魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第5話

健太「時間立つの早いな、もう夕方か。」

 

壮介「早くそのみかづき荘って下宿を見つけねぇとな。」

 

調整屋を出ると日が沈みかけており時刻は17時を示していた。健太達は紙と一緒に地図も渡されていた為、地図に沿ってみかづき荘まで目指す。

 

健太「んっ?」

 

壮介「この感じ、近くに魔女の結界があるな。」

 

健太「よし、なら試しに交戦しようか。」

 

そう言って健太と壮介は近くの路地裏へ向かい、魔女の結界を出現させた。

 

健太「んじゃま、入るか。」

 

壮介「あぁ、いくz「待ってください!」っ!?」

 

健太「っ!」

 

二人が魔女の結界に入る直前何者かに呼び止められる。二人は驚いて背後を向くと、そこにはローブを被った6人の魔法少年と魔法少女達が立っていた。

 

「あの・・・!その結界を壊さないで下さい・・・!」

 

健太「はっ?結界を壊さないで下さいだぁ?」

 

壮介「おいおい、いきなり現れて何を言い出すかと思えば、結界を壊すなってどういう事なんだよ?」

 

健太「それにお前ら全員なんでローブなんか被ってんだ。姿隠さなきゃいけない理由でもあんのか?」

 

「・・・我々は今、ある計画の為に「ウワサ」を広めなければならない。だから余計な詮索はせず引いてほしい。」

 

健太「悪いが断る。お前らにどんな理由があれど魔女結界を見つけた以上・・・ってちょっと待て。お前今「ウワサ」って言ったな?なんだそれは?」

 

壮介「逆に詮索をしなきゃいけねぇ理由が出来ちまったぜ。ウワサって奴は魔女と違うのか?」

 

「・・・・・・」

 

健太「答える気はないか・・・まぁいいや、壮介。」

 

壮介「おぅ、結界潰すか。」

 

「っ!させないぞ!」

 

健太「おっと!」

 

壮介「そう来ると思ってたぜ!ウラァっ!!」

 

「ごほぉっ!?」

 

健太と壮介が結界を潰そうとするとローブの一人が防ぐために攻撃を仕掛けるが健太は躱し壮介がカウンターで回転蹴りを食らわせる。

 

「うぐぉぉぉぉぉ・・・!」

 

健太「これはいいの入ったな。」

 

壮介「部活でサッカーしてたからな、これでも一応手加減はしたんだぜ。」

 

「く、くそ・・・」

 

「争いは避けられないんだな・・・!」

 

そう言ってローブの魔法少年少女達はそれぞれ武器を出して構える。

 

健太「お前らが先に仕掛けてきたからだろうが。お前らには聞かなきゃいけないことが山程あるからな!」

 

壮介「そもそも、お前らが何者かを先に白状させてやるよ!!」

 

   戦闘BGM「scenario battle」龍が如く7

 

      「VS 謎の魔法少年少女」

 

健太「(数は6人で武器は全員鉤爪・・・まるで暗殺者集団だなこりゃ。なら・・・!)」

 

健太は一度距離を取り鉤爪の弱点を掴む。

 

健太「鉤爪はリーチが短い!壮介!」

 

壮介「ああっ!リーチ差はこっちが有利だ!オラッ!」

 

「うわぁっ!?」

 

壮介「命までは取らねぇ、けど・・・!」

 

「ぐふぅっ!?」

 

壮介「しばらく動かなくなっててもらうぜ!」

 

壮介は槍を振るいローブの魔法少年を転ばせ、そこからジャンプして倒れた魔法少年に鳩尾に強烈な肘鉄を食らわせた。一方の健太はリーチ差を活かして豪快に振り回し、更に自身が鍛えていた事もあり近接攻撃を積極的に仕掛けていた。

 

健太「おっしゃあぁっ!!」

 

「「「うわぁああああっ!」」」

 

壮介「おぉおぉ、エグいな・・・もう全滅かよ。俺まだ2人しかやれてねぇのに。」

 

健太「たまたま4人がこっちに来たからな、それにしても・・・」

 

壮介「あぁ・・・こいつら、そんな強くねぇな。」

 

「「「「うぅぅ・・・」」」」

 

健太と壮介の猛攻でズタボロに敗北した魔法少年少女達は完全に伸びていた。だが気絶まではしていないため健太が一人に話しかける。

 

健太「おい、お前ら何者だ?なんであの結界をそんなに守ろうとすんだ?」

 

「そ、それは・・・」

 

「おぉおぉ、随分派手にやられたなぁお前ら。」

 

健太・壮介「「っ!」」

 

健太が魔法少年に話しかけていると何処からともなく一人の青年が現れる。

 

「俺の仲間が随分世話になったみてぇだな。」

 

壮介「何者だお前・・・こいつらのリーダーか?」

 

「まぁリーダーではあるが、ちぃとばかし違うねぇ。ざっくり言えば俺のポジションは「上の中」って感じだな。」

 

壮介「あぁ?」

 

健太「上の中だと?」

 

「お前らこいつらの正体がそんなに知りたいなら教えてやるよ。俺達はな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    「「マギウスの翼」って組織だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「「マギウスの翼」だと・・・?」

 

久之「そうだ、んで俺はそのマギウスの翼の幹部「中川久之」ってんだ。」

 

 

 

    「マギウスの翼幹部 中川久之」

 

 

 

 

壮介「・・・カルト宗教みたいな名前の組織だな。」

 

久之「カルト宗教ってのは語弊があるなぁ。俺達組織のスタンスは一応「来る者拒まず去る者追わず」だぜ。」

 

健太「んな事はどうでもいいんだよ。お前らマギウスの翼って組織はなんでこんな明らかに害がある魔女を・・・いや、「ウワサ」ってやつを守る必要があるんだ?」

 

久之「・・・はぁ、このボケが・・・。」

 

「ひっ・・・」

 

久之「・・・確かにこいつらが言った通り俺達はそれを守ってる。だが、なんで守るかってのはこちらにも守秘義務ってのがあるんだ。」

 

壮介「守秘義務だと・・・」

 

久之「そうだ、なら俺と交渉しねぇか?」

 

健太「・・・・・・」

 

久之「見た所、お前らは明らかに強い。そこで俺があんたらにそう言った情報を教える代わりにマギウスの翼に入って貰うっていう事だ。」

 

壮介「はぁ?なんでそうなるんだよ?」

 

久之「そりゃそうだろう。謂わば等価交換ってやつで何かを得るためには何かを犠牲にしなきゃいけない。つまり俺が情報を教える代わりにあんたらはマギウスの翼に入って戦力となるんだ。」

 

健太「・・・・・・なるほどな。確かにお前の言う通りだと思う。」

 

久之「そうかそうか!なr「だが。」・・・あっ?」

 

健太「多分これは俺の勝手な思い込みだがお前の言うマギウスの翼は随分神様みてぇな組織なんだろうが俺からしたらさっき壮介の言った通り、カルト宗教にしか見えねぇ。」

 

久之「つまり、交渉は決裂って事か?」

 

健太「交渉も何も、お前らがそう言い訳してるようにしか聞こえねぇよ。」

 

久之「そうかそうか、そいつは・・・残念だったなぁ!」

 

壮介「っ!健太!」

 

健太「っ!?」

 

そう言って健太は近づいてきた久之の不意に出したナイフを間一髪避ける。しかし完全な不意打ちだった為に健太は頬に切創ができ、血が滴り落ちる。

 

健太「(ちぃ・・・完全な不意打ちだった!躱しきれなかったか!)」

 

久之「びっくりしたろ、俺はこれでもナイフ捌きには自信があるんだよ。」

 

そう言って久之は健太の血が付いたナイフを健太に向ける。久之の持つナイフは持ち手がトゲの付いたメリケンサックと合体した特殊な武器である。

 

健太「交渉が決裂したから暴力で従わせるつもりか・・・!壮介は手ぇ出すなよ!」

 

壮介「わ、分かった・・・!」

 

久之「今日は小手調べだ。悪いが・・・小手調べで死んでくれるなよ!?」

 


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