健太達の前に現れたのは「天之人ヒミコ」かつて神浜を治めた絶対神である。二人は自然と汗が吹き出てくる。
悠太「(天之人ヒミコ・・・噂に名高いあの八龍仙人の母・・・!?)」
ヒミコ「・・・こやつら二人・・・アサマとアスハ・・・いや、イザナミとイザナギか・・・。」
レイゴウ「いや、違うぜ母上、奴らは高坂健太と松井龍二、二人の転生者だ。」
すると今度はヒミコの腕の中からレイゴウが現れる。
悠太「(あれは、レイゴウか・・・!?)」
龍二「(奴め、何か雰囲気が変わった・・・?)」
レイゴウ「クククッようやくだ・・・ようやく母上を復活させ、戻る事が出来た。」
健太「てめぇ、一体何者だ!?」
レイゴウ「俺の本当の名は「天之人レイゴウ」つまり母上の子供さ。「第三」のな。」
龍二「どういう事だ。」
レイゴウ「貴様らは知らないだろうが、母上はあの八龍仙人アサマとその弟アスハによって封印された。俺は母が封印される寸前に産み落とされた・・・母復活という大望を抱いてな。」
健太「八龍の爺さんが封印したのは外道魔獣だろ!」
レイゴウ「貴様は魔獣の事を勘違いしているようだ、あの魔獣の正体は神樹だけではなく、母自身でもあるんだ。」
龍二「なんだと?」
レイゴウ「これはアサマですら知らない真実だ。そして母復活のために動いていた事も。」
悠太「魔獣はヒミコだった・・・それが事実だとして封じられていた母親を復活させるためにお前は吉信に近づき利用したのか。」
レイゴウ「そうだ、昔の奴はこの世界に復讐心を抱きながら、魔法少年生活をしていた。そこで俺は奴の復讐心を更に駆り立て、あたかも奴を崇拝する同志として活動し夢幻術まで導いた。大量の魔力を集める事が出来る夢幻術こそが母を復活させる唯一の方法だったからなぁ。まぁ、俺は吉信だけではなくあらゆるものを利用した。妹イザナミに対するイザナギの嫉妬心を煽り、奴らの子孫、高坂一族、松井一族も俺の思うがままに操作した。」
悠太「人も、意志も、伝承も、歴史も、お前は全てを利用したというのか!?」
レイゴウ「それが俺の存在理由だからな。母のいない間に全てを記録し、全てを作った。そう、つまり貴様らが歩んだ道は・・・魔法少年少女の物語は母が復活するための物語だったというわけだ!」
健太「てめぇ・・・・・・!」
レイゴウ「健太、そう睨んでも意味はないぞ?なぁ、母上?」
健太・龍二「「っ!」」
そう言ってレイゴウはヒミコを見る。するとヒミコは涙を流して静かに泣いていた。
レイゴウ「あぁそうか、ずっと封じられていたからな、子供の面影を思い出したか・・・無理もない。だが奴らは母上の魔力を奪った敵だ。」
ヒミコ「そう、その通りだ・・・お前達が憎い・・・!」
宙に浮いていたヒミコは凄まじい圧を放ちながら地に降りてくる。
健太「来るぞ・・・とんでもないのが・・・!」
龍二「ああ・・・!」
ヒミコ「アサマ、アスハ・・・お前達は・・・ワラワのもの・・・!もう一度魔力を、一つにする!!」
龍二「健太!分かってるな!?」
健太「ああ・・・!俺達でもう一度封印するぞ!」
そう言って二人は向かってくるヒミコと激突する。
戦闘BGM「kaguya Otsutsuki the violet goddess」
「VS 天之人ヒミコ&天之人レイゴウ」
健太「くそっ、なんて魔力だ・・・勝手に汗が吹き出てくる!」
龍二「吉信やワルプルギスの夜の比じゃない!こんな化け物がいるとはな・・・!」
レイゴウ「クククッ、せいぜい怯え苦しみ、無様に散るがいい!」
二人はヒミコとひたすら交戦する。ヒミコの攻撃範囲はかなり広く八龍仙人の力を得た二人でも苦戦するほどであった。
健太「くっ!攻撃の規模がすげぇ・・・!」
龍二「健太!奴はまだ完全な力を出していない!分かってるな!?」
健太「ああ!」
二人が攻撃を続けると突如空間が溶岩洞窟の空間に変わる。
健太「なっ!?」
龍二「空間が変わった!?これも奴の仕業か!」
ヒミコ「ここはワラワの空間、お前達は何も出来ぬ。」
健太「この野郎・・・中々うぜぇ技持ってやがったか!」
龍二「このまま押し切るぞ!」
健太「よし!この調子だ!」
レイゴウ「おいおい、まさか圧しているとでも思ってるのか?」
健太「ちっ・・・封じるも何も隙を見つけるだけで精一杯だぜ!」
そして再び空間が変わり、今度は辺り一面が砂で覆われた空間に飛ばされる。
健太「またか!?」
龍二「こうも自在に空間を操るとは・・・奴は本当に「魔法少女」と呼べる存在なのか!?」
レイゴウ「母上とお前らとでは実力が違いすぎるんだよ。」
また空間が変わり次は辺りが氷の空間に飛ばされる。
健太「また空間が変わった!龍二、気をつけろ!」
龍二「分かってる!!」
二人は苦戦しながらも攻撃を続けるとヒミコの攻撃が一瞬鈍る。二人はそれを見逃さなかった。
健太「っ!動きが鈍った!」
龍二「今だ、健太!!」
二人は利き手をヒミコ目掛けて当てようとするがかわされ逆に二人が吹き飛ばされる。
レイゴウ「母上、チャンスだ!」
健太「うぉああっ!?」
ヒミコが腕を押し出すと氷の壁が健太と龍二まるごと封じ込める。
健太「くそっ・・・動けねぇ!!」
レイゴウ「クククッ、いい気味だ。さて、そろそろ止めを・・・っ!」
ヒミコ「っ!」
悠太「はぁはぁ・・・そいつらはやらせんぞ・・・!!」
レイゴウ「ちぃ、雑魚のくせによく粘るじゃないか?あぁ?」
健太「悠太さん・・・マミ・・・!」
龍二「獄炎!」
龍二はひび割れた氷の隙間に獄炎を浴びせ突破しようとする。
悠太「まだ、時間は掛かりそうだ・・・それまで、俺がやつの動きを止め・・・ぐっ・・・!?」
レイゴウ「クハハハ!もうボロボロじゃあないか!さっさと諦めたらどうだ?貴様は失敗だらけのゴミだからなぁ!」
悠太「くっ・・・!」
悠太は片膝を付き悔しながら目を瞑る。すると悠太の前からある声が聞こえる。
「何そんな顔しとんのや悠太。」
悠太「っ!?・・・藤村!?」
悠太が目を開き視線の先には死んだはずの藤村通がいた。
悠太「藤村、なんで・・・」
通「まぁ、身体は無くなっても魔力は無くならんっちゅうわけや。・・・それより、俺はお前を助けに来たんや。」
悠太「助けに、来ただと・・・?」
通「せや、お前は利き目の神威義眼取られて大幅に魔力が減少しとる。せやったら俺の魔力で再び開眼してみたらどうや?」
悠太「だが出来るのか・・・?そんな事が・・・」
通「まぁ無いよりはマシやろ。俺はお前があんな化け物相手に苦戦するのは見とぅないし。」
悠太「お前・・・」
通「へっ、そんなんはどうでもええねん。」
そう言って通は悠太に近づき、両手を悠太の目に当てる。
通「今なら行けるで!さぁあの馬鹿な神様にお前の真の力を見せたれ!「両目開眼」した今がチャンスや!」
すると悠太の身体全体に凄まじい魔力が流れ、目を開くと両目を神威義眼に開眼させた。
悠太「この力は・・・!ありがとう、藤村!!」
レイゴウ「なっ!無くなったはずの神威義眼が再び開眼しただと!?だが、そんな力を得たところで母上には勝てん!」
悠太「ふん、やってもいないのに勝手に決めつけるなよ!巴、お前の力も借りたい!行けるか!?」
マミ「ええ!任せて!」
悠太「よし!行くぞ!!」