魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第10話

健太「あんたが、アイさん・・・!」

 

アイ「初めまして高坂健太さん、環いろはさん。私が電波少女のウワサ「アイ」です。そして彼女が・・・」

 

「アイちゃん、この人達・・・誰?」

 

健太達がウワサの結界内に飛び込み、使い魔達に囲まれる中ウワサの主である「アイ」が姿を現わした。そして背後に一人の少女がいた。それを見た俊は目を見開いた。

 

俊「っ!さな・・・ちゃん・・・」

 

さな「へっ・・・俊君・・・?」

 

俊「あぁ、やっぱりそうだ・・・!本物のさなちゃんだ・・・!!」

 

さな「俊君・・・私が、見えるの・・・?あ、魔法少年になったから・・・」

 

俊「あぁ見える!しっかり見えるよさなちゃん!!よかった・・・無事で、本当に・・・!」

 

さな「俊君、どうして泣いてるの・・・?」

 

俊「僕はずっと・・・ずっとさなちゃんに謝りたかったんだ・・・!」

 

さな「謝りたい?」

 

俊「あの時、僕はさなちゃんの家庭の事情を知って、何としてでもさなちゃんを助けたかった・・・!でも、僕のお父さんが死んで必死に集めた情報も全て無くなって・・・!結局さなちゃんは家でも学校でも居場所が無くなって・・・!ごめん・・・!本当にぃ・・・!!」

 

さな「俊・・・君・・・」

 

健太「二葉さん、初めまして。俺は高坂健太だ。」

 

さな「あ、初めまして・・・えっと、皆はマギウスの翼?」

 

いろは「ううん、違うよ。私達は普通の魔法少年少女。私達はね、さなちゃんを迎えに来たんだ。」

 

健太「そうだ、俊とはその過程で一緒になった。俊は必死にあんたを探し回っていてな。理由を聞いたら、今俊が言ってた通りの事を話してくれた。」

 

さな「えっ・・・私を、迎えに・・・」

 

俊「うん、そうだよさなちゃん・・・!アイさんがコンタクトを取ってくれたんだ。」

 

アイ「はい、そうです。・・・さな、もうこの関係を終わりにしましょう。やっとあなたを見つけてくれる人がきました。」

 

さな「アイちゃん・・・?何、言ってるの・・・?私がいなくなっていいって事?」

 

アイ「・・・・・・最近、ずっと考えていました。私はウワサであるが故に作られた存在で、いつかは消える人口知能であるという事・・・。ずっとさなと一緒にいる事はできない・・・そう考えていました。なので、さなは私のようなウワサとではなく人と一緒にいるべきなのです。」

 

さな「どうして、そんな事を言うの・・・?私、ずっと仲良く一緒に過ごせてたよね・・・。私の事嫌いになったの・・・?」

 

アイ「いえ、私もさなは大好きですよ。ですが私からすれば、さなにはもっと人と関わってほしいんです。さなが私に色んな事を教えてくれたようにね。」

 

さな「アイちゃん・・・。」

 

アイ「それに、さながここにいる間、染谷俊さんはあなたを見つけるために色んな事をしていました。そうですよね、染谷さん。」

 

さな「えっ・・・?」

 

俊「・・・・・・さなちゃんがいなくなってから僕は、必死に色んな事をしたんだ。まず、さなちゃんを見つけるために色んな場所を巡ったんだ。治安の悪い場所にだって足を踏み入れた事もあったよ・・・ははっ。」

 

健太「俊・・・」

 

俊「もちろんさなちゃんを見つけようとしても一筋縄じゃあいかなかった。道中で不良に絡まれて殴られたりもしたし・・・でも、僕は君を見つけるためには絶対に折れないって決めてたからこうして、君を見つけられた・・・。」

 

さな「俊君・・・」

 

俊「僕は一度君を手放してしまったけど、僕にもう一度チャンスがあるなら・・・今度こそ僕は絶対に君を手放さない!君の家庭を知ってるからこそ、もうあんな悲劇は起こさせない!だから・・・こんな場所で言っていいのか分からないけど・・・!僕と、お付き合いして下さい!!」

 

そうして俊は胸の内に秘めていた想いを全てさらけ出しさなに告白した。

 

さな「・・・私なんかでいいの・・・?」

 

俊「・・・さな、ちゃん・・・?」

 

さな「俊君の気持ちは嬉しいけど・・・私なんか、何やってもダメダメで、俊君に迷惑かけちゃいそうd「関係ない。」えっ?」

 

俊「僕は最初から、さなちゃんの事を迷惑なんて思った事はないし、寧ろ僕からすれば君がいてくれるだけで充分なんだよ。それに、君はダメダメなんかじゃないよ。」

 

さな「・・・・・・」

 

俊「人間最初は誰だってダメダメなんだし、学ぼうとしてもすぐに頭に叩き込めるわけじゃあない。座学の知識を取り込める速さが速い人もいれば遅い人だっている。それに僕も運動とか頭は良い方じゃないんだ。あははっ・・・。」

 

さな「俊君・・・」

 

俊「それでも、例えダメダメでも僕はさなちゃんを支えるよ。誰がなんと言おうと、僕は君に一目惚れした、たった一人のこの世に生きてる「二葉さな」ちゃんなんだから。」

 

さな「っ!・・・・・・」

 

俊「・・・・・・さなちゃんは、他にも何か悩んでる事があるんだよね?多分、マギウスの翼関係かな。」

 

さな「俊君、そこまで・・・・・うん。」

 

俊「やっぱり・・・」

 

いろは「さなちゃん、私達と一緒に行こう。私はさなちゃん程の孤独感は味わった事はないけどクラスで疎外感を感じていた事はあったの。でも最近、健太さんや色んな仲間が出来たおかげでそんなのがウソだって思えるくらい自然に過ごせるようになったんだ。」

 

健太「俺もクラスじゃあ色んな意味で浮いてた事があったんだが、魔法少年になってから仲間が出来たんだ。だから二葉さんも上手くやっていけるはずさ。」

 

俊「さなちゃんが受けた苦しみやトラウマはずっと消えないことは分かってる。だからこそ僕達がさなちゃんの癒やしにもなるし、僕達がさなちゃんを助ける。僕は絶対にウソはつかない。」

 

さな「皆・・・」

 

健太「それに、俺達は今マギウスの翼を探っていてな。少しでも戦力が欲しいんだ。だから、俺達と一緒に来てくれないか?魔法少年少女、そして友達としてな。」

 

さな「・・・でも、私がいなくなったらアイちゃんは・・・」

 

アイ「はい、誰もいなくなればウワサとして暴走するでしょう。だから、私を消してください。そうすればさなにとってもいいしマギウスにも痛手になるはずです。」

 

「そんな事をされたら、アリナ的にもバッドなんですケド。」

 

「全くだぜ。まさかウワサがそんな事言い出すなんてなぁ。」

 

全員「っ!?」

 

すると健太達の背後から二人の魔法少年少女が現れる。その際健太は現れた魔法少年を見て驚いた。それは最初に神浜市で出会した「中川久之」が姿を見せたからであった。

 

健太「っ・・・てめぇは・・・!」

 

久之「あんとき以来だなぁ高坂健太ぁ!ずっとてめぇを殺したくてうずうずしてたんだぁ!」

 

健太「ちぃ、やっぱりてめぇもマギウスだったか・・・!」

 

そうして健太達と相対するマギウスの魔法少年少女「アリナ・グレイ」と「中川久之」は健太達に対し、嘲笑うような笑みを、特に久之は健太に対し殺意が籠もる薄ら笑いを浮かべていた。


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