウェンディにとって一番の衝撃だった。
因みにテレサはというと。
「そう……私も、ジョセフに頼もうかしら」
(いいですわよ、テレサッ!もう、貴女のは充分に大きいですからッ!アリッサも充分に大きいですからッ!お二方とも、それ以上育ててどうするんですの!?一体、何を目指しているんですのッ!?そんなにジョセフを取りたいんですの!?)
テレサの発言に、ウェンディは涙目になりながら心の中で突っ込みハットトリックを炸裂する。
そして、自身の胸を見下ろす。
ウェンディのはリンよりも小さいが、決して小ぶりではないし形も良い。巨乳というよりも美乳である。
システィーナのようになだらかな平野が広がっているわけではないのだから、ここまで涙目になることはないし、社交舞踏会での着替えでテレサの丘陵を見た時はここまで涙目になることはなかった。
だが、今は――なんか、嫌な予感がするのだ。
そのなんかとは。
「後、ジョセフも誘っとく?彼に下着を選ばせて買うっているのはどう?」
「え、ええと……それ、多分、本人が全力で拒否しそうな気が……」
そう、ジョセフのことだった。
テレサとアリッサはジョセフのことを想っている。ウェンディが想像している以上に想いを寄せている。要するに、ジョセフ好き好き好き状態ということである。
この二人がその豊満な胸を使ってジョセフに仕掛けることは……大いにあり得る。ていうか、実際に二人ともぐいぐいとやっている。
その場合、ウェンディはテレサ、アリッサと比べると、圧倒的に不利になっている。
なにせ、この二人は胸の大きさではトップ3に入っている。ウェンディ、テレサ、アリッサの他にリンとシスティーナ達も入れると――
一位:テレサ
二位:ルミア
三位:アリッサ
四位:リン
五位:ウェンディ
六位:システィーナ
七位:リィエル
となる。そして――
一位:聖母→ジョセフ
二位:大天使→グレン
三位:肉食女子→ジョセフ
四位:リン→どちらかというとグレン
五位:スーパー・ウルトラ・ドジっ娘お嬢→ジョセフ
六位:白猫→(本人は自覚がないが)グレン
七位:ナチュラルボーン破壊神→グレン(リンを除く他の女子が抱いている気持ちとは違う意味で)
となる。
要するに、ウェンディには強敵が二人もいるということになるのだ。
(うぅ……なんでこんなことに……はぁ……)
着替え終わり、更衣室を出て教室にトボトボと向かうウェンディ。
(……ジョセフは、どちらがお好きなのでしょうか……?)
ふと、そんなことを物思う。
やはり、大きい方が好きなのだろうか?
実は、先日、グレンが質の悪い風邪を引いてしまい、ルミア達が見舞いにアルフォネア邸に訪れた時、何を思ったのか、不正(実際、グレンは本当に風邪を患っていたのだが)の証拠を見つけようとシスティーナが本棚からちょっとエッチな大人向けの大衆雑誌を引き出してしまった。
その時のグレンの言い分が(システィーナから何も聞かれていないのに、テンパって)――
『べ、別にいいだろ!?お、俺だって、ほら!?健康な男子なわけだし!?そういう本の一冊や二冊、持ってったっておかしくないし!?』
『て、ていうか、男の子なら、そういうことに興味持ってこそだと思うね、うん!そういうことに興味持たなくなっちゃったら、それはもう男として失格だよね!?そう、つまり俺がこういう本を隠し持っていたってことは男の甲斐性ってやつなわけで――』
と、テンパりながらのたまい……
そして――
『と、と、と、当然っ!きょ、巨乳こそ男の浪漫で、この世界の真理だッ!いや、わかる!惚れた女の胸こそ至高という理想主義もよーくわかるし、それも一つの真理だと思う!だが、たとえ原理主義者と罵られようとも、男として生まれたからには、俺は女の子のバストサイズに妥協はできないッ!女の子達に失礼だとは思うし、俺もバカだと思うが、やっぱり男としては大きさに憧れを抱くものなんだッ!本能がそれを欲しているんだッ!それは嘘偽りのない生物学的な事実ッ!それを、俺はこの昨今のフェミニズムが浸透し、言いたいことも言えない世の中に対し、強く強く主張したいッッッ!』
と、開き直ったのか、テンパっているせいか、グレンは最低かつ意味不明なことを一気にまくし立てていたのであった。
結果?自身の平野部と雑誌の女の子の胸を比較して、涙目になったシスティーナに吹き飛ばされました。
と。まぁ、こういう話をシスティーナから聞かされたのだが、今のウェンディの胸中にはある一言がどうしても気になってしまう。
男としては大きさに憧れを抱くもの、と(これは、あくまでグレン大先生様個人の見解です)。
ジョセフも、過去に色々あったとしても自分達と同い年の少年。カッシュ達が遠征学修やら遺跡調査やらマキシムとその教え子達との生存戦前の強化合宿での女子達の入浴を覗きに行って玉砕しているから目立っていないが、ああいう風に女子に興味を持っている年頃である。
グレンの最低かつ意味不明なことをのたうちまわっていたように、ジョセフにも女の子の胸の好みとかあっても不思議じゃない(本人が言っていないだけで)。
なにアホくさいことを、と。普通なら思ってしまうのだが、ジョセフが絡むとどうしてもそれで片付けられない。気になってしまう。
もし、ジョセフが形を好むというのなら……
(それだったら、まだわたくしにも分がありますわ。でも……)
もし、グレンの言う通り、ジョセフも大きさを好むのなら……
そうだったら、ジョセフはテレサかアリッサのどちらかとデキてしまうのでないだろうか?
そう思うと……
「……はぁ」
胸が苦しくなる。形の良い唇から、切ないため息を吐く。
もう自分でもわかっている。なぜ、ここまで胸が苦しくなるのか、誤魔化しようのないほどわかっている。
そして、今もその気持ちが日増しに大きくなっていることもわかっている。
「はぁ……ジョセフ……」
気になり始めたが最後。どんどん気になり始めてしまうウェンディ。
もうここまで来ると、はっきりしないと気が済まなくなってしまう。
「で、でも……どうやって聞き出せば……」
本人に直接聞き出す?女の子の胸を?大きさと形、どちらか好きかって?
いや、そんなこと聞き出したら……
(……ただの変態じゃないですのッ!?)
絶対、ドン引きする。ガチでドン引きするに決まってる。
(ダメダメダメ……そんなの絶対に出来ませんのッ!でも……でも……ッ!)
どうしよう、気になってしまう。気になってしまってしかたがない。
そんな焦燥感に身悶えてしてしまう。
「……そう言えば」
確か、グレンの見舞いにシスティーナがあのちょっとエッチな雑誌を見つけた時、グレンは胸が大きい子が好きだと言っていた(この時、グレンはテンパっていました)。
そして、健康な男子なら、あんな雑誌、一冊、二冊は持っていると(この時、グレンはテンパっていました)。
ならば――
「そ、それだったら……行けますわ……ッ!……少し恥ずかしいですけど……」
普通ならばそんな恥ずかしいことは絶対にしないのだが……今のウェンディは、どこか少し暴走気味になっていた。
そんな暴走気味になり始めているウェンディの前に……ジョセフがいた。
……なんか、自分はこれからとんでもないことしようとしているのではないだろうか?
と、少しずつ冷静になる……かと思いきや……
(い、いや、これは……そう、幼馴染のことを知るいい機会ですもの、うん!今思えば、小さい頃は知っていますけど、最近はジョセフのことが色々と知り始めたばっかりですし……そう、これはそういうものなんですのッ!そういうものなんですのッ!)
すでにウェンディは暴走状態に突入していた。
「そ、それならば、善は急げ、ですわッ!」
顔を真っ赤にして目がぐるぐると混沌に渦巻いているという、とてもまともな精神状態ではなくなっていたウェンディは、前でカッシュとセシルと談笑しているジョセフに向かって歩き出すのであった。
この後、絶対カオスになるだろうな……