魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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終章 新たなる夜明け

その後、健太達は神浜市に戻り、神浜市にそびえ立つ最大のビル「神浜セントラルタワー」の屋上に向かい、そこから生えている神樹に向けて二人が片手を繋いで術を発動する。

 

健太「やろうぜ。」

 

龍二「ああ。」

 

健太・龍二「夢幻術・解!!」

 

    BGM「出陣」ナルト疾風伝

 

術を発動すると神樹の根はゆっくりと地面へ潜り、囚われた魔法少年少女達、一般市民が次々と解放されていく。この際キモチ達も解放されそれぞれ人々が寄り付かないキモチの結界に入り、静かに眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

      それから数ヶ月後・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    −2019年 3月末 見滝原中学校−

 

 

 

 

桜が舞う3月末、この日高坂健太、松井龍二、巴マミが見滝原中学校を卒業する。卒業式を終え、健太はグラウンドでまどか達に祝福された。

 

四人「健太先輩、卒業おめでとう!(ございます!)」

 

健太「おう、ありがとな!」

 

さやか「いやぁ〜健太先輩達がいなくなると寂しくなるなぁ〜。」

 

まどか「龍二先輩とマミさんも卒業だもんね。」

 

杏子「まぁ卒業っつっても会えない訳じゃないし、暇さえあればいけるだろ。」

 

健太「フッ、まぁすぐに会えなくなるのはあれだけど時間さえありゃあまた戻ってくるさ。」

 

ほむら「この数ヶ月間は色々な事がありましたね。」

 

健太「全くだ、卒業までに色んな事があったからな。」

 

そう言って健太は数ヶ月前を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 −数ヶ月前 神浜市 神浜セントラルタワー前−

 

 

 

 

術を解除し終えた健太は悠太に、龍二はマミに肩を貸してもらいながら入口まで歩いていた。

 

健太「痛てて、すんません悠太さん・・・」

 

悠太「全然構わない。寧ろお前達は本当に良くやった。」

 

健太「ヘヘッ、あざっす・・・。」

 

龍二「・・・・・・」

 

マミ「龍二君大丈夫?」

 

龍二「・・・ああ。」 

 

健太「お、入口が見えた。」

 

そして悠太がセントラルタワーの入口の扉を開け、外に出るとそこにいたのは・・・

 

健太「っ!皆!!」

 

いろは「あっ!健太さん!」

 

そこにいたのは神樹から解放された魔法少年少女達だった。そして健太の姿を見た鶴乃とフェリシアが健太に飛びかかる。

 

鶴乃「健太君・・・!健太くぅぅぅぅん!!」

 

フェリシア「健太ぁぁぁ!!!」

 

健太「ぐへぇ!?・・・つ、鶴乃姉さ、フェリシア・・・。」

 

鶴乃「良かったぁ・・・無事で良かったよぉぉぉ!!ふぅぅん…!」

 

フェリシア「健太ぁ!健太ぁ!!」

 

健太「二人とも・・・」

 

やちよ「ちょっと、二人とも抱きつくのはいいけど加減しなさい。健太君怪我人なのよ?」 

 

鶴乃「あ、そうだった。」

 

フェリシア「ごめん、健太・・・」

 

健太「いや、大丈夫だ。やちよさん・・・」

 

やちよ「健太君・・・」

 

そしてやちよは健太に近づき優しく、静かに抱きしめる。

 

健太「っ!やちよさん・・・」

 

やちよ「本当に無事で良かった・・・」

 

健太「すんません、やちよさん・・・心配かけました。」

 

俊「健太さん!」

 

健太「俊・・・」

 

俊「っ!健太さん腕が!?」

 

健太「ああこれか…龍二と喧嘩した代償だ。まぁ腕で済んだだけまだマシだ。ハハハ。」

 

俊「笑えるだけ本当に無事で良かったです・・・。」

 

健太は色んな人々から心配と称賛を受ける。それを静かに龍二は見ていた。

 

龍二「・・・・」

 

マミ「龍二君・・・あらっ?」

 

龍二「ん?お前は環ういか。」

 

うい「龍二さん。」

 

すると環いろはの妹のういが龍二に話しかけてきた。

 

龍二「・・・どうした?」

 

うい「龍二さんも腕が無くなってるから・・・大丈夫かなって。」

 

龍二「俺の心配をしていたのか。」

 

うい「うん、だって龍二さん、一人で寂しそうだったから…。」

 

龍二「フッ、寂しい、か・・・俺は常に一人だと思いこんで回りを遠ざけていた・・・だが健太やマミ以外にも、俺の内側を見てくれていた者はいたんだな。」

 

うい「龍二さん……。」

 

健太と龍二はこのまま新たに治療を受け、健太と龍二共に全治2ヶ月という判断となった。そして後に松井龍二の裁判が行われ、今回も桜子が裁判官の役割を請け負う。ただし、前の様なものではなく今回はキチンと裁判の基礎を灯花とねむが入れた。そして第一審では龍二は「無力化刑」となったが・・・

 

 

 

 

桜子「I判決を言い渡しますI」

 

龍二「・・・・・・」

 

桜子「I松井龍二、あなたを「監察」にします。」

 

龍二「「監察」だと?」

 

桜子「Iはい、あなたは今回神浜市で起きた事件の主犯格でありマギウスやネオマギウスにおいて裏で暗躍し神浜市の魔法少年少女を巻き込んだ。よって本来であればあなたは「極刑」か「無力化刑」が妥当ですが、あなたは吉信が企てた第3次神浜東西戦争にて神浜マギアユニオンと協力して吉信の野望を食い止め、夢幻術解除の功績を称え「監察」処分が妥当であると判断しました。」

 

龍二「・・・そうか。」

 

桜子「Iそして何より松井龍二、あなたの刑が減刑された決定的な理由は「高坂健太、巴マミによる嘆願」が大きかった事によるものですI」

 

龍二「嘆願・・・健太やマミらしいな。」

 

松井龍二が監察処分を受けて見ていた健太はホッとしていた。

 

健太「いやぁ〜皆に頭下げたかいがあったぜ…。特に謙吾達を説得すんのに時間かかったからなぁ〜。」

 

いろは「本当に良かったです、神浜の皆さんも認めてくれて。」

 

俊「確かに健太さんだけじゃなくて龍二さんもいなかったら僕らは下手したら死んでたかもしれませんから感謝する所はしないといけませんね。」

 

健太「んじゃまぁ、皆で調整屋さんの所に行こうぜ。」

 

そう言って健太達は皆で調整屋の所で向かう。あの東西戦争の後、龍二は調整屋で意識を取り戻し少しずつ魔力が回復していた。その際に健太は灯花、ねむが共同で開発した専用の義手を取り付ける。義手は2つ作られ、勧めたが龍二は自分の戒めのために義手の装着を辞退し隻腕となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「んでまぁそれから龍二は今まで神浜にしてきた罪滅ぼしや贖罪の為に「新生マギウス」を創設して散り散りになった何人かの元羽根を集めてマギアユニオンのバックアップをするんだってさ。」

 

さやか「龍二先輩自分なりにケジメをつけようとしてるんだね・・・でもなんでマギウスの名前を残したんだろ?」

 

健太「多分だが、神浜の魔法少年少女達に対する贖罪のためにわざと「マギウス」の名前を残したのかもな。「新生マギウス」として新たに活動する龍二の活躍に期待だな。」

 

まどか「ですね、所で龍二先輩とマミさんは?」

 

健太「ああ、あいつらなら。」

 

そう言って健太は中学校の屋上に目線を移す。屋上では龍二とマミが二人きりになっていた。

 

龍二「後輩たちの元に行かなくていいのか?」

 

マミ「いいのよ、たまにはあなたと二人きりになりたいもの。」

 

龍二「そうか・・・。」

 

龍二・マミ「「・・・・・・」」

 

龍二「なぁ、マミ。」

 

マミ「何?」

 

龍二「・・・俺はお前に対し、散々な事をしてしまった…。お前が昔から俺に好意を抱いていながら俺はお前の気持ちを無視し、拒んでいた。」

 

マミ「・・・・・・」

 

龍二「俺は、お前が思っているほど出来た人間じゃない・・・そんな俺が、お前の気持ちに答えられるか・・・。」

 

マミ「私だって出来た人間じゃないわ。人間は失敗して学ぶもの。確かにあなたのした事は大罪に等しいものかもしれない・・・でも私は、あなたに着いていきたいと決めたの。だから、答えられるか答えられないかじゃない、私達でそれを築いていきましょう!」

 

龍二「マミ・・・・・・」

 

マミ「龍二君は、昔の出来事が原因で甘えることが臆病になって大切な物をいつか失うって思っちゃってる。けど私は大丈夫、絶対に龍二君の前からいなくなったりはしないから。」

 

龍二「ああ。・・・マミ。」

 

マミ「なに?」

 

龍二「・・・大好きだ。」

 

マミ「フフッ、私もよ、龍二君。」

 

そう言って二人は静かに抱き締める。この日龍二の全ての肩の荷が降り、マミの恋が成就した。

 

健太「あいつらも良かったな…。さて、んじゃそろそろ行かなきゃならない場所があるからまたなんかあったら連絡してくれ。」

 

まどか「はい!」

 

そう言って健太はある場所へ向かうため、見滝原中学校を後にした。その場所とは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     −神浜市 神浜中央霊園−

 

 

 

健太「よぉ、終わったぜ皆。」

 

健太が向かった先は神浜市の霊園墓地だった。花を買い四人の名前「高坂影信」「高坂恵理子」「高坂由美」「藤村通」の名前が刻まれた墓前に花を備える。

 

健太「卒業までの間に挨拶に行けなくてごめんな。色々後始末が大変でよ。俺は親父達から色んな物を学んだ。俺は皆の意志を継いで生きていくから、俺の生き様をあの世から見ていてくれ。」

 

そう言って健太は墓前に手を合わせ、四人を弔う。すると足音が聞こえ振り向くとやちよとみふゆ、悠太、十六夜が来ていた。

 

健太「やちよさんにみふゆさん達じゃないっすか。」

 

悠太「健太か、卒業おめでとう。お前も去年に比べて貫禄が出てきたな。」

 

健太「いやぁ〜貫禄が出てきたってそんな。」

 

十六夜「いや、悠太の言う通りだ。去年の健太はまだ青臭かったが東西戦争を経てからお前は劇的に成長した。良くやったな。」

 

健太「ありがとうございます、やちよさんとみふゆさんはかなえ先輩とメル先輩と立明先輩の墓参りっすか?」

 

やちよ「ええ、後藤村君もね。」

 

みふゆ「藤村君に挨拶しないといけませんから。」

 

そう言ってやちよとみふゆも墓前に手を合わせる。そして健太は空を見上げる。

 

健太「(今までの戦いで命を落とした魔法少年少女達・・・俺は皆の意志や思いを引き継いで生きていく、それが俺の役目でもあり、古の血を継ぐ者としての役目だから。)」

 

健太は空に向かって拳を突きつける。意志や思いを継いで新たな道を歩む健太の魔法少年人生はまだまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  魔法少年ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者

           完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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