爆豪勝己の幼馴染が結城友奈だったら   作:ぬがー

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表彰式

「それではこれより!!

 表彰式に移ります!」

 

 POM、POMと祝砲が上がる中、表彰式が始まった。

 雄英体育祭では三位決定戦は行わない。そのため三位の選手用の台が二つある。

 友奈はまだ疲労でふらついているものの、リカバリーガールの尽力もあり全員が立って表彰式に臨んでいた。

 それを見ている選手達はやることもないので雑談をしていた。

 

「静岡県民しかいねぇな」

 

「地元お祭り騒ぎだろうねー」

 

「ウチ地元に帰りづらいんだけど。一人だけ第二種目脱落とかさー」

 

 完全に偶然だが、今年度の体育祭で檀上に上がったものは全員静岡出身だ。しばらくの間は静岡名産の品が良く売れるだろう。

 

「あれ、そういや飯田は? 便所?」

 

「なんか急用出来たって帰ったぞ。深刻そうな顔してたし、実家のヒーロー事務所でなんかあったんじゃないか?」

 

「あー、体育祭の警備とかスカウトで大手が動いてるからどこも手薄になってるもんね。ここぞって暴れるヴィランも出てくるか」

 

「怪我ならともかく、死人は出てねーといいけどなぁ。無駄な心配であってほしいぞ」

 

「はい、そろそろ静かにする!

 メダル授与を始めるわよ!!

 今年メダルを贈呈するのは勿論この人!!!」

 

「私が、メダルを持っt「我らがヒーロー、オールマイトォ!!!」」

 

 ミッドナイトの紹介とステージの外から飛び込んできたオールマイトの名乗りがかぶった。

 立場上ミッドナイトが謝っているが、セリフ的にオールマイトが飛び込んでくるタイミングを間違えたのだろう。友奈はミッドナイトのフォローを、勝己はオールマイトの弄りを後でやろうと思った。

 

「気を取り直してメダル授与を始めるわ!

 オールマイト! お願いします!!」

 

「あ、ああ!

 

 

 常闇少年、おめでとう!

 強いな君は!」

 

「もったいないお言葉」

 

 常闇が頭を下げ、オールマイトがその首に銅メダルを掛ける。

 

「ヒーローの卵として素晴らしい心意気を見せてもらった。

 ただし! 感情に振り回されてはいけないぞ! ヒーローは守るモノが多い。民衆に街、仲間に己自身! それら全てを守るには冷静さが不可欠だ! 君のように制御が緩めば勝手に動く“個性”ならなおさらね!

 君の力は便利で強力だ。それさえ出来れば安定感がさらに増すだろう」

 

「御意」

 

 掛けられた銅メダルを見つめながら答える。

 オールマイトの言う通り、冷静さを保てば氷山の倒壊も十分凌げた。炎を使ってきても爆豪対策がそのまま使えただろうし、勝機はあったのだ。

 このメダルは傷として受け入れ、乗り越えて成長して見せると決意した。

 

「結城少女、おめでとう!」

 

「ありがとうございます!」

 

「君はいつも元気よく、何事にも全力だ。それは長所だが、時には立ち止まることも覚えような?

 今回は上手くいったが、終わってから聞いて肝が冷えたぞ」

 

「あはは……出来るだけ気を付けます」

 

「断言はしてくれないのがウソが苦手な君らしいとは思うけど……仕方ない、ブレーキは爆豪少年に期待しよう」

 

 苦笑いに苦笑いで返し、残った問題は勝己に丸投げすることで決まった。元々そうだったし、これからもそれは変わらないだろう。

 

「轟少年、おめでとう」

 

「ありがとうございます」

 

「準決勝までは説教物だったが、決勝戦は良かったな! やはり常闇少年や爆豪少年の言葉に思うところはあったかな?」

 

「はい。俺もあなたのようなヒーローになりたかった。それを思い出して、ようやく皆と同じスタートラインに立てました。二人には感謝しています。

 ……ここからです。俺はここから、目指したヒーローになってみせます」

 

「うむ! 頑張りなさい。君は一人じゃない。競い合い、心の支えとなるライバルがたくさんいる。きっとなれるさ!」

 

 轟は憧れた人からエールを受け、まず目を逸らしていた家庭の問題からぶつかってみようと決めた。

 

「さて、大トリだ。

 爆豪少年、伏線回収おめでとう。見事だったよ」

 

「おう! 俺としても一応満足のいく内容だった。

 出来りゃガチバトルは総当たりで全勝したかったが、無茶なンはわかってるしな」

 

「そりゃ良かった。来年も期待してるよ」

 

「任せとけや。また優勝してやらァ!」

 

 金メダルを首にかけ、勝己はそれを選手たちに見せびらかす。

 期待通り「また渡してなるものか」「来年こそはアレを自分が貰う」と選手たちが闘志を滾らせる。

 オールマイトは決勝戦を見ても心の折れていない卵たちを見て頼もしく感じながら、締めの言葉に移った。

 

「さァ! 今回は彼らだった!!

 しかし皆さん! この場の誰にもここに立つ可能性はあった!!

 ご覧いただいた通りだ! 競い! 高め合い! さらに先へと上っていくその姿!!

 次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!

 てな感じで最後に一言!! 皆さんご唱和下さい!!せーの

 

 

「プル「P「プルスウ「おつかれさまでした!!」

 

「そこはプルスウルトラでしょオールマイト!」

 

「ああいや……疲れたろうなと思って……」

 

「……締まらねぇなァ。打合せちゃんとしとけや」

 

「あ、あははは。まぁオールマイトらしいよね」

 




常闇の爆豪対策は「ダークシャドウを腹の中に隠し、口から腕だけ出して攻撃する」です。
暴走したらヤバいことになるが、闇を補給しながら殴れるので相性最悪な爆豪、轟相手でも互角に戦えます。
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