東方刀物語   作:クロノヒメ

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遅くなり、申し訳ありません!
実に24日ぶりの更新でございまする。


#20 知らなかったもの

 

 

 

妖怪。

 

初めて会ったのは地下で女の子を助けた時だと思う。

あの時は恐怖は感じないで、ただ自分の出来ることをしようと決意した。

 

だから、体が動いた気がする。

 

そして、そのおかげで分かったこともあった。

人は案外、きっかけがなきゃ出来ないことが分かった。

あの時以降妖怪を見ると、自分なら倒せる、出来るといった自身ではなく、「恐怖心」が先に出てくる。

 

もっとも、それは零や同輩のおかげでなんとかなったのだが。

 

あのころの軍は、「妖怪を見つけたら殺せ」だった。

俺は殺すのが嫌で、こちらに敵意や害意を持った妖怪だけを殺していた。 もっとも、妖怪はその感情以外は持っていなかったが。

 

「・・・ハァ」

 

ため息を零す。

 

ムッシャムッシャ・・・。

 

故に、自分でも意外な行動を取った。

 

「モグモグ・・・んん、美味いのぉーー!」

 

目の前で焼いている火の向こう側に座り、俺が川でつかまえた魚をバクバク食べていく、人――だが。

 

「そうか・・・体調はどうだ・・・?」

 

その髪は黄色く、そして額には特徴的な少し黒くて長い2本の()が炎の明かりに照らさせれて見える。

 

「おう!お前さんのおかげで、随分よくなった!」

 

ガっーハッハッハ!

 

と軽快に笑う妖怪を見て、こちらも微笑する。

さて、こんなことになったのも何かあった訳で・・・。

 

それが起こったのは、今から2時間前の出来事である。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

俺が神子の村から旅立って、かなりの時が流れた。

ほとんど森や山、たまに人が住んでいる所に出て肉と何かを交換していた・・・。多分、日本1周以上はしているんじゃないか?

 

まぁ、一時洞窟に篭もって精神面での修行をやっていたが。

 

洞窟内では、主に瞑想や座禅(この2つは霊力を高める方法で一番効率がいいらしい )や暗闇に慣れ、観察眼を磨いていた。

 

今では月が出ていない夜でも、動物の足跡や妖怪の不意打ちに気付くことが出来るレベルになった。

 

さて、そんな訳でいつも通り森の中を歩いていると、変な足跡を見つけた。

 

足跡を見る限り、フラフラしていたり、引きずっていたような跡があったから人だと思い草を掻き分け入ったのだ。

 

そしたら、そこに誰かが倒れていたのだ。

 

最初は脈を取り、生きているかを確認したところで、倒れていた奴が目をさました。

 

「ゔ・・・ゔ・・・」

 

直ぐに声を掛ける。

 

「おい、お前大丈夫か?」

 

ガシッッ!

 

「っ!?」

 

急に肩を掴まれ、何事かと様子を見ると、そいつはこう言ったのだ。

 

「は・・・ら・・・」

 

「はら?」

 

「減った・・・・・・」

 

ドサッ!

 

「・・・・・・は?」

 

そこから川にいって魚を捕まえ、日が暮れたから火を炊き、魚に塩(村の人がくれたもの)をかけて今にいたる。

 

まぁ、その魚はほとんどないのだが。

 

「さて・・・」

 

ちょうど食べ終えた目の前の妖怪に話しかける。

 

「そうだな・・・。とりあえず、自己紹介をしようか。俺の名前は白憑 天。お前の名前は?」

 

それを聞くと、男はニカッ、と人懐っこい笑みを浮かべ、名前を言う。

 

「儂は轟鬼(とどろき)っつーもんだ!天、さっきは世話になったな!」

 

「轟鬼・・・・・・鬼か?」

 

念の為、そう聞いておく。

 

「お前さんはものを知ってるな!そのとおり、儂は鬼じゃ!」

 

鬼か・・・。

今更だが、この妖怪には知性がある。

多分、いや相当の手練だ。

・・・そんな奴が空腹で倒れていたが。

 

「というか、轟鬼はなんであんな所で倒れていたんだ?」

 

「儂は旅をしてての。特に意味もなく、フラフラするだけだったのじゃが・・・・・・」

 

こほんと咳をし、続ける轟鬼。

 

「しかし、最近面白い話を聞いたんじゃ」

 

「面白い話・・・・・・?」

 

妖怪の中で面白い話なんて、聞いたことが無い。

 

「おう。そいつの話だとここから西に行けばとーーっても大きな村がある、とか言っていたんじゃが・・・・・・」

 

・・・・・・おい、モジモジすんな。誰得だ。

 

「儂は派手なものが好きでな・・・。早くその村を見てみたい!と思って・・・」

 

「腹が減ってるのも気付かなかった、ってわけか」

 

「うむ、かたじけない・・・・・・」

 

ふむ、大きな村か・・・・・・。

あの時代が来るのはもう少し後だから・・・・・・。

 

(おい、零。起きてるか?)

 

(起きてるぜ。どうかしたのか)

 

(あと少しで黄泉、いや、地獄に行く。だから覚悟しとけよ)

 

地獄がどうなっているかは分からないが、おそらく戦闘は避けられないだろう。前にツクヨミ様が言っていたが、黄泉には「死神」というものがいるらしい。

 

死神は仙人などの寿命がない人を殺しにくる、地獄の使いだとかなんとか。詳しい話は聞いていない。

 

もっとも不死人の俺の元に現れてないから、実際にいるかは知らないが。

 

「ところで天よ。天はどうしてこんな所にいるのじゃ?儂が言うのもあれじゃが・・・・・・」

 

「轟鬼と同じで俺も旅をしてるんだ。・・・そうだ轟鬼、出来れば今までの旅の話をしてくれないか?寝るにはまだ早いからな」

 

ふとした興味で、轟鬼にそういう。

妖怪目線での捉え方が気になったのだ。

 

「うむ、もちろんいいぞ!天の今までの旅も気になるしのぉ!」

 

そこから俺達はいろんな話をした。

中でも気になったのは他の鬼達だ。

轟鬼は昔、「鬼の四天王」と呼ばれる強い鬼の1人だったが、今はそれを抜けて各地を旅しているらしい。

 

本人曰く、「やはり飯は美味いのぅ!」とのこと。

どうゆうことだ?と思いさらに尋ねると、元はいろんな料理を食べるために旅を始めたらしい。今回の件で自分でも料理を作りたいと思ったらしい。

 

あとこの場に酒がないことを悔やんでいた。

酒が好きなのは、どうやら鬼という種族の性らしい。

 

今の時刻は夜を通り越して真夜中になっている。

空を見上げると満月ではなかったが半月が空に浮かんでいた。

 

さてさて。

 

「なぁ、轟鬼ー」

 

「む?どうしたのじゃ天?」

 

・・・・・・・・・・・・

 

「いや、今は夜遅くだし、そろそろお開きにしようとな」

 

「もうそんな時間じゃったか・・・」

 

・・・・・・・・・・・・

 

「まぁ、その前にやることがあるよな?」

 

「・・・何をするのじゃ」

 

・・・・・・・・・・・・

 

「いやお前分かってるだろ。みなまで言わせるのは、いささか野暮ってもんじゃないか?」

 

「カッカッカッ、そうじゃのう!儂が半分やる!あと、1番は天に譲るんじゃ!」

 

・・・・・・ガサッ・・・

 

「いいのか?」

 

「うむ!助けてくれて恩もおるしの!」

 

「そうか、分かった。・・・さて、と」

 

・・・ガサッ・・・ガサッ・・・

 

「それじゃあ・・・おっぱじめようぜ!!」

 

「「「「「ーーーーーーー!!!!」」」」」

 

俺が声を出した時、全方向から異形の形をした妖怪達が襲ってきた。

夜遅く、明かりがない場所で人がいるならそりゃあ襲ってくるだろう。とは思っていたものの、流石にこの数は想定外どった。

 

今一度気合を入れ、零に手をかけ、居合い切りを放つ前に――

 

 

 

 

ドゴォォォォォン!!!

 

 

「!?」

 

後ろから大きな音が聞こえた。

振り向くと、そこには地面に拳のみを打ち付けた轟鬼の姿があり――

 

 

「楽しい『祭り』の始まりじゃ!!!」

 

 

と、その顔に獰猛な笑みを浮かべていた。




ちなみに今回でた「轟鬼」は、「こんころ狐」様のオリキャラでございます。気になる方は、こんころ狐様の報告に詳しい設定がありますので、そこを参考にしてくれると幸いです。

次回予告

「みんなー!遅くなってごめんね!?東方のアイドル、「――」だよ!って、作者!?なんで私のところに伏字があるの!?・・・え?「分かるから」ですって!?私はそんなすぐに分かる女じゃないですー!は?「妖怪」だろって?はい、「――」ぷっつんしました。作者のファン辞めます」
by「――」
「ちょっと!ここも伏字になるの!?ねぇ、ちょっとってば!」
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