アイカツ!with俺ガイル   作:クロジャ/時々シロジャ

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どうも、クロジャです。

久々なので、八幡が崩れてるかもしれませんが、勘弁してくらあさい。

では、どうぞ。


026 神崎さんと

目をゆっくりと開く。

 

窓から光が部屋に入り、電気が消えた室内を明るく照らす。

まだぼんやりとしか見えず、目が慣れるまでもう少しかかりそうだ。

 

そんなとき、ふと一番最初に考えるべきであろうことをいまさら思い付く。ここは、どこなのだろうかと。

順当に考えれば、美月パレスなのだが、そもそも男がそ

こに入ること事態が異質なのだから、学生寮に移動されている可能性もある。

 

...よし、徐々に慣れてきた。

 

ぼやけていた光景が、少しずつ明確に写し出されていく。眼鏡をかけているやつはこんな感じなんだろうかと、不意に考え付く。

 

眼前に広がるは、天井。自分の体を包んでいるのは、布と柔らかいナニか。.....ナニか?

 

「.....んぁ..八幡...君.......」

 

幸い。体は触っていなかった。

安心するべきか、残念だと思うべきかは定かではないが、少なくとも捕まる率は減った。

え?そもそもこの場所にいる時点で捕まる?そんなのもとから重々承知している。

 

艶かしい声をあげ、俺が寝ているベッドに、何故か一緒になって寝ている人物...。神崎さんの姿が、捉えられた。

 

完全に力を抜いて、油断している。普通はだらしなくなってしまうものだが、流石トップアイドルというべきか。寝顔も綺麗..というよりかは可愛い」

 

「ぅぇ.....!!」

 

「...ん?」

 

なんか神崎さんから、声が微かに聞こえたような。

寝言か?それとも、起きてましたドッキリか?

 

....いや、なんて悠長に構えている暇じゃない。よくよく考えなくとも、いま俺が置かれている状況は不味い。

 

ベッドに二人。一人は俺。一人はトップアイドルの神崎美月。周りに人はいない。完全に二人きり。

 

..これ、ファンに見つかったら死ぬのでは?俺も一ファンだからそう思うけど。

 

とにかく。

 

一刻も早く。迅速的に。この場所から離脱しなければ、俺は明日この世にいないかもしれない。それだけはなんとしてでも避けなければ。

 

「...いま何時だ?」

 

時計が見当たらない。ここは恐らく美月巴パレスの中。スマホは学生寮だから、確認もできない。

時間が分からないのは中々に不安だったりする。朝目が覚めたとき、なんとなく時間を確認してしまうのもそのためだろう。

 

ぐっすり寝てしまっている神崎さん。俺が起きたことにも気づかず、一切動かず、寝息だけをたてる。

というか、起きなくてもいいのだろうか。神崎さんは何度も言うが、トップアイドルであり、その仕事は一日...いや、半日マネージャーをしてさらに理解したが、かなり多忙だ。

 

そんななか、隣で寝ているのはどこからどう見ても神崎さんなのだが....大丈夫だろうか。

 

「....自分の心配だよな..一先ず」

 

神崎さんを起こさないように、極力静かに体を起こす。

上半身を起こしたところで、袖をぎゅっ...と捕まれる。誰かと聞くまでもなく、神崎さんだ。

 

可愛いんだが、その可愛さにやられていたら、俺はポリスメンにやられてしまう。あと、ファンとか星宮とか。星宮に至っては、あれに睨まれるだけで、俺の死期が近付いてくる気がしてならない。まじで怖い。

 

強引にでもこの場を離れないと...なんか手はないか。

無理矢理引き剥がしている最中に神崎さんが起きると、誤解を招きそうだし、だからといって起こすのも忍びない。

 

「....仕方ない。体に触れちゃいますけど、少し我慢してください」

 

一応一声かけてから、掴んでいる手をそ~っと指一本確実に剥がしていく。

なんだか背徳感を感じてしまう気もするが、頭の隅に放り込んでおく。

 

「ん...あ...はち、まんくん.....」

 

「......」

 

心臓に悪すぎる。こんなことして、明日死ぬんじゃないか、そんな錯覚を感じる。

 

それにしてもこの人、本当にトップアイドルだという自覚はあるんだろうか。

 

いや、馬鹿にしているとかではなく、男である俺に。しかも、会ってたったの数日。そんな奴にこんな惜しげもなく油断した顔を見せてくるなんて、大丈夫なんだろうか。俺じゃなかったら、勘違いして、速攻で告白して断られるね」

 

「こ、断ったりなんかしないわ!!むしろ!!.....あ」

 

「.....神崎さん?」

 

ガバッと勢いよく体を起こすは...神崎さん。

元気よく声を出している。いやー、トップアイドルは朝から綺麗な声が出ますね。ハハー。

 

「ど、どうしたのかしら八幡君。目が怖いわよ?」

 

「目はデフォルトです。それよりも神崎さん。起きていたんですか?」

 

「い、いまよ?いまちょうど起きちゃったのよ。たまたま。たまたま、ね?」

 

「....神崎さん」

 

「わ、分かってくれーー」

 

「ちょっと月影さん呼んできて叱ってもらいますね」

 

「やめてぇ!!それはやめて!!謝る!!謝るから!!」

 

俺のなかで神崎さんストッパーが、月影さんに決定した瞬間だった。

 

ーーーーー

 

なんであんなことをしたのか。理由を尋ねてみたところ、遊び心が働いてしまった結果らしい。

 

なんでも、家族以外に異性の人と一緒に寝たことがないらしく、一緒に寝てみたかった。そして、俺がいつ気付くか黙って見届けていた。ようするに、面白そうだからやってみただけらしい。

 

所々嘘が混じっている気がしないでもないが、ここは大人しく飲み込んでおく。

 

「..それで、あの後。結局どうなったんですか?見たところ場所は変わっていなさそうですし、ここまで運んでくれたんですか?」

 

「えぇ、まぁ....。月影さんは帰ってもらったし、星宮は.. .うん。えっと、帰ったら気を付けなさいね」

 

「......もう、ここ住んでもいいですか」

 

「...へ?!」

 

なにが起きたか分からないけど、絶対にやばいのは確定した。次会ったら死ぬかもしれない。おまけであおいもついてくるかもしれない。別理由で。

 

ふえぇ..帰りたくないよぉ....。

 

「はぁ....聞きたいことは他にもありますけど、置いとい.....なにしてるんですか」

 

「ここに住む?八幡君が?確かに嬉しいけどまだ早いというか、時期尚早というか。心の準備とか...」

 

なにやら顔を真っ赤にしてぶつぶつ喋り始めた神崎さん。早口でまくしたててますけど、どこのいろはすですか。

 

にしても、大のファンだった神崎さんを目の前にしているのに、意外にもスン...としてしまっている。この人の適応力もそうだが、俺も俺で慣れるのが早い。

 

「あの、神崎さん」

 

「へあ!!は、はい!?なにかしら?!」

 

どうして俺よりもテンパっているんだろうか。

そして何故顔を赤らめながら、覚悟を決めたような表情を見せているのだろうか。

俺はまた何かやらかしたのだろうか。

 

「え、えっと、ですね...」

 

「え、えぇ....」

 

ごくりと生唾を飲み込む音がする。それがどっちなのかは分からないほど、緊張感が室内に走る。

 

「その、きょ、今日って、仕事とか大丈夫なんですか...?」

 

「ごめんなさい!!まだ私達にはまた少し早いっていう.....え?仕事?」

 

「はい。昨日も午後休だったんで、大丈夫かなと......なんで不機嫌そうな顔してるんですか」

 

「...いーえ。なんでもないわ」

 

その割には顔が怖いんですが。魔王の風格が隠れ見えているんですが。どこのはるのんですか、それ。

 

「仕事なら心配しなくていいわ。あの会見で、仕事にちょっとだけ影響が出てね。しばらく開けざるをえないのよ。だから大丈夫なの」

 

不意に出てきた会見という言葉によって、俺がどんなことをしでかしたのかをもう一度改めて認識する。

俺はこの人の積み上げてきたものを、もしかしたら全て崩れさせてしまうかもしれない。

 

「...っ....それは、その...本当にすいまーー」

 

「いいの」

 

「それでも、俺のやったことは神崎さんのこれからのアイドル活動に支障を....」

 

「あぁもう焦れったいわね。私が良いって言ったのよ?それをどうして八幡君があれこれ言うのかしら?」

 

「.....」

 

はぁとため息をついてから、言葉を続ける。

 

「...それにね、八幡君」

 

不意をつくようにスルリと、

 

「私だって嫌いな人のことを、擁護するほどいい人じゃないわ」

 

俺の耳元まで近付いてきて、

 

「だからこそ。あの時、どんなに捻くれたやり方でも、私を助けてくれた八幡君は」

 

神崎さんは聞くだけで、

 

「私からすれば白馬の王子さまに見えたわ」

 

脳が蕩けるような声音で、

 

「乙女っぽいって思う?でもね、八幡君。女の子はいつだって」

 

こう囁いてきた。

 

ーー白馬の王子さま(はちまんくんみたいなひと)を待っているのよ?




どうでしたか?面白かったら、幸いです。

ストーリーの組み合わせ難しい。時系列とか、気にしないでください。お願いします。

では、また。
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