東方刀物語   作:クロノヒメ

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めちゃくちゃ遅れて申し訳ありません。
このシーズンの忙しさを舐めてました・・・。


#18 青き者

 

 

 

零と酒を飲み(零は飲んでいないが)、そろそろ飽きてきたので庭で修行しようと考えた。

 

修行とは言ったものの、物を壊したらいけないので刀を使うと言うよりは俺の能力や霊力の修行をすることに決めた・・・のはいいのだが・・・。

 

「それでは、お願いします!」

 

まさか、神子がこんな早起きとは思わなかったのだ。

外に出ようとしている所を見られ、「何をしに行くのですか?」と聞かれ、修行をすると言ったら、「私もやりたいです!」と眩しい笑顔で言われ折れてしまった。

 

「よし、それじゃあ霊力を全開にして出してくれ」

 

「はい・・・・・・!」

 

神子の周りにどんどん霊力が溢れてくる。

俺よりは少ないが、そこらの妖怪よりはあるみたいだ。

だが、少し気がかりなことがある。

純粋に、何故こんなに霊力があるのだと思ってしまったのだ。

 

「なぁ、神子。霊力はどうやって鍛えた?」

 

「ハァ・・・霊力、は、鍛えてません・・・ハァ・・・ハァ・・・ですが、村の人の信仰のおかげでここまで強く・・・ハァ・・・なれました・・・」

 

「分かった、もう充分だ。霊力を出さなくていいぞ」

 

「はい・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・」

 

ふむ。

・・・信仰って神以外でもいいのか。

おっと、それよりも

 

「そうだな、今のでわかったと思うが、神子は霊力を全部出し戦うことは出来ないみたいだな・・・なら、まずそれに慣れるか」

 

「慣れ、ですか・・・」

 

神子が不安そうな顔をする。

確かにさっきのような霊力を全開にしても、あれじゃ戦えないだろう。

 

「大丈夫だ。俺の言う通りにしろ。・・・行くぞ?」

 

「はい!」

 

「よし、その意気だ。・・・まず、目を閉じろ」

 

「・・・」

 

「そうしたら、霊力を足元から上に段々と押し上げるようにして霊力を出すんだ」

 

「・・・こう、ですか・・・・・・?」

 

・・・うん、初めてにしては結構いいスジだな。

 

「その調子だ。後は霊力をただ漏らすだけじゃなく、ゆっくりと上に上がっていくようにイメージするんだ。あたりに広げていくんじゃなく、常に自分の近くにあるようにな」

 

「・・・」

 

・・・よし、いいかな?

 

「目をあけて、俺にかかってこい」

 

「!・・・分かりました、行きます・・・!」

 

ドンッッッ!

 

昨日は力任せに地面を蹴り、安定しない早さだったが、今の早さは霊力のおかげで、少しの力で昨日と同じ早さになっている。

 

嬉しいのか、走って向かう神子の顔が緩み――

 

パチッ!

 

「痛!何をするんですか天!」

 

デコピンを叩き込んだ。

 

「基礎が出来ただけなんだから、まだ緩むな。戦いならデコピンじゃ済まないぞ?」

 

「うぅ〜」

 

「・・・だが、昨日よりは強くなったな。そのイメージを忘れるいうちに、次行くぞ」

 

「はい!」

 

――この後神子が倒れるまで修行をやり、屠自古に怒られてしまった。

 

もう少し限度を知った方がいいかもしれない。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

午前は修行、午後は村や神子の手伝いをして、1ヶ月が経った。

今のところは妖怪相手に充分、といったところか。

・・・歳をとると時間が早く過ぎるのは分かっていたが、まさかここまでとは思わなかった。

まだ若いんだけどなぁ・・・見た目だけ見ればだが。

 

そんなことより。

最近、神子の様子がおかしい。

常にボーーッとしてたり、早く寝ることが多くなっている。

前に「どうかしたのか?」と聞いてみたが、神子には「いえ、なんでもありません」と言われ、それ以来なにもしてない、いや、なにも出来ていない。

 

女の子は大変だなぁと思い村の中を歩いていると視線を感じ、振り返ると全身が青で統一された女性がこちらをじっっと見てきた。

何度も見られたのでこちらも見返したらそそくさと去っていった。

 

・・・なんだったんだろうか?

 

結局、なにもいい考えも浮かばないまま俺は神子の家に帰った。

敷居を跨ごうとすると、布都扉の前に立っており、いつも通りの笑顔を浮かべ、声をかけてくる。

 

「おかえりじゃ、天。・・・あ、そうじゃ、太子様を見なかったかのー?」

 

「神子を・・・?いや、見てないぞ。まだ帰ってきてないのか?」

 

「うむ・・・太子様は何をしているのじゃろうか・・・気になるのう・・・」

 

「神子は真面目だから、そのうち帰ってくるだろ」

 

サーーー

 

「ぬう、外は冷えるのぅ・・・」

 

風が吹き、布都が寒そうな仕草をする。

 

「先に家に入ってろ。風邪ひくぞ?」

 

「すまぬ、天・・・では、任せたのじゃ!」

 

そう言い、布都は広い神子宅に入っていった。

 

扉の前に立ち、今後のことを考える。

正直、この村でやりたいことは終わったから、そろそろ旅立とうと思っているのだ。

でも、神子があの調子ならな・・・。

一人で悶々としていると、ザッ、ザッ・・・と足音が聞こえた。

音の方を見ると神子が歩いてきた。だが――

 

「天ですか。何をしているのですか?」

 

「神子を待ってたんだよ。布都の代わりにな」

 

「そうですか・・・ありがとうございます」

 

「それはいい。そんなことより、神子」

 

「なんでしょうか?」

 

神子がキョトンとしたが、笑顔で聞いてくる。

その笑顔を見た俺は、確信する。

 

「相談に乗るから、全部話せ」

 

「・・・前も言いましたが、私は大丈夫ですよ?」

 

「とぼけるな。お前が前から悩んでたのは知ってる。でも、解決出来るだろうと思っていたが、その顔は・・・」

 

少し迷うが、言う。

 

「自分を殺した、偽りだろ」

 

「っ・・・」

 

軍にいた時に見た。

妖怪に襲われ、「俺を置いて先に行け!」とテンプレなフラグを建てた奴が。

その時の顔そっくりだったからだ。

・・・まぁ、俺が助けに入ったんだが。

 

「大丈夫です。直ぐに解決出来ますから・・・」

 

「・・・そんな目を逸らして霊力も不安定なままで言われてはい分かりましたって奴はいないぞ」

 

「・・・天、私は・・・」

 

なおも悩んでいる神子に申し訳なった。

そりゃあ、自分の問題なのに他人が口を出すんだがらな・・・

 

「まぁ、結局はお前が決めることだ。そんなに嫌ならいいぞ」

 

だが、神子はどこか覚悟を決めた様子で俺に言う。

 

「・・・天。今日の夜、私の部屋に来てください」

 

「分かった。・・・いいんだな?それで」

 

「・・・分かりません。でも・・・誰かに頼ることはいいことですので」

 

と、いつも頼られてる神子が言う。

・・・自分から言ったことだし、ちゃんとやらなきゃな。

 

「それじゃ、行こうか」

 

そういい、神子宅に入る。

・・・今夜は長くなりそうだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

その後は特におかしい所(神子の態度をのぞけばだが)は無かった。

 

夕食もすまし、各自がそれぞれ床に入った。

今の時刻はだいたい8時・・・だと思う。

神子の相談相手になろうとしているが、実際、神子は何で悩んでいんのだろうか?

 

人間関係は悪くなるはずもないし、最近は不作となった訳ではない。妖怪もちらほら襲ってくるが、何か起こる前に誰かに切りふせられているらしい。一体誰ダロナー(棒)

 

そんなことを考えているうちに、神子の部屋の前に来た。

 

コンコン

 

「・・・どうぞ、お入りください」

 

許可を得たので部屋の中に入る。

 

「失礼するぞ」

 

「こちらにお座り下さい」

 

神子の前には座布団があり、そこに座る。

部屋の中はロウソクで明かりが灯しており、神子の表情は充分見える。

 

「・・・・・・」

 

座っても神子が話を切り出せないようでいるので、俺から話しかけた。

 

「で、お前は何で悩んでるんだ?神子」

 

神子は体を震わせるが、すぐに落ち着き、俺の目を見て質問をしてきた。相談ではなく。

 

「・・・天は――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『不老不死』について、どう思っていますか?」

 

 

「・・・・・・不老不死、か」

 

フゥーーー、とため息をつく。

どう答えれば良いのだろうか?

俺の中ではもう『普通』になりつつあるが、神子のような一般人にとっては、一度はなりたいと思うのだろうか?

 

「俺にとっては・・・悪いとも言えないし、いいとも言えないな・・・」

 

「・・・それは、どうしてですか」

 

「うーん、不老不死ってことは死なないってことだろ?それ自体が、いい事でもあり、悪いことでもあるんだよな」

 

「・・・?何が悪いことなのですか?」

 

「そうだな、例え話をしよう。神子にとって嬉しいことはなんだ?」

 

「私は村の人や布都、屠自古が幸せなら、嬉しいと思っています」

 

「じゃあ、悪いことは?」

 

神子が目を閉じ、言う。

 

「大切な人達が周りからいなくなること、です」

 

「なら、もう分かるだろ?」

 

「分かる、とは?」

 

ここからは俺の経験談だ。

 

「もし不老不死になったら、周りの奴らが全員死んでいくんだぞ?自分の目の前で。そして、自分がいくら死にたいと思っても――」

 

死ねない。

 

と、声に出さず伝える。

 

「それに、簡単になれるもんならみんななってるからな」

 

そう付け加える。

神子はどこかホッとした顔で言ってくる。

 

「そう、ですよね・・・ありがとうございま――」

 

ザワッ

 

「ッ!神子!」

 

嫌な予感を感じ、咄嗟に吠える。

 

「え・・・・・・?」

 

腰にかけていた零を抜き、嫌な感じがする方向に向ける。

 

「天・・・一体、どうしたのですか・・・・・・?」

 

神子はそう言ってくるが、俺は警戒を緩めない。

そうしていて何秒がたったか。

 

 

「う〜ん、バレちゃったかしら〜?」

 

()から声が聞こえた。

 

「つ!」

 

神子が悲鳴を上げそうになるも、口に手をやり塞ぐ。

 

右手、左手、右足、左足、胴体、そして、顔の順番で人が出てくる。

 

「お前は・・・」

 

その顔を見た時、俺は声を出していた。

なぜなら――

 

「あらあら〜?あなたは昼間の・・・」

 

目の前にいる女がいった通り、昼間にあった全身青の女だった。

だが、昼間と違う点がある。

嫌な予感と言ったが、それは多分この女が持ってる気のことだ。

俺が持ってる霊力、妖怪が、持ってる妖力とはまた違う、どこかおかしい気、気配を感じたのだ。

 

――お前、何者だ?

 

だが、それを問おうとするよりも早く神子が口を出した。

 

「何故あなたがこんな所に・・・?」

 

「知り合いか、神子?」

 

その問いには、目の前の女が答えた。

 

「私はこの子を導こうとしてるだけよ〜?」

 

・・・問の答えにはなってないが、まあいい。

そんなことより――

 

「導く・・・?どういうことだ」

 

次に目の前の女が言ったのは、俺のド肝を抜くものだった。

 

 

 

 

 

「私はこの子に、『不老不死』になる方法を教えようとしているだけよ〜」

 

 

 

 

 

「・・・お前、ふざけているのか?」

 

睨みながら言うが、女はふわふわした態度を崩さない。

 

「私は真面目よ〜?ただ、強い人に興味があるだけで・・・ねぇ?」

 

だが、これで納得がいった。

神子が何故、不老不死について興味があったのかを。

それを踏まえて、神子に聞く。

 

「神子、お前は不老不死になりたいのか」

 

「・・・・・・・・・」

 

長い沈黙。

 

「・・・私は――」

 

 

 

 

 

 

 




終わり方が・・・まだまだですね・・・

次回予告

「短い」

by作者
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