翌日、悠太は調整屋へ向かいみたまに昨日感知した謎の魔法少年少女達の事を聞く。
みたま「神浜市外の魔法少年少女ぉ?」
悠太「ああ、昨日の夜にそれを感知してな、みたまは何か知らないか?」
みたま「確かにそう言った記憶のある子はいたと思うんだけどぉ、見たって子はいないわねぇ。」
十六夜「情報以上の事はないか・・・東が活気付いてる今水を差す様な事態にならないと良いんだが・・・。」
悠太「全くだ、中央の崩壊で仕事が余計に増える事になったんだからな。」
十六夜「瓦礫の撤去先が大東なのは皮肉だ、とはいえ都合の悪いものを押し付けるのは常だからな・・・」
みたま「でも今回ばかりは西側も味方みたいよ。」
十六夜「む、そうなのか?」
悠太「ああ、イブやワルプルギスが起こしたとしても回りから見れば大災害だ。それに対する初動の遅さが原因で市長が辞任に追い込まれているらしい。」
十六夜「市長も災難だな、魔女を呼んだおガキ様は何とも思って無さそうだが。」
悠太「ふっ、あのおガキ様はそんな事微塵も無いだろうな。後、果てなしのミラーズで変な動きは無いか?」
十六夜「問題があれば先に東の方で対応するが?」
みたま「いつも通り複雑怪奇になって来てるけど前に暴走したときに比べれば対した事無いわぁ。」
悠太「そうか。・・・ん、やちよか。」
みたま「あら、やちよさん。」
十六夜「思ったより早かったな、七海。」
やちよ「・・・みたま、十六夜、悠太君。」
みたま「どうしたのぉ?」
やちよ「外から魔法少年少女達が集まってきてるわ。それも一人や二人じゃない。」
十六夜「ふむ・・・。」
悠太「どうやら、きな臭くなって来たようだな。」
調整屋に着いた健太達は先に着いていた悠太と十六夜にある写真を見せる。
みたま「十六夜と悠太君も感知したみたいだけど、一人じゃなかったのねぇ・・・」
やちよ「謎の魔法少年少女達が来ている話がとうとう現実味を帯びてきたみたい・・・。」
健太「この写真を見てほしいんす。」
十六夜「確かに、複数人いるな。」
俊「昨日の集まりの帰りに知らない魔力反応を複数確認したんです。」
さな「それで通りすぎる瞬間を観鳥さんが撮ってくれたんです。」
うい「魔力パターンが分からなかっただけかも知れないけど…」
やちよ「とはいえ楽観視は出来ないわ・・・」
いろは「はい、マギウスの羽根が来たのかも知れません」
壮介「いろは、その予想当たってるかもだぜ…」。
いろは「え?」
壮介「実は昨日健太と巻物の事を調べるために図書館に行く途中である連中に会ったんだ。」
健太「そいつら、マギウスの羽根って言うから問い詰めたんだが、どうやらマギウスの羽根じゃなかったんだ。」
俊「え?どういう事ですか?」
健太「それでそいつらから聞いた話だとその連中に金を渡して「マギウスの羽根と名乗れ」って言った奴がいたらしい。」
全員「っ!」
悠太「健太、それは確かか?」
健太「ええ、けど、そいつを唆した奴等は見つけられなかったんす。」
壮介「だからいろはの言った通りマギウスの可能性も視野に入れた方が良いな。」
いろは「でも、何でマギウスの羽根達が外から・・・」
健太「大方、俺の首だろうな。何せマギウスの翼を潰した張本人だ。下の跳ねっ返りが出てくるって予想はしてたが・・・」
壮介「仮に羽根じゃなくてもここ数日立て続けに妙な事が起きてるのは事実・・・それに最悪の事を想定しておいた方がいいかもしれない。」
みたま「最悪の事って?」
健太「マギウスの残党とまた交戦する事になるかもって事っす。」
鶴乃「東の悠太君と十六夜だけじゃなくて南でも感知した人がいたとすると・・・」
フェリシア「やべーマギウスのざんとーがいっぱいいるかもしんねぇな!ふんす!」
十六夜「異論はないが、あまり考えたくもないな。」
悠太「俺もだ。だが、今尚旧マギウスの幹部集の行方が掴めてない状況だ。どこかでマギアユニオンを倒す算段を立ててるかもしれん。」
やちよ「胸騒ぎがするわね・・・」
悠太「長年の勘というやつか?」
やちよ「ただの勘よ、年寄りみたいに言わないで。」
悠太「ふっ、地雷だったか。」
俊「こうなったら前にあのよくわからない奴を倒した場所に戻ってみます?何か掴めるかも知れませんよ?」
鶴乃「お!ナイス名案だよ俊君!私も丁度考えてたんだ!よし、いろはちゃん!善は急げだよ!」
いろは「うん!」
健太「ありがとうございました、また来ます!」
悠太「嵐の様に去ったな。」
みたま「・・・以前、いろはちゃんが記憶を取り戻した時、神浜の物語は動き出した。」
十六夜「今回も同じか。」
みたま「デジャブね。」
悠太「全くだな。・・・ん?」
すると電話がかかってきた。相手は藤村のようだ。
悠太「もしもし、藤村か。」
通「はぁはぁ!健太は居るか・・・!?」
悠太「今さっき出ていったばかりだ。どうした?」
通「はぁはぁ・・・聞いて腰抜かすなや・・・灯花が・・・」
悠太「ん?あのおガキ様に何かあったのか?」
通「・・・何者かに、拐われよったんや!!」
悠太「っ!?」
−とある場所−
とある魔法少年は龍二の指示通りにあるものを探していた。だが肝心の物が見つからずに右往左往していた。
「あかんわ、こうなったら一度振り出しに戻るしかないなぁ。」
「どうします?前に感知した場所に戻ってみますか?」
「その方がええわ。それに、マギアユニオンの連中もこっちの事はそろそろ気づいとるやろしなぁ。」
「もしマギアユニオンの連中と遭遇した場合はどうすれば?」
「マギアユニオンの連中には丁重にその場を離れてもらうしかないわ。せやけどあいつらはそう簡単にどきよらへんらしいしそうなったら交戦やな。」
「了解しました、では我々は先に感知した場所に向かいます。」
「・・・もしかしたらマギアユニオンの奴等と戦えると思うと楽しみでしゃあないわ。ワシが初めてマギアユニオンと戦うとはのぉ・・・楽しませてくれや・・・。」
その魔法少年はマギアユニオンと戦えることを知ると拳を震わせてニヤついた。