魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第4話

健太「くそっ・・・くそぉっ・・・!」

 

マミの自宅にあった手紙を読んだ健太は見滝原市内を虱潰しに探していた。だが結局二人の行方を掴むことが出来ず、八方塞がりとなってしまった。

 

健太「はぁっ・・・はぁっ・・・!どこ探してもいねぇ・・・。まさかふたりとも見滝原市から出ていったのか・・・?だとしても二人が行く宛なんて・・・・・・」

 

そうして健太は考えるが、二人の行き先等全く不明なので頭を抱えて悩んだ。

 

健太「駄目だ・・・全く検討がつかねぇ・・・。んっ!?」

 

すると健太は近くに魔女の気配を感じ取り、裏路地に入る。

 

健太「ちぃっ!急ぎだってのに・・・!被害が増える前に迅速に片付けてやる!」

 

そう言って健太は魔女の結界に入り数時間も立たない内に再び結界内から現れる。

 

健太「魔女は大したことはなかったな。早く二人の手掛かりを探さないt・・・っ!?」

 

そう言って健太はその場を去ろうとすると、突如空間が灰色になり健太は驚く。

 

健太「これは・・・っ!いつの間に・・・」

 

すると健太の背後に小さいピンク色の女の子が現れる。

 

健太「魔力を感じ取れなかった・・・この子は一体何者だ・・・?」

 

「・・・・・・来て。」

 

健太「えっ?」

 

「運命を変えたいなら「神浜市」に来て・・・。」

 

健太「おいちょっと待て、運命?神浜?一体どういう事だ・・・!?」

 

女の子「この町で、魔法少年少女は救われるから・・・。」

 

健太「救われるってどういう事だ・・・!お前は一体何を知っているんだ・・・!?」

 

すると灰色の空間は消え去り、健太の視界はいつもの光景を映した。

 

健太「何だったんだ今のは・・・?しかも神浜市って、俺の元いた地元じゃあねぇか。何なんだよ一体・・・訳わからねぇ・・・。」

 

壮介「おっ、健太じゃねぇか。」

 

健太「ん?おぉ壮介か。」

 

そう言って健太が路地裏から出ると偶然ばったり壮介と出会う。そして壮介は健太の顔色が良くないことをすぐに悟る。

 

壮介「その顔、なんかあったな。随分と痩せこけて見えるぜ。」

 

健太「あっ分かる?」

 

壮介「あぁ全然分かる。何があったんだ?」

 

健太「実はな・・・」

 

健太はここに至るまでの経緯を壮介に話す。すると壮介は驚きの表情を表した。

 

壮介「マジか・・・龍二とマミさんが行方不明だなんて・・・。行き先とか分からないのか?」

 

健太「あぁ、分からないから八方塞がりだぜ・・・。」

 

壮介「・・・・・・」

 

健太「どうした?」

 

壮介「・・・なぁ健太、俺の知り合いでちょっとした情報屋をしてるやつがいるんだが、相談してみないか?」

 

健太「情報屋?」

 

壮介「そうだ、その情報屋は見滝原と風見野両方のカメラを駆使して情報を集めていてな、些細なことでもそれを徹底的に調べ上げる程なんだよ。だから人探しでも乗ってくれるぜ。」

 

健太「そうか・・・だが、情報を貰うのにも金はいるだろ?」

 

壮介「あぁ金なら心配すんな、俺が仲介してチャラにしてもらえるから話してみるぜ。まぁあいつも人探しくらいなら金は取らんだろうよ。」

 

健太「・・・分かった、ならその情報屋を頼る。」

 

壮介「よし、そうと決まれば早速話をしにいこう、着いてきてくれ。」

 

そう言って健太は壮介に案内されて情報屋の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

      −風見野見滝原間 郊外−

 

 

 

 

 

 

風見野市と見滝原市の市間にある裏路地に到着すると壮介はその場所にあったドアをノックする。

 

壮介「情報屋ー!俺だ、壮介だ。開けてくれ。」

 

そうしてドアが開き、中から出てきたのは眼鏡を掛けたポニーテールの女性が出てきた。

 

情報屋「・・・壮介君の知り合いだね。」

 

健太「あっどうも、はじめまして・・・俺h「高坂健太。」どうして俺の名を?」

 

情報屋「壮介君から聞いてたと思うけど、私はどんな些細なことでもしっかり見たり聞いたりしているの。だからあなたの名前も私からすれば筒抜けだよ。」

 

健太「すげぇなおい・・・」

 

壮介「だろ?毎回情報をもらう時は非常に役に立つんだよこの人!それでさー。」

 

情報屋「分かってるよ、彼の人探しをしてほしいんでしょ。そのくらい朝飯前、二人共入っていいよ。」

 

健太「じゃあ、お邪魔します・・・。」

 

そう言って健太と壮介は情報屋の拠点に入る。

 

 

 

 

      −情報屋の拠点施設内−

 

 

 

健太「うわぁ・・・すげぇ画面の数だな・・・」

 

壮介「情報屋はこうやって見たり聞いたりして情報を集めてんだ。ほら、あれ。」

 

健太「えっ?あ、まどかとさやかが映ってる!」

 

壮介が指差した画面にはまどかとさやかが映っており賢明に龍二とマミを捜索している姿が映し出されていた。

 

情報屋「そう、ここはありとあらゆる情報が流れてくる場所・・・つまり、情報で私に勝る者はいないわ。」

 

健太「・・・・・・」

 

情報屋「それで、あなたの友人「松井龍二」「巴マミ」の捜索の件だけど、行方は掴めてるよ。」

 

健太「っ!本当か!?」

 

情報屋「えぇっ、とりあえず場所を特定したけど・・・」

 

健太「っ!龍二とマミ・・・!」

 

壮介「二人共一体どこにいるんだ・・・?」

 

情報屋「この二人が最後に映った場所は・・・「神浜市」みたいだよ。」

 

健太・壮介「「っ!神浜市ぃっ!?」」

 

画面に龍二とマミの映像が映り情報屋が掴んだ龍二とマミの行方を聞いた健太と壮介は思わず驚愕した。

 

健太「(おい嘘だろ・・・なんで二人が神浜市に・・・?マミが龍二を追いかけて行く理由なら分かるが、龍二がなんで俺の地元に・・・?)」

 

壮介「情報屋、なんで二人は神浜市にいるんだ?」

 

情報屋「二人がどういった理由でそこまで行ってるのかは分からないけど、松井龍二は恐らく何か明確な「目的」が合ってそこにいると思う。」

 

健太「そういえば龍二と会話していた時、あいつは「復讐」とかいう物騒なワードを出してたな・・・。」

 

壮介「復讐?一体誰に?」

 

健太「それが分からないが・・・多分龍二は神浜市に復讐をしなければならない対象が居ることは間違いない・・・。」

 

情報屋「とりあえず今調べた限りでは二人が最後に目撃されたのが神浜市でそれ以外の場所では目撃されてないから神浜市にいることは間違いないね。どうするの健太くん?」

 

健太「決まってんだろ、俺も龍二とマミの後を追う!どんな理由があれど復讐は絶対にさせねぇ!」

 

情報屋「・・・壮介はどうするの?」

 

壮介「俺も、二人の後を追う。あの人らには一応世話になったからな。」

 

情報屋「なるほど、結論は出たね。じゃあ最後に二人にある事を教えておくよ。」

 

健太・壮介「「ある事?」」

 

情報屋「うん、さっき松井龍二と巴マミを捜索中にね「謎の黒いローブを着た集団」が見つかった。」

 

健太「ローブを着た集団・・・だと?」

 

情報屋「そのローブを着た集団を見たけど、君たちと同じ魔法少年少女っぽかったから一応警戒しておいた方が良いかもよ。」

 

壮介「分かった、ありがとうな情報屋。」

 

情報屋「いいよこのくらい、私は今日で店終いだからね。」

 

壮介「えっ?店終い!?」

 

情報屋「そう、この仕事柄誰かしらの恨みを買ってるから誰も知らない所で細々とやるつもり。またどこかで会えるかもね。」

 

健太「そうか、初対面だけど色々手伝ってくれてありがとうございました。」

 

そう言って健太と壮介は軽い挨拶を躱して情報屋の拠点を去って壮介と別れ、見滝原市へ戻ってまどか達に一連の流れを話す。

 

 

 

 

 

         −見滝原市−

 

 

 

 

 

まどか「龍二先輩とマミさん、神浜市って街にいるんですか!?」

 

健太「あぁ、どうやら情報屋から聞いたらそうらしい。だから急ではあるが明後日知り合いと一緒に神浜市へ行く。」

 

さやか「なら先輩、あたし達も連れて行ってよ!健太先輩の戦力になりたいからさ!」

 

ほむら「でもさやかちゃん、学校は・・・?」

 

さやか「あっ・・・でも健太先輩も・・・」

 

健太「・・・俺は先生と交渉して長期休暇を貰う。そうでもしねぇと二人の捜索は厳しい。それにさやか達はまだ成績とかもあるだろうから連れてはいけねぇ。」

 

さやか「うぅ・・・」

 

杏子「まぁ落ち込むなよさやか、あたしらは3人が無事に帰ってくるのを待つべきだと思う。その方が龍二とマミも安心するだろうしな。」

 

さやか「そう、だね。なら先輩、ちゃんと説得して連れて帰ってきてね!!」

 

健太「あぁ、任せてくれ。必ず二人を連れて帰る!」

 

そう言って健太は決意を固め神浜市へ向かう事になる。そしてこれが後に健太にとって運命の分岐点になった事を、このときの健太は知る由もなかった。

 

 

 

 

       「第3章 決別」完

 


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