魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:unknown505

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第8話

健太「・・・・・・それが、俺達を遠ざけようとしていた真実か・・・。」

 

やちよ「これで分かったでしょ・・・?私と一緒にいると、私の願いがあなた達を殺してしまう・・・。」

 

いろは「やちよの願いも、全て理解しました。ただ、まだ納得出来ないです・・・。」

 

健太「ああ・・・俺もまだ納得できない節はあるんだ。」

 

やちよ「お願い、納得して・・・!私の身にもなってよ・・・!」

 

健太「なら、なんであんたはあん時俺と壮介を「助けた」んだ?」

 

やちよ「っ!それは・・・」

 

健太「もし、あんたの願いが作用しているんなら、俺達は既に死んでなきゃおかしいんだ。だが、今現在ここに至るまで俺といろはを含め誰一人も死んじゃいない。まぁ今はうわさと戦ってるから何とも言えねぇが・・・。だが少なくとも今こうしてあんたの目の前で立ってるじゃないか、俺もいろはも。」

 

やちよ「・・・・・・最初は、ほんの手助けのつもりだったの。これも願いで生まれた性質なのか、私がただの寂しがり屋なのか分からないけど・・・一度気持ちを緩めると、どんどん昔の自分に戻ってあなた達を想う気持ちが強くなっていった・・・。」

 

健太・いろは「「・・・・・・」」

 

やちよ「私は、もうかなえやメルの様な末路を辿って欲しくない・・・。だから、お願い・・・チームを解散させて・・・。」

 

本心を全て語ったやちよはいろはと健太に懇願するように解散を要求する。それを聞いた2人はお互いに目を合わせ、頷く。

 

いろは「分かりました・・・!」

 

やちよ「・・・ごめんなさい・・・。」

 

いろは「なら私が、そんなやちよさんの想像をなかった事にしてみせます!」

 

やちよ「えっ・・・」

 

いろは「私達はやちよさんの仲間です!仲間の私達がやちよさんに変わって健太さんと魔女を倒します!」

 

やちよ「何言ってるの!?やめて!」

 

いろは「私は怒ってるんです!自分の想像で振り回してるやちよさんに怒ってるんですよ!!だから、想像を確信にするのは、私が死んでからにしてください!」

 

やちよ「っ!環さん!」

 

そう言っていろはは、単身でうわさの方へ向かい、健太はやちよの側に寄り添う。

 

健太「・・・・・・俺が思ってた事、全部いろはが喋ってくれた。」

 

やちよ「健太くん・・・」

 

健太「あんたがかなえさんとメルさんの死を悲しんだように俺もいろはもあんたが死ぬと悲しいんだ、たとえ遠ざけられたとしてもな。」

 

やちよ「・・・・・・」

 

健太「これは俺の勝手な推測だが、あの2人が死んだのは、あんたのせいでも願いのせいじゃない。あの2人は「己の意思」で死んだんだと思う。」

 

やちよ「己の、意思・・・?」

 

健太「ああ、かなえさんもメルさんも共に同じ目をしていた。それも、覚悟を持った凛々しい目だった。」

 

やちよ「・・・・・・」

 

健太「あの2人はあんたを守って死んだ事に、後悔はしていないと思う。それこそあんたが生きている理由・・・それは誰かを犠牲に生きてるわけじゃなく、あんたに先の道を「託した」んじゃないかって俺は思うんだ。」

 

やちよ「っ!」

 

健太「そう考えたら、話も繋がるだろ?かなえさんとメルさんが言った言葉の意味も。」

 

やちよ「・・・かなえ、メル・・・。」

 

健太「だから、2人の犠牲で・・・願いで無理矢理生きてるなんて思うな。あの2人が命を投げ捨ててまでやちよさんを守った意味が無くなっちまう。」

 

やちよ「健太・・・くん・・・」

 

健太「生きる事を諦めるな・・・生きろ。必死に生きて手にするんだ。かなえさんとメルさんが必死で、命を捨ててまで託した未来をな。」

 

やちよ「・・・・・・」

 

そう言って健太はやちよを隅に避難させていろはの援護へ向かう。

 

いろは「やっ!はぁっ!!」

 

健太「オラァっ!!」

 

2人はうわさにありったけの攻撃を食らわせるが、かなりの硬さを誇りダメージが通らない。

 

いろは「くぅっ!硬い!」

 

健太「うわさの主なだけあってバカみてぇに硬ぇ!これじゃジリ貧だ・・・!・・・っ!」

 

いろは「どうしたんですか?!」

 

健太「・・・・・・」

 

いろは「っ・・・?健太さん?」

 

健太「こいつ、出口から動けねぇんだよな?」

 

いろは「はい・・・。」

 

健太「・・・・・・俺、こいつの弱点分かったかもしれねぇ。」

 

いろは「えっ・・・。」

 

健太「こいつは、恐らく「過去の絶望の記憶」を糧にして生きているウワサだ。つまりこいつは、「過去」に固執して出口から動けねぇんだ。」 

 

いろは「じゃあ、その反対・・・このうわさの弱点は「未来へ進む」事・・・!」

 

健太「ああ・・・んでよ、どうやら俺の能力には未来へ導く能力があるらしい。もしかしたらいろはの能力と合体させればあいつを倒せるかもしれねぇ!」

 

いろは「っ!・・・やってみる価値はありますね!健太さん、コネクトしましょう!!」

 

健太「ああ!!」

 

弱点を見出した健太はいろはに自身の能力を伝え、いろはもそれに答える形で手を差し出し健太はいろはの手を繋ぐ。

 

BGM「君と綴る日記(チャレンジ)」

 

健太「これが、コネクト・・・!」

 

いろは「健太さんの力が伝わってくる・・・!」

 

健太「本気で行こうぜいろはちゃん!」

 

いろは「はいっ!」

 

2人はコネクトを発動した事で能力が大幅に上がり、健太は槍を振り回す速度やカウンター能力とパワーが上昇、いろははクロスボウの発射速度、そして回避速度が上昇し、善戦していたウワサをどんどん追い詰めていく。

 

健太「うわさの力が弱まった!どうやら未来へ進む事が弱点みたいだな!これで確信に変わったぜ!」

 

いろは「次でトドメをさせるかもしれません・・・!」

 

健太「よっしゃ!ならぶちのめそう!」

 

そうして、いろはがクロスボウで狙いを定めると背後に巨大な幻影のクロスボウが現れ、健太もいろはのとなりで同じ構えを取ると幻影のクロスボウに龍の形をした巨大な槍が装填される。

 

いろは「私達は、過去に囚われたりしない!」

 

健太「未来へ進む事は決して悪い事じゃねぇって事を、これで証明してやらぁ!!」

 

そして幻影のクロスボウから矢が発射され、矢は龍の形となり唸り声をあげてうわさへ突撃する。

 

健太・いろは「「いっけぇえええええ!!!」」

 

2人の連携技をモロに食らったうわさは身体が崩れ落ち、遂にうわさは消滅し2人の勝利となった。

 

健太「よっしゃあ!」

 

いろは「はぁ・・・はぁ・・・!やりました・・・!」

 

やちよ「あなた達・・・」

 

いろは「ほら、やちよさん・・・私達、死んでませんよ!」

 

健太「こうして、やちよさんがボロボロになっても地に足つけて立ってます!・・・うっ」

 

いろは「あっ・・・」

 

やちよ「っ!2人共・・・!」

 

2人はコネクトや連携技で魔力をかなり使いすぎ、健太といろは膝をつく。

 

やちよ「どうして、そんな無茶して・・・」

 

健太「どうしてって・・・んなもん、決まってるでしょ・・・。」

 

いろは「皆と、離れたくないから・・・。だから、やちよさん。」

 

健太「自分自身を、許してやってくれませんか?」

 

いろは「そしてやちよさん自身に、もう一度チャンスを与えてくれませんか?」

 

やちよ「チャンス・・・?」

 

健太「ああ、さっきも言ったけどかなえさんとメルさんが死んだのは願いのせいでも、やちよさんのせいでもない・・・。あんた自身を許してやってほしいんだ。」

 

やちよ「・・・それでも、私は・・・。」

 

いろは「・・・・・・なら、こうすれば良いんです!」

 

やちよ「今度は、なに・・・?」

 

いろは「これからは、私がみかづき荘のリーダーになります!」

 

やちよ「えっ・・・」

 

いろは「っ!ハハハッ!随分思い切ったないろはちゃん!」

 

いろは「こうでもしないと、やちよさんが自分自身を許してくれないと思いましたから。でも、これなら大丈夫ですよね?」

 

やちよ「あなたは、本当・・・す・・・ぐすっ・・・頑固なんだから・・・。」

 

いろは「アハハッ、ごめんなさい頑固で。」

 

やちよ「2人共、私もごめんなさい・・・。」

 

健太「気にせんでください。今度は一緒に皆を救って、皆で一緒にみかづき荘に帰りましょう。」

 

やちよ「えぇっ、ありがとう健太くん、いろは・・・。」

 

そうしてやちよはいろは、健太と和解し、より一層絆を深め帰路についた。

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