We ZARD   作:ハレル家

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 ここから、再出発させて頂きます。
 何度も挫折しながらの私ですが、完結を目指し、自分のペースで走り抜きたいとおもいます。

 よろしく、お願い致します。


第一話 出会い=顔面フルスイング

 科学ではなく、魔法が発展した世界……人々の生活に魔法が必要不可欠とされて定着され、時に仕事、時に家事、時に学業として使用される光景は魔法を信じない若しくは知らない人物にとっては信じがたいまたは夢のような光景だろう……魔を使う人々は“魔術師”と呼ばれ、様々な魔術を操っていた。

 物語は現代の日本と同じ島国と総人口が共通点である一つの大陸――アルカ大陸。首都である『ギルドリア王国』を中心に東西南北と様々な特徴を持った街が点在する。

 ギルドリア王国には、魔術を学ぶ学園が存在する。彼らは時として魔を学び、時としてぶつかり、お互いを切磋琢磨し合う仲でもある。その実力を見込まれ、ギルドに依頼を持ち込まれる。

 これは、ある魔術学園の生徒が依頼中に不思議な記憶喪失の青年と出会ったお話である。

 

 □■□■

□ 東の村“ローグ村”

 

「よくぞ来てくださりました」

 

 ギルドリア王国から東に位置する辺境の村――ローグ村。

 特に発展した職業や目立った名産品はない平和な村という言葉が似合う村の小屋で恰幅の良い初老の男性と四人の若い男女が何やら話していた。

 

「遠路はるばる、よくぞこのような場所まで足を運んで頂き感謝しますわい」

「こちらこそ遅れてすみません村長さん……少しばかり道に迷ってしまって」

「ハハハ、構わせぬよ。辺境の村故に迷いやすく、好んで来る物好きはおらん。ここら一帯は弱いモンスターが多いので初心者にも優しく、別名“初心者の村(プロローグ)”なんて言われるのじゃ」

 

 前髪に銀月の髪飾りを留め、紫色の三つ編みを左肩から下げている女性が謝罪から頭を下げると初老の男性――村長は笑って許した。

 

「それで、改めて依頼の確認をよろしいですか?」

「うむ。依頼内容は近辺の山に住み始めた盗賊の討伐及び逮捕……ヤツラの腕は相当強く、ワシらじゃ敵いません……学生とはいえアルカ魔術学園の皆様なら成し遂げて頂けると思い、依頼をお願いしました。どうか、お願い致します」

「わかりました。最善を尽くします」

 

 短く刈った黒髪に黒目にシンプルなデザインのメガネを着けた男性が初老の男性の願いを肯定する。

 

「おじいさん、この絵はなんですか?」

 

 青い髪で赤い瞳の端正な顔立ちの青年が小屋の中に飾られていた一枚の絵に気が付いた。絵の内容は全身が黒い人のようなモノを相手に鎧を纏った巨人が掴みかかり、まるで巨悪と戦う一人の戦士のように見えた。

 

「その絵ですか? その絵はこの町に古くから伝わる“テンゲンサマ”です」

「テンゲンサマ?」

 

 聞き慣れない言葉に肩ほどある少し長めの燻んだ灰色の髪を結んで束ね、左目の眼帯が特徴的な青年が疑問を口にした。

 

「昔、この村に悪意が降りかかった時に空から一人の人間が落ちてきました。太陽のような金髪に夜のような黒い瞳をした男性ですがその者は剣に斬られようとも、大槌に潰されても死なず、全身をまるで天候のように様々な姿へと変化させ、悪者を退治したと言われてます……一説では鎧を纏った巨大な人間の姿が本来の姿とも言われています」

「へぇ……そんな話があるんですね」

「いつもなら窓から見える村の中心部に石像があるのですが……盗賊団に奪われてしまい……」

 

 そこで自身の口から失言が出たと気付いた青い髪で赤い瞳の端正な顔立ちの青年が急いで謝った。

 

「すみません。不用意でした」

「いえ、お気になさらず。この小屋は空き家なので貸しますので、用がありましたら声をかけてくだされ」

 

 青年の素直な謝罪を笑って許し、初老の男性は小屋から離れていった。四人は盗賊団の詳しい情報を集め、一度小屋に集合して自分達が集めた情報を基に作戦を組み立て、時に意見交換をしていた。

 

「……ん?」

「どうしたの?」

 

 ふと、短く刈った黒髪に黒目にシンプルなデザインのメガネを着けた男性が何かの気配を感じ取ったのか声をあげた。

 

「誰か村に近付いているな」

 

 その言葉に他の三人に真剣な眼差しになる。

 

「盗賊? いや、それにしては一人で無用心すぎる……村の門の前に近付いてるな」

「ちょっと確かめに行ってくるね」

「僕も行きます」

「気を付けろよ」

 

 短く刈った黒髪に黒目にシンプルなデザインのメガネを着けた男性を除く三人が村の門の前に向かって行った。

 

 □■□■

■ ローグ村・門の前

 

 村の出入り口である簡素な門の前で一人の男性が立ち尽くしていた。

 男性の特徴は背中まである長い金髪に自己主張が激しいアホ毛が三本生えており、整った顔は服装次第では女性と言われても違和感がない。風に吹かれて右腕に結んだ赤いリボンは揺れている。

 

「……やった……村だぁぁぁ!!」

 

 男性から出た換気の声に村人が驚くも、その男性の格好から旅人だと理解し、自分達の仕事へと戻っていった。

 

「右も左も前も後も迷って、時にはデカイ生き物や人に追われて大変だったけどようやく辿り着いた。まずは何するか……」

 

 村に辿り着いた喜びから上機嫌になって村を散策する金髪の男性。売られている果物や野菜、道具を物色する。

 その様子を観察していた魔術学園の三人は男性――正確には男性が着ているコートの後ろにある絵柄に目を向けていた。

 

「……おい、あれ」

「……うん。わかってる」

「……いくよ」

 

 しばらくして物色をやめた金髪の男性が歩き始め。少しずつ人が少なくなり、自身が狙われている事に気付かず鼻唄を歌い始める金髪の男性を三人は後ろから奇襲をしかけた。

 

「……ところで、オレに何か用かな?」

 

 後ろから迫り来る三人に金髪の男性はそれを言って、視線を後ろに向ける。

 

 ……気付かれた!?

 

 物音なく忍び寄った一撃に気付かれた事に内心焦る左目の眼帯が特徴的な青年。気絶させる為に拾った木の棒による一撃は止まらず、そのまま男性の顔面に――

 

「がべらっ!?」

 

 ――直撃した。

 

「え?」

 

 避けられると思ったら、まさか直撃するとは思わなかったので呆然とする三人。衝撃に目を回して気絶している金髪の男をただ、呆然と眺めていた。

 その人物が、自分達の運命を変える存在だという事をこの時はまだ知らなかった。




 次回は明日か明後日に投稿です……書き直しってスゴイツラい……
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