ん?理由?
……新しいの書き始めちゃった(えへ☆)
諏訪の国から旅立ち、3週間が過ぎた。
遅すぎじゃないかって……?
霊力を纏い、思いっきり走ると1日~2日でつくのだが、零から止めておけと言われた。
なんでだ?と聞いてみると、「お前の霊力を追って、強い妖怪が追ってくるぞ」とのこと。
なので今は、のんびり森の中を歩いている。
それはいいのだが……
(なぁ、零)
『なんだ?何か見つけたか?』
(さっきから、なんか付いてきていないか?)
時折、視られているような感じがする。
何かしてきた、ということはないが一応、零に言っておくべきだろう。
『 ん?今さらか?』
(は?今さらって?)
『ソイツ、二日前から付いてきてるぞ』
(ハァッ!?何で言わなかったんだよ!?)
『は?逆になんで気づけなかったんだよ。アレはむしろ、誘ってる程だろ』
なんだこいつ。
(んで、何かしてこようとしてる様子はあるか?)
『今のところはないな。だが、何かしてくるかもな』
(じゃ、無視の方向で)
零がため息をついた…ような気がする。
『甘いな、まったく。前にお前の記憶を覗いた時に見た、ちょこれいと?みたいな甘さだ』
(おい、待て。……今なんて言った?というか、どういうことだ?)
コイツ、今……。俺の記憶がなんとかと言わなかったか?
『詳しいことは後で話す。だが、言えるのはお前の記憶を読み取ることが出来ると言うことだ』
(え!?なにそれお前!)
『 それにしても、お前があんな女のような奴が好きなのか…』
(まさか……見たのか?)
『さぁ?どうかな。それにしても、あんなか弱い奴が好みだと――』
ヂャキン!
「この……!」
零を抜き、折ってやろうかと考えたとき――
「おい、見えたぞ」
零にいれた力を弱める。
「あ……」
永琳と出会う前に見たことがある、五つの屋根が重なっている塔を眺める。
「やっとここまで来たか……長かったな……」
「ところで聞いてなかったが、この先どうするかつもりだ?」
「とりあえず、神奈子が言ってた人に会いに行く」
「それは必要なことか?」
「いや、必要じゃないが、後々有名になる人と会ってたら、いい気にならないか?」
「……俺はならねぇな」
「そうか……(´・ω・`)」
「なんだその顔。吐き気がする」
「う、うるさい」
そんなことを話していると、村の門の前に来た。
「そこの者、止まれ!」
止まる。
「どこから来た?」
「ここより北の国、諏訪の国から来た者だ」
「そうか、長旅ご苦労。あやかしではないだろうな?」
「あやかしに見えるか?」
「見えぬ。……よし、通っていいぞ!」
「ありがとう。感謝する」
いつもと違う言葉に苦戦する俺を見て、零が嗤ってくる。
『ハッ、合わねぇな』
(仕方ないだろ。…というか、もっと楽にしてもいい気が……)
『たわけ。その方が怪しまれるだろうが』
零と会話を打ち切り、村の中に入る。
諏訪の国と比べ、どこかおっとりしている村だ。
だが、所々カラフルな服を着た人がいる。
ふむ、どうやら俺の思い出は正しいらしい。
さて、会いに行きますか。
聖徳太子に。
ーーーーーーーーーーーーーーー
見つからねぇ……
あれから村を歩き回ったが、それらしい人が見当たらない。
零に「本当にいるのか?」と言われたり、村の人から変な目で見られたり、何よりキツかったのが金髪の女の子から睨まれたことだ。何故だ……。
すっかり意気消沈して、地面に座りどうするか考えていた。
だが、そうしていると零が話しかけてきた。
『おい天。なにやら向こうが騒がしいぞ』
見てみると、確かに人だかりが出来ている。
(何だ?何かあったのか?)
立ちあがり、向こうに行ってみる。
詳しく見てみると中心に人がいて、その回りに村人がいる。
「最近、牛の調子が――」
「近頃アイツが――」
「この頃好きな人が――」
「稲の育ちが――」
…。
なんだこれ……。
村長に相談か?なんというか、自分勝手だなぁ。
「それなら――」
そういい、真ん中にいる人が答える。
順番にスラスラと、的確なアドバイスをドンドン喋っていく。
(すごいな…この時代にもあんな人がいるのか……)
感心してる俺に、零が言ってくる。
『お前……あれが探してた奴じゃないのか?』
「あ」
そこで俺は思い出した。
そうだ、有名な話があったじゃないか。
「十人の話を同時に聞くことが出来る」。
…今思えば、これを知ったからここに来ようとしたんだよな。
自分の記憶の悪さに落ち込んでいるときに、村人が満足したのか、人だかりが少なくな――
「あ」
真ん中にいる人物を見て、思わず声が出る。
何故ならそこに、さっき見た金髪の女の子がいたからだ。
…聖徳太子って女の子だっけ……?
聖徳太子(?)が俺に近づいてくる。
「あなた……」
太子が厳しい顔つきで、こちらを見る。
「一体、何者ですか…?」
「は?」
ちょっと待て。
初対面の人…俺まだ人だよな?に何言ってんだ?
「ただの人間だよ」
「嘘をつかないでください。その霊力、それに思い…明らかに人外です」
おい人外認定されてるぞ、解せぬ。
「もう一度聞きます。…あなたは何者ですか?」
わずかな敵意を含ませ、太子が問う。
「さっきも言っただろ?ただの人間だ」
「……しらを切りますか。ならば――」
腰に携えた剣を抜き、俺に向ける。
「あなたの剣で見極めます……!」
ギラリッ
刺すような殺気。これほどのレベルは、そんなに見たことがない。
というか、なんでみんな戦闘が好きなんだ?(永琳や諏訪湖や神奈子とか)
「…いいのか?村の中だぞ?」
「構いません。あなたを見極めるには、この広さで充分です」
「確かにな……なら、かかってこい」
それを聞いた太子は豆鉄砲を食らった鳩のような顔をするが、歯を強く噛み俺に言う。
「……舐めているのですか」
「いや違う。こんなこと……一太刀あれば充分だ」
「…」
太子が黙り、さっきより殺気が濃くなる。
それを見た俺は、更に煽る。
「来ないのか?…あぁ、怖いならいいぞ?やらなくて」
「!」
「自分から出来ないのに言い出して、取り消せないから虚勢を張ってるんだろ?無茶するなよ、
ブチッ
あ、やり過ぎたか……?
「……どうなっても知りませんよ」
その顔に笑みはなく、あるのは純粋な殺意のみ。
「……」
「……」
少しの沈黙。
「……行きます」
しかし、時間が経たないということはない。
「そうか、来い」
俺は更に体を
この技の欠点は俺がまだ未熟だからか、準備に時間がかかることだがさっきの話し合いでほとんど脱力しきっている。
そして、最後に一押しする。
敵前の前、俺は目を閉じた。
ギリィッ!!!
歯を擦る音が聞こえ――
ドンッッッ!
直後、地面を蹴る音が聞こえる。
――イメージは火山。
ゆっくりと、ゆっくりと。
下からじわじわと迫ってくるような力をイメージする。
…これくらいでいいか。
ゆっくり目を開ける。
すでに間合いに入っている相手は、大上段に剣を上げ、振り下ろし始めている。
心の中で言う。
(天零流刀法・二十五式――)
火山は急に噴火する。
脱力を止め、急に体全体に力を籠める。
その瞬間、世界がゆっくりになった。
振り下ろしている剣の速さが遅くなり、太子の表情が細かく見える。
分からない不安から、勝利への確信へと。
零を握り、少し刃を出す。
まだ太子の刃さっき見たときより全然動いていない。
「俺の――」
――勝ちだ。
ズガンッッッ!!!!! トンッ
音が響く。
「え……?」
太子が呆然呟く。
それはそうだろう。
勝ったと思った瞬間剣が砕かれ、相手が目の前からいないんだからな。
呆気としてる太子に事実を突きつける。
「残念だが、お前の敗けだ」
「なっ……!」
動こうとするも、首に当てられた刀により動けない。
「……一体、何をしたんですか……?」
太子が聞いてくる。
どうやら俺がやったことが見えなかったようだ。
「そうだな…いちから喋るか。まず、煽ったのは俺の準備を終わらせるためだ」
「準備……?」
「この技は、脱力と硬直の差が大きければ大きい程強力になる。その脱力の時間を稼ぐために…まぁ、煽ったのはすまない」
流石に、自分でもあれはないと思う。
「…続けてください」
「おう……その差が大きいと、全てゆっくりに感じるんだ。自分だけが速いからな。ここまではいいな?」
「はい…」
「後はお前の剣を斬り上げ、そのまま後ろに立って刀を突きつけただけさ」
斬り上げる時の速度が速すぎて砕いてしまったが。
「……」
「この技の名前は『
「……」
太子が黙る。
……分かりにくかったか?
「なんで……」
「ん?」
「なんで私を斬らなかったんですか。あんなことが出来るなら、直接斬った方がいいはずです。それに、私だってあなたを本気で斬ろうとしたのに、一体、なんで――」
「斬りたくないんだ」
「え?」
「女の子は、斬りたくないんだ」
キリット
「……例えそれで、死んだとしてもですか」
「死ぬ、か」
刀を納めながら言う。
「分かんないな。死んだことがないから」
と、俺はちょっぴり笑いながら言った。
「……何なんですか、あなたは……」
「俺?だから、さっきから言ってるだろ?
――ただの人間、さ」
「はっ、はは」
太子が振り向いて笑う。
「私の……完敗です……」
「まぁ、気を付けろよ?世の中には、もっと強いやつがいるんだからな」
そこで、ハッとした顔を浮かべる。
「本当に失礼しました……」
「いいんだよ。それにそう思ったのはこの村が大事だからだろう?だから良いことだと俺は思う……あっ、そうだ」
「……?」
「名前、まだ聞いてないだろ?教えてくれないか?」
「ハ、ハァ。…面白いことを言いますね……私の名前は
「俺の名前は白憑 天。しばらくここにいるつもりだから、これからよろしくな」
「はい、師匠!」
「おう!…おう?……おう!?」
――出会って斬られそうになり(煽ったのはおれだが)対応したら師匠と呼ばれるようになった件。
ヤバイ、思ったより長くなってしまった……
皆様も思ったと思いますが、自分でも思います。
「駄文過ぎない…?」と。
次回予告
「師匠とは(哲学)」
by天