健太と龍二の最後の闘い
最終章 「古の血を継ぐ者」
アサマ「さて、ワシはそろそろ去るとする。最後にもう一度お前達に問うが、健太と龍二、母ヒミコと戦い己の出した答えに変化はあったか?」
健太「いや、答えは変わらねぇ。仲間を守りたいってのは昔からの望みだからな。」
アサマ「フッ、そうか。」
健太「あ、そういや夢幻術に掛かった人達を助けないといけないんだが、どうやって助けたらいい?」
アサマ「解術の仕方は簡単だ。八龍の魔力を持つ健太と輪廻万華鏡義眼を持つ龍二が互いに「印」を結ぶ事で解除となる。」
健太「お、結構簡単なんだな。よし、龍二!やろうぜ。」
そう言って健太は手を差し出し龍二に歩み寄る。
龍二「・・・ああ。」
アサマ「よいのか?あの時のお前の答えは・・・」
龍二「奴らを解放する事は構わん。だがまずは、この中にいる神浜市長を殺してからだ・・・!」
悠太・マミ「「っ!?」」
健太「・・・・・・」
悠太「龍二、お前はまだ復讐を望むというのか!?」
龍二「・・・・・・・」
アサマは数時間前、精神世界で健太と同じ問を龍二に掛けていた。
アサマ「龍二、お前は何がしたい?この戦いの果てに何を望む?お前の正直な答えが聞きたい。」
龍二「今までの神浜市長が東西の確執を作り、この状況を作った。だから、俺が英雄となってこの街を変える。」
アサマ「そのお前の言う「英雄」とは…どういう意味だ?」
龍二「そんなに知りたければ教えてやる。確かに、かつての俺はただ破壊を望み復讐だけが目的だった。だが今は違う。破壊し、そして作り変えるんだ。闇を抱えない街を・・・世界をな。つまるところ、俺の掲げるものは「革命」だ!」
そう言って龍二は手を合わせ地遁天星を発動する。
龍二「地遁天星!!」
十間「ぬぉっ!?」
健太「十間!?」
十間「け・・・健太ぁ・・・!」
健太「俺が必ず助け出す!だから少しの間辛抱していてくれ!」
龍二が発動した地遁天星はキモチ達に瓦礫が覆い尽くし、瓦礫は具道玉と同じ数で宙に浮いた。
龍二「これで邪魔者はいなくなった。お前以外はな…健太…。」
アサマ「うまく行かぬものだ・・・結局はイザナミとイザナギと同じ道を歩むのか・・・。」
健太「・・・いや、兄妹喧嘩はここで終いにするぜ。」
龍二「・・・場所を変える。お前なら分かるな?」
そう言って龍二は見滝原と神浜を隔てる先にある「共鳴の谷」へ歩く。だが、マミが龍二へ今までの思いを言い放つ。
マミ「・・・私は!私にはどうする事も出来ないって本当は分かってる!龍二君をこんなに思ってるのに・・・大好きなのに!寄り添うことも出来ずにこうやって駄々こねてこうやって泣くしかない・・・みっともないよね、ホント・・・!」
健太「マミ・・・」
マミ「でも龍二君!少しでも私の事が心の隅にあるなら・・・お願い!もう遠くへ行かないで!!」
龍二「・・・お前は本当に、うざいな。」
マミ「っ!龍・・・二・・・く・・・」
悠太「巴!」
健太「マミ!?龍二てめぇ!マミにまで幻術をかけることはないだろうが!?」
悠太「・・・俺はお前達のそう言った事情は分からない。だが、この巴マミという少女がお前に対し好意を抱き、そしてお前を助けようとしている事が分かる。だからこそ巴はお前を愛して苦しんでいるからだ・・・!」
龍二「・・・それが、失敗した過去の、縛りなんだろうな。」
悠太「(龍二・・・!)」
そう言って龍二は共鳴の谷へ向かい、健太もまた己自身に覚悟を持っていた。
悠太「健太・・・?」
健太「・・・昔に、約束したんだ。俺が必ず龍二を取り戻すって。だから行ってくる・・・!」
健太も共鳴の谷へ向かい、健太はもう遠くへ行かせないために、最後の戦いへ向かう。
−共鳴の谷−
健太が共鳴の谷につくと滝を挟んで健太と龍二が互いに相まみえる。
健太「やっぱここか、思ってた通りだったぜ龍二。」
龍二「見滝原中学の時と同じだ、お前はまた負ける。」
健太「あの時と同じ攻撃はもう喰らわねぇ。ドームで戦った時もそうだしな。それに、「英雄」の証は渡さねぇ。お前が「英雄」の意味を理解していないからな。」
龍二「俺の望みは「革命」だと言ったはずだ。俺の言う「英雄」とは、お前のそれとは違う。」
そう言って一息ついて、話す。
龍二「松井夢乃・・・影に生きた姉の生き様はお前も知っているだろう。俺の思う「英雄」とは正にそれだ。闇に居ようと街を思い、一身に憎しみを受けようと平和のために行動する。そのためならどんな事があろうと己の手を汚そうとも構わない・・・そこで生まれた憎しみは俺が受け持つ。俺には両親も姉もいない、ただ一人、全ての憎しみを一人で背負う事が出来る。俺の言う「英雄」とは、全ての闇を己の炎で焼き尽くしその灰を喰らって生き続ける者だ・・・!」
健太「お前は夢乃さんの生き様を分かってねぇ!一人だけじゃ出来ない事だってあんだ!ヒミコの戦いでもそうだったろうが!」
龍二「それは上手くいくだけじゃない・・・。結局、今この世界に必要なのは革命なんだ!これまでの過去の闇は俺が処理し、完全なる白の未来を一から始めていく。」
健太「その為だけにお前は、俺達の思い出まで切っちまうのか!?」
龍二「ああ・・・俺は過去を切り捨てる。」
健太「くっ・・・切らせねぇ!俺は全部過去の人達から学んできた、仲間がいるから前に進んでこれた!今の俺を作ってるもんだ!絶対に切らせるわけにはいかねぇ!」
龍二「フン・・・なら、どうすればいいか分かるな?」
健太「くっ!やるしか無いか・・・!」
そう言って健太と龍二は崖から飛び降り、健太は八龍仙人モードとなって龍二と対峙する。
龍二「健太ぁああ!!」
健太「龍二ぃいい!!」
戦闘BGM「Naruto&sasuke's Final Fight」ナルスト4
「VS マギウス総司令会長 松井龍二」
健太「過去を切り捨てるだと!?お前にとっちゃ俺達が今まで築き上げた思い出はどうでもいいのかよ!?」
龍二「そうだ!今の俺にそんなものは必要ない!」
健太「マミはどうなるんだ!マミはずっとお前の事を・・・!」
龍二「思い出や愛情、そんなものはただの縛りにしかならない!俺の成す革命にそんな甘いものは必要ない!!」
健太「必要ない!?ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ龍二ぃ!!」
二人はお互いに魔力を消耗しながらもプライドのために戦う。そして龍二は壁に張り付き技を発動する。
龍二「お前はここで果てるんだ!健太ぁ!!燃え尽きろ!「火術・火炎剛龍神」!!」
健太「くっ!オラァ!」
健太も龍二の攻撃をかわし壁で交戦する。
龍二「後はお前さえ切れれば俺の望みは叶う!」
健太「何度も言ってんだろうが!切らせねぇって!」
龍二「そのしつこさは変わらないなお前は!!」
健太「これが俺の筋道だ!お前も分かってんだろ!?」
龍二「ならば、その筋道ごとお前を切るだけだ!」
健太は龍二を攻撃し水の上に引きずり降ろす。そして龍二は距離を置く。
龍二「ちぃ!お前さえ居なくなれば俺の「革命」を邪魔する者はいない!はぁああああああ!!!」
龍二は革命のウワサを発動し健太に襲いかかり健太も十間モードを発動し互いに拳を当てる。そしてウワサの剣撃を全て防ぎ切る。そして上空に飛び、さっきキモチを封印した地遁天星を引き寄せ革命のウワサに魔力を更に吸収し、より強力な力を持った「真・革命のウワサ」となる。
龍二「このウワサで終わらせ、全てのケリをつける!」
健太「させるかよ!俺と十間でお前を食い止める!」
そして健太は分身で2体の十間を出現させ合体し顔が3つになり、身体に刻印が入った「阿修羅十間」となる。
健太「そして、歴史や仲間、皆の繋がりを守る!もちろん・・・!!」
龍二はウワサで弓を引く「イザナギの弓」、健太はありったけの魔力を込めた「超大玉旋風丸」を発動する。
健太「お前との繋がりもなぁ!!」
二人は互いに技を投げる。衝突した技は大爆発を起こし、健太と龍二を飲み込む。
健太「ぐぅっ!!」
龍二「くっ…!」
飲み込む最中、龍二も健太に対し僅かな感情が芽生え始めていた。
龍二「(何故だ、何故そうまでしてお前は俺に執着する・・・!もう散れ、散ってくれ!!)」