東方刀物語   作:クロノヒメ

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いや~、やっぱりうれしいことですね。これも、読んでくれている皆様のおかげです。

それではどうぞ!


#14 その後

戦いが終わったその日、諏訪の国では宴が開かれていた。

 

戦いに敗け、村が無くなるまえの悲しい宴…ではなく、諏訪子が生きて帰ってきたことの宴だった。

もっとも、当の本人は遠慮がちにしているが。

 

そして、俺はと言うと――

 

(一人で酒を飲む、か。粋だが寂しいんじゃねぇか?)

 

そう。

一人で酒を飲んでいるのだ。

国から少し離れた、丘の上で飲んでいる。

 

「寂しいくはないな。零がいるし」

 

(だが、諏訪子と言ったか?アイツや他の奴らと飲まなくていいのか?)

 

「いーんだよ、俺は部外者なんだし」

 

手に持ったお酒を飲む。

ちなみに、このお酒は国の人からもらったお酒だ。

…酒よりコ⚪️ラやモンスタ⚪️とかの方がおいしい気がするなぁ。

 

そんなこんなで零と二人?で夜を明かす。

 

次の日の朝、国に顔を出すとぐったりとした様子の諏訪子が声をかけてきた。

 

「そ~ら~、どこにいたの~?」

 

「そこらへん。てか、どうした?」

 

「お酒飲み過ぎたりして、あんまり寝てないの~」

 

「…気を付けろよ」

 

「うん」

 

そういい、諏訪子と別れる。

とくにやることもないので、もっと観光することにした。

 

国の人に今回のことを聞いてみると、みんな悲しそうな顔をしたが、「なんとかなるだろう」と言っていた。

 

そんなこんなで観光をしていたときだった。

 

「ん……?」

 

入り口の方から、何か感じた。

何かと思い、急いで行ってみる。

……昨日こんな奴と……

 

門が見えてくる。

 

あ(察し)

 

昨日の女(大将)とその取り巻きがいた。

 

「……」

 

「お前は…昨日の……」

 

「ちょっと待ってろ。今呼んでくる」

 

そういい、背を向け走り出す。

……なんか気まずいな

 

タッタッタッタ…

 

「おーーい、諏訪子ー」

 

「何?どうかしたのー?」

 

「昨日の女が来てるぞー」

 

「…!分かった、今行くよ」

 

タッタッタッタ……

 

「はい、お待たせ」

 

「それで、濃尾のやつらはなにを望んでるんだい?」

 

「あぁ。それについて詳しく話に来た」

 

「分かった。それじゃあ、案内するね」

 

諏訪子がそういうと、あの諏訪子の家?神社にいった。

 

それから3時間が過ぎ、ようやく話し合いが終わったのか、諏訪子がとぼとぼ歩いてきた。

 

「お疲れ様。どんな話をしてたんだ?」

 

「うん…」

 

諏訪子が話したことをまとめると、

 

・国の信仰をよこせ

・危害を加えるな

 

らしい。

……信仰ってなんだ?

 

「そのまんまの意味だよ。あの女…神奈子(かなこ)って言うんだけどね?私の代わりになるの……」

 

「まじか…つまり、アイツが守護神になるのか?」

 

「うん…そうなんだよ……」

 

そういい、肩を落とす諏訪子。

まぁ、俺もその立場だったらこうなるだろうな。

ここでふと疑問が浮かんだ。

 

「それじゃあ諏訪子ってどうなるんだ?」

 

「……わかんない。とりあえず、一回代わってから様子を見よう、ってなった」

 

「そうか……」

 

俺はそれ以上なにも言えなくなった。

…この国の雰囲気がまるっきり変わったりするのかな?……だとしたら結構嫌なんだが。

 

互いに不安をもち、それぞれを後にした。

 

だが、そんな不安を払拭(ふっしょく)することが起きる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

一週間後

 

久しぶりに諏訪子……神奈子の神社に向かった。

あの時以降、姿を見てない……というか、森や川の近くにいたからなのだが。

どうなったかを知るため、神社に来ているというわけだ。

 

トントン

 

「はーーい!」

 

諏訪子の声がする。

 

カラカラカラッ

 

「どなたー?って、天じゃん。どうしたの?」

 

「いや、どうしたの?って……こっちが聞きてぇよ」

 

「あ、守護神のこと?それについては――」

 

「私から話そう」

 

そういい、後ろから神奈子が出てくる。

 

「あ!神奈子!私がいうのー!」

 

「お前は説明が長いんだよ。あと、途中で雑談に入るからダメだ」

 

「えー……」

 

「んで、なんでだ?」

 

「あぁ、すまない、自己紹介を忘れていた。私の名は八坂 神奈子だ。以後、よろしく頼む」

 

「ずいぶん丁寧だな。俺の名は白憑 天。気軽に天って呼んでくれ」

 

「天……?どこかで聞いたことが……?」

 

ビックリした。

いや、俺ってそんな神様が知ってんの?あ、知ってたわ(ツクヨミ様)

 

「まぁいい。それで、なんで諏訪子が元に戻ったかと言うと――」

 

神奈子の話は分かりやすかった。

諏訪子から神奈子に代わったのはいいが、国の人が神奈子を信仰しないせいで意味がないと言う。

そこで、表では諏訪子を守護神にし、実際は神奈子に信仰がいくようにしたらしい。

 

頭いいな。

 

「なるほど…だから今二人は一緒に暮らしているのか」

 

「うん、そうだよ。あっ!聞いてよ天!神奈子ってばね、お化けがこわ――」

 

「諏訪子、一回逝くか?」

 

「は、はぃ…」

 

「ハッハッハッ、面白いな、二人とも」

 

「「面白くない!」」

 

「「あ…」」

 

「ふ、ははは!」

 

「「天ーーー!」」

 

二人そろって俺に抗議してくるが、やはり中が良い姉妹に感じてきた。

 

「だいたい神奈子!ハモらせないでよ!」

 

「諏訪子こそ、私のことを言うな!」

 

ははは、面白いな。

 

「なにおーーー!?」

 

「なんだとーー!?」

 

口喧嘩から取っ組み合いの喧嘩に発展する。

…止めるか。

 

「おい、二人ともやめろ」

 

「「ぐぐぐぐぐ……!」」

 

駄目だ、完全に聞いてない。

……仕方ないなぁ(ニッコリ)

 

二人の肩に手をのせる。

そして霊力を流し――

 

「反省しな」

 

動きを止める。

 

「なっ!体が…!」

 

「ちょっと天!なにしたの!?」

 

「いいからそこで反省してろ。まったく、中が良いのはいいが、やりすぎは駄目だぞ?」

 

「うっ…」

 

諏訪子が項垂れる。

 

「まぁ……そうだな……」

 

神奈子が渋々納得する。

 

反省してるからもういいか。

 

「ほらっ」

 

パチンッ

 

指を鳴らす。

すると、諏訪子と神奈子が動けるようになった。

 

「お、おー。……天ってすごいね…」

 

「俺を誰だと思ってんだ?白憑さんだぞ」

 

「「……?」」

 

あ、しけた。

心に来た……

 

「ま、まぁそんなわけで、私たちは一緒に暮らすことになったんだよ」

 

「長くない?前置き」

 

「いいんだよ!細かいことは気にしないの!」

 

「ハァーー。これだから諏訪子は……」

 

「む!なんだよ神奈子!やるのか!」

 

「その前に俺が殺るぞ」

 

「「すいませんでしたぁ!」」

 

今日も諏訪の国は平和……平和です。

 

 

 

 

 




ヤバい、急にカメ投稿に戻った……。
頑張らないとなー

次回予告

「タイトル後半、はっじっまっるよー!」
by諏訪子

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