魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第4話

健太は神浜へ戻るため電車の中にいた。その最中鶴乃から電話がかかり応答する。

 

健太「もしもし、鶴乃姉さんか。どうした?」

 

鶴乃「大変だよ健太君!!緊急事態だよ!!」

 

健太「待て待て一旦落ち着け・・・!一体何があった・・・!?」

 

鶴乃「今日昼頃に月咲ちゃんから連絡で理子ちゃんって子が大怪我したんだって!!」

 

健太「大怪我!?どういう事だ!?」

 

鶴乃「今いろはちゃん達が見てくれてるんだけど、広光君も理子ちゃんを庇って怪我したみたいで・・・。」

 

健太「分かった。とりあえずみかづき荘に帰るところだし着いたら理子と広光の話を聞く。みかづき荘で手当してるんだろ?」

 

鶴乃「うん、健太君も気をつけてね。」

 

健太「ああ、分かった。(理子と広光が大怪我を負っただと?とりあえずみかづき荘に行かないとわからないな・・・。)」

 

そう言って電話を切り、健太は急いでみかづき荘へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        −神浜市内−

 

   BGM「Renewed Unrest」−龍が如く極−

 

健太が新西駅を降りて入口を出るとどこか前の雰囲気とは違う事を感じ取る。

 

健太「(まるで神浜全体に瘴気が漂っているような雰囲気だ・・・総乃助さんが言っていた事が脳裏に過ぎるな・・・。)」

 

         −数時間前−

 

総乃助「神浜市内で普通の魔法少年少女達が持つ魔力とは異質の魔力を感じた。僕の仲間が今それを追っている。」

 

         −数時間後−

 

健太「異質な魔力・・・とにかくみかづき荘に帰るまで警戒しながら歩くか。」

 

異質な魔力を警戒し健太は身の回りが安全になるまで警戒ししながら道を歩き、大通りに差し掛かると謎の魔力がさっきよりも近くあるように感じとる。

 

健太「異質な魔力ってのを意識してるせいか、近くにあるような感じだ・・・ん?」

 

すると目の前からコートを来た謎の人物が歩いてくる。

 

健太「・・・あいつ。」

 

健太は謎の人物がナイフを持っているのが光の反射で見えた。

 

健太「・・・」

 

謎の人物はナイフを引き抜き健太はそれをかわしすぐさま突き出した腕を掴む。突然の出来事で回りを歩いていた一般人達は悲鳴を上げた。

 

一般人1「きゃあああああああっ!!?」

 

一般人2「あいつ刃物持ってるぞ!!」

 

健太「ちぃっ!そんな物騒なもん持って何する気だ!?」

 

コート「っ!」

 

健太「お前何者だ?誰に頼まれtっ!」

 

コートを被った謎の人物を尋問しようとしたその時、健太は再び謎の魔力を感じとる。その魔力はコートの人物から放出されていた。

 

健太「(謎の魔力は・・・こいつからか!?)」

 

コート「っ!!」

 

健太「うぉっ!?」

 

謎の人物は健太の手を振りほどきそのまま逃走し行方をくらませた。

 

健太「くそっ、何だったんだ・・・?とにかく今はみかづき荘に向かおう・・・。」

 

健太はそのまま走ってみかづき荘へ向かった。

 

健太「ただいmうぉっ!?」

 

扉を開けて中に入った瞬間入口におびただしい量の血痕があった。

 

健太「まさか!?皆大丈夫か!?」

 

いろは「健太さん!?」

 

理子・広光「あ、お兄さん!」

 

健太「理子!・・・っ!腹から血が!?」

 

リビングに向かうと、そこには腹から血を流しながらソファで横になっていた千秋理子がいた。その横でいろはが回復をしていた。

 

いろは「健太さん・・・」

 

健太「一体何があったんだ?」

 

理子「・・・・・・」

 

何があったかを聞くと、口を閉ざしてしまう。その理由を広光が話してくれた。

 

広光「理子は、少しメンタルが…俺が話しますね。」

 

健太「何があった?」

 

広光は理子に変わって何が起きたのかを話し、その内容を聞いた健太は疑問点が浮かんだ。

 

健太「コートを着た謎の人物・・・?」

 

壮介「二人の話を聞く限り、男か女か分からないらしい。」

 

俊「マギウスの仕業でしょうか?」

 

やちよ「今のこの状況を考えるとその可能性はあるわね・・・今のマギウスは前の時とははるかに違うわ。」

 

さな「調整屋の時みたいにマギウスの人がお金で殺し屋さんを雇ったんでしょうか・・・。」

 

鶴乃「マギウスからしたら味の良い話じゃないのはわかるけど、どうして無関係の子を巻き込むんだろ・・・。」

 

フェリシア「こうなったらソイツを探し出して叩けばいいだろ!?ズッガーンって!!」

 

健太「・・・・・・」

 

やちよ「健太君?」

 

うい「健太お兄ちゃん?」

 

健太「そのコート、さっき帰ってくる途中で遭遇した。」

 

全員「っ!!」

 

いろは「本当ですか!?」

 

壮介「お前怪我は!?」

 

健太「俺も刃物付き立てられたがうまくかわして何とか大事にならずに済んだ。腕を掴んだら刃物落として逃げていきやがったがな。」

 

鶴乃「良かったぁ・・・。」

 

理子「お兄さんも遭遇してたんですか・・・。」

 

健太「ああ、そういえば二人共、学校から出たのは何時だ?」

 

広光「えっ?いつだったかな・・・理子ちゃん覚えてる?」

 

理子「えぇっと、四時半くらいかな・・・。」

 

健太「四時半・・・。」

 

健太は壁にかけられた時計を見て、自分の腕時計を見る。健太が神浜についた時刻が4時半でそこから更に理子が帰路に付く時間を計算した。

健太の読みでは襲撃したコート、理子を刺したコート、それぞれが複数の襲撃犯の可能性があるからだと判断する。

 

健太「俺の読みだと、複数犯はいるな。」

 

理子・広光「「複数犯?」」

 

壮介「何故そう思うんだ?」

 

健太は犯人が複数人存在する理由を話しその内容を聞いた壮介達は頷きながら納得する。

 

鶴乃「すごい・・・。」

 

壮介「健太流の名推理だな・・・。」

 

フェリシア「ちょーかっけー!!」

 

健太「まだそれが確定した訳じゃないがあくまで俺の考察だ。それに、そういうのに関するスペシャリストが味方に付いてくれたんだよ、北養区でな。」

 

いろは「誰なんですか?」

 

健太「「毬来期総乃助」って人だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は夜、調整の手伝いもあった悠太は四人で帰路についていた。

 

みたま「今日もいっぱい調整しちゃったわぁ。」

 

悠太「全く、俺まで駆り出されるとは思わなかったぞ。知識はあったから何とか弄れたが・・・。」

 

十六夜「そのわりには満更でもなかっただろう?」

 

悠太「まぁみたまとならば進んで協力するさ。」

 

みたま「流石悠太君ねぇ、嬉しいわぁ。」

 

悠太「ところで、何故あのももこと通がいる?」

 

隅の方で二人がちょっとした言い合いをしていた。

 

ももこ「あたしはあんたよりずっと健太を見てきたからあたしの方が姉弟として優位なんだよ!」

 

通「俺は健太と血ぃ繋がったほんまの兄弟や!!」

 

悠太「はぁ・・・何の争いをしているんだアイツらは。」

 

みたま「多分健太君の事ねぇ。健太君は本当愛されてるわねぇ。」

 

十六夜「全くだな。」

 

悠太「ああ・・・二人ともそのへんにしておけ。」

 

通「ああ!?邪魔すんなや悠太!」

 

ももこ「そうだよ!邪魔するなよ!」

 

悠太「兄弟姉弟(きょうだい)の事で優比を付けるな。それこそ健太が悲しむぞ?二人はなんとも思わないのか?」

 

ももこ・通「「うぐっ・・・。」」

 

悠太「健太は互いに兄貴、姉貴と読んでいるんだろ?なら健太は二人を既に兄弟姉弟と認めているという事だしそれでいいじゃないか。」

 

ももこ・通「確かに・・・」

 

通「えらい熱ぅなってしもたわ、すまんなぁ・・・。」

 

ももこ「いや、こっちもごめん・・・。」

 

十六夜「何とか収まったようだな。」

 

悠太「全く、止めるこっちの身にもなってくれ・・・ん?」

 

四人「っ!?」

 

みたま「悠太君・・・。」

 

悠太「ん?なんだあいつ…。」

 

この場にいた全員が奇妙な魔力を感じ取った直後、悠太はみたまに話しかけられ目を向けた先にコートを被った謎の人物がいた。

謎の人物は走って悠太の方に向かってきており一瞬何かが光った。その正体を見た通は悠太に話す。

 

通「悠太!そいつ刃物持っとる!!」

 

悠太「っ!」

 

悠太は刃物を付き立てられる寸前で回避し転ばせる。

 

「うぐっ!!」

 

悠太「何者だ?悪いが問い詰めさせtっ!?」

 

悠太がコートの奴に近づくとまた謎の魔力を感じとり、怯んだ隙を見逃さず謎の人物は逃げていった。

 

通「待てやコラァ!」

 

悠太「待て通!」

 

通「っ!・・・どないした?」

 

悠太「・・・・・・」

 

みたま「どうしたの?悠太君?」

 

悠太「これはどういう事だ・・・!?」

 

十六夜「何か分かったのか?」

 

悠太「やつから感じ取った魔力は・・・「安名メル」の魔力だ・・・!!」

 

壮介「毬来期総乃助?」

 

健太「ああ、龍二の一族の分家の人だ。」

 

俊「龍二さんの一族の人ですか・・・。」

 

健太「まぁ信用できないのは分かる。俺も最初は疑ったからな。」

 

やちよ「その総乃助って人に頼るって・・・」

 

健太「総乃助さんはいわば「情報屋」ってやつなんです。」

 

健太は総乃助さんの事を出し惜しみなく由美の捜索の事を知らない内に探してくれたりしていた事などを話す。

 

       −少年説明中−

 

健太「・・・と、言うわけだ。」

 

全て説明し終わると、壮介が肩に手を置く。

 

壮介「健太はやっぱすげぇな・・・。」

 

健太「な、何だよいきなり・・・お前らしくもない・・・。」

 

壮介「だってよ、龍二の一族を味方につけることなんか余程の財力なかったら・・・ってかそもそも味方になってくれるかどうかも分からないはずなのに、自ら健太に妹の情報を差し出すとかすげぇよ!」

 

俊「分家の人達がまともな方で良かったです・・・。」

 

やちよ「健太君から話を聞いた限りだと総乃助さんの兄の政孝さんは多方面に喧嘩売っていたみたいね。ましてや龍二君の姉代わりの人を殺すなんて・・・。」

 

鶴乃「その総乃助って人お兄さんとは似ても似つかないね。」

 

いろは「健太さんの妹が見つかったのは良いですけど・・・。」

 

健太「ああそうだ。由美は小笠原諸島近海の孤島にいるらしいがそんな場所に行こうにも船が無けりゃどうすることも出来ねぇ・・・。」

 

フェリシア「じゃあさ!羽があるでっかい乗り物で行きゃ良いじゃん!」

 

やちよ「ヘリコプターの事を言ってるならそれはだめよフェリシア。」

 

フェリシア「なんでだよ!手っ取り早いじゃん!」

 

やちよ「まずヘリコプターを借りるお金が無いわよ。借りれるのかは知らないけど・・・。」

 

俊「それに、もしその孤島がネオマギウスの本拠地だったら武装してる人達に落とされる危険性もあります。」

 

うい「ネオマギウスの人達ってなんだか凄いね・・・悪い意味で・・・。」

 

健太「全くだ。龍二の事だろうから本家を襲撃した際に金目の物はかっさらってったんだろう。政孝って人は大の骨董コレクターだったから予想だと余裕で億は超えてそうだな。」

 

俊「億超えてるならもう国家予算レベルですね・・・。」

 

壮介「そんな金があるなら俺たちにも分けてほしいぜ!!」

 

健太「それで、今総乃助さんから連絡があって一連の襲撃事件の犯人の映像を特定できたらしい。明後日南凪区の海浜公園で落ち合うそうだ。」

 

いろは「南凪区の海浜公園・・・。」

 

健太「総乃助さん曰く表向きに活動中の毬来期造船っていう会社の場所に近いらしい。」

 

いろは「分かりました。」

 

健太「理子、広光。二人に怪我を負わせた犯人は絶対に見つけてやるからな!」

 

理子・広光「はい!」

 

健太「話し込んでたらもう夜か。二人はどうする?」

 

広光「怪我も今は安定してるんで理子ちゃんと一緒に帰ります。親が心配してそうなんで・・・。」

 

健太「そうか、でも帰り道が心配だな…。壮介、行ってやれるか?」

 

壮介「任せな、あんな事が絶対に無いよう見張りながら一緒に行くぜ!」

 

健太「助かる。んじゃ俺たちは俺たちで晩飯の準備をしますか。(グギュルル〜…)フェリシアの腹の虫も鳴いてるしな。」

 

やちよ「そうね。今日の晩御飯は豪華なものにしたわ。」

 

フェリシア「おお!お肉かぁ!?」

 

やちよ「こらフェリシア!がっつかない!」

 

健太「犬かお前は!(トゥルル!)・・・ん?悠太さんから?」

 

スマホを取り出し、電話に出る。

 

健太「もしもし。」

 

悠太『健太、今大丈夫か?』

 

健太「ええ、大丈夫ですけど、どうしたんすか?」

 

悠太『緊急の要件だ。』

 

健太「まさか、悠太さんも・・・?」

 

悠太『察しが早い。謎のコートの奴に襲撃された。お前から話は聞いていたがまさか本当に襲撃に合うとは思わなかった。』

 

健太「悠太さん、怪我は!?」

 

悠太『俺に怪我はない。周りに十六夜とみたまとももこと通がいた事で恐らく分が悪いと思って逃げたんだろう。それでやつの魔力を感知した時、あり得ない事が起きた。』

 

健太「あり得ない事・・・?」

 

悠太『・・・謎のコートのやつから、死んだはずのメル・・・「安名メル」の魔力を感知したんだ。』

 

健太「っ!?」


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