魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第3話

やちよ「それで、みふゆが記憶ミュージアムに来いって?」

 

健太「ああ、それで一晩考えたんだが....、その記憶ミュージアムって所に行く。」

 

鶴乃「そうだね、私達も戦うのが目的じゃないし、これは行かない理由はないね!」

 

壮介「だが.....、罠の可能性もあるが.....、奴等がマギウスの翼の連中を連れて来ないって言ってるかも知れないが、不意討ちで大量に出てきたらどうすんだよ?」

 

フェリシア「んなもんズガンと行ってドガンといきゃいーだろ!!にゃーっははは!!」

 

鶴乃「それに最強の魔法少女、由比鶴乃もいるからね!皆がいれば何とかなる!!あっははは!!」

 

やちよ「でも肝心の場所が分からないわ。」

 

健太「それをやちよさんに聞いてみたかったんだ!知らないかな?記憶ミュージアムって所。」

 

やちよ「.......知らないわね。神浜うわさファイルにも書いた覚えはないし.......。」

 

健太「そうなんすか........。」

 

やちよ「それじゃあ私は大学に行くわ。」

 

いろは「え?早くないですか?」

 

やちよ「今日から少し早くなるから一緒には通えなくなるわ。それに夜は撮影があるから先に食べててちょうだい。それじゃあ。」

 

やちよさんはそう言って大学に向かった。だが昨日の夕方から何か変わったというか.....。

 

鶴乃「やちよの様子、昨日から変わらないねー.....。」

 

健太「ええ、何かあったんすかね....?みふゆさんとサシで話しに行ってからですもんね。うわさの事ならいつも深く考えてくれてたんすけど.....。」

 

フェリシア「腹の調子悪いんじゃねーの?いつもより食べてなかったし。」

 

俊「確かに、今日はフェリシアさんがほとんど食べてましたよね。」

 

さな「お腹じゃなくて....、虫の居所が悪いのかも知れません.....。」

 

フェリシア「バッタとか?......あ?何の話してんだ?」

 

さな「え、えっと......、機嫌がわるいのかなって.....」

 

フェリシア「機嫌と虫.....?意味わかんねーぞ?」

 

壮介「機嫌が悪いのを丁寧語で表したのが虫の居所が悪いって言葉なんだ。だから意味は一緒だ。」

 

フェリシア「ほぇ~、壮介は物知りなんだな!すげぇよ!」

 

壮介「まぁ、国語は得意だったしな。」

 

健太「そんなことは言いとして、昨日出ていった時にみふゆさんに何か吹き込まれたかもしれんな。」

 

いろは「何か私達にも力になれたら良いんですけど....。」

 

鶴乃「二人で話す事何だから言いづらい事なんだよ。いろはちゃんと健太君もあるでしょ?」

 

健太「........(別に言っても良いかもしれんが.....、余計な誤解は生みたくない。それに今回のこの件、この人達を巻き込んだのは俺なんだ。だから自分の手で片付けないとな.....)」

 

いろは「うん.....多分....、鶴乃ちゃんは?」

 

鶴乃「......あは、ないかもねー!」

 

さな「あの、健太さん本当に行くんですか....?マギウスの翼ってアリナがいるところですよ.....?魔女を守って......、それに私達にあんなひどい事を.....。」

 

健太「......確かに、さなの言う通り本当ならあんな奴等は片っ端から潰していきゃ良い。けど、本格的な敵が見えないまま右往左往しながら考えもなしに倒していくのは余り好きじゃないんでな。だからこうしてみふゆさんに対話をするために講義を申し込んだ。」

 

さな「そうですか....、分かりました、私達は何が合っても健太さんを守ってみせます....!」

 

フェリシア「それじゃ、タイムリミットまでに調べとけよ!!」

 

フェリシアは俺にそう言って逃げようとして鶴乃姉さんに捕まる。

 

鶴乃「あ!フェリシア!やちよが行ったからってサボるのは良くないよ!」

 

フェリシア「えー!なんでだよー!?」

 

フェリシアと鶴乃姉さんはギャーギャー騒ぎ出す。それを壮介と俊とさなは止めようとするのを横目に俺はいろはに環ういについて聞いてみる。

 

健太「いろは、ひとつ聞いても良いか?」

 

いろは「はい、なんですか?」

 

健太「......環ういって知ってるか?」

 

いろは「え!?ういは私の妹なんです!知ってるんですか!?」

 

いろははういの話題になると急に食いついてくる。

 

健太「お、落ち着け、俺はあの子が何者かを聞きたいだけなんだ。」

 

いろは「え?何か知ってるんじゃないんですか?」

 

健太「......実は、神浜に来る大分前にこんな夢を見たんだ。どこかの病院の一室でピンクの髪の小さい女の子が遊んでいて、こっちに来てこう言っていた。運命を変えたいなら神浜に来てってな。」

 

いろは「.....それ、私が見た夢とほとんど同じです.....!うい.....、あなたは何がしたいの.....!?」

 

健太「ういちゃんはいろはにとってどういう存在なんだ?」

 

いろは「ういは私の妹なんです。私も元々は別の町にいて、健太さんが言った夢をみて、妹を探すために神浜に来たんです。」

 

健太「なるほど、行方不明って事か....。(マミといい、ういちゃんといい、神浜は一体どうなってんだ.....!?)」

 

俺は頭を捻らせながら考える。....が答えが出てこない。今は明日の事について考えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~やちよside~

 

私は昨日の事を思い出す。みふゆと外に出た時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー昨日 みかづき荘前ーー

 

やちよ「みふゆ、どこまで連れていくの?」

 

みふゆ「大丈夫ですよ、もうすぐ着きますよ。」

 

そう言って私はみふゆについていく。そしてその場所につくと一人の少年がいた。その少年は黒いロングコートを着ていて、黒の帽子をかぶっていた。本当に少年なの?

 

みふゆ「龍二君、連れてきたわ。」

 

龍二「ああ、ご苦労でしたみふゆさん。」

 

やちよ「.......」

 

龍二「ごほん!.....えー、はじめまして、こうして顔を合わせるのは初めてですね。七海やちよさん。」

 

やちよ「どうして私の名前を.....?」

 

龍二「名前はみふゆさんから色々と申し伺ってます。俺は(マギウス総司令会長 松井龍二)です。以後お見知りおきください。」

 

やちよ「総司令会長....?」

 

龍二「訳がわからないよ的な顔をされておられますね。まぁ、無理もない、会社で例えれば俺は社長のポジションについているんです。」

 

やちよ「つまり、貴方が全ての黒羽根や白羽根を束ねてるの....?」

 

龍二「ええ、ですが俺は就任したてで会長の役職という物が理解出来てないんです。」

 

やちよ「それはわかったわ、けどどうしてその上の立場にいる貴方がこんな所にいるのかしら?」

 

龍二「そうですね、では本題に入りましょう.....、警告です。」

 

やちよ「警告?」

 

龍二「ええ、貴方が一年前にみふゆさんと誓った約束を思い出してもらいたい.....、みふゆさんの話によれば、高坂健太達のマグカップを購入したそうですね?」

 

やちよ「ええ、購入したけど?それがなにか?」

 

龍二「.....やっぱり丁寧な言葉は好かん。やちよさん、悪いが荒々しい口調になる。あんたはみふゆさんの約束を忘れた訳じゃないよな?仲間を作れば....」

 

やちよ「仲間じゃないわ、協力関係を保っているの。」

 

龍二「ふん、どっちにしろ同じだ。ましてや高坂健太と一緒とはな....。」

 

やちよ「......あなた、健太君の知り合いなの?」

 

龍二「ああ、この際だから言ってやるよ、俺と健太はかつての盟友だ。今は違うがな。」

 

やちよ「.......」

 

龍二「俺と健太は共に見滝原中学で一緒に過ごしていた。俺はあいつを俺の存在を認めてくれる優しい人間だと思っていた。だが、ある雨の日、俺はあいつを巻き込みたくないと思って、公園に健太を呼んだ。そして俺と健太の意見が対立して喧嘩した。」

 

やちよ「.......それが健太君と切れた理由?」

 

龍二「いや、まだ先がある。その喧嘩の末に健太は俺にこう放った。(泣き虫)だとな。その瞬間から俺は仲間というのを信じられなくなった。あんたも昔みたいにつらい思いをしたくないなら奴等とは切ることを進める。」

 

やちよ「いいえ....、仲間でなければ....。」

 

龍二「はぁ....、あんたは優しすぎるんだよ。だからその優しさが仇となって二人の魔法少女を亡くしたんだろうが。」

 

やちよ「.....いいえ、もう昔みたいに失敗はしないわ....。」

 

龍二「......あんたはまた、同じ事を繰り返すぞ.....?」

 

やちよ「......警告は聞いたわ、他に用事が無いなら帰って頂戴。」

 

みふゆ「やっちゃん、最後にひとつ聞かせて下さい。マギウスに入りませんか?私達は正真正銘、利害関係での繋がりです....。」

 

やちよ「くどいわよ....、帰って.....!」

 

みふゆ「やっちゃん.....。」

 

龍二「みふゆさん、仕方がない。やちよさんはこう言ってるから今回は大人しくこっちが引き下がろう。」

 

みふゆ「.....」

 

龍二「.......これで本当に最後の質問だ。健太は、元気にしてるか?」

 

やちよ「......ええ、元気にしてるわ。」

 

龍二「.....ふ、そうか。そうでなければ俺の存在意義が無くなるからな.....。」

 

やちよ「.....」

 

龍二「それでは。」

 

みふゆと龍二は影に沈むように消えた。私は、もう、「雪野かなえ」や「安名メル」、そして「中川立明」みたいに仲間を死なせない....!


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