爆豪勝己の幼馴染が結城友奈だったら   作:ぬがー

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準決勝戦4

「えー両者とも目を覚ましましたので、ただいまより延長戦を行います!

 開始前に言いたいことはあるかしら?」

 

「延長戦は必要ない。俺が辞退する」

 

 轟が何かを言う前に、常闇が勝ち残りを辞退した。

 轟はと言うとまた勝てないまま勝ち残ることになるのかと言う悔恨と困惑が表情に出ている。

 

「へぇ、ここまで勝ち上がって辞退。なぜかしら?」

 

「あれだけ言っておいて炎も使わせられず、勝利も出来ずに勝ち残ろうとは思わん。それより轟に挽回のチャンスをやってほしい。級友を見放したくはない」

 

「そうことならオッケーよ! 辞退を認めます!

 轟くん、次がラストチャンスよ。氷だけで挑むにしろ、両方使って戦うにしろ、悔いが残らないようにね。

 ただし! 雄英の教師としての助言よ! ヒーローが負ければ民間人に被害が出るわ! そしてヴィランはヒーローの事情なんか考慮しない! ヒーローとしてこだわりを貫きたいなら、まず勝ちなさい! 以上よ!!」

 

『ミッドナイト先生のありがたい言葉も送ったし準決勝は終了~~~ッ!

 しばらく休憩を挟んで決勝戦を開始するぜ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どんな気分だ? 俺以外からも散々言われていたようだが」

 

 轟が無言で退場すると、またエンデヴァーが待ち構えていた。

 轟も一回戦前と変わることなく恨みの籠った目で睨みつけて黙り込む。いつもの反応といえばそれまでだが、さすがにエンデヴァーも困り顔になった。

 

「黙っていてはわからんぞ。……まぁ答えたくないなら答えなくても構わん。俺が言っていたことは十分に体感出来たはずだ。

 お前は誰よりも強い力を秘めてはいるが、現時点では決勝戦は敗色濃厚。それも全力を出してだ。片方だけなら惨敗だろう。

 そういう年頃なのはわかるが、わけもなく反抗するのはもうやめろ。わかったな?」

 

「ッ、ふざけんなっ! 誰がお前の力なんか使うかッ!! お母さんを虐めたお前のなんかっ!!!」

 

 体育祭を通して今まで感じたことがない程のストレスを受けて、初めて轟が内心をぶちまけた。

 それを聞いたエンデヴァーは困惑をさらに強めた。本当に反抗期で意味もなく反抗しているだけだと思っていたからだ。

 

「……それが反抗の理由なのか? てっきり焦凍はアレのことには関心などないと思っていたが」

 

「なんだと!? なんで俺がお母さんに関心がないって―――」

 

母さん(アレ)の見舞いに行ったこと、一度もないだろう。子に意味もなく危害を加えるなど、親失格だと思われても仕方ない。だからそうだと思っていたが、違ったのか?」

 

 エンデヴァーが轟焦凍の父、轟炎司として尋ねる。

 彼からすれば、というか世間一般からすれば「夫婦喧嘩の八つ当たりで子供に熱湯を浴びせ、顔に消えない火傷痕を付けた」母親―――轟冷は親失格だ。そして被害を受けた子は嫌っている様子もないが、関わろうとも一切しない。炎司が興味がないと判断したのも仕方ないだろう。

 そんな炎司に、轟は怒りと共に言い返した。

 

「お前が言うのか! お前なんかがお母さんのことを親失格だと!!」

 

「? 言いたくはないが、言うしかないだろう。冷は親としてやってはならないことをした。

 あんなことをした原因は俺なのだろうが、それなら俺に熱湯を浴びせれば良かったのだ。それなら教育方針を巡る夫婦喧嘩で済んでいたものを」

 

「ッ、!」

 

 母親のやったことは事実なだけに、これには轟も言い返せず黙り込む。

 一方炎司は焦凍を見て本当に冷を恨んでいるわけではないと理解し、和解策を提示した。

 

「だがお前が冷を恨んでいないのなら、俺も冷に歩み寄ってみよう。事ここに至っては喧嘩する理由ももうない」

 

「……機嫌取りのつもりかよ」

 

「違う。お前が冷を恨んでいるかもしれないと遠慮していたのをやめるだけだ。

 冷とは夫婦として長年連れ添ってきたし、あれだけのことがあっても離婚はしなかったんだぞ? それなりに愛情はある」

 

 具体的には初めて会ったばかりの頃、冷が一度だけ「あの花が好き」と言ったことすら今でもきっちり覚えているくらいには愛情を持って接している。

 どうしても譲れないところで意見が噛み合わなかったばかりにああなってしまったが、アレは炎司としても不本意な結果だったのだ。

 

「なんだよそれ……。俺が一体どんな気持ちで……!」

 

「言いたいことがあれば口に出せ。俺は器用な方ではない、言わんとわからんぞ」

 

 炎司は少し轟の返事を待ったが、何も言ってこないので諦めてヒーローのエンデヴァーとして後継者に声をかけた。

 

「自分で気付くべきことだと思いこれまでは言わなかったが、もうそうはいかん。この場で言っておこう。

 焦凍、お前は誰より強い力を秘めている。俺と冷の最高傑作だ。

 だが俺から受け継いだ炎と冷から受け継いだ氷。それらは他の誰のものでもない、お前の力だ。まずは己を受け入れろ。それがお前の始まりになる。

 

 以上だ。さっさと控え室に行け。試合までには心の整理を付けておくんだぞ」

 




この二次創作での轟家

轟炎司

嫁さんは愛してるし、子供たちも愛してるが、それ以上に打倒オールマイトに燃える男。口下手で言葉選びのセンスがない。
焦凍に“個性”が発現する前までは普通に良い夫婦やってたし、子供の学校行事も時間があれば参加してた。
だが焦凍の“個性”発現で後継者が決定、仕事と後継者育成に時間を取られ家庭人としての時間が取れなくなった。
焦凍については「ヒーローになりたくない」と言われたことは一度もなかったし、体を壊さないように才能相応の訓練を施しただけ。名門ヒーロー家系から見れば真っ当な父親。一般家庭出身の妻と、その影響を受けた息子たちには受け入れてもらえなかったが。


轟冷

焦凍に“個性”が発現するまでは良い夫婦やってた。
ただし普段見るのは「仕事熱心ながら家族も愛する轟炎司」だけであり、「打倒オールマイトに燃えるエンデヴァー」を見たのは焦凍に“個性”が発現してから。
ギャップに耐えられず精神を病んだ。
焦凍の顔に火傷を負わせたことについては覚えていない。


轟燈矢

二十歳超えて家を出た。
犯罪とかはやっていない。


轟冬美

厳しいし無愛想だが、仕事の合間で自分たちをきちんと見に来てくれる父親になついていた。
炎司のことを一番の理解してる。
昔みたいな家族に戻りたいと思っている。


轟夏雄

無愛想で厳しい父親は小さいころからずっと苦手。息子の扱いは娘に比べて雑だった。
父親からの言いつけはしっかり守り、焦凍と接触をほぼ取らないように過ごしていた。父は仕事で不在なことが多いので、破ろうと思えば破れたけど言いつけを守り続けた。そのため弟の好物がそばだということすら知らない。


轟焦凍

体育祭編ボスキャラ補正がないので普通に苦戦もする。
才能が有り過ぎ、ヒーロー以外の道に進むのは周りに止められるとわかったのでエンデヴァーはヒーローになる道を突き進ませようとした。
《I・エキスポ》以前にもエンデヴァーの代理でイベントに参加したことが結構あり、周囲からは完全に二代目として認識されている。
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