アイカツ!with俺ガイル   作:クロジャ/時々シロジャ

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どうも、クロジャです。

特にいうことないので、どうぞ。


027 一悶着、終了

電気でも流れたのだろうか。そんな感覚が体に走る。

なんともむず痒い。それでいて、脳を甘くとかしていくような、快感が俺を襲う。

 

頭の回転が遅くなる。呂律も回りにくい。体が上手く動かない。神崎さんから、目を離すことができない。

 

耳元で話し掛けられただけなのに、その破壊力は計り知れない。少なくとも、俺はこれを続けられて理性を保てる自信がはっきりいって、ない。

 

昨日注意されたのに、一日たたずして理性を溶かしにかかってくる。頼むから離れてくれ...!!そんで学んでくれ..!!

 

「...あら。八幡君?聞いているの?」

 

「ぇ...あ、はぃ」

 

音量も絶対におかしい。声音なんかもっとおかしい。でも、そのおかしいのを治せない。

たった一言。たった数十文字。それだけで、俺の思考は全て停止させられる。

 

「...もしかして、八幡君。耳弱いの?」

 

「.....っ..!!」

 

獲物を見つけた肉食獣のごとく。目が一瞬、きらんと光ったかと思うと、もう一度。今度は囁くではなく、ふーっと、短く息を耳に吹き掛けてきた。

 

もちろん、俺には大ダメージだ。

 

「..やめ、て....くだ..さい......」

 

「......へぇ..」

 

最早、トップアイドル神崎美月の姿はそこにはなかった。

ここにいるのは、弱点を見つけ、いじめいたぶり、理性を溶かしてくる。...まるで、この世には存在しない筈の、サキュバスを相手にしているような気分だ。

 

「ほんろーに、弱いろれ?」

 

「舐めながら...!!言わないで、下さい...!!」

 

なんかこの人、変なスイッチ入ってないか...?昨日のことと言い、異性に対してのボディタッチが過激すぎる。

...確かに、神崎さんの方から少なくとも、悪くない感情を持たれているのは本人から聞いた。

 

だが、それにしたって、だ。なにがなんでも好感度が高過ぎやしないだろうか。

何度もいう、重ねていう。俺と神崎さんは初めて会ってから、数日しか立っていない。

 

他にも、おとめとか。蘭は、まだマシなほうだ。それでも、やっぱりおかしい気はするが。

 

なにがそう、この人の性格を変えた?確かに助けた。確かにこの人の心を打ったのかも、しれない。それにしたって、度が過ぎている。

 

結論、女の人って怖い。

 

「あむ.....ん..」

 

「あ、う、あぁ!!いい加減離れてくださ...さい!!」

 

「きゃ!?」

 

体は以前、力が入りづらかったが、それでもなんとか振り絞って、神崎さんを体から引き剥がす。

見事に成功し、神崎さんは離れたのだが....ここで俺の体力がなくなってしまい、ばたりと倒れ混んでしまう。

 

若干この時点で嫌な予感はしていた。何度か似たような展開が起きているので、なんとなく次の展開も読めていた。

 

だが、体と心の意見は一致せず、そのまま体は、神崎さんの方へと...。

 

「....////」

 

「.. あの、神崎さん?一応言いますけど、これは事故。事故、ですからね?」

 

「た、確かに少し調子に乗りすぎたな~なんて思っていたわよ?だから、怒られるのは覚悟していたけど、これは、ちょっと...心の準備が、まだ...というか、ね」

 

「いま退きますから、ちょっと待っていて下さい」

 

神崎さんが思考に更けている間に体を退かしてしまおうと、そちらは無視して手に力を入れる。

ぐっ...と状態を起こして、ベッドの上で一度深呼吸をしてから、神崎さんとの距離を広げる。

 

「で、でも、八幡君がどうしてもっていうのなら、私としても、やぶさかじゃ.....」

 

「昨日はお世話になりました。今後、このような事が起こらないよう、十分注意して、適切な距離感を保ちながら過ごしていきます。では、失礼します」

 

口早にまくしたてて、急ぎ足で部屋から出る。

 

神崎さんが喋るよりも、動くよりも早く動く。本当に何かあっては、俺なんかよりもあちらが困ってしまうだろう。ただでさえ、仕事に支障が出ているのだから、俺がこれ以上関わるのもこの人にとっては、害でしかない。

 

例えどんな理由であっても、神崎さんが俺と接するというのは、あってはならない。本人がどうのではなく、それを見る世間の目がどう見るかなのだ。

 

俺はこの人に大恩がある。それを知っていようと、知らないだろうと、俺はそれを仇では返したくない。

あの店での出来事も、本当はヘイトを全て俺に向けるつもりだった。まさか、神崎さん自ら会見をするとは予想だにつかなかったが。

 

つまり、何が言いたいのかというと....

 

「へ?あ、ちょ、ちょっと、待ちなさい!!」

 

「すいませんが待てませんので、それでは!!」

 

逃げるが勝ち、ということである。

 

ーーーーーーー

 

場所は変わって、目の前に対峙しているのは、ラスボスその一こと学園長である。

多分、俺が転生して俺TUEEE状態になっても、勝てる気がしない。チートでも勝てないって、そんなんチーターやん、チーター。

 

「何か?」

 

「いえなんでも」

 

おい、なんだあの目。ただ笑っているだけなのに、睨みのせいでひと一人が死にかけたぞ、俺が。

寿命が十年ほど縮まった気がする。

 

「そう。では、比企谷くん。本当に、なにも、なかったのよね?」

 

おかしい。文字数にして、たった二十文字程度。それを発音するだけで、人をここまで恐怖に陥れられるのか。

 

「正真正銘。本当になにもありませんでしたよ。...というか、そんなこと出来るように見えます?」

 

「いえ、まったく」

 

さらりと言われると言われるで、俺のメンタルがやられる。そこまで否定します?

 

「な、なにはともあれ、なにもしていませんよ。じゃなきゃ、こんな普通に話してなんかいませんよ」

 

「それもそうね。それに元々情報はもらっていたし、あなたが何かするだなんて、そもそも頭の中に入れてすらいなかったもの」

 

情報をもらってた...?もしかして、月影さんか?

てか知ってたんなら最初から言ってくれよ...。減った俺の寿命が無駄じゃねぇか。

 

「確認よ、確認。念のためにね。なにもないなら、それで結構。これからも、出来るだけ、問題がないように学園生活を楽しみなさい」

 

「えぇ、俺からは、なにもしていませんから、安心してください」

 

「話はこれで終わりよ。今日はもう寮に戻っていいわ。とりあえず、仕事は免除しておいたから安心しなさい」

 

「......わかりました。それでは、失礼しました」

 

そのまま変な空気が流れたまま、部屋から出ようとドアノブを捻ろうとすると、声がかかった。

 

「そうそう、忘れていたわ。比企谷くん、十分に注意してから言葉を発しなさいよ?」

 

「..それって、どういう..」

 

意味ですか、と続ける前にドアノブが回った。

俺が力をかけたわけではない。だとしたら、外からのものだと思われる。

 

そして、そこから出てきたのは、

 

「失礼します。....あ..やっと、見つけた」

 

最早恒例となっているハイライトを消した星宮が、怖いほど綺麗な笑みを浮かべ、現れたのだった。




ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

織姫学園長の口調。難しい....。

よかったら、評価とかお願いします。気が向いたらで結構なので。

それでは、また。
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