ロクでなし魔術講師ととある特殊部隊員   作:藤氏

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 大急ぎで終わらせるにゃあ!!



42話

 

 

 レオスとグレンの決闘の日の午後。

 

 昼食を済ませた後、今回の魔導兵団戦演習に参加する生徒達は、駅馬車を使ってフェジテ東門から東へ延びるイーサル街道を行く。やがて街道の北側に見えてきた広大なアストリア湖南端付近の湖畔に、全生徒が集合する。

 

 湖に面したほとりに立ち並ぶ緑の木々と色とりどりに咲いた花。遠くに望む山の稜線にかかった白化粧。冷たく澄んだ湖の水…平時ならばのんびりと散策を楽しみたい場所だ。

 

 この湖畔から北西部にかけて、学院が保有する魔術の演習場が広がっているのだ。

 

「しかしな…グレン先生…マジでマジなのかな……?」

 

「システィーナのやつ、もし先生が勝ったら、どうする気なんだ……?」

 

 湖畔に集合した生徒達が、システィーナへちらほらと視線を向ける。

 

 その視線を肌で感じていたシスティーナは、居心地悪そうに身じろぎするしかない。

 

「ジョセフの言うとおり流石に、グレン先生は口で言ってるだけだろ……?」

 

「いやいや、本気かもしれないぞ?だってグレン先生だし……」

 

 ロッドとカイが、ひそひそとグレンの真意を探っている。

 

「つーか、そもそも先生はどうしてレオスに決闘なんか吹っかけたんだ?いくら逆玉狙いっつっても、あの物臭がりがそんな面倒事に首を突っ込むのも妙じゃねーか?」

 

「まさか…先生、本気でシスティが好き…なのかなぁ?」

 

「うーん…あの方は、もっと年上の女性の方が好みのような気がするのですが……」

 

 カッシュが誰もが薄々思っている根本的な疑問を口にし、リンがなぜかほんの少し悲しそうに推察し、テレサがその推察の違和感を指摘し……

 

「きゃーっ!きゃーっ!禁断の恋愛よーっ!生徒と先生の禁断の恋愛よーっ!」

 

「ウェンディ、うるさい……」

 

「ウェンディ…君、そればっかりだね……」

 

 極上のゴシップを前に大はしゃぎなウェンディに、ジョセフはジト目で応じ、セシルがため息交じりに応じた(因みに、ギイブルはそんな連中ガン無視で、離れた場所で本を読んでいる)。

 

 何はともあれ、魔導兵団戦の緊張を紛らわせるためか、生徒達がひっきりなしに、噂の話に花を咲かせていた…その時だ。

 

「うるさいぞ、貴様ら!静粛にしろ!」

 

 ハゲ…もといハーレイが集合する生徒達の前へ現れ、高圧的に一喝。

 

 途端、しんと静まり返る生徒達。

 

 ギイブルが忌々しそうに、ぱたんと本を閉じた音が、寒々しく響いた。

 

「早速、これから魔導兵団戦を始めるが…まぁ、生徒諸君らはこの魔導兵団戦演習に参加するのは初めてだろうから、この私が改めてルールを説明してやろう」

 

 今回の演習において、審判・運営を務める講師陣の一人、ハゴロモが尊大に言った。

 

「この魔導兵団戦で大きな怪我の心配はない。なにしろ、使用可能な魔術は初等呪文のみ。微弱な電気線を飛ばして相手を感電させる【ショック・ボルト】、激しい音と振動で相手を無力化する【スタン・ボール】など、殺傷力が低い学生用の攻性呪文だけだ」

 

 どこか不安げな生徒達を冷たく一瞥しながら、ハーレイが説明する。

 

「それらの呪文を、極めて殺傷能力が高い軍用魔術と見なし、我々立ち会いの審判員から致命的な負傷を負ったと判定された者が『戦死』として戦場から除外されていく。万が一の事態に備え、学院の医務室に常勤している法医師先生も、この演習に立ち会ってくれている。遠慮なく競い合うがいい」

 

「はい、もし怪我された方は、遠慮なく申し出てくださいね?」

 

 学院の法医師――柔らかな髪を三つ編みにした、線の細い、いかにも儚げな印象の年若い美女――セシリアが生徒達に手を振っていた。

 

「さて!この演習場は、北はアストリア湖から西へと流れるヨーテ河、南は東へ延びるイーサル街道までと決められている!それらを越えて行動した者は『敵前逃亡』と判定して即座に失格と見なし、チームの減点と共に今回の演習から脱落する!」

 

 生徒達(特に男子)の注意がセシリアの微笑みに集まりつつある中、簡易的に立てたボードに貼った地図を、ハーレイが乱暴に叩いて、注意を引き戻す。

 

「この地図を見ての通り、北東に環状列石遺跡が一つ、南西にも環状列石遺跡が一つある。これをそれぞれのチームの根拠地とする。今回はレオス先生の根拠地は北東、グレン=レーダスの根拠地は南西だ」

 

 見れば、確かに地図の右上と左下に、古代遺跡のマークがあった。右上がレオス隊、左下がグレン隊の本陣となるのだろう。

 

「生徒諸君らは指揮官である講師の指揮に従い敵根拠地へ進軍、交戦、敵の根拠地を制圧したら勝利だ。逆に言えば、どんなに敵兵を撃破しても本陣の根拠地を先に敵に抑えられたら敗北となる。それをゆめ忘れぬことだ」

 

(目標は敵陣の制圧ね。了解、了解)

 

 ジョセフは今回の勝利条件を頭に叩き込む。

 

 そして、ハーレイは根拠地と根拠地のちょうど中央を指さした。

 

「地形的に、互いの根拠地を目指す進軍ルートは限定されている。中央の平原を一直線に進む平原ルート。北西の森の中を通り抜ける森ルート。そして東の丘を越える丘ルート…この三つだけだ。どんなに奇をてらってもこの三つ以外のルートはない。生徒同士の模擬演習場ゆえに、そう広いフィールドでもないしな」

 

 ハーレイが地図中央の平原ルートをさす。

 

「勤勉な生徒諸君は当然、理解していると思うが――もっとも早く敵拠点に到達できるのは当然、中央の平原ルートだ。だが、それはお互い様、力ずくでの突破は至難の業だろう」

 

 次に、その地図左上――北西回りの森ルートを指す。

 

「そして、その平原を突っ切るに曲者なのが、この横の森だ。中央の平原を攻めるに容易く、守るに固いこの森、万が一、敵に森を抑えられてしまえば、平原部隊は横殴りに攻め込まれてしまう。たちどころに総崩れとなるだろう」

 

 最後に、地図右下――東回りの丘ルートを指す。

 

「この丘も重要な拠点だ。この高地を抑えられてしまえば、敵から遠距離魔術で狙撃され放題だ。だが、生徒諸君が知る呪文では森までは届かないだろうし、敵根拠地に辿り着くにはもっとも遠回りなルートだ」

 

 演習場の概要をあらかた説明をし終えたハーレイが生徒達に向き直る。

 

「当然、攻めなければ勝てないし、かといって守りを疎かにしても敵に本陣を押さえられて負けとなる。勝敗を握るのは、どこへ、どのタイミングで、どれだけの戦力を送るか…まるで魔導兵戦術の教科書のような演習場であることは理解しただろう?もっとも、今回は担当講師の命令を聞いて行動するだけの生徒諸君にとっては詮無きことだがな」

 

 そして、ハーレイの説明が終わった後で。

 

「いやぁー、懇切ご丁寧なご解説、どうもあざっす!先輩!」

 

 グレンがぱちぱちと手を叩きながらハーレイを褒め称えていた。

 

 すると、ハーレイは露骨に憎々しげな表情をグレンへと向ける。

 

「……ふん!グレン=レーダス、貴様、聞いたぞ?レオス殿の許嫁のとある女子生徒に粉をかけているんだとな?それで、その女子生徒をかけて、レオス殿に決闘を吹っかけ、今回の魔導兵団戦で勝負を決するとか……」

 

「………」

 

「レオス殿はわかる。彼は大貴族の嫡男であり、すでに許嫁がいてもなんらおかしいことではない。だが、貴様は貴族でも何でもない、ただの教師だろう!?教師が生徒に手を出すとは何事かッ!?しかも、逆玉狙いだと?恥を知れッ!」

 

 今回ばっかりは至極もっともなハーレイの叱責を前に……

 

「あいやー、ハーベスト先輩も知ってらっしゃいましたかー?いっやー、逆玉ってのも美味しいですけど、やっぱ若い子ってのがいいですよねー?ぴちぴちだし、何より自分色に自由に染めてやれるってのがもう、これが背徳的で蠱惑的で、ぐっへっへ……」

 

 グレンはどこまでもゲス極まりない顔だ。

 

(ホンマに素直じゃないな、この先生は……)

 

 そんなグレンの姿を、ジョセフは無表情で見つめていた。

 

 グレンの過去を知らない者には、今回の決闘はグレンが逆玉狙いでレオスに吹っかけたようにしか見えないだろう。

 

 だが、過去を知っている者は今回、グレンが仕掛けた理由は決して逆玉狙いではないと知っている。

 

 ジョセフもその一人だから、他の人とは違う視点で見ることができた。

 

「な、なんて下賤な…貴様はどこまでクズなのだ…ッ!後、貴様、頭に『ハ』がつけば何でもいいって思ってるだろ……ッ!?」

 

 そして、グレンの過去を知らない者の一人――ハーレイは顔を真っ赤にして震え、託すような目でレオスに振り返る。

 

「レオス先生!本日は期待していますぞッ!?この魔術師としての誇りも分別の欠片もない最低男に一泡吹かせてやってください!先生の最新の軍用魔術研究の威力で、このふざけた男に手厳しい教訓を与えてやってください!」

 

「ええ。もっとも…私には負けられない理由がある。言われずとも全力でお相手させていただきますよ」

 

「……ふん」

 

 早くも視線で火花を散らし始めるレオスとグレン。

 

「あ、あの…レオス…私……」

 

 システィーナの言いたいことを察したレオスが、優しくシスティーナに笑いかける。

 

「貴女は、貴女のクラスのために全力を出してください。私を気にかける必要はありません。貴女が私に立ち向かってくるのも、また試練なのでしょう…私はきっと、それすら超えて勝利を、そして貴女を勝ち取ってみせます。だから安心してください」

 

「レオス……」

 

 そんな、どこか甘いやり取りがなされるのを見て、ジョセフは。

 

(なにが勝ち取ってみせる、だ)

 

 恐らく、ジョセフはレオスのこの甘い口調で綺麗に言うところが鼻に突くのだろう。

 

 今までにない心底軽蔑したような、侮蔑したような目でレオスを見ていた。

 

(この男の狙いはシスティーナではなく、フィーベル家だ。今、クライトス家は主家筋は分家筋よりも力が衰えている。そして、レオスは主家筋の嫡男。そこでシスティーナとレオスが結婚することにより、魔術の名門フィーベル家を主家筋の傘下に入れ、分家筋に対し、アドバンテージを得ることが目的だろうが)

 

 そうならそうではっきり言えばいいのに、それをぼかして運命だの試練だのほざいているレオスがとにかく気に入らなかった。

 

 グレンがルミアとリィエルに対し、ロクでもないことのたまわり、グレンのクラスの生徒達がため息混じりレオスと見比べて士気が落ちていたりする中、ジョセフはただ一人、レオスを冷めた目で見続けていた。

 

 

 

 

「で、先生、どうするんだよ?」

 

 演習場、南西の拠点――環状列石遺跡の真ん中に集まったグレンのクラスの生徒達。

 

 皆を代表して、大柄な少年カッシュがグレンに尋ねる。

 

「もうすぐ開始の合図が上がっちゃうぜ?どういう作戦で行くんだ?」

 

 環状列石の中央にはテーブルが据えられ、その上に演習場一帯の地図が載っている。

 

 グレンがそれを睨めっこする様を、生徒達は固唾を呑んで見守っていた。

 

「基本的な戦い方は、先日までに教えた通りだ。問題は、どこを、どれだけの数で攻めるかなんだか…レオスの野郎がどういう戦術をとってくるかサッパリだからな……」

 

「はぁ…?なんか自信なさげだなぁ…しっかりしてくれよ、先生」

 

「いや、俺、実は魔導兵の基礎的な戦闘術に関してはわかるが、魔導兵の戦術的な指揮運用法に関してはそんなに詳しくねーし、てか、戦術指揮なんて畑違いだっつーの」

 

 この土壇場で明かされる驚愕の事実に、ジョセフを除くクラス一同絶句するしかない。

 

(ですよねー)

 

 そもそも、グレンは指揮官ではなく現場で動いてきた元・軍人だ(リィエルやルミア以外は知らないが)。

 

「って、おいいいッ!?自信あったから、その決闘ルールを受けたんじゃないの!?」

 

「先生、いいのかよ!?アンタが負けたら、システィーナがレオスの野郎に娶られちまうんだろ!?そんなの許せるかよ!?」

 

「ああ、そうだそうだ!そんなの認められないぞッ!」

 

 意外なほど、この演習に乗り気な男子生徒達に、逆にグレンがぎょっとする。

 

「お、お前ら、一体どうして……?」

 

「先生…そんなの決まってるだろッ!?イケメンは敵だッ!」

 

 カッシュの魂の叫びに、クラスの男子生徒達のほぼ全員がうんうんと頷く。

 

「そうだそうだ!イケメンの上に金持ちで、性格まで紳士とか、舐めてんの!?」

 

「レオス先生の授業は確かに凄ぇし、尊敬してるが、これは別問題なんだよッ!」

 

「貴族がなんだオラァッ!?持たざる者、モテざる者の恨みを思い知らせてやるッ!」

 

「ああ!先生にシスティーナを任せるのもぶっちゃけアレだが、それ以上に、あのイケメンに良い思いさせる方が、俺達はムカつくんだぁああああああああああ――ッ!」

 

 そして……

 

「お、お前達……ッ!」

 

「「「「先生……ッ!」」」」

 

 涙を流しながら、がっし、と熱く抱擁し合うグレンと男子生徒達。

 

「なんか利害がすごい…うん、アレだな……」

 

 そんな無駄に感動的な光景を、ジョセフは眺め、そして再び地図に目を向ける。

 

 隣では、システィーナが呆れながらグレンと男子生徒達を眺めている。

 

(ふむ、レオスがどう出るかわからない以上、ここは様子見として一部の生徒を出すしかないな…いや、そっちの方がかえって良いかもしれない)

 

 クラスメイト達が賑やかになっている中、ジョセフは頭の回転を速めながら、レオスの作戦を推測する。

 

(恐らく、連中は全戦力投入してくるはずだ、予備兵力はなしでな。そして、殲滅戦を仕掛けてくるはずだ)

 

 全戦力を投入し、それぞれの戦場で、相手を上回る兵力を投入し、殲滅。丘も制圧し、拠点の制圧という作戦を展開するはずだ。

 

(連邦軍だったら一つの戦線に一点集中し、突破を図るが…それと似たようなもんか。そして……)

 

 多分、これが一番重要な点だと思う。

 

(連中がとる陣形は、多分三人一組・一戦術単位編成だ。これは上手くハマればかなり強い編成だ…ハマればな)

 

 ジョセフは連中がこの編成でくることが、逆に自分達が優位に戦いを進めれると踏んでいた。

 

(あとは――)

 

 更に思索を進めていた、その時。

 

 ジョセフの顔面に掌がバシッ、と直撃した。

 

「………」

 

 ジョセフはそのまま動かず、ただフリーズしている。

 

 その掌の正体は――

 

「あっ……ご、ごめんなさい、ジョセフ……」

 

 システィーナだった。

 

 一体、彼女は何で暴れていたのだろう?いや、多分、決闘のことでグレンとレオス、どっちがいいのか誰かに聞かれたのだろう。そして、彼女のことだ、何やらシチュエーションを、誰とは言わないが、恐らくあの人との結婚を想像していたのだろう。そして、それを振り払うかのように暴れ、ジョセフの顔面に掌が直撃したのだろう。

 

「……システィーナ……」

 

 ジョセフはまったく動じず、無表情にそのままの体勢で、システィーナに目だけ向ける。

 

「な、何……?」

 

「……不意討ち上手いなぁ」

 

「……え?」

 

 まったく予想していなかった反応にシスティーナは戸惑う中、ジョセフは再び思索し始めた。

 

 

 

 やがて、立ち会う審判員の講師達が遠くで狼煙を上げて――魔導兵団戦が始まった。

 

 互いのクラスの兵力はそれぞれ四十人。

 

 グレンはまず、中央の平原ルートに十二人、北西の森ルートに八人、東の丘ルートに一人進軍させ、残りを拠点に残した。

 

 積極的に進軍はさせず、まずは様子見といったところらしい。

 

「……愚策ですね」

 

 遠見の魔術によって、レオスの左目には各ルートの状況を空から俯瞰した映像が直接投影されている。その映像で敵の布陣を確認したレオスは、一人薄くほくそ笑んだ。

 

「戦力の逐次投入は下策――古き時代の兵法の基本ですが、これだけは魔術が主体となった現在の戦場でも変わりません。皆さん出撃です」

 

 対するレオスは中央ルートに十八人、森ルートに十二人、丘に九人、全戦力を投入。それぞれの戦場で、相手を上回る兵力を投入し、各個撃破の構えだ。確実に丘も制圧し、その後のグレン側の拠点制圧まで視野にいれた布陣である。

 

 レオスの命令を受けた生徒達が意気揚々と進軍していく――

 

 グレンの命令を受けた生徒達も恐る恐る進軍していく――

 

 

 

「ほらほら、予想通り、全戦力投入してきましたよ」

 

「しかも、三人一組・一戦術単位で来たな…お前の予想通りだな」

 

 ジョセフの予想通りのレオス側の行動にグレンは内心、驚きながら呟いていた。

 

 実は、一部を投入し、残りは様子見とうのはジョセフがグレンに進言し、実行された作戦だ。

 

 連中は、必ずそれぞれの戦場にこちらを上回る兵力を投入し、丘も制圧し、仕掛けてくると。

 

 そして、それはジョセフの予想通りだった。

 

「にしても、よくレオスがそうしてくるとわかったな。どうしてなんだ?」

 

「こちらと連中の実力差を考えれば、レオスは必ず殲滅しようとするでしょうし、そして、律儀に強い編成である三人一組・一戦術単位で仕掛けてくると思いましたからね。ふふっ、人間って、自分よりも弱い相手には強気できてしまいますからね」

 

「……お前、時たまエゲつねぇこと考えるよな…アルベルトと同じくらい敵に回したくねぇ」

 

 ジョセフのその悪戯っぽい笑みに、グレンは若干、顔を引きつらせている。

 

「まぁ、それはそうと……」

 

 ジョセフは、誰にも聞かれないようにグレンに囁いた。

 

「今回の決闘、本当は逆玉なんてどうでもいいんでしょ?」

 

「………」

 

「ただ、システィーナの夢をレオスが一方的に否定したのが許せなかった。でしょ?」

 

「……お前みたいな勘のいいやつは嫌いだ……」

 

 グレンは頭をガリガリと掻きながら、不機嫌そうに言う。

 

「あとは…まぁ、俺も先生の過去のことは聞きません」

 

「……悪いな。こんな個人的な問題にお前らを巻き込んじまって」

 

 グレンはジョセフに申し訳なさそうにそう言い、各ルートの戦況を眺めていた。

 

 

 

 

 

 





 昨日、サバゲーに初参戦しましたが、いやぁ楽しかったなぁ…

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