爆豪勝己の幼馴染が結城友奈だったら   作:ぬがー

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雄英受験1

 2月26日。

 勝己と友奈は地下鉄を乗り継ぎ、雄英高校の一般入試実技試験を受けに来ていた。

 案内に従って大講堂の席に着いて待ち、時間が来るとボイスヒーロー「プレゼント・マイク」が試験の説明を開始した。

 

「受験生のリスナー! 実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!

 入試要項通り! リスナーにはこの後! 10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ!

 持ち込みは自由! プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!!」

 

 持ち込み自由という辺りから、金のあるヒーロー家系優遇が見て取れた。高性能なサポートアイテムを持っていればそれだけでかなり有利だからだ。雄英としても基礎を家庭で仕込まれている者を育てる方が効率的だし、その差を覆せる者なら大歓迎ということだろう。

 また勝己と友奈が指定された会場の番号を見せ合うが、違う番号が書かれていた。同じ学校の出身者同士で組んで試験に挑もうとすることへの対策も取っているようだ。

 

「演習場には“仮想(ヴィラン)”が三種・多数配置してあり、それぞれの攻略難易度に応じてポイントを設けてある!

 各々なりの“個性”で“仮想敵”を行動不能ポイントを稼ぐのがリスナーの目的だ!!

 もちろん他人への攻撃などアンチヒーローな行為はご法度だぜ!?」

 

「……質問よろしいでしょうか!?

 プリントには四種の“仮想敵”が記載されております! 誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態! 説明願います!!」

 

「質問していいとも言ってねぇんだから黙って最後まで聞けやカス」

 

 質問をした受験生に勝己が自然と暴言を吐く。

 受験生はいきなりカス呼ばわりされてカッとしたようだが、他は正論だったので感情を抑えてプレゼント・マイクに頭を下げた。

 

「出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ありません!」

 

「オーケーオーケー気にすんな! そっちのツンツン頭もサンキューな!

 四種目の“仮想敵”は0ポイント! そいつは言わばお邪魔虫!

 各会場に一体! 所狭しと暴れまわってるギミックよ!」

 

 四種目は標的ではないため先の説明からは省かれたらしい。

 ただのステージギミックなので避けて通るのが賢明だろうが、倒してはいけないとは言ってないので見かけたら記念にぶっ壊そうと勝己は決めた。

 

「俺からは以上だ!

 最後にリスナーへ我が校の“校訓”をプレゼントしよう。

 かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った! 「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!

 Plus Ultra(更に向こうへ)”!!

 それでは皆良い受難を!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スタート地点に移動し、合図に備える。

 そしてそれは唐突に、軽い口調で来た。

 

「ハイスタートー!」

 

 大半の受験者が呆ける中、数名は即座に動き出した。

 勝己もまた爆発の反動で飛び上がり、空から演習場にいる“仮想敵”の実物をまずは観察する。

 タイヤで移動する速くて脆い1ポイント。こいつでもコンクリートの壁を突き破って移動する程度のパワーはあるようだ。

 多脚で二本のアームを振るうバランス型の2ポイント。

 装甲が厚く、遠距離攻撃を備えた3ポイント。

 どれも近くの受験生に襲い掛かるようプログラムされているようだが、音にも反応するようだ。速度を出して振り切らない限り、爆発音を出す勝己を追いかけている。またきちんと補足していなくとも、音のする方に集まってくるようだ。

 

「(これならわざわざ高速で移動しながら狩るより、移動は遅めで敵の多い方向に進みながら爆音まき散らして戦った方が効率がいいか。集まりが悪くなれば場所を移しゃいい。まずは3ポイント狩って強度を確かめる)」

 

 空中から急降下し、3ポイントの“仮想敵”にドロップキックを叩き込む。

 3ポイントはあっさりと拉げて砕け、行動不能となった。

 

「(硬化処理されてねぇただの鉄クズ! これなら素手で殴ってもいけるな。パワーよりも射程、連射重視!)」

 

 砕けた3ポイントの破片を掴んで、爆風を乗せて近くの3ポイント達に投擲。粉砕。これで遠距離持ちは一旦消えた。

 高速で近づいてくる1ポイントを爆破でまとめて薙ぎ払い、遅れてきた2ポイントの集団を蹴り、殴り、爆破してすり潰す。

 “仮想敵”の残骸が増えて来る頃には、他の受験者は獲物を先に潰されてしまうと離れていき、勝己は弾が増えてハイエナが消えたとさらに暴れた。

 ヴィランの大群が暴れ続けているのにヒーローが休むなどありえない。勝己は無尽蔵の体力でペースを落とすどころかドンドン上げて狩り続ける。

 そうこうしているうちに勝己の体は温まっていき、本来の調子が出てき始めた。グラントリノにしごかれて寒冷地での“個性”使用訓練も行ったとはいえ、マシになっただけで冬場にスロースターターなるのは変わっていないのだ。

 

「ん?」

 

 残り時間3分を切ったころ、遠くで大きな音がした。

 “仮想敵”が近づいてくるまでの間に飛び上がってみてみると、0ポイントが動き出したのが見えた。ビルより大きくパワーはすごそうだが、関節部は細く壊そうと思えば多少手間がかかるだけで苦戦はしないだろう。

 しかも勝己からは多少距離があり、足元の1~3ポイントを始末する方が優先だ。実物を見れば倒すこと自体は簡単そうだし、わざわざ狩りに行く価値もなさそうだった。

 

「期待外れだな。気晴らしに残った奴らは皆殺しだ!」

 

 結局勝己はこのまま移動しながら“仮想敵”を迎撃し続け、他の受験者と関わらないまま受験を終えた。

 

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