爆豪勝己の幼馴染が結城友奈だったら   作:ぬがー

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一回戦2

『一回戦もようやく折り返し! 第五試合を開始するぜ!

 今年度の選手の中でも指折りの万能“個性”持ち、ヒーロー科八百万百!

 (バーサス)! 雄英の歴史の中でも異常な成績! “無個性”の身でここまで勝ち上がった、サポート科赤谷海雲!』

 

「両者用意はいいわね!? スタ――――ト!」

 

 まず仕掛けたのは赤谷。

 騎馬戦の時とは装備を換えたのか、ワイヤーではなく弾丸が打ち出されるサポートアイテムを使用しての牽制。銃弾と同程度の速度は出ていたが、発射までの動作が不自然だったため“創造”した盾で防がれる。

 赤谷もヒーローの卵相手に銃もどき程度では通用しないのは想定済みであり、盾の推進器(スラスター)で体当たりをし、一気に押し出そうとする。

 当然八百万も無抵抗ではなく、弾丸を防いだ盾で受け流して新たに作った武器で反撃をする。

 

『赤谷が速攻を仕掛けるも八百万も譲らず! 今んとこ武器の性能差分赤谷が若干有利か!?』

 

『八百万は毎回創らないといけないが、赤谷はあらかじめ色々と仕込んでおける。その差が出たな。

 とはいえ最初で一息に押し切れなかったのは失態だ。すぐに状況が変わるぞ』

 

 実況の言う通り、時間の経過とともに状況が変わっていく。

 赤谷がいくら攻めても八百万に通じなくなっていき、逆に八百万の攻撃は赤谷にガンガン当たるようになっていった。

 

『おー、一方的。なんでアレからこうなんの?』

 

『赤谷は金の問題でサポートアイテムを手にしたのは入学してから、しかもこの一月はサポートアイテムの調整に費やされている。入学前に基本となる図面は出来てただろうからある程度は時間をかけずに済んだだろうが、自分で使う訓練をする時間は足りなかったんだろうな。

 逆に八百万は幼いころから“個性”で物を創る訓練を続け、創った物を使いこなす訓練も並行して行っていただろう。

 初っ端こそ奇襲で優勢を取れたが、仕掛けがバレてこれまで積み重ねてきた物の差が出てくんだよ』

 

 努力は無才、環境に恵まれない者だけが行う物ではない。むしろ才能や環境に恵まれた者こそが効率よく行えるのが努力だ。赤谷の執念はその差を覆すにはまだ足りなかった。

 反撃を許されずじりじりと攻められ続け、順当に八百万が勝利して第五試合は幕を閉じた。

 

『とりあえずお疲れ! ナイスファイトだったぜ二人とも!』

 

『八百万は特に言うことないな。赤谷は来年が本番だ。どれだけ道具の扱いに慣れてるかが鍵になるだろう』

 

 

 

 

 

 

 

 続く第六試合、常闇VS摸武。

 中距離からの攻撃手段を持ち、ダークシャドウを盾にすることで防御もできる常闇。注目すべきモノが他にない状態ではモブキャラもメインキャラもないため“個性”が全く機能しない摸武。

 何か波乱が起きる余地もなく、ダークシャドウが摸武を持ち上げて場外に置いて終わった。最も盛り上がらない試合だっただろう。

 

 

 

 

 

 そして第七試合、轟VS慄木。

 

『もうじき一回戦も終わる第七試合!

 第一種目は良かったが、第二種目じゃなんかパッとしねぇ! 親父も見に来てんだし気張ろうぜ、ヒーロー科轟焦凍!

 対するは第一学年一の強面! ヒーローに成れりゃ「ヴィランっぽいヒーローランキング」トップ10入り間違いなし、普通科慄木恐介!』

 

「……(黙っていれば言いたい放題言いやがって! 言われるまでもねぇ、ここから全て(お母さんの力)だけで圧倒する!)」

 

「……(俺の“個性”は物理的な攻撃性能が全くねぇ! 相手は遠距離攻撃持ちだし、大技を空振りさせて一気に押し出す。それしか勝ち筋はねぇ!)」

 

 どちらも無表情だが考えていることは真逆だ。

 慄木は相手を倒す算段を考えているが、轟は父親の鼻を明かすことばかり考えていた。

 実力差を考慮すると仕方がない態度なのかもしれないが、油断、慢心が抜けきっていない。試合直前に「言った通り片方だけでは限界が来たな。いい加減子供染みた反抗はやめろ」と父親に言われたことで完全に意固地になってしまっている。

 

「それではスタ―――――ト!」

 

 真っ先に慄木が(ひだり)側に向かって駆け出した。

 

「(普通にやりあったらフィールド全体を氷で埋め尽くされかねない! ならまずはこっちに走りながら最大出力で“恐怖”を叩き込む! 発動したら即解除して逆に跳べば、相手にはまだ左に進んでいると錯覚させられるはず! んで過剰反応して盛大に空振った所を場外まで運んでやる!)」

 

 慄木の作戦は間違っていない。というより“個性”の攻撃性能でも身体能力でも技術でも負けている以上、これ以外に勝ち筋はなかっただろう。

 だがやった相手がまずかった。

 

「さすがにこれはマズイね」

 

 フィールドを構成するコンクリートがせり上がり、轟と慄木を隔離する。

 一瞬遅れてフィールドが氷と炎で埋め尽くされた。

 

「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁああっ!!!!????」

 

「何コレェエエエエ!!!!????」

 

 フィールドの半分を埋め尽くし、真上に伸びていく氷塊。残る半分を埋め尽くし、同じく真上に登っていく炎。その中間点では水蒸気爆発が発生し、盛大に上空へと噴出していた。

 

二人とも(・・・・)やり過ぎ。プレゼント・マイク先生は残虐ファイトなんて言ったけど、ヒーローの卵なんだからもっと加減しなさい」

 

 止めに入ったセメントスが二人をたしなめるが、恐怖に負けて全力で炎を使ってしまった轟も、死にかけた慄木もそれどころではなかった。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ!(使わねぇって決めてたのに……! 気圧されて使わされた、こんなどこにでもいるような奴に!)」

 

「(これが死の恐怖……! すっげぇなぁオイ腰が抜けて立てねぇや!! これを再現できるようになれば、俺はまだまだ強くなれる!!!)」

 

 片や自分の弱さに打ちひしがれ、片やこれから自分が獲得できるであろう恐怖に打ち震えて破顔していた。

 しかしどちらもこれ以上戦えそうにないことには変わりなく、教師たちは体育祭の進行させていく。

 

「ミッドナイト。二人とも戦えなさそうですが、主審としてどう判定します?」

 

「なら救けられた慄木くんの負けとすべきでしょう。

 と言うわけで、轟くん二回戦進出!」

 

 こうして轟はまたも敗北感を抱いたまま勝ち進むこととなった。

 




デクのような弱者の立場からの訴えとかこの二次創作では誰もにもできないし、身の上話を誰かにするタイミングもなさそう。
なので発破掛ける下拵えとして轟くんのメンタルをボコボコにする。

なお瀬呂VS芦戸の第八試合は芦戸が勝ちました。
テープは溶かされ、酸撒かれちゃきつかった。
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