魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:unknown505

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第9話

記憶ミュージアムを出た3人は静かに歩きながら、帰路についていた。そうして帰路についている途中、やちよが口を開く。

 

やちよ「2人共、ちょっと寄り道していい?」

 

健太「寄り道っすか?大丈夫っすよ。」

 

いろは「はい、どこに行くんですか?」

 

やちよ「墓地よ、久しぶりに顔をみたくなったから。」

 

いろは「墓地・・・」

 

健太「・・・かなえさんとメルさんの墓参りっすね。・・・いろはちゃん?」

 

やちよが墓地に行くと言い出し健太といろはがそれに承諾したが、いろはがなぜか小刻みに震えていた。

 

やちよ「もしかして、怖いの?」

 

いろは「ソ、ソンナコト、ナイデスヨ?」

 

健太「めちゃくちゃカタコトじゃねぇか・・・。」

 

やちよ「夜の墓地は確かに怖いわね。でも、かなえとメルが眠ってる墓地は普通の墓地と違うのよ。」

 

いろは・健太「「そうなんですか?」」

 

やちよ「えぇっ、着いてみれば分かるわ。」

 

3人は歩いて供物等を買い、墓地へ向かう。そうしてその墓地に着くといろはと健太は目を見開いた。

 

いろは「わぁ・・・綺麗・・・。」

 

健太「おぉ・・・すげぇなこりゃ・・・」

 

2人が驚いた理由、それは墓地の至るところでホタルが光り輝いていた。

そして道がある場所に灯籠が設置されているがその灯籠がちょうどいい塩梅で道を照らしており、ホタルがより輝いていた。

 

やちよ「昔はみふゆと一緒に来てよく写真を撮ったりしてたの。みふゆは虫嫌いなんだけど、唯一このホタルだけは触れたのよ。」

 

いろは「へぇ・・・あっ、ホタルが・・・。」

 

健太「ん?止まったかと思ったらまた飛んだな。しかも滞空してる・・・。」

 

すると1匹のホタルがいろはの手に止まり、また再び飛び始める。しかしそのホタルはふわふわとその場で滞空し始める。

 

いろは「なにか、伝えたい事があるんでしょうか?」

 

「付いてきてほしいて言っているのではないでしょうか。」

 

いろは「きゃっ!?」

 

健太「うぉっ!?」

 

やちよ「あら住職さんこんばんは。」

 

3人の背後から話しかけてきたのはこの墓地を管理する住職だった。唐突に話しかけられた事でいろはと健太は驚くがやちよは顔見知りの為、驚かなかった。

 

住職「こんばんは七海さん。突然話しかけてすみませぬな。そちらの方々は七海さんのお知り合いですかな?」

 

やちよ「はい、私の友達なんです。」

 

健太「あぁ、すいません。高坂健太です・・・。」

 

いろは「環いろはです・・・びっくりしちゃってすいません・・・。」

 

住職「ふぉっふぉっふぉっ、気にしなくて大丈夫ですよ。七海さん、あなたは良いご友人に恵まれておりますな。」

 

やちよ「はい、本当に私は恵まれたと思っています。」

 

住職「そこのお二方からは悪しき気配が全く見えない・・・。それどころか貴方方の気が明るくみえる・・・。きっと、出会って短期間で色々な事を学んだのでしょう。」

 

やちよ「はい、私も彼女と彼に心を救われました。」

 

健太「(すげぇなこの住職・・・何者だ?)」

 

住職「なるほど、故にここのホタルにも歓迎されているのでしょう。いろはさんに止まったホタルは、道案内をしてくれる・・・付いていってあげてください。」

 

いろは「分かりました。」

 

住職がそう言っていろは達は滞空しているホタルに付いていく。そして滞空し終えたホタルはあるお墓に止まった。

 

健太「あっ、ホタルが止まった・・・。」

 

いろは「このお墓・・・かなえさんとメルさんの・・・。」

 

ホタルが止まった墓ともう一つの墓には「雪野家ノ墓」「安名家ノ墓」と刻まれた墓が立っていた。

 

健太「このホタル・・・まるで俺達が来るのを見越してたかのようだな・・・。」

 

住職「仏教には「輪廻転生」という言葉があります。亡くなってから「四十九日」である49日後に、次の生まれ変わり先が決まるとされています。」

 

やちよ「輪廻転生・・・」

 

住職「えぇっ、きっとこのホタルは七海さんの亡くなられたご友人の生まれ変わりであなたに会いたがっていたのでしょう。」

 

やちよ「かなえ・・・メル・・・」

 

そうして3人はかなえとメルの墓を清掃し、花や供物を供え手を合わせる。

 

健太「(かなえさん、メルさん、俺は不器用な人間だ。それでも・・・俺はこの人達を・・・新たな「家族」を守っていく。だから、これからも側で見守っててくれ。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

      「「・・・ありがとう・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「(今の声、もしかして・・・。・・・みかづき荘の皆は絶対に守りぬく・・・俺の新しい「家族」だから。)」

 

健太の耳元には感謝の声がうっすらと聞こえたが、健太は2人が過ごしたみかづき荘を守ると密かに決意を固めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やちよ「歩いて帰って来るとかなり時間がかかるわね。これじゃ明日の朝は起きられないわ・・・」

 

いろは「やちよさん、考える時間をくれてありがとうございます。」

 

やちよ「私も今回の事はちゃんと反省して、自分で区切りをつけたいと思ったから・・・。それに、一度冷静になってあの時の事を考えてみたの。」

 

記憶ミュージアムで健太に諭された事、そしてやちよはかなえとメルの言葉を思い出してやちよもまた、決意を固めていた。

 

やちよ「私は、かなえとメルの死を無駄にしない・・・。そのためにもこれまで失ったものを取り戻そうと決めたのよ。」

 

いろは「・・・私も、覚悟を決めたところです。」

 

やちよ「その覚悟、聞かせて貰っていい?」

 

健太「俺もいろはちゃんの覚悟を聞きたいと思ってたところだ。」

 

いろは「はい、マギウスの翼から皆を助け出します。私達3人だけになっちゃいましたけど・・・」

 

健太「へっ、まぁ皆助け出して元のみかづき荘に戻そうぜ。俺達なら出来るさ!」

 

いろは「はい!」

 

やちよ「そうね、今の私達ならできるわ。」

 

健太「へへっ・・・ん、明かり・・・?」

 

いろは「どうしたんですか?」

 

健太「いや、みかづき荘に明かりって付いてたか・・・?」

 

そう言って歩いているとみかづき荘に近づくにつれ、みかづき荘の部屋に明かりが付いていることに気づく。

 

やちよ「部屋を出るときに電気は消したはずよ・・・?」

 

健太「つまり、部屋の中に誰かいるって事か・・・!」

 

いろは「まさか・・・フェリシアちゃん達が・・・!?」

 

そう言って3人は玄関まで駆け寄り勢いよく扉を開ける。

 

いろは「フェリシアちゃん!さなちゃん!」

 

健太「鶴乃さん!壮介!俊!いるのか!?」

 

ももこ「ごめん、あたしでした・・・アハハッ・・・。」

 

みかづき荘にいたのはももこ一人で、それ以外の人物の影はなかった。

 

健太「なんだ姉貴かよ・・・。」

 

いろは「そんな・・・」

 

健太「いろはちゃん!?」

 

ももこ「えぇっいろはちゃん!?そんな崩れるような事!?」

 

健太「姉貴・・・」

 

ももこ「そりゃあたしはバッドタイミングのももこだけどさぁ・・・」

 

やちよ「ももこ・・・」

 

ももこ「あ、やちよさん・・・」

 

健太「(そうだ、やちよさんと姉貴同じチームだった・・・。)」

 

やちよ「どうしたの?勝手に上がり込むなんて・・・」

 

ももこ「そりゃ用事があるから上がり込んだんだ。合鍵の場所は定期的に変えといた方がいいよ。」

 

やちよ「余計なお世話よ・・・で、用事ってあの事よね・・・。」

 

ももこ「分かる、のか・・・?」

 

やちよ「えぇ・・・納得して貰えるかは分からない・・・。けど、あの時何を考えていたのか、あなたにも話さないといけない・・・。」

 

ももこ「どういう心境の変化なんだよ・・・。」

 

やちよ「健太くんといろはに体を張って説得されたからなのよ・・・」

 

ももこ「いろはちゃんと健太に!?」

 

いろは「あっ、はい・・・」

 

健太「なんだよ?そんなに以外か?」

 

ももこ「いや、まさかあたしの予想通りになってるなんてね。グッドタイミングだかバッドタイミングなんだか・・・。さて、なら本当の事、聞かせてくれよやちよさん。」

 

やちよ「えぇ・・・。」

 

そう言ってやちよはももこにこれまでの経緯を伝えながら、内側に秘めていた思いを語りももこは静かにその思いを聞いていた。

 

ももこ「・・・・・・」

 

やちよ「・・・だから私は、自分自身を疑うことをやめて最後のチャンスを自分に与えたの・・・。あなたにはどれほどの迷惑を掛けたか分からない・・・本当に、ごめんなさい。だからあなたから何をされても、全て受け入れるわ・・・」

 

ももこ「その言葉に、二言はないね?」

 

やちよ「えぇ・・・。」

 

ももこ「分かった、なら・・・」

 

いろは「ももこさん・・・!」

 

健太「おい姉貴・・・。」

 

やちよ「ぐっ・・・ももこ、そんな強く抱きしめないで・・・」

 

そう言うとももこはやちよに近づいて力強く抱きしめる。ももこは涙を流した。

 

ももこ「良かった・・・。本当はあたしらが何かしたんじゃないかって・・・そうじゃなかったら、本当に変わったかもしれないって、そう思ってたんだ・・・。けど、あんたの口からそれが聞けて本当に・・・本当に変わってなくて良かったぁ!」

 

やちよ「ももこ・・・本当に、ごめんね・・・。」

 

こうしてやちよはももこと和解し、いろはと健太は静かに微笑んでいた。

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