みんなと別の高校か、寂しくなるな……。
まぁ、駅で会うんだけどね。三年間。
時刻は夕暮れ時。
俺は神子と剣を交えた後、神子に村の案内をされていた。
じろじろと見てきた村の人も、神子の顔見知りだと分かると気軽に話しかけてきてくれた。
さっきの相談やこのことから見ても、神子は相当村の人に信頼されているようだ。
「そうだ師匠。師匠は今日村に来たはずですよね?」
「あぁ、そうだぞ」
「泊まるところが無いと思いますので、是非、私の家に泊まりませんか?」
「…いいのか?」
「はい、師匠なら歓迎です」
「じぁ、お言葉に甘えて……というか、神子」
「なんでしょうか?師匠」
「その師匠呼びをやめろ。なんか、むずむずする」
なぜだか神子は俺のことを師匠呼ばわりする。
なんもしてない(思いっきりボコった)んだけどな……?
神子が目を伏しながら言う。
「私は、生まれてから誰かに教えて貰ったことがないのです。大方、自分で知って、自分で解決しての繰り返しで、村の人には教える方でしたから。ですので天のような人から、自分が出来ないことを教えてほしいのです」
…なるほど、ね。
天才というのは努力したからこそなれる、と思っていたが、例外はあるものなんだな……。
いや、神子の場合は努力することが出来る天才なのだろうか。
「そうか……でも、師匠呼びはやめろ」
「……そうですか」
神子が悲しそうな顔をする。
…しょうがないな。
「安心しろ。師匠呼びはやめさせるが、神子には教わりたいことを教えるぞ」
「っ!いいのですか!」
「もちろんだ。この村に泊めさせてくれるんだからな。もちろん、俺が知ってることだけだぞ?」
「分かりました!それではさっそくですが――」
俺だって一応年上なんだし、若い者を育てるなければ(使命感)
よし、どんとこい!
「――子どもはどうすれば生まれるんですか?」
ポピイィィィィィイ!
ーーーーーーーーーーーーーーー
とっさに「コウノトリが運んできてくれるんだぞ」と言ってしまった……。
無知とは恐ろしいことだな。
「着きました、ここです」
「おーー、いい家だな」
そこにあったのは、ザ・和風の屋敷だった。
屋敷と言っても、どちらかというとお寺よりなものだが、さすが聖徳太子。ここだけオーラが違う。
「ありがとうございます。この家も喜んでいると思います」
「大げさだな……うん?」
家の前に佇んでいると、家のほうから青く細長い帽子をかぶった女の子が走ってきた。
「太子様ーーー!お帰りなのだーーー!」
「ただいま、布都。今日は大事な人が来たのよ?」
「む?誰だそれは!」
「ししょ・・・天、自己紹介をお願いします」
「分かった。俺の名前は白憑 天。よろしくな」
そういい、手を出す。
「ふむ、太子様のお友達か?儂の名は
ガシッ
元気だな。神子とは反対、と言ってもいいかもしれない。
仲良く出来そうだ。
「おーーい、布都ーー!」
すると、屋敷の方から大きな声が聞こえてくる。
「あの声は・・・」
神子が布都を見ながら、神妙に呟く。
「あっ、そういえば忘れておったのじゃ」
「二人の知り合いか?」
「はい。私と布都の他に、もう一人一緒に住んでいる人がいるのです」
・・・さすがにこの広い屋敷を1人で住むのはきついもんな。
ガダッッ!
扉が開き、中から人(また女の子)が出てくる
「おい布都!太子様を迎えにいくのはいいが、今やっていることを投げ出していくのはやめろと前も言っただろ!」
・・・緑だ。
髪も、目も、服も、全部うすい緑色の方が出てきた。
「ただいま、屠自古。今は怒らないでね?」
「太子様!ですが・・・・・・?」
そこで、緑少女が俺に気づいたようだ。
「初めまして。俺の名前は白憑 天、よろしくな。一応、神子とは師弟・・・いや、友達の関係だ」
さすがに、初対面で師弟はいやだなぁ。
「それはお見苦しい所をお見せした。私の名前は
「む!?誰がバカだ屠自古!」
「うるさい、お前はとっととやることをやれ!」
「く、ハハハ」
ついつい笑ってしまった。
・・・似ていたのだ。諏訪の国にいた時と。
諏訪子と神奈子、今はどうしてるのかな・・・?
「こら、二人とも止めなさい」
そういい、神子がいつの間にか手に持っていた薄い棒で叩いた。
ベシッッッ!
「いたッ!うぅ〜〜太子様ー」
薄いのに、なんであんな威力が高いんだ・・・?
「それでは天。こちらにどうぞ」
そういい、神子が歩き出す。
俺もついて行こうとしたら、布都が話しかけてきた。
「おぬし、天と言ったの!太子様とはどういう関係なのじゃ!」
・・・コイツ、天然か。
さっき言ったはずなのだが・・・。
「神子との関係は友達だな」
「む?そうなのか?」
「天、早く行きますよ」
「ほら行くぞ、布都」
「うむ!分かったのじゃ!」
そう言うと、神子がいる所に走っていった。
「・・・申し訳ありません、天様・・・。布都はいい奴ですが、いささか天然と言うか・・・」
と、申し訳なさそうに屠自古が言ってくるが、俺個人としては結構嬉しい。
ああいう奴は最後まで主人に尽くせる奴だと、俺は思う。
「いや、いいんだよ。あ、それと様づけは止めてくれ。俺はそんなに偉くない。」
「ですが・・・」
「いいったらいいんだよ。分かったな?」
「・・・分かりました。これからよろしくお願いします、天」
「あぁ、よろしくな」
「ソラー!ハヤクキテクダサイー!」
「おっと、早く行かなくちゃな」
屠自古と一緒に、歩く早さを上げた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「それでな?山の中を歩いてたらイノシシがいたんだよ。んで、突進する前にブヒイイイイ!って。イノシシと豚が混ざった妖怪がいたんだぜ?」
「ハハッ、なんじゃそれは!ふはは、面白いのう!」
「そんな妖怪がいるのですか・・・」
今は晩御飯中。
布都に「旅であった面白い話をしてくれ」といわれ、色んなことを話していた。
「天は色んなことを知っているのですね!」
神子が嬉しそうに呟く。
こういう神子を見ると、年相応の女の子に見える。
「まぁ、だてに長生きしてないさ」
「?天は何歳なのじゃ?」
「えーっとーー・・・」
今で・・・何歳だ?
「詳しくは忘れたが、400歳は言ってるぞ」
「「「え?」」」
しまった、普通そんな長生きしないよな。
「なんでかは言えないが、そこは旅人だからってことで」
「た、旅人は凄いですね、天・・・」
・・・よかった、神子が真面目で。
そんなことで話していると、いつの間にか日が暮れてしまった。
「そろそろ寝る時間ですね・・・屠自古、天に部屋を案内してください」
「分かりました、太子様。・・・では、案内します」
「ありがとう・・・あぁ、そうだ神子」
「どうしましたか、天」
「酒ってあるか?出来れば飲みたいんだが」
「お酒ですか・・・はい、もちろんありますよ。屠自古、天のお部屋に持って行ってくれますか?」
「もちろん、持っていきます」
屠自古はそう言うと、台所から酒を持ってきた。
「それでは、改めて案内します」
部屋からでて、暗い廊下を2人で歩く
「悪いな、手間かけさせて」
「いえ、これも従者の役目ですから」
そこからしばしの沈黙。
「着きました。ここの部屋をお使い下さい」
「ありがとう、感謝する」
「では、私はこれで」
トン、トン、トン、トン・・・
・・・・・・
・・・行ったか。
足音が無くなったのを確認し、口を開く。
「喋っていいぞ、零」
「・・・やっとか。それにしても、まぁ・・・」
「?なんだよ?」
「鼻の下を伸ばしすぎだ。見てて少し引いたぞ」
な、なに!?
「そ、それって本当か?」
「あぁ。もっとも、あの3人は気づいていなかったがな」
「ならよかった・・・」
部屋の扉を開け、縁側に腰を掛ける。
となりには零、酒を置き、準備は完璧だ。
「じゃ、飲むか・・・お、見ろよ零。今日は満月だぜ?」
「・・・そうか」
「なんだ?お前、月好きだろ」
「満月は嫌いなんだよ。思い出すからな」
「思い出すって、何をだ?」
「・・・そのうち言う。今は、楽しもうぜ」
「それもそうだな、それじゃ・・・」
『乾杯』
――月明かりの下、俺は零と夜が明けるまで酒を飲み、語り合った。
スマホを新しくしました。
今までと違うところが多々あるかも・・・?
次回予告
「おい作者!内容が無いからって大幅にカットするな!」
by屠自古
作者「さて、なんのことやら」