「
バカだろ!? ヒーローの学校に入り込んでくるとかアホすぎるぞ!?」
相澤の言葉を受けて生徒たちに動揺が走る。
だが一部の生徒は落ち着いたまま対処を開始していた。
「先生! 侵入者用センサーは!?」
「もちろんあります! ……ですが機能してないみたいですね。外と連絡も取れません」
八百万が13号に尋ねるが、いい返事は返ってこない。どころか連絡用の機器を操作しても繋がらないままだった。
「現れたのはここだけか学校全体か……。何にせよセンサーが反応しねぇなら、向こうにそういうことが出来る“
「雄英全体ってどれだけ戦力いンだよ? 教師はもちろん、上級生なら上位のヒーローとだって戦えんぞ。んな大組織目立たずにいられるわけがねぇ。
何年もなかったつーマスゴミの侵入騒動もこないだあった。アレに乗じたか起こさせたか、アイツらも侵入して情報掴んで決行って感じだろぉな。なら十中八九ここだけだ」
轟と勝己が所見を述べる。
オールマイトがヴィランの組織に単身突撃→壊滅を繰り返したこのご時世、大規模なヴィラン組織など残っていないし組織的な犯罪自体もかなり減っている。そんな状況で学校全体に戦力を送り込める大組織がマークされていないわけがない。
そのうえ状況も校舎から離れた訓練施設に少人数が入っているタイミングで現れるなど、明らかに何らかの目的をもって行われた計画的な奇襲だ。
ならばヴィランはここにいる連中のみと考えるのが妥当。
相澤もこの予想に異論はないようだ。
「13号避難開始! 奇襲に来たのがここだけなら、時間をかけると脱出できなくされる可能性がある!
上鳴、お前も“個性”で連絡試せ! 一度繋がらなくても試し続けろ!」
「ッス!」
「先生はどうすんの!? 一人で足止めする気!?」
「問題ない。数が多いだけでやられるようじゃ雄英の教師は務まらん。
13号任せたぞ!」
言葉と共に相澤はヴィランが現れた広場の方へ、階段を飛び降りて突っ込んでいく。
プロヒーローでもある教師が問題ないと言ったのだ。なら生徒は教師を信じて早々に避難し、救援を呼ぶことが最大の支援になるだろう。
勝己個人としては戦いたい。いくら学生の身とはいえ、危険な役割を他人任せにして逃げるなどやりたくない。
だがそれを実行すれば「問題ない」と言ってのけた相澤を軽く見ていることになるし、勝手な行動で統率を乱して避難を邪魔するわけにはいかない。友奈、八百万と共に13号に協力してクラスをまとめあげ、出入り口へと急いだ。
「させま「邪魔だ死ねぇっ!」
行く手を遮ろうと転移して現れたモヤを、ノータイムで先頭を歩いていた勝己が爆破する。
ヘドロヴィランの時もそうだったが、不定形の相手だと拘束も撃破も難しい。おまけに現れ方からして“個性”はモヤのワープゲートを作ることだろう。最早厄介というレベルではない。
13号の“ブラックホール”なら殺す気なら対処できるだろうが、対処が終わるまで足止めを食らうことになる。更に言うと、13号の“ブラックホール”は殺傷性能が高すぎる。万が一ワープゲートで13号の手元と生徒の付近を繋がれれば、多数の死者が出ることになるだろう。
ならば何かされる前に勝己が“爆破”で吹き飛ばして進路からどかし、避難を優先するのが現状の最善だ。もっといい案もあるのかもしれないが、この場合は巧遅よりも拙速でがいいだろう。
だが現実は勝己の予想を下回った。
「ぐぁっ!?」
「ああ゛!? 勝手口が前に出て来といて実体あんのか! ならこのままくたばれや!」
勝己の爆破の威力が想定以上だったのか、モヤを吹き飛ばされるだけでなく実体の方も吹き飛ばされ転倒した。単独で足止めをしに来た以上、かなりの実力者かと思ったがただの自信過剰だったようだ。
ついでに言うと人手不足もあるのだろう。普通なら転移系“個性”持ち自身が足止めするんじゃなく、手駒を転移させて足止めさせるはずだ。それをやらないところを見るに、強いのはいても層はかなり薄いのだろう。相澤が「数が多いだけなら問題なし」と言っていたのも納得だ。
そしてヴィランが晒した隙をむざむざ見逃す勝己ではない。再度の爆破で残ったモヤも吹き飛ばし、スーパーボールを叩き込んで怯ませる。
怯んだ間に距離を詰め、念入りに蹴る。本来ならグラントリノに教わった首への蹴りで昏倒させるところだが、その首から上がモヤになっているため何度か胴を蹴り付けた。
反撃を許さぬ速攻を受け、モヤのヴィランは何か言う前に意識を失った。
「爆豪君! 先走り過ぎです!」
「遅いよかマシだろが! 反省文は後で出す! 避難誘導続けてくれ。いつ意識戻るかわかんねぇし、俺ァこいつ引きずってく」
「―――ッ、今回だけですよ! 皆さん、早く避難を!」
結果的には問題なかったため、叱る時間を惜しんだ13号が避難誘導を再開する。USJルームから離れた時点で連絡も可能になったため、救援を呼びながらの移動だ。
USJルームの外にはヴィランもおらず、生徒たちは安全域まで避難し、一人の怪我人も出さず他の教師達と合流することが出来た。
「僕はUSJルームに戻り、先輩の援護に向かいます! 君たちはこのまま校舎まで避難を!」
「よくやったぜ学生共! 後はプロに任せとけ!」
モヤのヴィランを教師に引き渡し、学生たちの実戦は幕を下ろした。
後は教師を信じ、待つだけである。
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原作みたいに移動係が真正面に出てきて、強化かっちゃんがぶちのめさない展開が見えなかった。
スムーズに撤退できたので先生たちの到着も原作よりかなり早いです。
USJルームに残っているのは
・孤軍奮闘相澤先生
・黒霧が失敗するとは全く考えてない、脳無がいればいくらでも逆転可能と思ってる死柄木
・棒立ちの対“平和の象徴”脳無
・待ちぼうけモブヴィラン
となっています。
果たして敵連合は生き残ることが出来るのか!?