東方刀物語   作:クロノヒメ

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最近、前書きに書くネタが無くなってきた…
あ、バレンタインデーあったじゃん。
……皆様は何個貰えましたか


#13 諏訪大戦

「それじゃあ、行ってくるよ」

 

早朝。

諏訪子を見送りにきた人達が、みんな泣いている。

 

「諏訪子……」

 

「すまねぇ、俺達がなんもできねぇばかりに……」

 

「うんうん、みんなは悪くないよ。……帰りを待っててね?大丈夫だよ。神様を信じなさい!」

 

諏訪子は笑う。決して楽観してる訳じゃないが、みんなを安心させようとしてるのだろうが。

 

「じゃあ、そろそろ行くよ。……行ってきます」

 

「諏訪子様ぁーー!無事に帰ってきてくださぁーーい!」

 

……さて、と。

それじゃ、俺もやりますか。

 

 

 

 

――人の歴史の中で、名に残す戦いがある。

有名なものもあれば、あまり知られてない戦いもある。

それは、そんな戦いの一つ。

後に、こう呼ばれる戦いである。

 

――諏訪大戦と。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

諏訪子side

 

 

 

 

とうとうこの時がきた。

前々から濃尾の国が攻めてくるんじゃないかと思ってたけど、本当にこうなるとはねー。

ハハッ。……笑ってる場合じゃ無いけど。

 

そうこうしてる内に、ひらけた場所にでた。

多分、濃尾の奴らと戦うにあたって、広いところで攻めてくるはずだ。

広い場所が私の能力も使いやすいから、都合がいい。

 

おっと、お相手さんが見えてきた。

ぶっちゃけ、勝率は少ししかないけど、私はあの国の人達を守れるんだったら。

どんな戦いでも、絶対に勝ってみせる。

 

お相手の……大将だろうか。が近づいてきた。

 

「諏訪の守護神よ……一人か?仲間はどうした?」

 

「いるよ。ここにはいないだけで」

 

「……そうか。だが、一人だろうがこちらも容赦はしない」

 

「ふん、勝手にしなよ」

 

こうして、諏訪大戦が始まった。

先に攻めたのは濃尾の方。

たくさんの人が弓を引き、諏訪子に容赦ない攻撃を浴びせる。

が、諏訪子はこれを避け、反撃に出た。

 

「くらえッ!」

 

地面から土を盛り上がり、数人が上空に舞う。

諏訪子の能力は『(こん)を創造する程度の能力』。

 

坤とは、大地のことであり、諏訪子はこの能力を使い、地面を操ることができる。

 

だが――

 

「ふん。こんなものか」

 

大将にはまったく効いてない。

諏訪子は知らなかったが、この時濃尾は珍しい鉄の防具を纏っていた。

さらに、この大将も能力者である。

 

「ッ!まだまだ!」

 

諏訪子は諦めない。

だが、一人には限界がくる。

 

ズサッ!

 

「痛!」

 

なんと、諏訪子の足に矢が刺さっていた。

たがが一本、されど一本。

 

「今だ、たたみかけろ!」

 

大将の合図で、百を越える矢が降り注ぐ。

 

(……ここまで、かぁ)

 

この先自分の国がどうなるかと考えると、後悔がとても残る。

諏訪子の心の中は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 

(ごめんね、みんな……)

 

矢が一番高いところにきたときに――

 

「諦めるのか?」

 

「ッ!」

 

声が聞こえた。

 

「天零流刀法・十六式」

 

白銀が、空を舞う。

 

「――『旋風(せんぷう)』」

 

降り注いでいた矢が折れ、地面に落ちる。

 

そして、そこにいたのは――

 

「天!どうしてここに!?」

 

「ん?俺はしがない旅人だぞ?だが、途中で困ってる人がいたから、救ってみただけだ。……なんつってな」

 

もう会えないと思ってた、天がいた。

 

「さて、諏訪子。お前はあの女を任せたぞ」

 

「あはは、任せなよ!こうみえても神様なんだからね!」

 

「よし。じゃあ俺は……残りをやる」

 

「うん、分かった。……死なないでよね?」

 

さっきまで自分が陥った状況を棚にあげ、天に聞く。

 

「はっ、当たり前だろ」

 

そういい、天は走っていった。

さて。

お相手さんも待ってはくれない。

 

「じゃ、行きますか!」

 

覚悟は出来た。

後はやることをやるだけだ!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

天side

 

 

 

 

諏訪子に加勢することは、前日から決めていた。

……零にはバレていたが、仕方ないだろう。

 

諏訪子がケガをして、動けないでいる。

そこに、矢が降り注ぐが、諏訪子はボーッとして動けない。

 

抜刀しながら前に出て、言う。

 

「諦めるのか?」

 

「ッ!」

 

そのまま『旋風』を使い、矢を落とす。

少し諏訪子と話すが、あの顔なら、きっと大丈夫だ。

 

さて。

俺もやることをやるか。

 

刀を下げ、全力で走る。

敵側はびっくりして隙だらけだ。

 

「どうした?止まってるぞ」

 

「ッ!!」

 

とっさに弓を捨て、剣を抜くのはいいが、遅すぎる。

 

「そら、よ!」

 

腹を蹴り、距離をとらせる。

だが、流石と言ったところか。

すでに俺の周りに剣を構えたやつが三人いる。

 

「天零流刀法・四式」

 

 

だが、それよりも早く

 

「『剱斬(けんざん)』」

 

構えてる剣ごと斬って無効かし、おもいっきり殴り気絶させる。

 

(……斬らねぇのか?)

 

残念そうに零が言う。

 

(ああ。無理して斬らなくてもいいだろ)

 

(……)

 

あれ?零さん?何でそんな不機嫌なんですか?

 

(別に。不機嫌じゃねぇ)

 

嘘つけこんにゃろ。

そうしていると、敵側の準備が出来たようだ。

それじゃあ――

 

「続きをするか」

 

敵側はまだ戦意を喪失してない。

攻めようとした時――

 

ドオオオオン!!!

 

……どうやら、もう一つの戦いが終わったそうだ。

急いで見に行くと、地面に伏している諏訪子と、消耗しているが立っている敵さんがいた。

……にらまれた。

 

「……止めをささないのか?」

 

女が言う。

 

「ささねぇよ。この戦い、あんたの勝ちだ」

 

「……こんなのが戦いと呼べるか」

 

「だが、勝ちは勝ちだ。早く帰んな」

 

「……帰るぞ!お前ら!」

 

そういい、濃尾の連中は帰っていった。

 

「諏訪子、おい、諏訪子!」

 

諏訪子を揺さぶり、起こさせる。

 

「あ…天…」

 

「お前の敗けだ」

 

「……そっか」

 

そういい、彼女は笑い――

 

「う、うわあーーーん!!」

 

泣いた。

泣いた、泣いた。

 

それほどの覚悟を持ってたんだろう。

こうしてみると、子供なんだなと思ってしまう。

やがて疲れて泣き止んだ。

 

「帰るぞ、お前の国に」

 

「……うん」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「!みんなー!諏訪子様が帰って来たぞー!」

 

諏訪子のことが見えたやつが、国中に広める。

すぐに全員が集まった。

 

「みんな、ごめん」

 

諏訪子が頭を垂れる。

 

「私、敗けちゃった。……本当にごめん」

 

シーーン……

 

「でも、諏訪子様が生きてるんだろ?なら、俺達はそれでいいさ!」

 

「そうだ!」

 

「うんうん。死ななくて、本当によかった!」

 

「みんな……」

 

「な?だから言ったろ。お前は一人じゃないって」

 

「天…そうだね。私は…本当に…しあっ、わせっ、者だよっ」

 

「諏訪子は泣き虫だな」

 

「うるっ、さい」

 

「お前ら!諏訪子様が生きてんだ!宴会するぞー!」

 

「「「「「「「おーーー!」」」」」」」

 

「呑気だな。まぁ、仕方ないか」

 

 

 

 




次回予告

「後日談、というか今回のオチ」
by天
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