魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第19章 未来のために
第1話


      第21章「未来のために」

 

 

 

 

 

 

 

 

別のある場所で、影信と悠太は死亡したレイゴウを調査していた。するとマミ、いろはが健太を抱えてつく。

 

いろは「悠太さん!」

 

悠太「ん?いろは、それに巴まで一体どう・・・っ!?健太か!?」

 

影信「健太!?おい!返事をしろ!!」

 

影信はすぐに健太に問いかけるが応答はない。

 

悠太「何があった!?」

 

マミ「健太君の中にいた十間さんが抜かれてしまったんです!」

 

いろは「このままだと健太さんが!だから健太さんのお父さん!健太さんにキモチを・・・!」

 

影信「俺の中にいる十間を健太に移せばいいんだな!?分かった!」

 

そう言って影信はすぐに魔力を込めて健太の体に触る。

 

影信「すぐに助けてやるぞ!」

 

「甘いな。」

 

四人「っ!?」

 

十間「なっ!?貴様!ぬぉああ・・・!!」

 

すると影信の手に謎の影が現れ、十間を奪い取る。奪い取ったのは本当の「レイゴウ」であった。

 

いろは「何っ!?今の!?」

 

影信「ぐっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

悠太「っ!影信さん!」

 

マミ「お父さんしっかりしてください!」

 

影信「すまん、影に十間を奪い取られた・・・!」

 

マミ「えっ!?」

 

レイゴウ「クハハハッ!!死んだフリをしていたにも関わらず騙されるとは愚かな奴らだ!」

 

悠太「貴様レイゴウか!?だが、お前は確かに死んだはずだ・・・!」

 

レイゴウ「確かに「あの身体」は死んだ。だが、俺には命が2つあってなぁ、この身体が本物だ。」

 

悠太「貴様・・・!」

 

レイゴウ「これで高坂健太は今度こそ死ぬ、即ちこの戦争も終わりだよ!後は・・・」

 

吉信「私の時間です。」

 

すると吉信もこの場に現れる。

 

吉信「遅いですよレイゴウさん、こちらから出向いてきました。」

 

影信「あの姿は・・・・・・」

 

悠太「恐らくレイゴウと同じ八龍の力を手に入れたようだな。」

 

レイゴウ「すまねぇな、だが、こいつらから九尾のキモチを奪い取ってやった。」

 

吉信「よくやりました、九尾のキモチをこちらに渡しなさい。」

 

レイゴウ「ああ。」

 

そう言ってレイゴウは吉信の方に歩く。だが、それを俊とさなが阻害する。

 

俊「させませんよ!結界・香夢新天!」

 

するとレイゴウの周りに結界が発動し、レイゴウが手にいれた十間のキモチを奪い取る。

 

レイゴウ「ぐぅっ!貴様ら!」

 

さな「やったね俊君!」

 

俊「ああ!なんとか術は成功した。さなちゃん、僕が吉信の隙をついたら悠太さんと十間さんの魔力を持って異空間内に飛んで!」

 

さな「うん!」

 

そう言って俊は吉信と対峙する。

 

悠太「あれは俊か・・・!?」

 

いろは「さなちゃん!」

 

さな「いろはさん!良かったです!健太さんは!?」

 

いろは「まだ息がない!さなちゃん、すぐに十間さんを・・・」

 

影信「無理だ、一族の血を持つ魔法少年少女出ない限り移すことが出来ないんだ。」

 

マミ「そんな!?」

 

影信「だが悠太ならそれを可能に出来るはずだ!俊という魔法少年が隙をつければいいが・・・」

 

俊「・・・・・・」

 

吉信「驚きですよ、まさか貴方が盾付くとはね。」

 

俊「自分でも、驚いています。何も取り柄もない弱々しい僕が、今こうして強大なあなたの前に立ち塞がってるんですから・・・。」

 

吉信「強大だと思うならさっさと尻尾巻いて逃げて泣きべそかいて、この世界の行く様を見届ければ良いではないですか。何故、自分から死地に向かおうとするのです?」

 

俊「確かにそれも有りだと思います。でも、その道を選んだらきっと僕は後悔するし、健太さんの想いを裏切ることになる、それに・・・」

 

俊はさなを見て一息つき、顔を上げる。

 

俊「僕は「守らなければならない」かけがえのない人達がいる。健太さんの背を追っていくうち、色んな事を健太さんから学びました。だから、どんなに強大であろうと、僕は僕の道を行く!そして、健太さんや街を、世界を守るために!あなたを倒す!!」

 

吉信「フッ・・・世界がどうとかくだらないですが…余興としてお付き合いしましょう!!」

 

 戦闘BGM「never dying wishes」三國無双8

      「VS 八龍吉信」

 

吉信「全く、彼の人生は本当に罪なものです。高坂一族という呪われた一族の血を引き、知らぬ間に彼は人を引き寄せてしまう。ある意味健太さんには同情しますよ。」

 

俊「それは違う!健太さんの家族はそんな血は流れていない!」

 

吉信「なんとでも言いなさい・・・私はそんな苦しみを持つ魔法少年少女を夢幻術で救うのです!」

 

俊「そんなのは救いとは言わない!それはただの屁理屈に過ぎない!」

 

吉信「ならば行動で示してみなさい!!」

 

そう言いながら俊と吉信は戦い続ける。そしてある程度ダメージを与えると一定の距離を取る。

 

吉信「中々やるではないですか、伊達に修羅場を潜り抜けてきてはいないようですね。」

 

俊「はぁ・・・はぁ・・・」

 

吉信「ならば、これは耐えれますかね?「地遁天星」!!」

 

すると吉信は空に向けて手を上げると地面が空に引き寄せられ、それが大きな塊となる。

 

俊「なっ!?」

 

吉信「あなたと纏めて消し炭にしてあげましょう!」

 

俊「(あれぐらいなら僕の真眼で消し飛ばせる!)」

 

そう思った俊は咄嗟に真眼を発動する。すると吉信が落下させた塊を吹き飛ばす。

 

俊「(よし!なんとかいけた!)」

 

吉信「なるほど、確かに実力はあるようで・・・ですが・・・」

 

俊「っ!?」

 

だが、俊を嘲笑うかのようにもう一つの塊が落下してきた。

 

俊「くっ真眼を発動したせいで魔力が・・・!でもやらないと・・・!」

 

悠太「俊!一度交代して魔力を供給するんだ!」

 

俊「………」

 

さな「俊君…?」

 

俊「・・・いえ、このまま吉信を抑えます。」

 

悠太「なんだと!?」

 

吉信「ほぉ・・・」

 

さな「俊君無茶は駄目だよ!悠太さんの言うとおりにしないと!」

 

俊「大丈夫、僕には策がある。これは僕にとって最大の策だけど、同時に「諸刃の剣」にもなり得る技・・・でも、そんな悠長な事は言っていられない・・・!」

 

そしてそう言った俊はソウルジェムに手を当て、魔力を最大限に無理やり貯める。

 

さな「俊君!」

 

悠太「俊、もしやお前は・・・!」

 

俊「僕は、ずっと昔から何もかも中途半端で…いつも失敗ばかりだったけど……でも、健太さんと出会った事で、道が変わった…!だからこそ、僕は未来のための糧となるなら…死ぬことも怖くはない!!はぁああああ!!」

 

すると俊の周りから強力な衝撃波が走る。そして俊の眼は通常の真眼から大きく変わり、自身が窮地に陥った際に発動出来る真眼の究極形態となる「血継極眼」となった。

 

俊「これが、僕の最大の力だ!吉信!!」

 

吉信「まさかここまでの力を持ち、私を気圧するとは。」

 

俊「絶対に健太さんは死なせない!健太さんは皆の希望だ!行くぞ!吉信!!」

 

吉信「フッ、面白い!かかって来なさい染谷俊!!」

 

 

 

戦闘BGM「the epic remains forever」三國無双8

 

       「VS 八龍吉信」

 

吉信「健太一味の中では目立たなかった貴方がここまでの力を発揮するとは・・・その力を私の為に扱えば無駄にならずにすんだものを・・・!!」

 

俊「僕の力が無駄かどうかは貴方が決めることでは無いです!僕には僕なりの信念があるからこそこの考えに至った!未来のためにこの力が必要なら僕は喜んで使う!」

 

吉信「あなた方が望む未来は仮初の平和に過ぎない!夢幻術を発動することで争いも全て無くなる!」

 

俊「だとしても僕らはあなたの言う仮初の平和にならない為にも本当の平和を掴む!」

 

吉信「ちぃっ!うっとおしい!!」

 

そう言いながら血継極眼を発動した俊に吉信は押されていく。そして痺れを切らした吉信は地遁天星を発動する。

 

吉信「先ほどよりでかいのをお見せ致しましょう!!ぬおおおおお!!!」

 

俊「なんて大きさだ・・・!」

 

吉信「このデカさなら神浜一帯を消し飛ばせる力がある!さぁどうします俊!?」

 

さな「俊君!!」

 

俊「やるしかない・・・血継極眼・極光!!」

 

その瞬間、自身の魔力が更に力を増し巨大な塊を遠方に飛ばそうとする。しかしかなりの負荷を身体に乗せているために俊のソウルジェムにヒビが入る。

 

俊「ぐぅっ!?」

 

悠太「俊!それ以上はよせ!それ以上やればお前は死ぬぞ!」

 

さな「俊君!」

 

俊「僕はこんな所まで来て・・・止めるわけにはいかない!!絶対に負けないぃぃ!!」

 

俊の目から血の涙が出てくる。魔力を無理やり増幅しているせいで身体機能、特に目の視神経が壊れかけているがそれでも俊は極眼で塊を破壊しようとする。

 

俊「絶対にぃ!!負けてたまるかぁああ!「血継極眼・幻解」!!!はぁああああああああ!!!」

 

俊は最後の力を振り絞り降ってくる塊を破壊した。それを見届けた俊は静かに膝から崩れ落ちる。


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