第1話
翌日、目を覚ますと俺の左右で寝てるはずの壮介と俊はいなくなっていた。布団はきれいに畳まれており、恐らく食堂で既に朝食をとっているかも知れない。
健太「....由美、うい....。」
俺は夢の中で真田幸村さんとの会話を思い出す。
健太「....まずはういちゃんの事を聞くか。」
俺はそう思いながら食堂へ足を運ぶ。食堂に入るとそこには誰もおらず机に置き手紙が4枚おかれていた。
健太「ひとつ目は....、壮介か。」
手紙にはこうかかれていた。
「健太へ 少し織莉子とキリカから急用が入って風見野に帰る。夕方にはそっちに戻る。」
健太「.....まぁいいか。んで2つ目は...、いろはの字だな。」
いろはが書いた手紙にはこうかかれていた。
「健太さんへ 私と鶴乃ちゃんとフェリシアちゃんは学園祭の打ち合わせで少し遅れますけど夕方にはみかづき荘に戻ります。」
健太「....学園祭、か。そういや見滝原中学はもう学園祭の季節だもんな。あいつとダンスしたのが懐かしいぜ....。ほんで、3つ目は、やちよさんだな。」
やちよさんが書いた手紙にはこうかかれていた。
「健太君へ 大学のミーティングで時間がかかるわ。夕方には戻るから良い子にしててちょうだいね。」
健太「....あんたはお母さんかよ。まぁなんか懐かしい響きだが....。最後は....俊か。」
俊が書いた手紙にはこうかかれていた。
「健太さんへ 僕とさなちゃんは体育大会当日のため、かなり時間かかります。夕方には戻りますのでよろしくお願いします。」
健太「もう体育大会か....、あっという間なんだな。」
俺は全ての手紙を読んで、理解したのが今みかづき荘にいるのは俺一人、つまり夕方までは俺が守らないといけない。
健太「....今いるのは、俺一人か。なら俺が代理で防衛しないとな。....ん?もう昼か。暇だしどこかで昼飯済ますか。」
俺はどこかに旨そうな店がないか探すために外に出る。
ーー1時間後ーー
健太「........」
黒羽根「........」
あの後俺は店を探すために外をぶらぶら歩いていると、黒羽根達に囲まれ裏路地へ連行された。
黒羽根「マギウスのため、ここで倒させて貰うぞ。」
健太「......倒せるもんなら倒してみろや。今俺は腹が減って無性に機嫌が悪いんだよ。運が悪かったんだよ、てめえらは。」
黒羽根「こ、小癪な!やってやる!!」
戦闘BGM「lsolated fight ~龍が如く5より~」
高坂健太VS黒羽根10人
俺は槍を巧みに使いこなし、左右からの連激で奴らを倒す。はっきり言って10人は少なすぎる。腹も減ってるため早々に終わらせる。
健太「腹減ってんだ。押しとおらせて貰うぜ!」
黒羽根達「うわぁ~!!」
俺は槍を横に持ち、一気に5人をタックルして吹き飛ばす。
健太「.....さて、行くか。」
俺はこの場を後にし、店を探す。
ーー1時間後ーー
あの後、黒羽根を倒して、近くにあった牛丼屋で昼食をとってみかづき荘に帰ってきた。今はやちよさん達が帰ってくるまでテレビをみていた。
健太「ハハハ!こいつら面白すぎだろwww」
すると玄関が開く音がした。....にしては早いな、いったい誰だ?
健太「ん?おかえr.....!?」
みふゆ「ただいま、健太さん。」
そう、帰ってきたのはみふゆだった。あの時ヘリポートタワーでおっちゃんが久之と戦ってた際に久之を止めていた人だった。
みふゆ「私も一緒に皆さんを待たせてもらって良いですか?」
健太「は、はぁ....、別に良いですが....。(な、嘘だろ!?おいおいまさかいきなりマギウスの幹部らしき奴に出くわしちゃったよ!しかも家でだぞ!?この人やちよさんと面識あった事あるからやちよさんがいれば何とかなったかも知れねぇのによぉ.....!!)」
こうして俺はやちよさんが帰ってくるまでみふゆさんとしばらく一緒になってしまう....。
健太「.......」
みふゆ「.........」ニコニコ(^^)(^^)
健太「......(やべぇ、めっちゃ気まずい....!!やちよさ~ん、早く帰って来てくれぇ~!!)」
俺は特に喋ることがないので俯いていた。時々顔を上げると俺の顔を見るや否やニコニコ見合わせてきた。ってかこんな人がマギウスにいるなんて聞いてないぞ!しかもわざわざ敵の陣地に自ら足を突っ込んでるようなもんだ!この人は恐怖心がないのかよ!?
健太「...あ、すいません、お茶煎れてきます!」
みふゆ「別に気を使わなくても構いませんよ?それにお茶でしたら自分で煎れてきますから。」ニコニコ
健太「え?いや、お客さんにそんな....。」
みふゆ「7年も通い続けた家ですからワタシの方が勝手は知っていると思います。」ニコニコ
健太「わ、分かりました.....。(何なんだこの人は!?全くもって意図が分からん.....。)」
俺は渋々台所の方へ移動する。みふゆさんはお茶の種類を選び始めた。
みふゆ「う~ん、これにしようかなぁ~...。」
健太「ん?あ、それは多分やちよさんが気に入ってるお茶何で勝手に飲むのはまずいんじゃあ....?」
みふゆ「ふふ、健太君は心配性ですね、私が飲んだと言えばお咎めは来ませんよ。あ、マグカップはどこでしょうか?」ニコニコ
健太「あ、あそこっす。やちよさんからは勝手に触るなって言われてるんで。」
みふゆ「一つのマグカップはワタシのなんですよ。」
健太「え?」
みふゆ「5つだけ奥に仕舞われてるでしょ?その一つが私のなんですよ。」
俺は言われるがままに奥を覗く。すると確かに5つ奥にマグカップが仕舞われていた。そしてあることに気づく。
健太「ん?やちよさんって時々食器を纏めて漂白するんですがみふゆさんのマグカップは見たことないっすね...。」
みふゆ「そうですか、やっちゃんらしい愛情表現です。」
俺はみふゆさんがそう言った瞬間、どこか寂しげな表情をしているように見えた。
健太「もしかしたらみふゆさんのだから触らせないように仕舞われていたのかも知れないっすね。」
みふゆ「ふふ、ですかね?さて、お茶を煎れてやっちゃんの帰りを待ちましょう。」
健太「ええ、そうしましょう。(5つあるうちの一つがみふゆさんのなら残りの4つは誰の何だろうか....?まぁいいか。)」
俺は不思議な謎を残し、みふゆさんと一緒に食堂へ戻った。