真司「本当はもっと戦わなければいけないところですが、約束通りパスワードはお譲りしましょう。私は用事がありますので失礼致します。天音さん行きましょう。」
天音姉妹「「はい・・・。」」
フェリシア「行かせるか!」
やちよ「はい、ステイ」
健太「行かせてやれフェリシア。」
真司は腹を擦りながら天音姉妹と共にこの場を去ろうとする。しかしフェリシアが足止めしようとするが健太が止めに入る。
健太「あんでだよ!?」
健太「あいつらの態度を見りゃ電波少女とアイの事はホームページを見れば分かる。」
やちよ「そうよ、あまり無駄なエネルギーは使わない事よ。」
フェリシア「う〜・・・ガウガウ・・・」
いろは「それじゃあパスワードを入れてみますね。」
そう言っていろははホームページにパスワードを打ち込む。するとホームページのロックが解除される。
いろは「「神浜都市伝説辞典」・・・?」
健太「なんか神浜うわさファイルみたいだな。」
やちよ「一緒にしないでくれる?ほら、ここに載ってる噂を見てみなさいよ。よく見たら「ただの噂」だし検証だってされてないみたいじゃない。」
健太「お、おぉ・・・すんません。あっ、でも電波少女はちゃんと載ってるみたいっすよ。」
噂が載るホームページには電波少女の噂も記載されていた。
まどか「これが、電波少女・・・?」
健太「ああ・・・まじで空気が喋ってるような感じだったんだ。」
やちよ「だけどこれといって新しい情報はないわね・・・。」
ほむら「あ、見て下さい。電波少女が生まれる原因って書いてあります。」
いろは「これは・・・」
健太「なるほどな、アイが見せたかったのはコレなんだな・・・。」
続きを読むと「ウワサ」に繋がる語り口が書かれてあり、更にひとりぼっちの最果てに必ず一人を監禁するといった内容が記されていた。
やちよ「この語り口・・・それに・・・」
いろは「やっぱりさなちゃんはアイさんの所にいるんですよ!」
健太「さっきの内容の通りなら救いを求める声が楽しい声になったんなら、誰かが解放されて二葉さなが監禁されたかもしれないな。」
俊「(・・・他の人は救いを求めていたのにさなちゃんだけは楽しそうになっているって事は・・・もしかしたら・・・。)」
健太達が考察を繰り返してる中、俊は直感的に思い当たる節を考えていた。
やちよ「彼女がウワサだって認めるしかないわね。信じがたい事だけど連絡を取ってみましょうか。」
健太・いろは「「はい。」」
そうして健太といろはは再びアイに連絡を取る。
フェリシア「ここまで分かったんならいいじゃん!早く行こうぜ!」
いろは「うん、もちろんだよ。」
健太「まどかとほむら、俊もそれでいいか?」
まどか「はい、マミさんもいるかもしれないしさなちゃんも助けてあげないとね。ほむらちゃんもそれでいい?」
ほむら「うん、私も行くよ。鹿目さんと同じ気持ちだから。」
俊「僕も、もう一度さなちゃんに会って全てを話します。そして今度こそ、さなちゃんを助けたい!」
健太「ありがとう3人共。よしそれじゃa「待って」やちよさん?」
やちよ「それでも不安は残るわ。もしアイのところに二葉さながいるならその証拠が欲しいわ。」
壮介「確かに、映像とかそんなものがない以上は迂闊に信用出来ねぇ。」
健太「そうだな、分かった。」
そうして健太はアイに二葉さながいるという証拠を提示するように言う。するとアイは返事を返し、映像が送られてきた。
健太「これが、さなの映像・・・。」
健太は映像を再生し、閲覧する。その映像はアイとさなの出会いから始まっていた。そして一連の映像を全て見終えた健太は二葉さなという少女を自分と合わせて考えた。
健太「(・・・火災で親を失ってから俺は、ただ孤独に感じていた。中学生になってからもそれは変わらなかったが、神浜市に帰ってきてから、いろはややちよさんといった仲間達と出会えた事で、心の底から喜べるようになった。)」
そうして健太は拳を握って覚悟を決めた。
健太「やちよさん、俺は電波塔から飛び降りますよ。」
いろは「私も飛び降ります。今度はアイさんの代わりに私達がさなちゃんを必要としてあげたいんです。」
やちよ「こうなったら頑固モードね?分かったわ、なら電波塔の最上階までもう一度行きましょうか。」
そうして全員で電波塔の最上階へ向かった。最上階へ着くと昼間の時とは違い、ビルの灯りなどが輝いていた。
鶴乃「わっは・・・立ってみると凄く高いね。」
フェリシア「ぬわぅ!下から風が!」
俊「・・・・・・ごく・・・・・・。」
健太「大丈夫か俊?」
俊「はい、大丈夫・・・です・・・。」
壮介「俊、もしかして高所恐怖症か?」
俊「高所恐怖症、ではないですが・・・この高さだと流石に怖いですよ・・・。」
壮介「確かに、この高さじゃあな・・・。」
健太「確かに怖いのは怖い。だが、もう腹は括ったからな。いろははどうだ?」
いろは「私も覚悟は決まりましたんで大丈夫です。」
健太「ふっ、まどかとほむらも大丈夫か?」
ほむら「私も、怖いです・・・。見滝原で魔女と戦った時も足が竦んじゃって・・・」
まどか「ほむらちゃん、無理はだめだよ?」
ほむら「うん、鹿目さんとなら平気だよ。」
まどか「よかった、私もほむらちゃんと一緒なら大丈夫!」
健太「二人も大丈夫そうだな。」
そう言って健太は膝を付いて地上を見下ろす。地上では人々が歩いており、車も走っていた。
健太「・・・この街は、噂が現実になる。最初こそ俺も信じられなかったがこうやって見ていると本当に電波少女のウワサがいるんだと実感できる。」
壮介「ああ・・・だが、俺も腹は括ってる。マミさんを見つけ出してさなちゃんを助け出そう!」
健太「ああ。」
やちよ「みんな覚悟は決まったようね。」
いろは「あっ、待って下さい。アイさんから・・・えっ!?」
やちよ「どうしたの環さん。」
いろは「アイさんからのメッセージで・・・・・・」
いろははアイから来たメッセージを皆に見せる。メッセージにはこう記されていた。
「マギウスの翼が現れました。」
健太「マギウスの翼が現れただと・・・!?」
壮介「こんな時にマジで空気読めねぇなあいつら!」
やちよ「彼女達にとっても守るべきウワサなのね・・・。」
いろは「でも、行ける人数が限られてるって事は・・・」
健太「・・・・・・俺、壮介、俊、いろはちゃん、やちよさん、鶴乃さん、フェリシア、まどか、そしてほむらの9人か。」
いろは「やちよさん、私に行かせてくれませんか?もしマギウスの翼がいるならういの話も聞けるかもしれません。」
やちよ「・・・分かったわ、なら・・・高坂君と環さん、そして俊君と鹿目さんと暁美さんね。」
健太「分かりました、よし・・・皆行くぞ!」
4人「「「「はいっ!」」」」
健太「ん?おいおい、アイさんは俺達の声が聞こえてるんだな。」
壮介「アイさんは何て言ってる?」
健太「壮介達は「神浜セントラルタワー」に移動してくれってさ。」
壮介「了解!」
いろは「じゃあ健太さん、俊君、まどかちゃん、ほむらちゃん行こう、せーのっ!」
ほむら「やぁっ!」
まどか「それっ!」
俊「はぁっ!」
健太「おっしゃあっ!!」
5人は一斉にジャンプし飛び降りる。そして電波少女のウワサの結界内に入り着地する。
健太「これが電波少女のウワサか・・・。まともに見るのは初めてだな。」
俊「これが、ウワサの結界・・・!この中に、さなちゃんが・・・?」
まどか「噂って凄いね・・・本当にこんなことが現実になっちゃうなんて。」
ほむら「うん、信じられない・・・。環さんは今までもこんな経験たくさんしてきたんですか?」
いろは「そうなんだけど、ここまで不思議な空間ははじめて・・・」
健太「っ!?」
まどか「きゃっ!」
ほむら「な、何これ・・・!?」
すると突如ウワサの空間が変わり、まるで侵入者が現れたかのような景色に変わる。
俊「もしかして僕達、敵だと認識されてるんですか!?」
いろは「どういう事・・・もしかしてアイさんは、私達を罠に・・・!?」
健太「ちぃっ!考えてる暇は無いみたいだ!使い魔が来やがった!!」
「皆止めて、その人達は私が招待しました。」
使い魔達は健太達を敵と見なし、健太達が臨戦態勢を取り、攻撃しようとすると機械が混じる声が使い魔達を制止させる。健太達が声のした方を見るとそこには緑髪の白いドレスを身に纏う女性がいた。
健太「っ!もしかして、あんたが・・・」
「初めまして高坂健太さん、環いろはさん。私が電波少女のウワサ「アイ」です。」
その女性こそ、二葉さなを監禁したウワサ「電波少女のウワサ」のアイが健太達の前に姿を現した。