爆豪勝己の幼馴染が結城友奈だったら   作:ぬがー

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中学時代1

 中学三年生の春。

 クラス替えがある人数でもなく、勝己と友奈は同じクラスで授業を受けていた。

 今の授業内容はこれからの進路についてだ。

 

「えー、お前らも三年生ということで!

 本格的に将来を考えていく時期だ!」

 

 “個性”が発現する以前の時代では大学まで進学することも多く、進学校でもない一般的な市立中学校の生徒が将来について考えるほどの時期ではなかった。精々学力に合った学校に進学する程度だろう。

 だが今は高校でヒーロー資格を取ってプロになる時代だ。大学まで進学するのは“個性”の使用が禁止な職業を目指している者か、惰性で進学した者だ。“個性”を活かした職業を目指すならば進学する高校で将来が決まる。

 

「今から進路希望のプリントを配るが皆!!

 だいたいヒーロー科志望だよね」

 

「「「「ハーイ!!!!」」」」

 

 大きな石でできた腕に変える者、腕から炎を吹きだす者、牙をむく者に筋肉を隆起させる者。“個性”はバラバラだが全員元気よく先生の言葉に同意した。

 理由としてはヒーローが人気の職業だというのもある。しかし一番大きい理由は仕事で“個性”を使うなら許可をとる必要があって、許可をとるには“個性”の使用訓練が必要になるからだ。そのため農業高校などでも“個性”の訓練がカリキュラムに組み込まれたヒーロー科があり、“個性”を使用したい者は皆ヒーロー科を志望するのだ。

 

「でだ、爆豪と結城は『雄英校』志望だったな。模試の方もいい感じだったそうじゃないか」

 

 クラスメイト達がざわつく。

 雄英高校といえば偏差値79の国立校、おまけに入学時点ですら高い戦闘能力が求められる。“個性”発現以前の時代の東大に相当する名門校である。一般的な市立中学でしかないこの中学校から進学した者は今までいなかった。

 

「勉強の方はかっちゃんが教えてくれてますから。あと先生、私は普通科志望です。ヒーロー科は記念受験なので」

 

「俺は言った通りヒーロー科だ。オールマイトも超えてNo.1まで駆け上がるから同じクラスだったことを誇っていいぞ」

 

 慣れきった爆豪のビッグマウスはともかく、友奈の雄英受験に対して周りから嘲笑が漏れたりはしない。

 座学で合格できるだけの学力があるというのもそうだし、記念受験と言い切っているのも大きな理由だ。だがヒーロー部で奉仕活動に精を出したりとヒーローっぽいことをやってきているので「受けるだけの資格がある」と周りから認められているというのも大きかった。少なくともただのヒーロー好きであれば「身の程をわきまえろ」と周囲は思っただろう。

 

「そういえば結城はなんで雄英狙いなんだ? 雄英ってヒーロー科と開発科、経営科はネットでも見るけど、普通科ってただ勉強ができるだけじゃね? もしくはヒーロー科の予備」

 

「そんなことないよ。ヒーロー事務所の事務員やるとき便利な資格の講座とか、裏方のスタッフとしての職場体験とかあるらしいし。将来はかっちゃんの事務所で秘書とボランティア活動やっていくから色々知っておきたいもん」

 

「社会奉仕でヴィラン退治出来なくなっちゃ戦闘系ヒーローとしちゃ本末転倒だからな。俺は愛想よくとかやる気ねーし、友奈はそういうの上手いから任せる」

 

「任されました!」

 

「爆豪に結城、今授業中だからその辺でやめとけ。まぁ先生的に雄英入学者が出ることは素直に喜ばしい。あと結城の方は放課後職員室まで来るように。“無個性”が受験できないって規定は最近無くなったけど、個性無しで受験するには危ないからな。注意事項とか書いたパンフレット取り寄せたから」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、勝己にラインが届いた。

 

「……ああ?」

 

「どうしたカツキ?」

 

「友奈が女子会に誘われたとかでそっちに参加するだとよ。さっさと言えってんだ」

 

「何も言わずに勝手に待ってた奴の言うことじゃねーと思うぞ」

 

「うるせぇぞカス。俺は帰る」

 

「まーまー、落ち着けって。やることないならカラオケ行こーぜ。元々結城さん帰って来たらまとめて誘う気だったし」

 

「……しゃーねぇな。行くか」

 

 友奈が戻ってくる前に誘っても無駄と理解しているクラスメイト達。彼らともかなり長い付き合いがあったが、なくてもこのクラスに居れば誰でも分かるようになっていただろう。

 勝己としては断る理由もなかったので参加することにした。

 これが彼の運命に大きな影響を及ぼすことなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱカツキは何でも才能あるな。なんであんな点数取れんの?」

 

「リズム通りに腹から声出して歌えばいいだけだろうが。なんでできないんだ」

 

「誰でも同じこと出来ると思うなよてめー」

 

 暗くなり始めた道を歩きながら、中身を飲み干したジュース缶を爆破でゴミ箱に放り込む。分厚い鉄板だろうが簡単に叩き壊せる個性で脆い缶を壊さず飛ばす、という無駄に技術が必要なことを平然とこなす。

 簡単そうに日常的にやっているためクラスメイト達はその凄さに気付かないが、この日は気づく者がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良い“個性”の隠れミノ」




ヘドロヴィラン、隠れミノが見つかるまでオールマイトから逃げ切りに成功。
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