魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第10章 浅き夢の再会・果て無き夢の暁
第1話


いろは「信じたくない......私が...私が探していたのは...」

 

さな「いろはさん......!」

 

健太「いろは......」

 

いろは「っ...健太さん...さなちゃん...本当にイブが...うい、なのかな...。」

 

健太・さな「......」

 

俺とさなはいろはにどういう言葉をかけて良いか分からなかった...。四人いなければ咲かないはずの桜の枝が見事に満開になっている以上、イブがういであると明確しているようなものだ...。ひでぇ話だ...。

 

いろは「そう、だよね...万年桜は咲いちゃった...。ずっと私は、覚えている通りのういに会えると思っていた...。それなのに...うい...どうして、こんな......。」

 

 

 

 

 

 

 

 

~第10章 浅き夢の再会~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろは「倒さなきゃ...イブを......。」

 

さな「いろはさん......」

 

健太「いろは...!」

 

いろは「だけど...私は...出来るの......?」

 

健太「大丈夫だ、いろは...」

 

いろは「健太さん...」

 

健太「奴等はイブを魔女でもない半端者だと言っていた。ういちゃんだったとしても、戻せる可能性はあるかもしれん...!」

 

いろは「健太さん...そうですよね...例えイブがういだったとしても、希望が失われた訳じゃない...。」

 

健太「っ!?イブが暴れだした...!」

 

さな「これ、魔女の反応ですよね...!?まだ姿も見えないのに...!」

 

健太「ワルプルギスがすぐそこまで来てやがる...!それにイブも反応してるって訳か...!」

 

いろは「......このままだとういは無限に穢れを溜めながら呪いを振り撒く魔女になってしまう...。そして最初は神浜が...。」

 

健太「拘束を解かせる訳にはいかねぇ!なんとしてでも止めねぇと!」

 

いろは「でも、直接攻撃なんてしたら...!」

 

さな「っ!?」

 

いろは「えっ...イブが、羽ばたく...」

 

健太「っ!何か来るぞ!構えろ!」

 

その瞬間、イブが巨大な羽を広げると同時に猛烈な強風が吹き荒れ、俺達はまるごと吹き飛ばされる。

 

 

 

 

健太「ゲホッ...、くそが...!これも奴の能力か...!?」

 

いろは・さな「健太さん!」

 

健太「二人共無事だったか!」

さな「はい...、っ!?イブが...!?」

 

いろは「嘘...!?」

 

健太「何...!?飛んでる...!?拘束が外れたのか!?」

 

さな「たっ、倒れてきます...!」

 

健太「やっべぇ!倒れた影響でまた風が吹くぞ!」

 

拘束が外れたイブは飛んですぐに倒れてくる。その瞬間、また暴風が吹き荒れ、土砂崩れが発生した。

 

健太「ちぃ...ビルの倒壊さながらだな...!」

 

いろは「もしかしたら...、やちよさん達が倒してしまうかもしれないです...!」

 

健太「ああ、とりあえずやちよさん達と合流しよう!」

 

そう言ってやちよさん達と合流する。

 

 

 

やちよさん達の姿が見えた。だがイブを明らかに殺ろうとしていたためすぐに止める。

 

いろは「お願い!やめて!」

 

やちよ「えっ?」

 

健太「はぁ...はぁ...やちよさん...皆...イブを殺しちゃいけねぇ!!」

 

さな「話を聞いてください...!」

 

壮介「良かった三人共、無事だったか!」

 

悠太「だが、殺すなとはどういう事だ?」

 

レナ「聞き間違いじゃないわよね...?あんた達自分が何言ってるのか分かってるの!?イブを叩かないとヤバいって今は猿でも分かる状況でしょ!?」

 

俊「健太さん、いろはさん、さなちゃん、何か訳でもあるんですか?」

 

健太「......ああ。」

 

アリナ「フッ、アッハハ...面白くなってきたワケ、まさかイブを守るだなんてアナタ達の嫌いな変なメモリーかもしれないヨネ。」

 

灯花「環いろはの話はもう良いよ。前頭葉と扁桃体がケンカしてイライラしちゃうから」

 

ねむ「そうだね、怒りを感じるから出来れば避けたい所だよ。」

 

いろは「だけど、その通りだよ。全ては私の記憶に関わる事....。」

 

灯花「ふーん?」

 

いろは「イブはね...ういだったんだよ...」

 

やちよ・鶴乃「っ!?」

 

壮介・俊「えっ!?」

 

フェリシア「あ?魔女じゃん」

 

さな「違うんです...!見た目はそうなんですがいろはさんの妹なんです...!」

 

灯花「妹の話はもーいーよー。私達にとっては知らない人の話。」

 

ねむ「そう、下らない粗末な話はよそでやってくれるかな?」

 

健太「下らないだと?証拠はあるんだ。こいつを見ろよ。」

 

そう言ってさっきの桜の枝を見せる。

 

健太「この万年桜のウワサからもらった桜の枝が、イブに触れて咲いたんだ。しかもこの桜が咲くには妹のうい、灯花、ねむ、そしていろはが揃わなければ咲かない。だがこうして桜が咲いたという事は四人が揃ったという事になる。どうだ?反論はあるか?クソガキ共。」

 

灯花「.........あり得ない...環いろはを守るだけじゃなくて桜が満開になるなんて...」

 

ねむ「万年桜は運命の時を待って満開になれずにいる...それが万年桜のうわさに関する僕が創造した内容だよ。四人にまつわる話は微塵も記述した覚えはない。」

 

灯花「でも、四人が揃って桜が咲いたって事は...」

 

俺は一瞬ではあるが、灯花とねむの気持ちに僅かな揺らぎを感じた。そこにいろはがさらに話しかける。

 

いろは「決められていたんだよ。そして私達の事を知らないと決める事は出来ない......」

 

ねむ「......果たしてそれは信用に足る情報かな?イブという強烈な穢れに接触して万年桜のウワサが変な挙動をしたのかもしれない。」

 

いろは「ねむちゃん...!」

 

ねむ「曖昧模糊かつ奇々怪々だとしても僕には、その結論が最も腑に落ちる。」

 

灯花「そうだよ...そうだよね...!」

 

ねむ「うん、それ以外に考えられない。」

 

灯花「というわけで、残念だったね高坂健太、環いろは、私達はイレギュラーを認めません!」

 

いろは「灯花ちゃん!ねむちゃん!」

 

健太「ちぃ...!」

 

灯花「話はここでお~わり、それじゃ皆頑張ってねー。」

 

ねむ「さようなら」

 

アリナ「アリナ的には楽しいイベントだったワケ。フッ、アリナがアナタの妹を育てていたなんて...エモーショナルでちょっとゾクゾクしちゃうヨネ...。そして今、ドラマも動き出そうとしてるワケ...。」

 

健太「ドラマが、動き出す...?」

 

アリナ「イブを見れば分かるカラ、じゃあバイバイ。」

 

久之「へっ、ざまあねぇなてめえら、ヘヘヘ。」

 

巧「ふっ、イブの血肉になるがいい。じゃあな。」

 

藤吉「さらばでござる。」

 

奴らはそう言って去っていく。そしてイブが新たな使い魔を召喚した。

 

壮介「また使い魔を...」

 

使い魔は神浜の方へ向かっていく。

 

まどか「皆、町に向かっていく...。」

 

ほむら「ワルプルギスの夜が来る方へ......?」

 

マミ「向こうには神浜の魔法少年少女達がいるから大丈夫だと思うけど...。」

 

杏子「ただアレ...処理できる数か...?」

 

多くの使い魔が神浜へ向かっていく。イブを倒せば消えるかもしれん。だが、肝心のいろはが、憔悴している以上、まともにイブに攻撃する事が出来ん...。


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