健太「・・・・・・・ぅ・・・・」
みたま「おはよう健太君、どう、身体の調子はいい感じかしら?」
健太「・・・・・・えぇ、なんか身体中が温かい気がしますね。」
みたま「ふふっ、それなら成功ねぇ。」
意識が無くなった健太は数時間が立ってから目を覚まし、調整が成功し健太の身体は調整を受ける前よりグレードアップしていた。
健太「あ、そういや壮介と姉貴は・・・」
壮介「おぅ、目を覚ましたな健太。みたまさんはすげぇよ!さっきまでの感じとはえらい違いだぜ!」
ももこ「調整を受けたら能力とかも圧倒的に違いが出るからな。ホントに調整屋様々だよ。」
健太「そうか、そういやレナとかえでは?」
ももこ「あの二人ならもう先に帰ったよ。」
健太「あぁ帰ったか・・・感謝を伝えたかったんだがなぁ・・・」
ももこ「大丈夫、あたしが伝えとくよ。」
健太「ありがとう姉貴。」
みたま「・・・そういえば健太君。」
健太「ん?どうしたんすか?」
みたま「私ね、調整をする際にソウルジェムを触るとその人の過去が見えるの。」
健太「えっ、そうなんすか。」
みたま「それでね、あなたの過去も見えたんだけど・・・」
健太「?」
みたま「あなたは、何か記憶喪失になってない?」
健太「はっ?記憶喪失?いや・・・特に忘れてるような事はないっすね・・・。壮介は?」
壮介「いや、俺も特に忘れてるような事はないな・・・。みたまさん何かあったんですか?」
みたま「・・・ももこ、これ・・・伝えちゃっていいのかしら・・・。」
ももこ「・・・あたしが代わりに話すよ。実はね・・・」
そう言ってももこは健太と壮介に記憶喪失になっていないかという事を聞いてきた理由を話す。その理由を聞いた二人は深刻そうな顔をする。
壮介「マジっすかそれ・・・妹の存在を全員が忘れてるって・・・」
健太「妹が行方不明の自分と似たような境遇だなその魔法少女は・・・。」
みたま「そうなのよ・・・魔女の仕業かもしれないし理由はまだ分からないけど、何か些細なことでも知ってるかもって思って聞いてみたのよぉ。」
健太「・・・・・・本当に心当たりがねぇなぁ。すんませんみたまさん。」
みたま「良いの良いの、気にしないでちょうだい。あら?」
健太「ん?・・・っ!!」
「戻ったぞみたm・・・っ!」
すると調整屋の扉が開き中に入って来たのは年季の入った老人の男性であり健太を見た瞬間驚いた。
健太「おっちゃん!!」
「久しいな健太、神浜市に帰ってきていたのか。」
ももこ「おっちゃん、どこ行ってたんだ?」
「少しボランティア関連の仕事に行っていた。むっ?そこの少年は健太の友人か?」
壮介「は、はいっ!長崎壮介って言います!日は浅いですが健太の友人をしています!」
宗雄「そう固くならなくて大丈夫だ。私は「吉田宗雄」調整屋等で武器修理も行っている。にしても健太、お前がここにいるという事は・・・」
ももこ「そうだよ、見滝原って街で健太も魔法少年になったんだ。」
健太「あぁ、んでみたまさんに調整してもらって元気溌剌だ!」
宗雄「そうか・・・魔法少年になったのか。健太、右腕の「義手」の手入れは出来ていないだろう。私が修理するぞ。」
健太「お、良いのかおっちゃん!ありがとう!」
そう言って健太は右腕の服の裾を捲くりあげ手袋を取り銀色に光る義手が露わになる。
壮介「健太お前・・・義手だったのか。」
健太「数年前の事故で腕がトんでな、義手になったんだ。今はすっかり慣れたぜ。」
そう言って健太は右腕を差し出して宗雄が修理し始める。
みたま「・・・・・・」
ももこ「調整屋・・・」
みたま「ももこから話は聞いていたけど、健太くんの過去は凄惨だったわ・・・。」
壮介「・・・そんなに凄惨なんすか・・・?」
ももこ「あの時の事故はあたしのせいでもあるんだ・・・。あん時あたしが不用意な事しなきゃ・・・。」
健太「あの件は俺は気にしちゃいねぇし安心してくれよ姉貴。それに、あれはやりやがった奴が100悪いからさ。」
壮介「・・・なぁ健太、その過去って・・・。」
健太「ん?過去聞きたいか?」
壮介「・・・・・・」
健太「まぁ俺は全然良いけど、壮介自身が迷ってんなら今はまだ止めとく。覚悟が決まった時に話した方がダメージも少ないだろうし。」
壮介「・・・そうか、ごめん・・・。」
健太「気にすんなよ!俺達はダチだからな!」
宗雄「よし、錆を全て除去してオイルも塗ったから動きは良くなったはずだ。動かしてみろ。」
健太「よいしょ・・・おっ!めちゃくちゃ動く!」
そう言って健太は宗雄に右腕の義手を付けてもらい、動かすとさきほどまでぎこちなかったのがオイルを塗ったからかすんなり動くようになっていた。
宗雄「義手の錆がかなり入っていたからな、そりゃ動きづらいはずだ。」
健太「あぁ、だがこれでまともに魔女とか使い魔相手に戦えるぜ!」
宗雄「そうか、所でお前はまたなんで神浜市に来たんだ?」
健太「あぁ実はな・・・」
そう言って健太は神浜市に来た理由を宗雄に話す。
宗雄「行方不明になった友人を探しに神浜市に・・・なるほどな・・・。」
健太「探し回ってるんだが今だに見つからなくてなぁ・・・一体、どこに行ったんだろう・・・。」
宗雄「まぁ探し回っていればいずれ見つかるだろう。健太、神浜市で人探しとなるとかなりの距離を歩かなければならない。だからこいつを持って行くといい。」
宗雄は健太と壮介に直筆で書いた小さい紙を渡す。
健太「これは?」
宗雄「新西区にある「みかづき荘」という下宿があるんだがそこの家主とは知り合いでな、これを渡せばすぐに上げてもらえるだろう。」
壮介「その家主さんってどんな人なんすか?」
宗雄「むぅ・・・」
ももこ「結構説明するのが難しいけど・・・強いて言うなら「ドライ」な人かな・・・。そして結構気難しいタイプの人だよ。」
健太「姉貴が言うんならそんな人なんだな・・・。まぁビジネスホテルよりかはマシか・・・。」
壮介「大丈夫っす!俺達でその気難しい家主さんと打ち解けてみせますよ!」
宗雄「ふっ、お前達なら打ち解けられるだろうな。」
そう言って健太と壮介はももこ、宗雄と分かれ調整屋から去っていった。