布団から出たくないでござる。
それとジョセフさんが編入される時期はグレン大先生様(笑)が覚醒した後です。
―2年次2組教室―
「ジョセフ?もしかしてジョセフ・スペンサーですの!?」
学院長室に挨拶に行った後にこのクラスの担任であるグレン大先生様(自称)ことグレン・レーダスと教室に入り自紹介しようとした時にその言葉が聞こえた。
「へぇ?」
なんとも間抜けな声で応じてしまうジョセフはかなり困惑していた。
(あっれぇぇぇぇ、ウチまだ名前言うてないのに何で分かんの?まだジョセフのジョも言うてないよ!?)
とりあえずまずは声の主のほう向く。
教壇のちょうど向かい側の2列目の席についている女子生徒が今さっきの声の主だろう。
(ひょっとしてエスパーか!?エスパーでウチの心読んで名前当てたパターンかな!?)
なんてあり得ないことを考えながらとりあえず答える。
「あー…えっとまぁまさかもまさかじゃなくてもジョセフ・スペンサーなんやけど、ウチまだ名前言うてへんで?何でウチの名前知っと――」
んねん?と言おうとしてその女子生徒を見た途端言葉が途切れた。
青色の瞳で茶髪のツインテールの少女を見て何で彼女が自分の名前を知っているのかジョセフは納得した。
「あぁ、なるほどね納得致しました。そして顔見て名前思い出したわ」
ジョセフはそう納得し頭を掻きながら彼女を見た。
「久しぶりやな、…ウェンディ」
――――――
数分前 学院長室
「本日付でアメリカ連邦陸軍学校からこちらに留学生として参りました、ジョセフ・スペンサーです。どうぞよろしくお願いします」
煌びやかな絵画や古めかしい本棚、磨き抜かれた飾り鎧、ソファーにシェードランプなどといった品の良い調度品の数々が揃えられている部屋の奥の机に腰かけている初老の男性とその傍に控えている20代ぐらいの金髪の美女に対し挨拶をした。
「おお、君が連邦からの留学生かね?はるばるニューヨークからここまでの長旅ご苦労様じゃ。そしてようこそ、アルザーノ帝国魔術学院へ。君を歓迎するよ」
「ええ、よろしくお願いします、リック学院長」
ジョセフは初老の男性でこの学院の学院長であるリック=ウォーケンに軽く会釈すると隣の女性に対して挨拶する。
「よろしくお願いします。セリカ=アルフォネア教授」
一瞬その女性は何で名前を知っているのかと思ったのだろう驚いた表情をしていたが、ジョセフの顔を見るなり納得したのかニヤリとした。
「『何で私の名前を知っている』っと聞きたかったが、なるほどな。お前、エヴァ=スペンサーの子だろ?」
「ええ、そうです。母から話は聞いていました。人外である第七位階に到達しているこの大陸屈指の魔術師と。まあ、連邦でも魔術師の間では有名になってますよ」
アルフォネア教授の問いにそう答えるジョセフ。
元々スペンサー家は10年前までは伯爵家として存在しており、ジョセフは10年前までフェジテで暮らしていた。
つまり、元貴族である。
「なんと…あのスペンサー伯爵家の…確かに顔は母上に似ているのう」
「学院長、もう伯爵家ではありませんよ。今は連邦の一国民です…つまりアメリカ人です」
自分はアメリカ人だということを告げると学院長は『そうか…』とも言わんばかりに複雑な表情になっていた。
あのスペンサー家の人間からそういう言葉が出るとは思わなかったのだろう。
「それはそうと、エヴァは今どうしているんだ?あれから連絡を取っていないからな」
「母は…去年の秋に亡くなりました。…9.11で……」
「そうか…」
セリカから母親のことを聞かれたジョセフは一瞬間をあけてそう答えると、セリカは残念そうな表情をする。
「まあ、連絡先とかも知らなかったので教授達が知らなかったのは仕方がないことですよ。そんなにしんみりとした雰囲気にならなくていいですよ」
それから話題は連邦の魔術は帝国の魔術は違いがあるのかとか(後に二人が言う以上に違いがあるということにジョセフは身をもって知ることになるのだが…)、連邦からここまでどのくらいかかったのか等話しているうちに時間が来たのか一人の講師と思われるの人が学院長室に入ってきた。
「ごめんなさい!許してください!リック学院長!セリカ様ッ!」
彼は部屋に入ってくるなり、いきなりダイナミックジャンピング土下座を決めていた。
それを目の当たりにしたリック学院長、セリカ、ジョセフは、目を点にして硬直するしかない。
(……誰?いや名前は知っている。ただ事前に調べた人物像とかなりかけ離れているんやけど。本当にあの『愚者』なのか?)
ジョセフは硬直しながら目を白黒させていた。
その男は黒髪で後髪を束ねており、服装は講師としては着崩しておりはたからはとても講師としては見えない。
(こんな男だったか?もっと冷静な人物だと思ったんやけど…グレン=レーダス。)
「おい、グレン。なんなんだ?いきなり」
「ちょっとした手違い……ほんのちょっとした手違いだったんですぅううううッ!?お二人方がお怒りになるのはごもっとも!平に、平にぃ~ッ!」
きょとん、と顔を見合わせるセリカとリックと土下座しているグレンを若干引き気味に見ているジョセフを前に、グレンが粛々と告解していく。
(訳が分かんないよ)
「薬草菜園で栽培されてたキハレトの花、与える魔術肥料の種類を間違えて全部枯らしちゃって、ホントに申し訳ありませんでしたーーーッ!」
やたら恐縮するグレンに、リック学院長は穏やかに話しかける。
「ははは、グレン君、顔を上げたまえ。勘違いをされては困るよ。今日、我々が君を呼び出したのは、そのことについてではない。もっと別の用件なのだよ」
「あ、なーんだ、そうだったんですか。あっはっは、脅かさんでくださいよ!」
グレンは安堵したように息をついて、立ち上がった。
「ですよねー?だって、あの事件、証拠は完全に隠滅したはずだったんですもの。なーんでバレたのかなぁーって不思議だったんですよ、あっはっは!」
そして、朗らかに笑う。
「ふぉっふぉっふぉっ、グレン君はうっかりさんだのう」
学院長も朗らかに笑う。
「あっはっは」
「ふぉっふぉっふぉっ」
そして互いにひとしきり笑い合って…
「それはそうとグレン君、君、減給な」
「ぎゃああああああああああああ―――ッ!?ですよねぇええええ―――ッ!?」
学院長は朗らかに裁定を下し、グレンは頭をかかえて悲鳴を上げた。
(なにこれ珍百景……)
ジョセフは呆れながら、その光景を見ていた。
「わしって、どうしてこんな連中雇ってるんじゃろうな……」
「……むしろ私が聞きたいです学院長」
この光景を前に、リック学院長とジョセフは遠い目で窓の外を眺めた。
そこには、自然溢れる学院敷地内の庭園光景と、鉄柵を挟んでその外側に広がるフェジテの古風な町並み―――そして、その遥かなる上空に浮かぶ雄大な蜃気楼の城―――メルがリウスの天空城があった。
(ニューヨークとはまた違った光景だよなフェジテは。どちらかというとボストンと似ている。それにこの学院、向こうとは全然雰囲気が違う)
ウェストポイントは軍学校だからか、やや殺伐としているのに対し、アルザーノ帝国魔術学院は軍関係以外のこともやっているからか、それがなかった。
「ところで話を戻すが、グレン君。君に話というのは、先日話した連邦からの留学生についてなのだよ」
「……あぁ、留学生ってもしかして彼ですか?」
グレンはその話を思い出し、そしてジョセフを向く。
「どうも、初めましてグレン先生、ジョセフ・スペンサーです。どうぞ、よろしくお願いします」
「……ふっ、俺はこの学院の稀代の名講師、グレン=レーダス大先生様だ!!」
「へぇー、大先生様ですかー。よろしくお願いします、大先生様」
すんごいカッコつけているがさっきの醜態を見たからか、カッコ悪く思えてしまうのかものすごい棒読みでかえしてしまうジョセフ。
「汎用魔術でも三節詠唱しかできない大先生様だがな……」
「ちょッ、せっかくカッコつけて言ったのに雰囲気ぶち壊さないでくれますかね!?セリカさん!?」
(……大丈夫か?)
何かこっちまで不安になっていくんだが。
そう思っていると、そろそろ時間だから教室に連れて行けとグレンはセリカに言われ、グレンとジョセフは学院長室を後にした。
そして、ジョセフはこの時、自分の編入先である2年次2組の教室で今朝夢で見た彼女と10年ぶりに再会するとは思っていなかった。
はい、2週間も間を開けてしまいました。
何というかキャラのセリフがどんな感じだったっけと原作よみながらこんな感じかなと考えながら作成していました。
その結果、2週間もかかってしまいました。
というわけで、今回もアメリカの州の紹介をしていきます。
今回はメイン州の隣である、ニューハンプシャー州です。
人口は140万人。州都はコンコード主な都市はマンチェスター、ポーツマス、ナシュアです。愛称は、花崗岩の州です。
1776年にイギリスと訣別したイギリス領北アメリカ植民地として最初の州で、その6ヶ月後に独立宣言、最初のアメリカ合衆国を構成した13州の1つです。9番目に加入しました。
地味な州ですが、自然に歴史と見所は多い州です。
最も牧歌的なイングランド文化が根強く残っている州とも言われ、マンチェスターはイングランドのような欧風の町並みが残っています。
因みに赤い悪魔はいません。
少しだけ海に面しており、そこにはポーツマス条約と海軍基地で有名なポーツマスがあります。
次回はバーモント州を紹介したいと思います。
以上!!