爆豪勝己の幼馴染が結城友奈だったら   作:ぬがー

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体育祭前1

「お早う」

 

「相澤先生無事だったんすね!」

 

「情報来ないんで心配しましたよ!」

 

「事後処理とか色々あるし、全員無傷でヴィランも残らず逮捕出来たから今後の予定も変更なしだからな。さすがに授業できないほど怪我してれば連絡入ったぞ」

 

 USJルーム襲撃事件の事後処理のための臨時休校明けの朝、相澤は相変わらずぼさぼさの髪に無精ひげ、寝袋というスタイルで現れた。

 全員無傷でヴィランも逃がさなかったと聞いて、生徒たちは色めき立つ。数が多いだけなら何の問題もないというのは誇張でもなんでもなかったのだ。厳しくおっかない教師としか見てなかった生徒たちの視線に尊敬の色が色濃く表れた。

 

「まぁ俺のことはどうでもいい。

 それよりまだ戦いは終わってねぇ」

 

「戦い?」

 

「まさか……!」

 

「雄英体育祭が迫ってる!」

 

「「「クソ学校っぽいの来たぁぁっ!」」」

 

 半数近くの生徒が歓声を上げた。残る生徒は除籍のかかった抜き打ちテストラッシュなどでなくてホッと一息ついていたが、大イベントの告知に興奮も混じっている。

 

「いくら全員捕まえたって言っても、ヴィランに侵入されてすぐ開催って大丈夫なんですか?」

 

「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す……って考えらしい。実際警備も例年よりずっと増やすらしいからな。

 何より雄英の体育祭は生徒達にとって最大のチャンス。

 ヴィランごときで中止していい催しじゃねぇ」

 

 それもそうか、という感情が生徒たちに広がる。

 なにせ雄英体育祭は日本屈指のビッグイベントの一つ。超常黎明期以降は規模も人口も縮小し形骸化したオリンピックに代わる、と言われるイベントだ。

 一年生のそれはあくまで添え物で、メインは資格習得(そつぎょう)間近の三年生とはいえバカにはできない。一年生の方もスカウト目的のプロは見に来るし、年一回、計三回だけのアピールチャンスなのだ。ヒーローを志すなら外すわけにはいかないイベントである。

 

「卒業後はプロ事務所にサイドキック(相棒)入りが雄英生の進路としちゃ一番多い。

 当然名のあるヒーロー事務所に入ったほうが経験値も話題性も高くなる。

 ここで目立ちプロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ。

 開催は五月第一週の土曜日、あと2週間少々ってとこだ。気合い入れて行けよ」

 

「気合い入れんのはいいが、俺の特訓相手はどうなったんだよ。

 申請してから一週間以上経ってんぞ」

 

 相澤の激励に、痺れを切らした勝己が口を挟む。

 運動場やグラウンドの使用許可こそ下りているものの、特訓相手が未だに選別されていない。

 普通科はC、D、E組の三クラス、各40名。その中から有用な“個性”を持つ者―――やる気がなければ勝己の訓練でふるい落とされるのでそっちは条件なし―――を選んで声をかけるだけだ。

 ヒーロー科の予備として面接を通った連中なので条件を満たす者が多いとは言え、入試と違って母数が多すぎるわけではない。選別にここまで時間がかかるとは想定外だった。

 

「それか。実は一昨日にお前に話通してから進める予定だったんだが……まぁいいか。今話そう。

 まず爆豪、お前の真似してグラウンド使いたいって申請が多い。手透きの教員はそんなに余ってねぇし、学級委員長として全員分まとめて出せ。一グループ扱いで監督員も少人数で済ませる」

 

「それはわかった。他は?」

 

「サポート科からも訓練に参加させてほしいって話がパワーローダーから来てる。

 ヒーロー科の実技試験は持ち込み自由だが、金銭的な問題で用意できず不合格って連中も多い。そういう連中はサポート科に進んで自作のサポートアイテムを用意し、体育祭で目立って移籍を狙ったりもするんだ。大半はサポート科のテストパイロット役で固定されちまうがな。

 そいつらも入れてやってほしいんだが、そうなると人数がさらに増える。一グループだがら教員は最悪一人でもいいが、指導もするとなるととてもじゃないが手が足りん。

 なんで2年、3年で余裕があるやつらに声かけて人手を集めるつもりだ。

 去年俺が担任したクラスなんかはほぼ13人元普通科、4人元サポート科だから協力は得やすいとは思う。一昨年のも似たようなもんだしな。

 これをやると結構な大事になるし、お前が途中で抜けるのは認めづらくなる。それでも進めて問題ないな?」

 

 一応は疑問形だが、ほぼ承諾確認のための質問だ。拒否されることは想定していない。

 雄英の校風は「自由」だが、それには責任も伴うということだろう。自分で始めたことで他人に夢だけ見せ、無責任に投げ出すことなど逃げることは許さないと言いたげな目だ。一般入試を落ちてもまだ雄英を諦められないような連中を誘ったのだからこうなることも想定できただろう、と言うのもあるかもしれない。

 とはいえ勝己にとっては問題ない。逃げる気はないし、こういう緊張感のある空気も嫌いではなかった。

 

「問題ねェ。それよか上級生借りて大丈夫なのかよ? 2年は仮免試験近いんだろ?」

 

「直前で詰め込み教育しなきゃいけないほど雄英の教育の質は低くない。そっちは心配ない。

 じゃあこの方向で話詰めとく。明後日にはいけるはずだ。名簿とかは放課後に職員室に取りに来い。

 長引いちまったが朝のHRはここまで。一限目の用意始めろ」

 

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