爆豪勝己の幼馴染が結城友奈だったら   作:ぬがー

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コードネーム考案1

 体育祭から二日間、雄英生には休日が与えられていたが、勝己と友奈は専用の設備がある場所でリカバリーガールの検査を受け続けていた。

 雄英の設備だけではわからない異常が体に発生していないか確認するためだ。

 結果は問題なし。

 途中、友奈は力のストックが溜まったせいか牛っぽい謎生物―――リカバリーガール命名、牛鬼―――が現れて始めから検査し直しになったりしたが、二人とも異常は検出されず検査は終了した。後日データを解析した結果が伝えられることになっている。

 

「下手な特訓よか疲れたなアリャ」

 

「動けないって辛かったね……」

 

 まだ他の生徒は来ていない時間帯、教室の清掃をしながら雑談を交わす。交通の便の関係上、予鈴間近かかなり早いかなのだが、勝己と友奈は早めの便で来る。他の生徒たちが来るまでのいつもの暇つぶしだ。

 掃除を終え今日の授業に備えて予習をしていると、ポツポツとクラスメイトも登校し始めた。

 

「あ、乃子ちゃん! おはよう! A組になったんだね!」

 

「おはよう結城さん。半々だったんだけど、運良くね」

 

 元普通科の摸武乃子もA組に登校してきた。

 二日間の休日の間に編入先を教師たちが突貫で決めて、今朝職員室で通達を受けたらしい。

 

「他は誰が来んだ?」

 

「A組には黒田君と心操君、B組には慄木君と溜打(ためうち)君が編入するみたい。弾き出されたのが誰かは聞いてないけど」

 

「あいつらか。なら問題なく付いてけンな。手間がかかんなくていい」

 

 心操は元普通科で“個性”は“洗脳”。声をかけ答えた相手を操ることが出来る。コレでB組の宍戸を操り普通科、サポート科の生徒を複数人、障害物競走第三関門手前まで運んでいた。残念ながら体育祭前の特訓で手の内がバレている相手が大半だったため、騎馬戦で目立つことはなかった。それでも教師たちには十分アピール出来ていたということだろう。

 溜打は元サポート科で“個性”は“チャージ”。予備動作―――剣なら構える、銃なら引き金に指をかけるなど―――を取って、実際に行動に移すまでの時間が長い程威力が増すという“個性”だ。戦闘向けで強力なのだが、チャージし過ぎると武器が壊れる。一般入試ではロボットより頑丈な武器を準備出来なかったため、ポイントを稼げず不合格だった。体育祭では勝ち抜きを放棄して、障害物競走第一関門で自作のサポートアイテムを振るいロボット相手に無双。高い戦闘能力をアピールし、無事編入となったらしい。

 この五人が来た分A組からもB組からも各二人ずつ弾き出されたんだろうが、気にしても仕方がない。落とされた誰かの事より、登ってきた者がいたことを喜ぶとした。

 

「それはそうと、あなたたちは休日や登校中、声をかけられなかった? 私は慣れてなくて、つい逃げちゃったんだけど……」

 

「私たちは早い時間だったからそういうのはなかったかな。お休みの日もずっと検査受けてたし」

 

「俺は友奈ほど検査に時間食わンかったが、新しい制服だのコスチュームの作り直しだの色々あったからなァ」

 

 体が大きくなってサイズが合わなくなったのもあるが、足の裏でも爆破が出来るようになったためコスチュームに構造の変更が必要だった。

 ひとまず掌と同じように爆破が使え、防刃性を持たせた素材を足の裏に使用。また柔軟な行動のために、靴ではなく足袋のような装備を要請した。

 なおサポート科からの「再度の覚醒に備え伸縮性の高い素材を使う」と言う意見は通したが、「本気モードの痣が見えるようなデザインにしたい」と意見は安全性を考慮して却下となった。

 

「そうなの。なら私ももっと早く来るべきだったかも。雄英体育祭の凄さ舐めてた」

 

「まぁ済んじゃったことは悔やんでもしょうがないよ。それより乃子ちゃんも一緒に予習する?」

 

「…………いえ、自分でやるわ。結城さんと爆豪くんがセットの時、説明が擬音語ばかりでよくわからないし」

 

 勝己も友奈もかなりの感覚派だ。勝己に普通に説明させると「ここをバーッとしてから、こっちをガーッとすりゃいい」とかになるし、友奈だと「ババーンの後にキリッとしてパァァァっと」みたいになる。この二人だけなら意思疎通に問題は全くないのだが、他人にはなかなか通じない。

 一応勝己は小・中学校の九年間でクラスメイトに頼られるうちに、他人にわかるよう言い換えることも出来るようになっている。それでも二人で話す時はコレなので、一緒に勉強していてとても気が散るのだ。

 摸武が自身の席に着いた後も自習を続け、朝礼の開始時間が来た。

 

「おはよう」

 

「「「「「「おはようございます!」」」」」」

 

 直前まで雑談をしていたのに、担任の相澤が入室する直前に皆席に着いて元気よく挨拶を返す。入学してからの短い時間でよく躾けられているのが見て取れた。

 

「今日はお前らに連絡事項がある。3限からのヒーロー学だが、今日はちょっと特別だぞ」

 

「(ヒーロー関連の法律やらただでさえ苦手なのに……)」

 

「(特別!? 抜き打ちテストか!? 体育祭ではどうにか除籍免れたってのに連続は勘弁してくれよ!?)」

 

 ここで悪い風にしか受け取られないのも相澤の、そして雄英の教育方針が現れていると言えるだろう。常に苦難を与え続け、生徒たちに警戒心と危機感を抱かせている。これには推薦したミッドナイトも、採用した校長もニッコリだ。

 

ヒーロー名(コードネーム)の考案だ」

 

「「「「「胸ふくらむやつきたあああああ!!!!!」」」」」

 

 相澤に睨まれて一瞬で静まり返った。担任怖いなら初めから騒ぐな。

 




A組からは成績不振で青山、葉隠、B組からは素行不良で鎌切、物間が普通科送りになりました。
プロからの指名なしは大きかった。
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